JPS6344111Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、先の出願（実願昭58−26982号）の
改良考案である沈砂，篩渣等の洗浄装置に係り、
特に、砂の洗浄効果の向上及び大幅な節水が図れ
るばかりでなく、溢流水と共に流出する砂分の回
収効率の向上を図ることができる沈砂，篩渣等の
洗浄装置に関する。

一般に、下水処理場、ポンプ所の沈砂池等から
かき揚げられた沈砂，篩渣等を洗浄槽内で洗浄水
を供給しつつ撹拌して洗浄する装置は例えば、特
公昭56−33144号に見られるように既に知られて
いる。

これは、沈砂，篩渣等が汚染されているため
に、これを直接埋立地等に廃棄処分することは非
衛生であることから、その前処理として洗浄しよ
うとするものである。

しかしながら、従来の洗浄装置にあつては、一
体的に形成された１つの槽内で洗浄処理を行なう
構造であつたので、沈砂，篩渣等に付着した汚物
が槽内に拡散して洗浄水を汚濁する結果、槽内か
ら搬出された被洗浄物は未だ非衛生であつた。ま
た、更に洗浄効果を上げるには洗浄水の供給量を
増大するしかなく、不経済であつた。

このため、上記問題点を解決すべく本出願人は
先の出願〔実願昭57−113370号（実公昭62−
21329号），実願昭58−26982号（実開昭59−
135144号）、特願昭57−130489号（特公昭63−
4457）〕にて新規な洗浄装置を提案した。

これら装置は、洗浄槽として、沈砂，篩渣等の
前洗いを行なう１次洗浄槽（前段洗浄槽）と仕上
げ洗いを行なう２次洗浄槽（後段洗浄槽）を形成
して、２次洗浄槽内の水を１次洗浄槽の洗浄水と
して再使用するものであり、大幅な節水が図れる
ばかりか洗浄効果も向上し、前記した問題点を充
分に解決するものであつた。

ところで、上記装置にあつては、１次洗浄槽に
て、槽内の洗浄水を溢流させつつ槽内水を激しく
撹拌し、砂を流動状態にして洗浄していることか
ら、折角洗浄した砂が溢流水中に含まれて沈砂池
へ排出されることを防ぎえず、砂の回収効率が低
下する虞れのあることが判明した。

本考案は、以上のような問題点に着目し、これ
を有効に解決すべく創案されたものである。

本考案の目的は洗浄効果の向上及び大幅な節水
が図れるばかりでなく、溢水と共に流出する砂分
の回収効率の向上を図ることができる沈砂，篩渣
等の洗浄装置を提供するにある。

上記目的を達成するために本考案は、沈砂，篩
渣等の被洗浄物に洗浄水を供給しつつ撹拌，溢水
させて１次洗浄するための平坦な底壁と断面円弧
状の内側壁を有する１次洗浄槽と、該１次洗浄槽
に連設され、１次洗浄された被洗浄物に清澄水を
加えて２次洗浄する２次洗浄槽と、上記１次洗浄
槽の円弧の中心部に回転中心を有し、１次洗浄槽
と２次洗浄槽とを仕切ると共に１次洗浄槽の底壁
と内側壁に摺接しつつ回転して１次洗浄槽内の被
洗浄物を２次洗浄槽内へ払い出すための仕切りゲ
ートと、上記１次洗浄槽の側壁に形成した浮遊物
捕集用スクリーンを有する排水口に連設され、該
排水口の反対側に形成した溢流せきと排水口との
間に溢流水中に含まれる砂分を沈降付勢するバツ
フルプレートを有し、且つ底部に沈降した砂分を
１次洗浄槽へ戻す砂戻し通路を有する分級槽と、
２次洗浄槽内の水を上記砂戻し通路を通して砂を
随伴させつつ１次洗浄槽内へ供給する洗浄水供給
手段とを備えたものである。

以下に、本考案の好適一実施例を添付図面に基
づいて詳述する。

まず、第１図は本考案の好適一実施例の縦断面
図、第２図は同平面図、第３図は１次洗浄槽の拡
大縦断面図である。

図示する如くこの洗浄装置は２次洗浄槽２内の
水の供給を受けつつ撹拌し、沈砂，篩渣等を１次
洗浄する１次洗浄槽１と、この１次洗浄槽１から
移送される１次洗浄された、沈砂，篩渣等を新し
い清澄水で２次洗浄する２次洗浄槽２とにより主
に構成されている。

図示例にあつては１つの横長の槽体３内を、そ
の中心部が回転自在に支持された仕切りゲート４
で仕切ることにより上記１次洗浄槽１と２次洗浄
槽２とが連設されている。この１次洗浄槽１はそ
の被洗浄物移送口５を上記仕切りゲート４で聞じ
ることにより水平断面ほぼ半円弧状の半円筒形槽
体として形成されており、この半円の中心部に上
記仕切りゲート４がその中心部を回転自在に支持
されることになる。従つて、このゲート４の両端
及び下端が半円筒形槽体として形成された１次洗
浄槽１の内側壁６及び底壁７に沿つてこれと摺接
しつつ回転移動し、この中に貯留される沈砂，篩
渣等の被洗浄物を２次洗浄槽２側へ移送搬出し得
るようになつている。

特に、ゲート４の長手方向の両端部及び下端部
には被洗浄物の移送を確実に行うために洗浄槽１
の内側壁６及び底壁７と摺接する例えば合成ゴム
の如きシール部材８，９が設けられている。

そして、この１次洗浄槽１の側壁には被洗浄物
を撹拌して１次洗浄するための撹拌翼１０が槽体
の径方向外方へ窪ませて設けられると共に、上記
２次洗浄槽２側より洗浄水を給水するための洗浄
水給水管１１が接続されている。

また、この１次洗浄槽１の側壁にはこれより排
出される溢流水中に含まれる砂分を分級捕集する
ために本考案の最も特徴とする分級槽１２，１２
が２基並設して取り付けられている。

第３図に示す如くこの分級槽１２の槽体１３は
ほぼ矩形状に成型され、その底部が角錐状に絞つ
て形成されている。

この槽体１３が取り付けられる１次洗浄槽１の
側壁には、横方向或いは縦方向に多条に配設した
スリーン１４を有する排水口１５が設けられてお
り、浮遊物をここで滞留させて分級槽１２側に向
けて溢流水のみを流し得るようになつている。ま
た、上記排水口１５の反対側の槽体側壁は、その
上端が水位より少し低く成型されたせき１６とし
て形成されており、槽体１３内の溢流水を徐々に
排出するようになつている。

そして、この槽体１３内には、上記せき１６と
排水口１５との間を左右に２分割する如くその下
層のみを連通させてバツフルプレート１７が設け
られており、排水口１５側から流れてくる砂分を
含む溢流水を下方に反転させて下層を通過した後
上記せき１６に向けて流すように構成されてい
る。従つて、溢流水がバツフルプレート１７の下
端部にて反転するときに、これに含まれる重い砂
分が重力分級されることになる。

上記槽体１３のせき１６にはこれに連接して排
水溝１８が設けられており、分級槽１２から排出
される砂分の除去された排水を沈砂池等へ排出す
るようになつている。

また、分級槽１２の下端部には、砂搬出口１９
が設けられると共に、この砂搬出口１９には１次
洗浄槽１に連結された砂戻し通路２０が接続さ
れ、沈澱した砂をこの通過途中に挿入した洗浄水
給水管１１からの洗浄水の勢いにのせて、１次洗
浄槽１内へ再度戻すようになつている。

一方、２次洗浄槽２内には篩渣等の比重の軽い
浮遊物（洗浄ごみ）を槽外へ搬出するための浮遊
物搬出手段２１が設けられている。この浮遊物搬
出手段２１は上記１次洗浄槽１から２次洗浄槽２
へ向う方向に上向傾斜し、且つこれを遮ぎるごと
く配置されたスクリーン２２と、このスクリーン
２２に捕獲された浮遊物を槽外に搬出すべくこれ
に沿つて配置された浮遊物搬出コンベヤ２３とか
ら構成されている。

上記スクリーン２２は浮遊物を捕獲し得る間隙
で長手方向に沿つて多条に配設された線材からな
つており、また浮遊物搬出コンベア２３は各線材
間をその長手方向へ移動して捕獲浮遊物をかきと
るスクレーパ２４を有している。

一方、２次洗浄槽２の底部は上記１次洗浄槽１
の平坦な底壁７に接続され且つ下方に傾斜した前
側底部２５と、この前側底部２５の最下部より流
れ方向に沿つて上向傾斜した後側底部２６とから
なり、上記浮遊物搬出手段２１の搬入端２１ａは
前側底部２５から上方へ適宜離間されている。

そして、２次洗浄槽２内の後側底部２６には最
下部にその搬入端２７ａを位置させて沈降した砂
等を槽外へ搬出するために傾斜面に沿つてスクリ
ユーコンベアの如き被洗浄物搬出手段２７が設け
られている。

２次洗浄槽２における浮遊物搬出手段２１より
上流側底部には、２次洗浄を行うための清澄水を
供給する清澄水供給管２８が接続されると共に後
流側の水面下には、吸引口２９が設けられてい
る。この吸引口２９は、吸引管３０を介してポン
プ３１に接続されている。

そして、このポンプ３１には前記洗浄水給水管
１１の入口が接続され２次洗浄槽内の水を洗浄水
として前記１次洗浄槽１に圧送するための洗浄水
供給手段３２を構成している。

尚、図中３３，３４は浮遊物搬出手段２１の搬
出端及び被洗浄物搬出手段２７の搬出端のそれぞ
れに配置されたコンベアである。

次に、本考案の作用について述べる。

まず、２次洗浄槽２には清澄水供給管２８から
洗浄水として清澄水が給水され、２次洗浄槽２の
水は、洗浄水供給手段３２を介して洗浄水給水管
１１から１次洗浄槽１に供給される。

一方、この１次洗浄槽１内にはこの上方に設け
られるベルトコンベア３５より被洗浄物たる沈
砂，篩渣等が一定量ずつ間欠的に投入されてお
り、上記した如く洗浄水として供給された２次洗
浄槽内の水と共に撹拌翼１０により撹拌されて１
次洗浄がなされ被洗浄物に付着したよごれは、大
部分水中に分離される。この間、洗浄水は連続的
に供給されており、この１次洗浄槽１からの多量
のよごれを含んだ溢流水は排水口１５を介して槽
外へ排出されると共に、溢流水と伴に排出される
浮遊物が排水口１５に設けられたスクリーン１４
に捕獲されることになる。

スクリーン１４を通過した上記溢流水中には流
動状態の砂分が含まれており、この溢流水は分級
槽１２のバツフルプレート１７に当つて下降する
と共にこの最下端部を通過した後、反転して上昇
し、せき１６から排水溝１８へ排出される。この
溢流水がバツフルプレート１７の最下端で反転す
る際、重い砂分は重力分級され、沈澱し、砂分が
沈砂池等へ戻ることを確実に阻止できる。

この沈澱した砂は砂搬出口１９から砂戻し通路
２０を介して１次洗浄槽１内に戻される。この
際、砂は洗浄水給水管１１の先端から勢いよく噴
出する洗浄水と共に槽内へ吹き込まれるので、砂
分の搬出が促進され、これが分級槽１２内の底部
に貯留することがない。

また、上記実施例にあつては、バツフルプレー
ト１７の上端を水位より高くして、スクリーン１
４を通過した浮遊ゴミをバツフルプレートの上端
にて止めるようにしているが、バツフルプレート
の上端を略水位と同じようにすれば、水面の揺動
により浮遊ごみも排水溝１８側へ排出することが
できる。

このようにして、一定時間１次洗浄を行つたな
らば、次に１次洗浄槽１と２次洗浄槽２とを仕切
つている仕切りゲート４を、その中心部を回転軸
として例えば図示しない駆動モータにより180゜回
転し、１次洗浄槽１内の被洗浄物および洗浄水を
２次洗浄槽２側へ移送すると共に、２次洗浄槽２
内の水の一部を１次洗浄槽１内へ導入してこれら
をいれかえる。この際、１次洗浄槽１はほぼ半円
形状に成型されて、ゲート４の先端に設けたシー
ル部材８が内側壁６と摺接しつつ、またゲート４
の下端に設けたシール部材９が底壁７と摺接しつ
つそれぞれ回転移動するので１次洗浄槽１内の被
洗浄物を確実に２次洗浄槽２側へ移送することが
できる。また更に、排水口１５のスクリーン１４
に付着していた浮遊物も、あるいは内側壁１６に
付着している浮遊物もゲート４に設けたシール部
材８によりかき取ることができる。

尚、洗浄過程において、排水口１５のスクリー
ン１４に付着する乃至捕獲される被洗浄物をかき
とり手段（図示せず）によりかき落し、溢流水の
流れを阻害しないようにすることもできる。この
ように、ゲート４を180゜回転させて被洗浄物移送
口５を一時的に開閉することにより、１次洗浄槽
６内の被洗浄物を２次洗浄槽２へ確実に移送放流
することができる。

２次洗浄槽２内へ移送された被洗浄物は供給さ
れる清澄水により２次洗浄されつつ比重の軽い篩
渣等はスクリーン２２に捕獲され、スクレーパ２
４によりかき取られつつ浮遊物搬出コンベア２３
によつて槽外へ搬出される。

一方、比重の重い無機物等（砂など）も清澄水
により２次洗浄されつつ槽内の後側底部２６に沈
降し、スクリユーコンベアよりなる被洗浄物搬出
手段２７により槽外へ搬出される。

このように、２次洗浄槽２にて洗浄される被洗
浄物を予め１次洗浄槽１において１次洗浄或いは
前処理洗浄を行なうため洗浄効果を上げることが
できる。しかも、この１次洗浄を行なうための洗
浄水として、２次洗浄槽２の水を再利用するた
め、大幅な節水となる。即ち、１次洗浄槽１に
て、一定量の被洗浄物を、一定時間撹拌し、付着
したよごれの大部分を水中に分離し、溢流水と共
に排出できる。そして、１次洗浄された被洗浄物
を２次洗浄槽２いて、更に清澄水により２次洗浄
するようにしたので、大幅な洗浄度の向上が図れ
る。

また、２次洗浄槽２のスクリーン２２後方の水
を、１次洗浄水として再利用しているので、大幅
な節水が図れる。

また、溢流水と共にスクリーン１４を通過した
砂分は分級槽１２内にて重力分級され、再び１次
洗浄槽１内に戻されるので、これが槽外へ排出さ
れることがなく、砂の回収効率を大幅に向上させ
ることができる。

更に、１次洗浄槽１と、２次洗浄槽２とを仕切
る仕切りゲート４の回転軌跡が１次洗浄槽１の内
側壁６が形成する半円弧状を描くようになされて
いるため１次洗浄槽１内の被洗浄物を２次洗浄槽
２内へ確実に移送することができる。

尚、図示例にあつては、分級槽１２を２基設け
てあるが、これに限定されず、１基のみ設けても
よいことは勿論である。

以上要するに、本考案によれば次のような優れ
た効果を発揮することができる。

(1) 沈砂，篩渣等を先ず１次洗浄槽にて１次洗浄
し、汚れの大部分を外部へ排出してから、２次
洗浄槽で更に清澄水により２次洗浄するように
したので、搬出される砂等によごれが付着する
ことがなく洗浄効果を増大させることができ
る。

(2) 本来なら廃水処理すべき２次洗浄槽の水を２
次洗浄槽内の洗浄水とし再利用するので、大幅
な節水ができ、水資源の有効利用が図れる。

(3) １次洗浄槽からの溢流水中に含まれる砂分を
回収して、再び１次洗浄槽内へ戻すようにした
ので、これが再度沈砂池等へ流れ込むことを防
止でき、砂の回収効率を向上させることができ
る。

(4) 回転する仕切りゲートにより、１次洗浄槽内
の被洗浄物を２次洗浄槽内へ確実に移送するこ
とができる。

(5) 仕切りゲートの先端が１次洗浄槽の内側壁に
沿つて摺動するので、この壁面或いは排水口の
スクリーンへの付着物をかき取ることができ、
保守，点検が容易になり、また衛生的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の好適一実施例に係る洗浄装置
の縦断面図、第２図は同平面図、第３図は１次洗
浄槽の拡大縦断面図である。 尚、図中１は１次洗浄槽、２は２次洗浄槽、４
は仕切りゲート、１１は洗浄水給水管、１２は分
級槽、１７はバツフルプレート、２８は清澄水供
給管、３２は洗浄水供給手段である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 沈砂、篩渣等の被洗浄物に洗浄水を供給しつつ
   撹拌、溢水させて１次洗浄するための平坦な底壁
   と断面円弧状の内側壁を有する１次洗浄槽と、該
   １次洗浄槽に連設され、１次洗浄された被洗浄物
   に清澄水を加えて２次洗浄する２次洗浄槽と、上
   記１次洗浄槽の円弧の中心部に回転中心を有し、
   １次洗浄槽と２次洗浄槽とを仕切ると共に１次洗
   浄槽の底壁と内側壁に摺接しつつ回転して１次洗
   浄槽内の被洗浄物を２次洗浄槽内へ払い出すため
   の仕切りゲートと、上記１次洗浄槽の側壁に形成
   した浮遊物捕集用スクリーンを有する排水口に連
   設され、該排水口の反対側に形成した溢流せきと
   排水口との間に溢流水中に含まれる砂分を沈降付
   勢するバツフルプレートを有し、且つ底部に沈降
   した砂分を１次洗浄槽へ戻す砂戻し通路を有する
   分級槽と、２次洗浄槽内の水を上記砂戻し通路を
   通して砂を随伴させつつ１次洗浄槽内へ供給する
   洗浄水供給手段とを備えたことを特徴とする沈
   砂、篩渣等の洗浄装置。