JPS6345600Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は立軸ポンプの固有振動数と回転数と
の共振現象によるポンプの振動を防止する装置に
関するものである。

第１図は立軸ポンプの側面図である。下端のポ
ンプケーシングＡ中に羽根車を備え、羽根車を取
付けたポンプ軸１４が垂直ケーシング中に軸承さ
れた立軸ポンプでは基礎取付板６に載置されボル
ト１２より固定された吐出ケーシング５の上にモ
ータ台２がモータ台２のフランジ４、取付ボルト
３を用いて固定され、その上に電動機１が載置さ
れ、ボルトナツト１１により電動機１とモータ台
２が固定される。基礎取付板６は基礎ボルト８で
基礎７に固定される。このような立軸ポンプにお
いては基礎７の状態などによつて固有振動数が変
化するため、ポンプを現地に据付けた後、モータ
が首振り振動をするモードの固有振動数と回転数
との共振による振動トラブルが多発している。

ポンプの共振トラブルの対策として、モータ台
を改造し、モータ台の剛性を変えることにより、
ポンプの固有振動数を変化させることが考えられ
るが、ポンプの分解、組立に多大のコストと時間
を要する。

従来これらの対策としては簡単なものとしては
モータ台２の取付ボルト３をはずしてモータ台２
と吐出ケーシング５間にスペーサを入れることが
行われる。然しこの方法であるとモータ台２を分
解しなければならずモータ台２を持上げるため軸
方向の変位を許されるわずかな範囲に限られ効果
的な対策でもない。実開昭56−88999号の考案は
モータ台２の支持フランジとモータの取付フラン
ジに外周側から内周側に向う径方向の長孔を設け
ている。然しこの方法だと取付ボルトを径方向に
移動するためには取付ボルトを弛めねばならずポ
ンプの運転を停止しないと調整ができないからポ
ンプ起動停止とボルト位置調整を繰返さねばなら
ず手間がかゝる。

尚、従来、基礎とベース間に弾性体を介在させ
る防振方向は弾性体がばね常数のほぼ一定のもの
を持つものであるため、締付け力を変えても振動
方程式の一次抵抗成分は変化しないので共振が生
じた場合の共振を回避する策としては不充分なも
のであつた。

本考案は立軸ポンプが共振した場合、モータ台
と吐出ケーシングの結合ボルト、あるいは基礎ボ
ルトを締めこみ、又はゆるめることにより共振を
簡単に回避できるものであり且つポンプを分解、
組立する必要のない立軸ポンプの共振防止装置を
提供することを目的とする。

本考案は立軸ポンプを基礎に取付ける基礎取付
板と該基礎との間に接合面を構成して基礎ボルト
により基礎に基礎取付板を取付け、該基礎取付板
上に吐出ケーシングを載置して据付け、吐出ケー
シング上面のフランジ上にモータ台下端のフラン
ジを載置して固定した接合面を構成し、該モータ
台を介してポンプ駆動用モータを固定した立軸ポ
ンプにおいて、ポンプ駆動用モータと基礎間の前
記何れかの接合面、もしくは全部の接合面の締結
部分に荷重の増大につれてばね常数が大きくなる
ように変化するハードスプリング特性を持つ弾性
体を締結部分の締付手段により圧縮可能に介在さ
せたことを特徴とする立軸ポンプの共振防止装置
である。

以下、図面に従つて本発明の実施例について説
明する。

第２図は吐出ケーシング５とモータ台２の下端
のフランジ４の取付ボルト３を取付ける際にモー
タ台２のフランジ４上面と取付ボルト３の首下座
部の間に座金１３と弾性体９を挿入したもので取
付ボルト３の締め付け力を変えることにより、後
述の第５図に示すように弾性体９は圧縮され、ば
ね常数が変化するのでポンプの固有振動数が変化
する。ポンプを据付けた現地で共振により振動ト
ラブルが発生した場合には取付ボルト３を状況に
応じて締込むか又はゆるめることにより共振を回
避する。締付力の調整はポンプの運転、停止状態
に関係なく行える。

第３図は基礎取付板６上面と基礎ボルト締付ナ
ツト１０の間に座金１３、弾性体９を挿入した例
である。ナツト１０の締め付け力を変えることに
よりポンプの固有振動数が変化する。振動トラブ
ルが発生した場合は状況に応じてナツト１０を締
め込むかゆるめることにより共振を回避する。締
め付け力の調整はポンプの運転停止状態に関係な
く行える。

第４図は基礎取付板６と基礎ボルト締付ナツト
１０の間及び基礎取付板６と基礎７の間に弾性体
９を挿入した例である。この実施例もナツト１０
の締め付け力を変化させて共振を回避する。弾性
体９としては荷重の増大につれてばね常数が大き
くなるように変化するもの、たとえばステンレス
の細線をプレス整形したクツシヨン材などが横軸
にたわみ、縦軸に荷重を示し、荷重たわみ曲線１
５を表わす第５図に示すように顕著なハードスプ
リング特性を示すので好適である。

この考案はモータ台と吐出ケーシングの結合フ
ランジのボルト又は基礎取付板と基礎ボルトの間
にハードスプリング特性を有する弾性体を挿入
し、立軸ポンプが共振した際ボルトの締付力を変
えることによりポンプの固有振動数を変え、共振
を回避し、低コスト、短時間で振動トラブル対策
を行える。この考案の立軸ポンプの共振防止装置
はポンプ運転中に調整できるため共振現象が止む
状態が直ちに分り作業が極めて簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は立軸ポンプの側面図、第２図、第３
図、第４図は夫々がこの考案の実施例の縦断面
図、第５図はこの考案に用いられる弾性体のばね
特性線図である。 １……電動機、２……モータ台、３……取付ボ
ルト、４……フランジ、５……吐出ケーシング、
６……基礎取付板、７……基礎、８……基礎ボル
ト、９……弾性体、１０……ナツト、１１……ボ
ルトナツト、１２……ボルト、１３……座金、１
４……ポンプ軸、１５……曲線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 立軸ポンプを基礎に取付ける基礎取付板と該
   基礎との間に接合面を構成して基礎ボルトによ
   り基礎に基礎取付板を取付け、該基礎取付板上
   に吐出ケーシングを載置して据付け、吐出ケー
   シング上面のフランジ上にモータ台下端のフラ
   ンジを載置して固定した接合面を構成し、該モ
   ータ台を介してポンプ駆動用モータを固定した
   立軸ポンプにおいて、ポンプ駆動用モータと基
   礎間の前記何れかの接合面、もしくは全部の接
   合面の締結部分に荷重の増大につれてばね常数
   が大きくなるように変化するハードスプリング
   特性を持つ弾性体を締結部分の締付手段により
   圧縮可能に介在させたことを特徴とする立軸ポ
   ンプの共振防止装置。 ２ 吐出ケーシング上面のフランジ上にモータ台
   下端の取付フランジを載置した接合面におい
   て、吐出ケーシングとモータ台を締結するボル
   ト類の締付座面とモータ台下端のフランジの上
   面間にハードスプリング特性をもつ弾性体を介
   在させ前記モータ台と吐出ケーシングを締結す
   るボルト類を該弾性体に挿通して締結してなる
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の立軸ポン
   プの共振防止装置。