JPS6343573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、印刷機などの媒体のスタツカ装置に
関し、特に発券プリンタのようにカード・シート
状の媒体を使用する印刷機におけるスタツカ装置
の改良に関する。

〔従来の技術〕

以下に、従来の発券プリンタにおけるスタツカ
装置を図面に基づいて説明すると共に、その欠点
を述べる。第１図は従来の発券プリンタのスタツ
カ装置の概略側断面図、第２図は同排出部の拡大
側断面図であり、１はカード・シート状の媒体、
２は媒体１の排出部に対向接触して設けた２個の
排出ローラ、３は媒体１を排出ローラ２へ導く送
行ガイド、４は媒体１を排出ローラ２へと送出す
る対向接触して設けた２個のフイードローラ、５
は同側に位置するフイードローラ４から排出ロー
ラ２にベルトを配してフイードローラ４および排
出ローラ２を駆動するフイードモータ、６は排出
ローラ２上方に曲折し接近して設けた媒体１の排
出ガイド、７は一方の排出ローラ２の斜め下方に
接近して設けた媒体１の受皿である。

次に、上記のように構成したスタツカ装置の動
きについて説明する。

図示しないプリンタ部で印刷され、搬送されて
きた媒体１は、フイードモータ５によつて駆動さ
れているフイードローラ４に挾持され送出されて
送行ガイド３を通る。そして媒体は更に前記フイ
ードモータ５によつて駆動されている排出ローラ
２に至り、該排出ローラ２と排出ガイド６により
受皿７上に排出されて集積される。

つまり、第２図に示すように媒体１は排出ロー
ラ２により挾持されて矢印Ａの如く上方に排出さ
れる。しかし、受皿７への集積方向は矢印Ｂ方向
で示す下方向なので大きな方向差があり、従つて
これを排出ガイド６で規制して、実線で示すＡ方
向の媒体１を点線で示すＢ方向の水平方向から下
方向そして受皿７へと媒体１を導いて受皿７に集
積するのである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この従来のスタツカ装置では次のよう
な問題が生じてくる。

それは、たとえ排出ガイド６で規制されても媒
体１は図示したように後端部を一方の排出ローラ
２上に乗上げて先端部分が受皿７に当接した状態
となり、排出ローラ２が回転しても媒体１の先部
と受皿７との摩擦力によつて媒体１の後端部は排
出ローラ２上を移動せず乗り上げたままの不完全
な状態で集積されるという問題がある。

また、排出ローラ２に更に別のローラを近接さ
せて媒体１の排出方向を急激に変化させる方法が
あるが、これは媒体１がカード状で腰が強いため
にジヤムが生じることとなる。更に、排出速度を
上げて媒体１を排出すると媒体１の排出方向が一
定せず受皿７上に不揃いに集積されるという問題
が生じ、そして、受皿７を深くしたり底を傾斜さ
せると装置が大型化したりオペレータの操作性を
損なう結果となる。

本考案はこれらの問題を解決するためになされ
たもので、媒体のジヤムを生じさせず、かつ大型
化したオペレータの操作性を損なうことなく媒体
を受皿上に正確に揃えて集積することができる発
券プリンタのスタツカ装置を実現することを目的
とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上述した目的を達成するため、本考案は排出ロ
ーラによつて排出される媒体に押圧されることに
より撓みかつ媒体排出後は媒体を受皿側へ押下げ
てその後端部を排出ローラ上に押付ける程度の弾
性力を持つ弾性体を排出ローラに当接させて設け
たことを特徴とするものである。

〔作用〕

上述した構成を有する本考案は、プリンタ部で
印刷された媒体が排出ローラの回転により排出さ
れて行くと、それに伴つて弾性体が媒体の押圧力
を受けて撓み、そして媒体が排出ローラを通り抜
けると弾性体の復旧力により前記媒体が受皿側へ
押下げられると共に、媒体の後端部が排出ローラ
上に押付けられる。

この状態でさらに排出ローラが回転すると媒体
は受皿側へ送られ、これにより媒体は受皿上へ一
定の状態に正確に集積される。

従つて、これによれば媒体の排出方向を急激に
変化させる必要がないのでジヤムを生じることが
なく、しかも受皿を深くしたり底を傾斜させる必
要もないので装置が大型化したりオペレータの操
作性を損なうことなく媒体を受皿上へ一定の状態
に揃えて正確に集積することができる。

〔実施例〕 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図中従来例と同一の構成要素には同一
符号を使用する。

第３図は本考案の一実施例を示すスタツカ装置
の概略側断面図、第４図は同排出部の拡大側断面
図であり、１は媒体、２は排出ローラ、３は送行
ガイド、４はフイードローラ、５はフイードモー
タ、６は排出ガイド、７は受皿であり、これらは
従来と同様に構成、配置されてる。

８は媒体１の腰の強さとつり合う弾性力、つま
り排出ローラ２により排出される媒体１によつて
撓みかつ媒体排出後は媒体１を押下げてその媒体
１の後端部を一方の排出ローラ２に押付ける程度
の弾性力を有した弾性体としての板ばねであり、
該板ばね８は基部を排出ガイド６に固定して先端
部が排出ローラ２上に当接するように配置してあ
る。

このように構成した本考案での媒体１の排出動
作は前記従来例と同様の手順にて行われるが板ば
ね８の作用が重要な働きをする。

従来と同様に、媒体１は排出ローラ２から排出
されるが、この時、媒体１はその先端で板ばね８
を押圧して、該板ばね８を撓ませながら排出され
ることとなる。この時、板ばね８には撓みによる
エネルギーが生じる。

媒体１の後端が排出ローラ２間から抜出ると直
ちに板ばね８が復旧し、媒体１を受台へと押下げ
ると共に、媒体１の後端部を一方の排出ローラ２
上へ押付ける。

ここで、媒体１の後端部と一方の排出ローラ２
との間には媒体１の先端部が受皿７に当接してい
るよりも大きい排出摩擦力が発生することとな
り、媒体１は排出ローラ２の回転に伴つて排出さ
れ正しく受皿７上に集積される。

尚、板ばね８に代えて樹脂等の板をスプリング
で排出ローラ２へ押付ける構成として、これを弾
性体として用いることも可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、排出ローラによ
つて排出される媒体に押圧されることにより撓み
かつ媒体排出後は媒体を受皿側へ押下げてその後
端部を排出ローラ上に押付ける程度の弾性力を持
つ弾性体を排出ローラに当接させて設け、この弾
性体に作用により媒体が受皿上へ一定の状態に正
確に集積されるようにしている。

従つて、これによれば媒体の排出方向を急激に
変化させる必要がないのでジヤムを生じることが
なく、しかも受皿を深くしたり底を傾斜させる必
要もないので装置が大型化したりオペレータの操
作性を損なうことなく媒体を受皿上へ一定の状態
に揃えて正確に集積することができるという効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の発券プリンタのスタツカ装置の
概略側断面図、第２図は同排出部の拡大側断面
図、第３図は本考案の一実施例を示すスタツカ装
置の概略側断面図、第４図は同排出部の拡大断面
図である。 １……媒体、２……排出ローラ、７……受皿、
８……板ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 プリンタ部で印刷された媒体を排出部に設けら
   れた排出ローラにより装置外へと排出して、該排
   出ローラに近接して配置されている受皿上に集積
   する発券プリンタのスタツカ装置において、 前記排出ローラによつて排出される媒体に押圧
   されることにより撓みかつ媒体排出後は媒体を受
   皿側へ押下げてその後端部を排出ローラ上に押付
   ける程度の弾性力を持つ弾性体を排出ローラに当
   接させて設けたことを特徴とする発券プリンタの
   スタツカ装置。