JPS6345253B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明の調質は穀粒の水分を増減いずれかに調
整するために乾燥処理または加湿処理を均一に施
す作用である。

本発明は穀粒の均一調質に関する装置の改良に
係る。

従来は第１図の本発明と逆方向の熱風または湿
風を多孔壁を通して調質流下部に送り調質部であ
る多孔壁傾斜面を傾流する際穀粒が風圧で多孔壁
面に押付けられ、その摩擦抵抗によつて穀粒の流
下が妨げられ多湿の穀粒とか摩擦係数の大きい穀
粒になると流動が停止する事故ともなり、殊にタ
ンクの側壁から調質流下路に移行する隅曲部に滞
留した穀粒は終始停止したまま調質を受けずに最
後に排出するから、原則的に同一行程を複数回循
環して調質する装置ではタンク側壁付近とタンク
中央付近の穀層間に流速差を生じ著しい水分斑の
穀粒を発生する致命的な欠陥がある。

本発明は従来一般の調質機の風と逆方向の風を
通風することにより均一調質処理を行うために開
発された。即ち、第１図のように従来のものとは
反対の逆風を熱風または湿風に用い外側傾斜多孔
壁の外方にある給風路から外側傾斜多孔壁を通し
て穀粒調質流下路の穀粒層を通過し内側傾斜多孔
壁から排風路に流出するので、外側傾斜多孔壁面
に自重で内接している穀粒は外方からの通風によ
つて浮力を受け外側傾斜多孔壁から遊離する傾向
に穀粒と外側傾斜多孔壁との摩擦力を著しく減殺
し浮流的に流下作用を促す効果があり、タンク側
壁の隅曲部でも平滑に流下するから中央部の流速
とタンク側壁の流速に均一性を与え斑調質を招く
おそれがない。

このように本発明は従来の共通欠陥であつた乾
燥または加湿処理の斑水分を防ぎ穀粒全量が均一
水分に調質できることを顕著な効果とする。

なお、前記調質流下部における前記内側傾斜多
孔壁では穀粒の自重が負力的に働くので穀粒の流
下を妨げない。

本発明を例図について詳説する。第１図の側断
面図は、上部の供給用スクリユーコンベア１を昇
降機２に連結した穀物用タンク３の下部に穀物調
質部４を設けて一体的に形成した穀粒調質装置で
ある。

第１図および第３図の穀物調質部４の内部構造
は、その機枠Ａ内の中央部に、上部の尖頭状脈条
傘５の両傾斜壁と、下部に設けた横架した一対の
排出弁部６または７との間を、その下方をそれぞ
れ外向状に傾下延長した両側傾斜多孔壁８または
９によつてそれぞれ連結して給風路１０を設け、
該給風路１０の両側にそれぞれ調質流下路１１ま
たは１２を介して排風路１３または１４をそれぞ
れ設け、各排風路１３または１４は上部の尖頭状
脈条傘１５または１６の両傾斜壁と、下部に設け
た集塵口１７または１８との間を、その下方をそ
れぞれ内向状に傾下延長した両側傾斜多孔壁１９
または２０によつて連結し、集塵口１７または１
８の下部の流下穀粒が合流する流路部２１Ａ，２
１Ｂにそれぞれ規正板２２または２３を設けると
共に、各流路部２１Ａ，２１Ｂの延長部を排出弁
部６または７にそれぞれ連結し、各排風路１３ま
たは１４のそれぞれの外方には、調質流下路２４
または２５を介して外向状に傾下した両外側傾斜
多孔壁２６または２７をそれぞれ設け、各傾斜多
孔壁２６または２７の上方延長部２８または２９
を多孔壁面に形成して前記タンク３の側壁３０ま
たは３１にそれぞれ連結すると共に、各傾斜多孔
壁２６または２７の下端部にそれぞれ底壁３２ま
たは３３をそれぞれ設けてその内部を半裁状の給
風路３４または３５にそれぞれ形成してある。ま
た、前記各排出弁部６または７の下方に集穀槽３
６を設けてその底部に昇降機２に連絡する排出用
スクリユーコンベア３７が横設してある。

第２図の穀物調質部４の平断面図は、その機枠
Ａの前部にバーナー３８を備えた送風機３９を設
けると共に、該送風機３９と各給風路１０，３
４，３５を風路４０を介してそれぞれ連絡し、ま
た、機枠Ａの後部に排風機４１を設けて風路４２
を介して各排風路１３，１４にそれぞれ連絡し、
第３図の別実施例では、機枠Ａの外部に加湿用の
送風機４３を備えたボイラー４４を設けて風路４
５を介して穀物調質部４内部の各給風路１０，３
４，３５にそれぞれ連絡してあり、Ｂはタンク３
側壁から調質流下路２４または２５に移行する位
置の隅曲部である。

上述の構成であるから、昇降機２で揚穀される
籾等の穀粒は上部の供給用スクリユーコンベア１
を介して穀物用タンク３に供給され、該タンク３
に堆積した穀粒は下部の排出弁部６，７に設けた
回転弁の回転によつて調質流下路１１，１２，２
４，２５を屈折状にそれぞれ流下して集穀槽３６
に流出し、槽内穀粒は排出用スクリユーコンベア
３７から昇降機２を介して再び上部の穀物用タン
ク３に供給され機内を数回次循環してそれぞれ乾
燥される。この穀粒循環行程の穀物調質部４にお
いて、機枠Ａ前部のバーナー３８で発生した所定
の高温空気は、送風機３９の回転によつて各給風
路１０，３４，３５にそれぞれ送風されると共
に、その風は各調質流下路１１，１２，２４，２
５を介して排風路１３，１４側にそれぞれ流出
し、また、排風路１３，１４側の含塵風は機枠Ａ
後部の排風機４１の回転によつて機外に排除され
る。その間各調質流下路１１，１２，２４，２５
内を流下する穀粒を熱風によつて乾燥すると共
に、穀粒中の粉塵をその多孔壁面の通孔から排風
路１３，１４内に吸集し、また穀粒中に混在する
藁屑などの夾雑物は、流下路内を流下する間に、
図中実線矢印の斜上方向に流れる風によつて排風
路１３，１４の壁面側に穀粒の粒々間を浮上して
その上面に集められると共に、各排風路１３，１
４の集塵口１７，１８から吸集して排除される。
またタンク３の側壁３０または３１から各調質流
下路２４または２５に移行する位置の隅曲部Ｂ，
Ｂを流下する穀粒は、外側傾斜多孔壁２６または
２７の上方延長部２８または２９の多孔壁面から
噴出する風によつて多孔壁との摩擦力を著しく減
殺し穀粒が浮流的に平滑に流下するから、タンク
側壁の隅曲部における穀粒の流速はその中央部の
流速と均一性を維持して前述した従来装置におけ
る斑調質を招くおそれは完全になくなり、穀粒全
量を均一水分に確実に、かつ円滑に乾燥できる顕
著な効果を有する。

また第３図の別実施例のものは、穀物調質部の
内部は前記調質部と同一構造で、機外に設けたボ
イラーから所定湿度の湿風を発生して各給風路に
供給するから、タンクに供給された穀粒を循環加
湿してその穀粒の全量を均一水分に加湿処理する
効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例図である。第１図は本装
置の側断面図、第２図はその穀物調質部の平断面
図、第３図は別実施例の断面図である。 １…供給用スクリユーコンベア、２…昇降機、
３…穀物用タンク、４…穀物調質部、５…脈条
傘、６，７…排出弁部、８，９…傾斜多孔壁、１
０…給風路、１１，１２…調質流下路、１３，１
４…排風路、１５，１６…脈条傘、１７，１８…
集塵口、１９，２０…傾斜多孔壁、２１Ａ，２１
Ｂ…流路部、２２，２３…規正板、２４，２５…
調質流下路、２６，２７…傾斜多孔壁、２８，２
９…上方延長部、３０，３１…側壁、３２，３３
…底壁、３４，３５…給風路、３６…集穀槽、３
７…排出用スクリユーコンベア、３８…バーナ
ー、３９…送風機、４０…風路、４１…排風機、
４２…風路、４３…送風機、４４…ボイラー、４
５…風路、Ａ…機枠、Ｂ…隅曲部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タンク内の低部に複数個の脈条傘を平行状に
   横架し、該脈条傘の両傾斜壁の下方にそれぞれ内
   向状に傾下延長した両側傾斜多孔壁を設けて排風
   路を形成し、前記両内側傾斜多孔壁の外側方に
   は、それぞれ穀粒の調質流下路を介して外向状に
   傾下した両外側傾斜多孔壁を設け、該両外側傾斜
   多孔壁の外側には給風路を形成連設したことを特
   徴とする穀粒調質装置。 ２ 前記排風路を排風機に連結した前記特許請求
   の範囲第１項に記載した穀粒調質装置。 ３ 前記給風路を送風機に連結した前記特許請求
   の範囲第１項に記載した穀粒調質装置。 ４ 前記タンクの側壁側の前記外側傾斜多孔壁の
   上方延長部を前記タンクの側壁に連設した前記特
   許請求の範囲第１項に記載した穀粒調質装置。 ５ 前記タンクの両側壁に平行して装架した前記
   一対の脈条傘の中間にある前記外側傾斜多孔壁の
   上方延長部の双方に載架する中央脈条傘を連設し
   て給風路となした前記特許請求の範囲第１項に記
   載した穀粒調質装置。