JPS634609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はロツクボルトとロツクナツトの締め付
け工具に関し、特に両者の締め付けを同時に行な
うロツクボルトとロツクナツトの締め付け工具に
関する。

第１図は自動車、特にトラツクの車軸の一型式
であるトラニオンシヤフトの外観図、第２図はそ
の軸方向の一部断面図である。シヤフト１はその
両端がブラケツト２，２′に支持され、かつブラ
ケツト２，２′に設けられた螺穴にボルト３，
３′をその端面がシヤフトの外周に当接するまで
ねじこんだ後、それぞれロツクナツト４，４′で
ロツクボルト３，３′がロツクされてブラケツト
２，２′と一体に固定されている。

このように、ロツクナツトとロツクボルトをロ
ツクする場合、従来は先づロツクボルトをねじこ
み、その後にロツクナツトを締め付けてロツクボ
ルトをロツクするという具合に、締め付けの作業
工数が２回必要であつた。

本考案はこのような問題点に鑑み提案されたも
ので、ロツクボルトとロツクナツトの二部品の締
め付けを同時に行なつて、締め付けの作業工数を
減らすロツクボルトとロツクナツトの締め付け工
具を提供することを目的とする。

以下、本考案を実施例の図面に従つて説明す
る。第３図は本考案の一実施例に係る、ロツクボ
ルトとロツクナツトの締め付け工具の断面図およ
び、この締め付け工具により締め付けを行なうロ
ツクボルトとロツクナツトの側面図である。１１
は上方にボルト穴が穿設されたフランジ１１ａを
有し、下方の細径部には締め付けを行なうロツク
ナツト２１と嵌合するロツクナツト保持部１１ｂ
を備えた、じようごの形状をしたアウタソケツト
である。１２は下方にアウタソケツト１１のフラ
ンジと同一寸法で、同一位置にボルト穴が穿設さ
れたフランジ１２ａを有し、上方の細径部に既存
のラチエツト等の工具を差し込む工具差し込み部
１２ｂを備えた、アウタソケツト１１と同じ、じ
ようごの形状（ただし内部は貫通していない）を
したカバーである。１３は下方の細径部に締め付
けを行なうロツクボルト２０の六角部２０ａと嵌
合するロツクボルト保持部１３ａと中央の細径部
に螺部１３ｂを備え、上部に外径が大きい大径部
１３ｃを有するインナソケツトである。このイン
ナソケツト１３の大径部１３ｃの下面には摩擦板
１４が接合されている。なお、ロツクボルト２０
が先にロツクしてもロツクナツト２１の締め付け
ができるように、ロツクボルト２０をインナソケ
ツト１３のロツクボルト保持部１３ａに嵌合させ
たとき、ロツクボルト２０の頂部とロツクボルト
保持部１３ａの底部の間に若干の空間が生じるよ
うになつている。１５は外径がフランジ１１ａ
（１２ａ）とほぼ同じで、中心部にインナソケツ
ト１３の細径部が貫通する貫通孔を備えた円板で
ある。１６はインナソケツト１３の螺部１３ｂと
螺合し、上面に摩擦板１７が接合されたナツトで
ある。

以上の部品からなる、ロツクボルトとロツクナ
ツトの締め付け工具はインナソケツト１３に円板
１５を組込んで、円板１５と摩擦板１４，１７の
間に摩擦力による所定のトルクが発生するように
ナツト１６で締め付けた後、この円板１５をアウ
タソケツト１１とカバー１２で挾み、ボルト１
８，１８′…、ナツト１９，１９′…で固定するこ
とにより組立てられる。

次にこのボルトとロツクナツトの締め付け工具
の作動について説明する。カバー１２の工具差し
込み部１２ｂにラチエツト等の既存の工具を差し
込んで、本体を下げロツクナツト２１をアウタソ
ケツト１１のロツクナツト保持部１１ｂに、ロツ
クボルト２０の頭２０ａをインナソケツト１３の
ボルト保持部１３ａにそれぞれ嵌合させる。次
に、カバー１２の工具差し込み部１２ｂに差し込
んだ工具を回転させると、その回転による締め付
けトルクはカバー１２→ボルト１８，１８′…→
アウタソケツト１１と伝達されてロツクナツト２
１を、またカバー１２→ボルト１８，１８′…→
円板１５→摩擦板１４，１７→インナソケツト１
３と伝達されてボルト２０をそれぞれ回転させ、
これらの締め付けが行なわれる。そして、ロツク
ボルト２０の端面が部材２３に当接すると、この
締め付けトルクに対抗する逆トルクが発生し、こ
の逆トルクが円板１５と摩擦板１４，１７の間の
摩擦力による前記の所定のトルクを上回ると、円
板１５と摩擦板１４，１７の間でスリツプが生じ
てロツクボルト２０のロツクが完了する。この
後、ロツクナツト２１にのみ締め付けトルクが伝
達され、ロツクナツト２１は部材２２の面にロツ
クされる。

以上の実施例ではロツクボルトの方にトルクの
制限装置が作動するようにしたが、これとは逆に
ロツクナツトの方にトルク制限装置が作動するよ
うにすることもできる。

本考案はロツクボルトとロツクナツトを締め付
けるソケツトレンチを、伝達トルクを所定の設定
値以下に制限するトルク制限装置により一体化し
たので、ロツクボルトとロツクボルトの締め付け
が同時に一工程で行なうことができ、又ロツクす
る締め付トルクが異なるので一方が先にロツクし
ても他方がロツクするまで締め付けを行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はトラツクのトラニオンシヤフトの外観
図、第２図はその軸方向の一部断面図、第３図は
本考案の一実施例に係る、ロツクボルトとロツク
ナツトの締め付け工具の断面図およびロツクする
ロツクボルトとロツクナツトの側面図である。 １１，１２……第１のソケツト、１３……第２
のソケツト、１４，１５，１６，１７……トルク
制限装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上端に工具取付部を有し、下端にロツクナツ
   ト、またはロツクボルトの頭部の一方と嵌合する
   ソケツトを有する第１のソケツトと、 前記第１のソケツトの中間部に固着される円板
   と、 下端にロツクナツトまたはロツクボルトの頭部
   の他方と嵌合するソケツトを有し、上端には前記
   円板の上下面と摩擦板を介して、圧接され、所定
   の伝達トルク設定値を越える場合に前記円板と前
   記摩擦板とがすべりを起こすことにより伝達トル
   クを制限するトルク制限部を有する第２のソケツ
   トと、からなるロツクボルトとロツクナツトの締
   付け具。