JPS6347286Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、引張りにより操作力を伝達するコン
トロールケーブルの端末を、例えばペダルのよう
な作動板に連結するために、作動板に透設した取
付孔に取り付けてコントロールケーブルの端末金
具を係止するようにしたコントロールケーブルの
端末係止具に関する。

従来のコントロールケーブルの端末係止具は、
第１、２図に例示するように、合成樹脂によつて
一体成形され、中心孔２を有する円板形の主体１
の後面に円錐部３が形成されているとともに、前
面には、中心孔２の両側に、対応する内面に円弧
形の凹面４ａ，５ａを夫々形成した一対の弾性屈
曲片４，５が突成され、各弾性屈曲片４，５の先
端部外面には、前面に斜面６が、後面に主体１と
平行な掛止面７が夫々形成された鉤部８が突成さ
れており、さらに、一方の弾性屈曲片４の基部の
外面に角形の凸部９が突成されていて、ペダル等
の作動板１０に透設された取付孔１１の後面から
弾性屈曲片４，５を強く押し込むと、鉤部８，８
の斜面６，６が口縁を滑りつつ内側に屈曲して縮
径し、鉤部８，８が取付孔１１を通過すると弾性
復元力により拡開し、掛止面７，７と主体１の前
面との間で作動板１０を挾んで脱出不能に取り付
けられると同時に、取付孔１１の内面に形成され
た凹部１２に凸部９が嵌合して回動不能に固定さ
れ、中心孔２及び円錐部３を利用して嵌着したゴ
ム製のクツシヨン１３を貫ぬいて突出したコント
ロールケーブル１７の端末に固着した金具１６
を、座板１４及び緩衝板１５を介してクツシヨン
１３に突き当てて係止し、作動板１０が図の右方
へ移動するとクツシヨン１３が弾縮しつつ金具１
６を押してコントロールケーブル１７が引張さ
れ、他端に操作力が伝達されるようになつてい
る。

しかるに、一対の弾性屈曲片４，５のうち、一
方の弾性屈曲片４にのみ、その基部の外面に凸部
９が突成されているため、この弾性屈曲片４の曲
げ剛性が他方の弾性屈曲片５より高く、したがつ
て、取付孔１２に押し込む際に、凸部９を有しな
い方の弾性屈曲片５だけが過剰に屈曲し、その変
形が弾性限度を越えて永久変形を生じ、鉤部８が
取付孔１２を通過したときに原姿勢まで拡開せ
ず、掛止面７の引掛りが不十分となつて、外れ易
くなるおそれがあつた。

本考案は、両方の弾性屈曲片の曲げ剛性を等し
くすることによつて、上記の不具合を解消するこ
とを目的とするものである。

以下、本考案の実施例を第３図乃至第５図に基
づいて説明する。

なお、これらの各図は凸部９を設けない方の弾
性屈曲片５のみを部分的に拡大して示したもので
あつて、図示しない部分及び同一の記号を付した
部分は夫々第１，２図に示した従来例と同一構成
になる。

第３図例は、弾性屈曲片５の内面の鉤部８に対
応する部分のみに凹面５ａを平滑に埋める厚肉部
ａを形成したものであり、第４図例は主体１の他
端まで内面の厚肉部ｂを延長したものであり、さ
らに、第５図例は、弾性屈曲片５の内面の中央部
に細長い１条の厚肉部ｃを形成したものである。

このように、弾性屈曲片５の内面に厚肉部ａ，
ｂ，ｃを形成すると、この弾性屈曲片５の曲げ剛
性が凸部９を有する方の弾性屈曲片４と略同等に
なるため、作動板１０の取付孔１１に嵌入する際
に両方の弾性屈曲片４，５が略対称状に屈曲して
縮径し、一方のみが過大に屈曲して永久変形を生
ずるのが防止されるのである。

上記実施例によつて具体的に説明したように、
本考案のコントロールケーブルの端末係止具は、
中心孔を透設した主体の前面の前記中心孔の両側
に互いに対応する一対の弾性屈曲片を突成し、該
各弾性屈曲片の先端部外面に鉤部を形成してその
前面に斜面を、後面に掛止面を夫々形成するとと
もに、一方の弾性屈曲片にのみ、その基部の外面
に凸部を形成してなり、作動板に透設した取付孔
に前記一対の弾性屈曲片を前記斜面の係合により
内側へ屈曲させて嵌入し、前記掛止面の係合によ
り脱出不能に固定し、かつ、前記取付孔に形成し
た凹部に前記凸部を嵌合して回動を阻止する構成
とし、前記中心孔に挿通したコントロールケーブ
ルの端末に固着した金具を係止して該コントロー
ルケーブルを前記作動板に連結するようにしたコ
ントロールケーブルの端末係止具において、前記
一対の弾性屈曲片のうち前記凸部を有しないもの
を厚肉にして曲げ剛性を高めたことを要旨とする
ものであつて、両方の弾性屈曲片の曲げ剛性を均
等にし、一方のみが過大に屈曲して永久変形を生
じ、そのために、取付孔から外れるという不具合
を防止し、作動板に確実に固定し得る効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコントロールケーブルの端末部
分の拡大断面図、第２図は従来の係止具の取付状
態の斜視図、第３乃至第５図は夫々本考案の実施
例の弾性屈曲片の拡大斜視図である。 １：主体、２：中心孔、４，５：弾性屈曲片、
６：斜面、７：掛止面、８：鉤部、９：凸部、１
０：作動板、１１：取付孔、１２：凹部、ａ，
ｂ，ｃ：厚肉部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心孔を透設した主体の前面の前記中心孔の両
   側に互いに対応する一対の弾性屈曲面片を突成
   し、該各弾性屈曲片の先端部外面に鉤部を形成し
   てその前面に斜面を、後面に掛止面を夫々形成す
   るとともに、一方の弾性屈曲片にのみ、その基部
   の外面に凸部を形成してなり、作動板に透設した
   取付孔に前記一対の弾性屈曲片を前記斜面の係合
   により内側へ屈曲させて嵌入し、前記掛止面の係
   合により脱出不能に固定し、かつ、前記取付孔に
   形成した凹部に前記凸部を嵌合して回動を阻止す
   る構成とし、前記中心孔に挿通したコントロール
   ケーブルの端末に固着した金具を係止して該コン
   トロールケーブルを前記作動板に連結するように
   したコントロールケーブルの端末係止具におい
   て、前記一対の弾性屈曲片のうち前記凸部を有し
   ないものを厚肉にして曲げ剛性を高めたことを特
   徴とするコントロールケーブルの端末係止具。