JPS6347663Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンクリートポツパー内のコンクリー
トを吸入吐出するコンクリートポンプにおけるコ
ンクリートシリンダ内のコンクリートピストンの
シール部に潤滑剤を自動的に供給するようにした
コンクリートポンプのコンクリートピストンの潤
滑装置に関するものである。

〔従来技術〕

コンクリートポンプは、第１図に概略を示す如
く、２本のコンクリートシリンダ１と、該シリン
ダ１に洗浄室３を介して一体に連結した２本の油
圧シリンダ２と、上記コンクリートシリンダ１内
に収納したコンクリートピストン４と、該コンク
リートピストン４にロツド６を介して連結し油圧
シリンダ２内に収納したピストン５からなり、上
記２本のコンクリートシリンダ１の先端をコンク
リートホツパー側の２つの吸入吐出口に接続し、
２本の油圧シリンダ２内のピストン５を交互に往
復動させることによつてコンクリートピストン４
を交互に往復動させ、一方のコンクリートシリン
ダ１がコンクリートの吸入側のとき他方のコンク
リートシリンダ１はコンクリートの吐出側となる
ようにしてある。７は密封回路、８は切換弁であ
る。

上記コンクリートシリンダ１とコンクリートピ
ストン４との摺動部分には、従来から種々の工夫
がなされてコンクリートピストン４及びコンクリ
ートシリンダ１の損耗を防止する試みがなされて
いる。その一例を第２図で示すと、コンクリート
シリンダ１のヘツド側あるいはロツド側のストロ
ークエンドの個所に、シリンダ壁を貫通する孔９
を設け、該孔９とグリースポンプ１０とを配管１
１を介し接続し、コンクリートピストン４が孔９
の位置に来たとき孔９を通してコンクリートピス
トン４の外周面にグリースを供給し潤滑するよう
にしている。

しかし、上記従来の潤滑方式では、グリースポ
ンプ１０と孔９とをつなぐ配管１１が長いことと
グリースの圧縮性とから、グリース供給のタイミ
ングが難しく、コンクリートピストン４外周面へ
の供給時に必ずしも供給されない場合が生じて確
実性がないこと、コンクリートシリンダ１内をコ
ンクリートピストン４が摺動するとき、該ピスト
ン４外周面に供給されたグリースが孔９から流出
して来ることがあること、更にコンクリートピス
トン４のストロークエンドの位置に合わせて、コ
ンクリートシリンダ１に穴９を設けてグリースを
供給しているが、コンクリートピストン４のスト
ロークエンドが可変である様な場合には穴９では
対応に無理があること、更にコンクリートピスト
ン４が穴９を通過するので痛むこと、等の欠点が
ある。

〔考案の目的〕

本考案は、コンクリートピストンがストローク
エンドに達するとき潤滑剤のポンプからコンクリ
ートピストンの内部を通して外周面に潤滑剤が供
給されるようにして上述した従来方式の欠点を解
消することを目的とする。

〔考案の構成〕

本考案のコンクリートピストンの潤滑装置は、
上記目的達成のため、コンクリートピストンの内
部から外周面に通じる孔を少なくともコンクリー
トピストンに設け、一方、シリンダ側には、潤滑
剤通路を有するスプールが後退させられると潤滑
剤を上記スプール先端から放出させるようにした
潤滑剤ポンプを設け、該潤滑剤ポンプから放出さ
れる潤滑剤が、上記コンクリートピストンに設け
た孔に直接又は間接に送入されてコンクリートピ
ストン外表面に供給され、コンクリートシリンダ
内壁との摺動部分を自動的に潤滑するようにす
る。これによりコンクリートピストンとコンクリ
ートシリンダの摺動部分が確実に潤滑されて該コ
ンクリートピストン及びコンクリートシリンダの
寿命を大幅に延長させることができる。

〔実施例〕

第３図は本考案のコンクリートピストンの潤滑
装置の一例を示すもので、コンクリートピストン
４のロツド側の面の適宜個所と外周面とを連通さ
せる潤滑油流路１２を設け、該流路１２の途中
に、コンクリートピストン４の外周面から側面方
向へは潤滑油１４が逆流しないように逆止弁１３
を内蔵させ、且つピストン側面への流路１２の開
口部に、後述する潤滑油ポンプとの接続部１５を
突設する。一方、洗浄室３内には、上記コンクリ
ートピストン４が後退して来たときに接続部１５
と合致する個所に潤滑油ポンプ１６を固定設置す
る。上記潤滑油ポンプ１６は、第４図に詳細を示
す如く、ポンプ本体１７の内部に、軸心部に逆止
弁２２内蔵の潤滑油通路１９を貫通させているス
プール１８を、軸心方向に移動自在に先端側より
挿入し、該スプール１８の先端側外周に取り付け
たストツパー２０がポンプ本体１７の先端側の蓋
２１に係止することによつて技け止めされるよう
にすると共に、上記ストツパー２０の後面とポン
プ本体１７の内面との間にスプリング２３を介装
させ、常時スプリング２３の弾力によりスプール
１８が前方（コンクリートピストン側）へ突出さ
せられているようにする。スプール１８がスプリ
ング２３により前方へ押されているときの該スプ
ール１８の後方には、該スプール１８が所要スト
ローク後退できるだけの密封室２４を形成し、該
密封室２４と潤滑油タンク２５とを配管２６を介
して接続し、且つ該配管２６と上記密封室２４と
を接続させるためポンプ本体１７に設けた流路２
７に、密封室２４に入つた潤滑油がタンク２５の
方へは逆流しないようにするための逆止弁２８を
設け、スプール１８が後退した後、スプリング２
３の力で押し出されるとき密封室２４が負圧とな
つてタンク２５内の潤滑油が自動的に該密封室２
４内へ吸入され、次にスプール１８が後退させら
れるときに密封室２４内の潤滑油がスプール１８
内の通路１９を通つて先端より放出されるように
する。

今、第３図に示す如くコンクリートピストン４
がロツド側ストロークエンドに達していないとき
は、潤滑油ポンプ１６のスプール１８はスプリン
グ２３の弾力により押されて前進位置にあり、密
封室２４内にはタンク２５内の潤滑油が負圧によ
り自動的に吸入されている。

上記の状態において、コンクリートピストン４
がストロークエンドまで後退すると、該コンクリ
ートピストン４に突設した接続部１５が第３図に
仮想線で示す如くスプール１８の先端に嵌合して
該スプール１８をスプリング２３に抗して後退さ
せる。この際、密封室２４内の潤滑油は、逆止弁
２８によりタンク２５へは戻れないので、強制的
にスプール１８の通路１９内へ入り、スプール１
８先端より接続部１５内へ噴出される。これによ
り潤滑油は、コンクリートピストン４に設けた流
路１２を通つて外周面へと供給されることにな
る。

次に、コンクリートシリンダ１が吐出側に切り
換えられてコンクリートピストン４が前進させら
れると、接続部１５とスプール１８先端とが離れ
るに従いスプリング２３の力によつてスプール１
８が前方へ押し出され、密封室２４が拡大して負
圧となる。これによりタンク２５内の油は自動的
に配管２６を経て密封室２４内に吸入され、次に
ピストン４が後退してスプール１８が押し戻され
たときに噴出できるよう待機する。

なお、上記実施例では、コンクリートピストン
４の側壁に流路１２が開口する場合を示したが、
ロツド６内を通してピストン４の外周面へ通ずる
ような流路を設け、同様な潤滑油ポンプ１６との
組み合わせで潤滑油を供給するようにしてもよ
く、又、潤滑油ポンプ１６は洗浄室３に固定する
場合に限られることなく、コンクリートシリンダ
１又は油圧シリンダ２側に設置してもよい。更に
コンクリートピストン４のストロークエンドが可
変の場合には、それに応じて潤滑油ポンプ１６の
位置をスライド固定できる様にしてもよいのは勿
論である。

〔考案の効果〕

以上述べた如く本考案のコンクリートピストン
の潤滑装置によれば、コンクリートピストンの移
動力を利用して自動的に潤滑剤がピストン内部か
ら外周面へ供給されるので、タイミングのずれ、
潤滑剤の圧縮性等の問題が一切なく確実に潤滑す
ることができてシリンダとピストンの寿命を大幅
に延長させることができ、又、シリンダには孔を
あけないので、コンクリートピストンを痛めない
し、孔から潤滑剤が漏れ出るおそれもない、更に
潤滑剤の供給位置に制限を受けない、という優れ
た効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンクリートポンプの概略図、第２図
は従来のコンクリートピストンの潤滑装置の一例
図、第３図は本考案のコンクリートピストンの潤
滑装置の一例を示す概要図、第４図は本考案にお
ける潤滑油ポンプの断面図である。 １はコンクリートシリンダ、４はコンクリート
ピストン、１２は流路、１６は潤滑油ポンプ、１
８はスプール、１９は通路、２３はスプリング、
２４は密封室、２５は潤滑油タンクを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリートポンプのコンクリートピストンの
   外周面とロツド側面との間を逆止弁を介して連通
   する潤滑剤の流路を設け、且つ前記コンクリート
   ピストンのロツド側室に、前記コンクリートピス
   トンの移動により前記流路に係合するスプールを
   有し、前記コンクリートピストンの押圧によるス
   プールの移動により内部に形成した密封室内の潤
   滑剤を前記流路に自動的に圧送するようにした潤
   滑剤ポンプを備えたことを特徴とするコンクリー
   トポンプのコンクリートピストンの潤滑装置。