JPS6347645B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、自動車の昇降式窓硝子を案内する
窓枠に取り付けられるガラスランチヤンネルに関
する。

第１図ないし第３図に示すように、自動車Ｃの
昇降式の窓硝子３を案内する窓枠２に取り付けら
れて上記窓硝子３の周囲部を囲むガラスランチヤ
ンネル１は、基部１ａと側部１ｂ，１ｂとリツプ
部１ｃ，１ｃとを主体として構成されたもので、
上記基部１ａと側部１ｂは窓枠２に固定されると
ともに、窓硝子３は上記リツプ部１ｃ，１ｃによ
つて挾まれて上下に摺動するようになつている。

ところで自動車等が高速走行を行なうと、車内
と車外との気圧差のために上記窓硝子３が車外側
に吸引される現象が生じるが、この状態で窓硝子
３を閉めようとすると、窓硝子３の上端部等が上
記ガラスランチヤンネル１のリツプ部１ｃからず
れることによつて窓硝子３が閉まり難くなること
になる。そこで従来は、第１図と第３図に示す如
く案内片４をガラスランチヤンネル１の車外側の
側部１ｂの所定箇所に突出して設け、この案内片
４で窓硝子３を上記ガラスランチヤンネル１のリ
ツプ部１ｃ，１ｃ間に導くようにしているが、従
来の案内片４はガラスランチヤンネル１と同質の
軟質樹脂，ゴムで形成されているため、以下に述
べるような欠点があつた。

即ち案内片４の強度が低く、窓硝子３によつて
案内片４が変形し易いため、窓硝子３の車外側へ
のずれを案内片４が十分に矯正できない。このた
め第３図に示すように芯金５を介挿する等の手法
が見られるが芯金のインサート成形が煩雑である
と共に、製作コストが高いものになつてしまう。

また、従来、上記の諸欠点を解消するために窓
枠に金具を添わせて取り付け、この金具に樹脂案
内片を一体成形して取り付けることによつて、案
内片の剛性を向上させたものが見られるが、この
ような構成の案内片にあつては、上記金具と窓枠
との間に生じる隙間から雨水が車内側に侵入する
虞れがある上に、案内片の剛性向上のために金具
を使用することが、ガラスランチヤンネル１の製
作コストを上昇させてしまうという問題を生じて
いる。

この発明は、基部の両端に側壁が相互に対向し
て形成された本体の上記側壁の先端部に上記基部
に向けて内側に突出する軟質のリツプ部を一体に
形成した合成樹脂若しくはこれと同効材料よりな
るチヤンネル構造のガラスランチヤンネル主体
に、上記リツプ部を残して切欠を形成し、該切欠
内に、上記本体とほぼ同一の横断面形状を有する
基体部の一側の側部壁の先端に案内片を有する合
成樹脂若しくはこれを同効材料よりなる硬質の部
材を、上記案内片を上記リツプ部の外側に突出さ
せて一体に成形した構成とすることにより、上記
従来の問題点を解決したものである。

以下この発明を図面を参照して説明する。

第４図ないし第７図はこの発明に係るガラスラ
ンチヤンネルの一実施例を示すもので、１０は自
動車Ａの昇降式の窓硝子Ｂを案内する窓枠１２の
内周に取り付けられたガラスランチヤンネル主体
である。このガラスランチヤンネル主体１０は、
基部１０ａとこの基部１０ａの両端に相互に対向
して設けられた側壁１０ｂ，１０ｂとから成る本
体１０Ａと、上記側壁１０ｂ，１０ｂのそれぞれ
の先端部に上記基部１０ａへ向けて内側に突出し
て上記窓硝子Ｂを挾むリツプ部１０ｃとが、一体
に設けられた軟質塩化ビニル製のチヤンネル構造
のものである。

そして、上記自動車Ａの前側（第４図の左側）
即ち前側サツシユのガラスランチヤンネル主体１
０の中央上方にはリツプ部１０ｃを残して上記本
体１０Ａを突き抜いて切欠１３が形成され、この
切欠１３には、上記本体１０Ａとほぼ同一の横断
面形状を有する基体部１４と、この基体部１４の
一側の側部壁１４ｂの先端に側部壁１４ｂと一体
に形成された舌状の案内片１５とが一体に形成さ
れた硬質塩化ビニル製の部材１６が、上記案内片
１５を上記リツプ部１０ｃの外側に突出させ、か
つ、ガラスランチヤンネル主体１０に基体部１４
を溶着させて一体に取り付けられている。

次に上記のように構成されたこの発明に係るガ
ラスランチヤンネルの作用について説明する。

まず、上記部材１６をガラスランチヤンネル主
体１０に取り付けるには、ガラスランチヤンネル
主体１０にリツプ部１０ｃを残して切欠１３を形
成した後にこのガラスランチヤンネル主体１０を
上記部材１６成形用の金型（図示略）に取り付け
て、この金型に溶融した硬質塩化ビニルを流し込
んで成形しガラスランチヤンネル主体１０に基体
部１４を溶着すればよい。そして、第４図に示す
ように自動車Ａの窓枠１２に硬質の部材１６を取
り付けたガラスランチヤンネル主体１０を取り付
ける。

以上の如く取り付けた部材１６の案内片１５
は、自動車Ａの高速走行時に車外側に吸収引され
た窓硝子Ｂを閉める際に、窓硝子Ｂの端部にに当
接して窓硝子Ｂをガラスランチヤンネル主体１０
のリツプ部１０ｃ，１０ｃの間に案内する。この
際、上記案内片１５が硬質塩化ビニル製で、従来
の合成ゴムの案内片より剛性が高く、案内片１５
に窓硝子Ｂが当接しても案内片１５が変形し難い
ため、案内片１５は窓硝子Ｂを確実に上記リツプ
部１０ｃ，１０ｃの間に案内する。

また、案内片１５が硬質塩化ビニル製で案内片
１５の表面が平滑であり、この案内片１５に沿つ
て窓硝子Ｂの端部が摺動する際の滑り抵抗が、従
来の案内片に比べて小さいため、窓硝子Ｂが上記
案内片１５に沿つて円滑に摺動してリツプ部１０
ｃ，１０ｃ間に移動する。

さらに、硬質塩化ビニル製の部材１６の基体部
１４がガラスランチヤンネル主体１０の本体１０
Ａの一部を構成することになり、案内片１５が窓
硝子Ｂにより外力を受けた場合基体部１４がサツ
シユ断面内で突つ張り効果をもつため、充分な剛
性をもたせることができる。

一方、案内片１５の取り付けに当つて、従来の
如く金具等の別部材を使用しなくとも、成形・溶
着という手段で案内片１５をガラスランチヤンネ
ル主体１０に取り付けることができるため、案内
片１５の取り付けコストの低減化と取り付け作業
の簡略化を計ることができる。

なお、上記した実施例においては、部材１６を
自動車Ａの前側のガラスランチヤンネル主体１０
に取り付けているが、部材１６の取付け位置は上
記の位置に限るものではない。また、ガラスラン
チヤンネル主体１０と部材１６の材質も塩化ビニ
ルに限ることなく他の合成樹脂，ゴムでも良く、
更にリツプ部が軟質なつていれば本体は軟硬質ど
ちらでも良い。

以上説明したように、この発明のガラスランチ
ヤンネルは、基部の両端に側壁が相互に対向して
形成された本体の上記側壁の先端部に上記基部に
向けて内側に突出する軟質のリツプ部を一体に形
成した合成樹脂若しくはこれと同効材料よりなる
チヤンネル構造のガラスランチヤンネル主体に、
上記リツプ部を残して切欠が形成され、該切欠内
に、上記本体とほぼ同一の横断面形状を有する基
体部の一側の側部壁の先端に案内片を有する合成
樹脂若しくはこれを同効材料よりなる硬質の部材
が、上記案内片を上記リツプ部の外側に突出させ
て一体に成形された構成とされており、高速走行
時等に、車体の外側に吸引された窓硝子を閉める
場合、案内片が窓硝子を確実にガラスランチヤン
ネルのリツプ部に導くため、高速走行時にも窓硝
子をスムーズに閉めることができる。また、実施
例に示すように全体を軟硬質の塩化ビニルで成形
すれば窓硝子が当接する案内片の表面が円滑であ
るため、車外側に吸引された窓硝子を案内片に沿
つて容易に摺動させてガラスランチヤンネルに案
内することができる等の効果を奏する。

更に、リツプ部は案内片を有する部材の部分に
おいて切れ目なく連続しているため、ガラスとの
密着性が劣る等の不具合が生じることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガラスランチヤンネルの配置を
示す自動車の側面図、第２図は従来のガラスラン
チヤンネルの第１図―線に沿う断面図、第３
図は同第１図―線に沿う断面図、第４図はこ
の発明に係るガラスランチヤンネルの配置を示す
自動車の側面図、第５図は同ガラスランチヤンネ
ルの一部を断面とした斜視図、第６図は同ガラス
ランチヤンネルの要部を断面とした斜視図、第７
図は同ガラスランチヤンネルの要部を分解して断
面とした斜視図である。 １０…ガラスランチヤンネル主体、１０Ａ…本
体、１０ｃ…リツプ部、１３…切欠、１４…基体
部、１５…案内片、１６…部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基部１０ａの両端に側壁１０ｂが相互に対向
   して形成された本体１０Ａの上記側壁１０ｂの先
   端部に上記基部１０ａに向けて内側に突出する軟
   質のリツプ部１０ｃを一体に形成した合成樹脂若
   しくはこれと同効材料よりなるチヤンネル構造の
   ガラスランチヤンネル主体１０に、上記リツプ部
   １０ｃを残して切欠１３が形成され、該切欠１３
   内に、上記本体１０Ａとほぼ同一の横断面形状を
   有する基体部１４の一側の側部壁１４ｂの先端に
   案内片１５を有する合成樹脂若しくはこれと同効
   材料よりなる硬質の部材１６が、上記案内片１５
   を上記リツプ部１０ｃの外側に突出させて一体に
   成形されたことを特徴とするガラスランチヤンネ
   ル。