JPS6347810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は床置形空気調和機に係り、特に冷房暖
房のそれぞれの運転に応じて適切な吹出口位置を
設定することによつて被空調室内の温度分布を略
均一にすることができ、且つ冷房暖房切換え時の
室内フアンによる騒音を低減することのできる床
置形空気調和機に関するものである。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般にヒートポンプ式空気調和機において室内
ユニツトが床置タイプのものでは、第１図に示す
ごとく室内送風機にシロツコフアン３を用いるも
のと、第２図に示すごとくターボフアン６を用い
るものが知られている。

第１図に示す室内ユニツトでは、そのハウジン
グ１内上部に熱交換器２が設けられ、シロツコフ
アン３がその下方に設置されて熱交換器２へ向け
て風が吹き出されるように構成されている。従つ
て吹出口４はハウジング１の上端部に形成され、
吸込口５はハウジング１の下端部に形成されてい
る。この構成にあつては冷房運転の場合も暖房運
転の場合も吹出口４の位置は一定であり、ハウジ
ング１の上方から吹出されることになる。従つて
冷房運転の際には冷気が上吹出しとなつて頂度都
合がよいのであるが、暖房運転の際には暖気が上
吹出しとなるため被空調室の上層部に暖気が滞留
し、逆に下層部には冷気が滞留してしまうのを助
長する構造と言うことができる。またシロツコフ
アン３は、フアンケーシングが大きいためハウジ
ング１自体の厚さが厚くなる欠点をも有するもの
である。

第２図に示す室内ユニツトでは、そのハウジン
グ１内中央部に前面に臨んで熱交換器２が設けら
れ、その後方にターボフアン６が設置されてい
る。吸込口５はハウジング１の前面に形成され、
吹出口４，７はハウジング１の上・下両端部に形
成されている。ハウジング１内には熱交換器２及
びターボフアン６を含んで吸込口５から吹出口
４，７に連通する空気流路８が形成されており、
この空気流路８内に沿つて上・下の吹出口４，７
から熱交換された空気が吹出されるように構成さ
れている。しかし下の吹出口７に通ずる空気流路
８内にはジヤマ板９が固定して設けられており、
吹出風量の半分以上は上の吹出口４から吹出され
るように構成されているため、第１図に示す従来
例と略同様の問題点を有するものであつた。また
ターボフアン６を備えた室内ユニツトにあつて
は、熱交換器２の面積が大きくなるという欠点を
有するものであつた。

〔考案の目的〕

本考案は上述のごとき問題点に鑑み、これらを
有効に解決すべく創案されたものである。

本考案の目的は、冷房・暖房のそれぞれの運転
に応じて適切な吹出口位置を設定することによつ
て被空調室内の温度分布を略均一にすることがで
き、且つ冷暖房切換え時の室内フアンによる騒音
を低減することのできる床置形空気調和機を提供
することにある。

〔考案の概要〕

本考案は、冷暖房運転を兼用する床置形空気調
和機において、この空気調和機のハウジングの上
端部及び下端部に吹出口を設け、暖房運転時に運
転される下吹出用室内フアンと冷房運転時に運転
される上吹出用室内フアンを前記上下吹出口に接
続される空気流路内にそれぞれ配設し、暖房運転
時に前記上吹出口を閉成する上部ダンパと冷房運
転時に前記下吹出口を閉成する下部ダンパとを前
記上下吹出口とそれに対向する室内フアンとの間
の空気流路内に設けると共に、前記上部及び下部
ダンパの閉成動作が終了してから前記室内フアン
を始動するよう制御する制御手段を具備したこと
によつて上記目的を達成するものである。

〔考案の実施例〕

以下に本考案の好適一実施例について添付図面
に従つて説明する。

第３図は本考案に係る床置形空気調和機として
ヒートポンプ式空気調和機の室内ユニツトを示す
ものである。

ハウジング１０の前面の上・下両端部にはそれ
ぞれ上部吹出口１１、下部吹出口１２が設けられ
これらの間の前面中央部には吸込口１３が設けら
れている。

ハウジング１０内には吸込口１３に臨んで熱交
換器１４が設置され、その後方からそれぞれの吹
出口１１，１２へ連通する空気流路１５が形成さ
れている。

空気流路１５内には、熱交換器１４の上端部後
方及び下端部後方にそれぞれ上吹出用横流フアン
１６と下吹出用横流フアン１７とが設けられてい
る。また、それぞれの横流フアン１６，１７とそ
れぞれの吹出口１１，１２との間には空気流路１
５を開閉する上部ダンパ１８、下部ダンパ１９が
設けられている。

それぞれの横流フアン１６，１７とそれぞれの
ダンパ１８，１９は互いに連動すべく冷暖房切換
制御回路２０によつて制御されている。

この冷暖房切換制御回路２０は冷暖房切換スイ
ツチ２１とこれに接続されるフアンモータ遅延回
路２２とから構成され、フアンモータ遅延回路２
２は、それぞれの横流フアン１６，１７のフアン
モータ（図示せず）へ駆動信号を発信し、又ダン
パ切換を行なうダンパ切換駆動手段２３にも接続
され発信受信を行なう。

次に上記構成に基づく作用を説明する。

まず冷暖房切換スイツチ２１により、冷暖房い
づれかの運転をスタートさせる。

冷房運転時は上吹出用横流フアン１６が運転
し、下吹出用横流フアン１７が停止すると共に上
部ダンパ１８が開き、下部ダンパ１９が閉じて冷
気が上の吹出口１１から吹出される。また暖房運
転時には下吹出用横流フアン１７が運転し、上吹
出用横流フアン１６が停止すると共に、下部ダン
パ１９が開き、上部ダンパ１８が閉じて暖気が下
の吹出口１２から吹出される。

従つて被空調室の下層部も十分に暖められ、略
均一な温度分布が得られる。因に従来タイプでは
被空調室の上層部と下層部との温度差が３〜５℃
であつたが本実施例では０〜２℃である。

また、横流フアンを採用することにより薄形化
が可能となり、高さも低くすることができる。

なお、それぞれのダンパ１８，１９の切換えタ
イミングと横流フアン１６，１７の切換えタイミ
ングにおいて、各ダンパ１８，１９が切換えられ
る前に横流フアン１６，１７が先に切換えられる
とフアン１６，１７の回転数が上昇し、騒音が大
きくなる。

そこで、フアンモータ遅延回路２２は冷暖房切
換スイツチ２１からの入力に対して最初にダンパ
切換駆動手段２３を作動させ、それぞれのダンパ
１８，１９の作動、終了信号をダンパ駆動手段２
３から受け、その信号を得て初めてフアンモータ
を作動させる。

このような制御を行なえば、各ダンパ１８，１
９が切換えられる前に横流フアン１６，１７が作
動することはなく、騒音を低減することもない。

〔考案の効果〕

以上の説明より明らかなように、本考案によれ
ば次のごとき優れた効果が発揮される。

(1) 冷房・暖房のそれぞれの運転に応じて適切な
吹出口位置を設定することができ、被空調室内
の温度分布を略均一にすることができる。

(2) 空調機自体を薄形化・小形化することができ
る。

(3) 冷房・暖房切換え時の室内フアンの回転数上
昇による騒音を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の床置形空気調和機を示す概略構
成図、第２図は従来の他の床置形空気調和機を示
す概略構成図、第３図は本考案に係る床置形空気
調和機の一実施例を示す概略構成図である。 １０……ハウジング、１１……上部吹出口、１
２……下部吹出口、１５……空気流路、１６……
上吹出用横流フアン、１７……下吹出用横流フア
ン、１８……上部ダンパ、１９……下部ダンパ、
２０……冷暖房切換制御回路、２１……冷暖房切
換スイツチ、２２……フアンモータ遅延回路、２
３……ダンパ切換駆動手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷暖房運転を兼用する床置形空気調和機におい
   て、この空気調和機のハウジングの上端部及び下
   端部に吹出口を設け、暖房運転時に運転される下
   吹出用室内フアンと冷房運転時に運転される上吹
   出用室内フアンとを前記上下吹出口に接続される
   空気流路内にそれぞれ配設し、暖房運転時に前記
   上吹出口を閉成する上部ダンパと冷房運転時に前
   記下吹出口を閉成する下部ダンパとを前記上下吹
   出口とそれに対向する室内フアンとの間の空気流
   路内に設けると共に、前記上部及び下部ダンパの
   閉成動作が終了してから前記室内フアンを始動す
   るよう制御する制御手段を具備したことを特徴と
   する床置形空気調和機。