JPS6344005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内視鏡の挿入管先端部を彎曲操作する
装置の改良に関する。

挿入管の先端部を彎曲操作できるようにした内
視鏡は、一般に次のように構成されている。すな
わち、挿入管の基端側に彎曲操作装置が連結され
ており、彎曲操作装置のハウジング内にはドラム
が設置されている。ドラムには少なくとも一対の
ワイヤの一端が固定されておりワイヤの他端は挿
入管の先端に固定されている。そして、このドラ
ムを回転させることにより、上記ワイヤを介して
挿入管の先端部を彎曲するようになつている。

ところで、上記一対のワイヤのうち、一方が引
張り状態になる時、他方は押し込み状態になる。
この際、押し込み側のワイヤが圧縮力によりねじ
れたり、よりの戻りが生じることがあつた。

そこで最近、ドラムの代わりにスプロケツトを
使用し、このスプロケツトにチエーンをかけ、チ
エーンの両端をワイヤの一端に連結したものが開
発されている。この構成ではスプロケツトを回わ
すことにより、チエーン，ワイヤを介して挿入管
先端部を彎曲するようになつており、押し込み時
にはこのチエーンで圧縮力を吸収し、上記の不都
合を解消している。

しかしながら、この構成では押し込み側のワイ
ヤおよびチエーンが横ぶれし、ワイヤに折りぐせ
がついて断線したり、チエーンとスプロケツトの
かみ合いが不安定になることがあつた。

本考案はこのような事情にもとづきなされたも
ので、その目的とするところは、チエーンおよび
ワイヤが真直な軌道上を移動するよう構成するこ
とにより、上述した不都合を解消でき、しかも組
立て作業が簡単な内視鏡の彎曲操作装置を提供す
ることにある。

以下、本考案の一実施例を第１図〜第６図を参
照して説明する。第１図は内視鏡の全体図を示
す。図中１は挿入管であり、この挿入管の基端側
には本考案の特徴部である彎曲操作装置２が連結
されている。彎曲操作装置２にはライトガイドケ
ーブル３を介してプラグ４が連結されている。こ
のプラグ４を図示しない光源装置に接続すること
によつて挿入管１の先端から光を照射するように
なつている。彎曲操作装置２には接眼筒５が設け
られており、挿入管１の先端でとらえた像を観察
できるようになつている。

次に、彎曲操作装置２について詳述する。第２
図は彎曲操作装置２の下半分を示す平面図であ
り、第３図は同断面図である。図中１１は彎曲操
作装置２の外殻を構成するハウジングを示し、こ
のハウジング１１は上側および下側のハウジング
部材１２，１３と、これらハウジング部材１２，
１３の両端開口を閉塞する端板１４，１５とから
構成されている。一方の端板１４には挿入管１の
基端部が挿入固定されており、他方の端板１４に
は接眼筒５が挿入固定されている。また、ハウジ
ング部材１２，１３の側部にはライトガイドケー
ブル３が挿入固定されている。

各ハウジング部材１２，１３はアルミニウムま
たはアルミニウム合金を引き抜きあるいは押し出
し加工して製造された型材であり、互に同形状を
なしている。各ハウジング部材１２，１３の内面
側にはそれぞれ２本のレール２１ａ，２１ｂが一
体に形成されている。各レール２１ａ，２１ｂは
特に第４図に示すように２本の突条２３，２４か
らなつている。外側の突条２３は断面Ｌ字形をな
し、内側の突条２３は断面Ｔ字形をなしている。
このため、各レール部２１ａ，２１ｂは溝２５と
この溝２５より幅の狭いスリツト２６を有してい
る。

下部ハウジング部材１２の一端部（第２図中左
端部）の内面側にはケース３０が固定されてい
る。このケース３０内にはスプロケツト３１が支
持されている。スプロケツト３１は、上部ハウジ
ング部材１３を貫通するシヤフト３２を介してノ
ブ３３に連結されている。スプロケツト３１には
チエーン３４がかけられている。チエーン３４の
両端部にはそれぞれワイヤ３５ａ，３５ｂの一端
が連結されている。すなわち、第４図，第６図に
示すようにワイヤ３５ａ，３５ｂの一端にはパイ
プ３６が挿入固定されており、このパイプ３６の
外側にはフツク形状をなす剛性の線状体３７が取
りつけられている。そして、この線状体３７をチ
エーン３４の連結ピン３４ａに引掛けることによ
り、チエーン３４とワイヤ３５ａ，３５ｂの連結
がなされている。上記線状体３７の引掛け位置は
任意に選択できる。たとえば、図示の例では最終
端の連結ピン３４ａに線状体３７が引掛けられて
いるが、最終端から２番目以上の連結ピン３４ａ
に引掛けてもよい。このように線状体３７の引掛
け位置を選択することにより、チエーン３４およ
びワイヤ３５ａ，３５ｂの張り具合を調節するこ
とができる。なお、線状体３７のフツク部を予め
やや拡げて形成しておき、このフツク部にパイプ
を挿入固定してもよい。さらに、チエーン３４と
ワイヤ３５ａ，３５ｂの連結を第５図に示すよう
にしてもよい。すなわち、可撓性を有する線状体
３７′をチエーン３４の連結ピン３４ａに引掛け
るとともにパイプ３８によりかしめ固定する。

チエーン３４の端部近傍には第６図，第７図に
示すようにスライダ４０が連結されている。スラ
イダ４０は特に第８図に示すように連結部４１、
挿入部４２およびこれらを一体に連結するリブ部
４３を有している。連結部４１は断面Ｕ字形をな
し、その両側壁４１ａ，４１ａには孔４１ｂ，４
１ｂが形成されている。連結部４１にはチエーン
３４の端部が収納されている。この収納状態にお
いて、細棒４５を上記孔４１ｂ，４１ｂに挿通さ
せるとともにチエーン３４の連結ピン３４ａ，３
４ａ間に挿通させ、さらに、連結部４１の側壁４
１ａ，４１ａでチエーン３４を挟みつけた状態で
細棒４５の両端部を曲げることにより、チエーン
３４がスライダ４０に連結される。

スライダ４０の挿入部４２は、前述したレール
２１ａ，２１ｂの溝２５と同一の断面形状を有し
ており、第７図に示すように溝２５内に走行自在
に挿入されている。リブ部４３は挿入部４２より
幅が狭く形成されており、レール２１ａ，２１ｂ
のスリツト２６に挿通されている。

ワイヤ３５ａ，３５ｂの他端は挿入管１の先端
に連結されている。ワイヤ３５ａ，３５ｂは可撓
性を有する螺旋管４６ａ，４６ｂ内に挿通されて
いる。螺旋管４６ａ，４６ｂの一端は挿入管１の
先端彎曲部の基端に固定され、他端は下部ハウジ
ング部材１２に取りつけられた止め部材４７に挿
入固定されている。第２図中４８はスライダ４０
の移動ストロークを規制するストツパである。

上述の構成において、ノブ３３を回わすとスプ
ロケツト３１が回わり、このスプロケツト３１に
かけられたチエーン３４およびワイヤ３５ａ，３
５ｂを介して挿入管１の先端部が彎曲される。た
とえば、ノブ３３を第１図，第２図中反時計回わ
り方向に回わすと、一方のワイヤ３５ａが引かれ
て挿入管１の先端部が第１図中矢印Ｘ方向に彎曲
され、ノブ３３を時計回わり方向に回わすと他方
のワイヤ３５ｂが引かれて挿入管１の先端部が矢
印X′方向に彎曲される。

ところで、上記ワイヤ３５ａ，３５ｂは一方が
引張状態にあるとき、他方が押込み状態にある
が、この際押込み側のチエーン３４がたるむため
押込み側のワイヤ３５ａまたは３５ｂに圧縮力が
付与されず、ワイヤ３５ａ，３５ｂにねじりが生
じたりよりの戻りが生じるのを防止できる。ま
た、チエーン３４に連結されたスライダ４０がレ
ール２１ａ，２１ｂに沿つて真直に走行されるた
め、押し込み側のチエーン３４やワイヤ３５ａ，
３５ｂが横ぶれすることはなく、このためチエー
ン３４とスプロケツト３１のかみ合いが不安定に
なつたり、ワイヤ３５ａ，３５ｂに折りぐせがつ
いて断線する等の不都合を防止できる。

なお、本考案は上述した実施例に制約されず
種々の態様が可能である。たとえば、レールはハ
ウジングと別体にして設けてもよい。また、上述
の実施例ではチエーンとスライダを連結する細棒
の両端を折り曲げてスライダに固定したが、この
細棒をボルト形状にし、その先端部にナツトを螺
合して上記スライダに固定するようにしてもよ
い。

以上説明したように本考案は、挿入管の先端部
を彎曲させるためのワイヤを、チエーンを介して
スプロケツトにより駆動するので、このチエーン
により押し込み側の圧縮力を吸収でき、ワイヤに
ねじれが生じたりよりの戻りが生じるのを防止で
きる。またチエーンに連結されたスライダをレー
ルに沿つて真直に走行させるようにしたのでチエ
ーンおよびワイヤの横ぶれ等を防止でき、安定し
た彎曲操作を行なえるとともに、ワイヤの折りぐ
せによる断線を防止できる。しかも、スライダの
断面Ｕ字形の連結部にチエーンを収納し、この連
結部の両側壁を貫通する細棒をチエーンの連結ピ
ンの間に挿通することによつて、チエーンをスラ
イダに連結するため、連結を確実に行なえるとと
もに連結作業も比較的簡単である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は内視鏡の全体を示す図、第２図は彎曲操作装置
の下半分を示す平面図、第３図は第２図中−
線に沿う断面図、第４図はチエーンとワイヤの連
結構造を示す図、第５図はチエーンとワイヤの連
結構造の他の態様を示す図、第６図はスライダと
チエーンの連結構造を示す平面図、第７図はスラ
イダとレールの結合状態を示す断面図、第８図は
スライダを拡大して示す斜視図である。 １…挿入管、２…彎曲操作装置、１１…ハウジ
ング、２１ａ，２１ｂ…レール、２５…溝、２６
…スリツト、３１…スプロケツト、３４…チエー
ン、３５ａ，３５ｂ…ワイヤ、４０…スライダ、
４１…連結部、４１ａ…側壁、４１ｂ…孔、４２
…挿入部、４３…リブ部、４５…細棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジング内にスプロケツトを設け、スプロケ
   ツトにチエーンをかけ、チエーンの両端部にワイ
   ヤを連結し、上記スプロケツトを回わすことによ
   りチエーンおよびワイヤを介して挿入管の先端部
   を彎曲操作する内視鏡の彎曲操作装置において、
   ハウジング内に真直なレールを設け、このレール
   にスライダを走行自在に挿入し、スライダには断
   面Ｕ字形の連結部を設け、この連結部に上記チエ
   ーンを収納するとともに、連結部の両側壁を貫通
   する細棒をチエーンの連結ピン間に挿通させるこ
   とにより、チエーンをスライダに連結することを
   特徴とする内視鏡の彎曲操作装置。