JPS6343456B2 - - Google Patents

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JPS6343456B2
JPS6343456B2 JP58212289A JP21228983A JPS6343456B2 JP S6343456 B2 JPS6343456 B2 JP S6343456B2 JP 58212289 A JP58212289 A JP 58212289A JP 21228983 A JP21228983 A JP 21228983A JP S6343456 B2 JPS6343456 B2 JP S6343456B2
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JP
Japan
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temperature
alloy
point
recovery
article
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JP58212289A
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English (en)
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JPS59166646A (ja
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Baatoran Burutsuku Gurebiru
Reonaado Burutsukusu Piitaa
Furanshisu Aiesu Rojaa
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Raychem Corp
Original Assignee
Raychem Corp
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Publication date
Application filed by Raychem Corp filed Critical Raychem Corp
Publication of JPS59166646A publication Critical patent/JPS59166646A/ja
Publication of JPS6343456B2 publication Critical patent/JPS6343456B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/04Alloys based on copper with zinc as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/006Resulting in heat recoverable alloys with a memory effect
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16BDEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
    • F16B2200/00Constructional details of connections not covered for in other groups of this subclass
    • F16B2200/77Use of a shape-memory material

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱回復可能な銅基β相形状記憶合金に
係る。 合金の如き金属組成物においてオーステナイト
状態からマルテンサイト状態へ可逆変態を行うこ
とができる性質のものは既知である。そしてこれ
らの中のいくつかは熱回復可能物品として成形さ
れている。これらの合金は例えばフルマー研究所
(Fulmer Research Institute)の各において米
国特許第3012882;3174851;3351463;3567523;
3753700;および3759552号、ベルギー国特許第
703649号、および英国特許第1315652;1315653;
1346046および1346047号中に開示されている。フ
ルマー研究所の4特許を本文に“フルマー特許”
として参照している。前記の総ての開示された特
許は本文中の参照文献として取り入れている。 このような合金はまたアメリカ航空宇宙局刊行
SP110の“55−ニチノール記憶能力保有合金即ち
形状記憶合金等”(“55−Nitinol−the alloy
with a memory,etc”)(U.S.Goverment
Printing office,washington,D.C.,1972)、N.
NakanishiらによるScripta Metallurgica5、
433−440(Pergamon Press1971)において開示
されており、これらは同様に参照文献として本文
中に取り入れている。 これらおよび他の合金は高温(またはオーステ
ナイト)状態から低温(またはマルテンサイト)
状態へ冷却される時にシエア変態を行うという特
色を共通して有している。このような合金で製造
された物品がマルテンサイト状態において変形さ
れたならばその物品は変形された状態を維持す
る。その物品がオーステナイト状態になる温度に
戻すために加熱されると、その物品は変形前の状
態に戻ろうとする。1つの状態から他の状態への
転移はどちらの方向に対してもある温度域を超え
て起る。冷却中にマルテンサイトが形成しはじめ
る温度をMs点と称し、マルテンサイトの形成が
完了する温度をMf点と称する。これらのそれぞ
れの温度は試料を100℃/min.の如き高速の温度
変化を与えて得られる。これを基準Ms点および
Mf点と言う。同様に、オーステナイトへの変態
の開始および終了時点の温度をAs点およびAf点
と称する。一般に、Mf点はAs点より低温であ
り、Ms点はAf点より低温である。Ms点は合金
組成によりまた合金の熱的機械的履歴によりAs
点に比して等しいか、低いかあるいは高くなり得
る。1つの状態から他の状態への変態は前記の変
形の回復に加えて材料の有する数多き物理的性質
の1つ例えば電気抵抗率を測定することにより追
跡することができる。それは変態が起る時の異常
変化を示すものである。温度対抵抗率あるいは温
度対歪のグラフを記入するならば、Ms、Mf、
As、Afの各点を結び再びMs点へ戻る線はヒステ
レシスループと称するループを形成する。数多く
の材料においてMsおよびAs点はほぼ同一温度で
ある。 熱回復能力または形状記憶能力を有する特殊な
有用合金の1つに米国特許第3174851号の金属間
化合物Ti Niがある。合金の変形された物品が元
の形状に戻る温度は英国特許第1202404号および
米国特許第3753700号に開示されているように、
合金組成による。例えば元の形状への回復は室
温、室温以下あるいは以上において行われる。 熱回復可能合金を使用するある商業的応用例に
おいて、As点がMs点より高温であることが以下
に示す理由により望ましい。この合金により形成
される数多くの物品は変形された状態即ちマルテ
ンサイト状態において使用者に供給される。例え
ば本文に参考文献として取り入れている英国特許
第1327441および1327442号において開示されてい
るように、流体部品用カツプリングが変形された
状態例えば拡大された状態で販売されている。購
入者は拡大されたカツプリングを接合の相手とな
る部品例えば流体配管の端末部に被せて置き、次
にカツプリングの温度を上昇せしめる。その温度
がオーステナイト変態域に達した時に、カツプリ
ングは拡大する前の形状に戻るかまたは戻ろうと
する。そして接合される部品の上に収縮して接合
させる。カツプリングが使用中にオーステナイト
状態を保持すること(例えばマルテンサイト状態
へ変態して応力弛緩を起すのを避けるため、およ
びオーステナイト状態の機械的性質が優れている
故に)が必要であるが故に、この材料のMs点は
使用中常時オーステナイト状態を保持するべく使
用時中に達し得る可能性のあるどの温度よりも低
い温度に選ばれている。この理由により、1旦変
形を行つた後はこの物品は使用されるまでは、例
えば液体窒素の中に保存されなければならない。
しかし、この文中で述べているように、Asの意
味がオーステナイトあるいはオーステナイト状態
への変態能力を有する全てのマルテンサイトにつ
いての、歪−温度グラフ上にプロツトされた連続
したS字状の転換の開始を示すものとすれば、そ
のAsは例えばほんの一時的に1回の加熱サイク
ルを行うだけでそれに対応するMs点の上昇を伴
うことなく上昇させることができ、そうすれば拡
開されたカツプリングはより高い温度でより好都
合な温度に保つて置くことが可能になる。 本発明は、オーステナイト状態とマルテンサイ
ト状態との間の可逆変態を行うことができる金属
組成物よりなる合金を得ることである。本発明の
合金は、重量%で4〜40%のZn、7〜14%のAl、
1〜15%のMn、及び残部Cuと不可避不純物とか
ら成る、銅基β相形状記憶合金であることを特徴
とする。 本発明の合金においては、それがマルテンサイ
ト状態にある温度から通常のAs点乃至Af点の範
囲の以内または以上の温度にまで、この組成物の
オーステナイト状態への実質的な変態を阻止する
ような加熱速度で徐熱される。以下に詳説するよ
うに、この加熱速度は合金によつて異なるが1
℃/min.以下の加熱速度であれば適用可能であ
る。合金がマルテンサイト状態にある間に徐熱の
終了以前または終了に引続いて元の形状から変形
をおこなうことによりこの組成物に熱回復性を与
える。この合金は徐熱された温度以下に冷却さ
れ、その温度で貯蔵される。 このように処理された金属組成物は徐熱が終了
した温度まではマルテンサイト状態を維持するよ
うな顕著なる特性を有している。この組成物をオ
ーステナイト状態に復帰させるにはこの組成物を
徐熱処理を終了した温度以上に急熱することによ
り達成される。急熱処理に先立つて組成物が変形
されていれば、元の形状への復帰は急熱処理によ
つて達成される。 本発明は少くとも1加熱サイクルにおいてその
Ms点より高温のAs点を有する、または既にその
組成物のMs点より高温のAs点を保有しているな
らば上昇されたAs点を有する即ち拡大されたヒ
ステレシスループを有する金属組成物を包含する
熱回復可能物品を提供する。その結果として、マ
ルテンサイト状態の時に保有する物理的性質がよ
り高い温度においても保持され、また物品がすで
に変形を受けている場合にはその元の形態へ復帰
する温度、または復帰しようとする温度は高くな
る。 本発明はまた拡大されたヒステレシスループを
有する独特の金属組成物を提供する。この合金ま
たは組成物から成る物品は好ましい徐熱処理に先
立つて、または処理に引続いてマルテンサイト状
態である間に、それがオーステナイト状態であつ
た時の形状から変形されることにより熱回復可能
性のものにされることができる。物品が使用され
る時には、それは単に例えば5℃/min.または
それ以上;好ましくは100℃/min.またはそれ以
上の何らかの都合の良い速度で高速加熱を受けれ
ばよい。そうすればAs点はそれにより決まるし、
また多くの場合徐熱により到達した温度に近い温
度になる。即ち本発明は前記した処理により得ら
れた性質を有する物品あるいは合金を提供する。
この処理をこれより“予備処理”と称し、得られ
た合金を“予備処理済み”合金と称する。 本発明について添附図面を参照して実施例を示
して更に詳細に説明する。 第1図について言及するならば、このグラフを
使つて例えば最低が−30℃程度の低温にさらされ
て使用されなければならない部品について以下に
考察してみる。このような使用目的にかなうもの
として−30℃以下に冷却されるとマルテンサイト
変態を開始する合金を選択する。銅基β相合金に
ついては、加熱することにより第1図に斜線部分
に示されているように変形状態から物体が原形に
復する温度はやはり略−30℃であり、原形への完
全なる復帰は40〜50℃の温度範囲にて起る。第1
図に示される如く室温においても上記部品は原形
状に復している。回復特性を比較する目的のため
には、各加熱の間に発生する回復の量を記憶して
やることにより、即ち第1図の曲線の一次微分係
数をプロツトしてやることにより第2図の如きよ
り有益な図式表示を得ることが出来る。本発明に
よれば回復範囲をその通常の位置aから第2図に
示される如く新らしい位置bへと移動させること
が出来る。 本発明の合金は通常の方法により溶融し、所望
の最終形状へと加工することが出来る。かくて成
形された部品は次にすべてがβ相に即ち700℃以
上950℃以下の温度に加熱される。この温度にお
いて数分間保持された後該部品は水中冷却され、
次に該部品はこれを低温組識に変態させるため例
えば固体二酸化炭素及びエチルアルコールによつ
て冷却される。低温において該部品はその新らし
い形状へと変形される。尚6〜10%の歪を与える
ことにより良好な結果が得られる。次に該部品は
例えば0.25℃/分程度のゆつくりした加熱速度で
加熱される。その理由は例えば+40℃の如き所望
の回復温度が得られる迄変態を遅延させてやるた
めである。次に該部品は室温に迄再び冷却され
る。この部品をその原形状に迄戻してやるために
は、該部品は例えば100℃/分程度のはやい加熱
温度で加熱されねばならない。この部品の原形状
への回復は+40℃付近で始まり約100℃で完了す
る。該部品を冷却してやると、低温度相への変態
は−30℃より高温では発生しない。もし該部品が
再び−79℃に冷却され、再び変形され、次に急速
加熱されるならば回復が−30℃において発生す
る。 本発明により達成可能なAsの温度上昇には最
大値が存在すると考えられる。例えばβ−黄銅の
温度を上昇させると該黄銅はα及びβ相物質の平
衝混合組識へと変化する傾向がある。この現象が
発生するとAsの温度上昇は防止される。しかし
ながら本発明の方法においては幾つかの合金の
Asは100℃程度上昇させることが可能であり、し
かもこの温度上昇が最大到達可能値であるとは考
えられない。 本発明の応用性はある程度合金の組成に依存す
る。Fulmer特許に記載の合金においては回復温
度範囲を制御する作用に対して幾分反応を示した
が、より一層合金成分範囲が限定されると制御反
応度ははるかに良好となつた。上述の適応例の大
部分においては冷却した際の変態の開始点が室温
以下であることを必要とするが、この規制条件は
全ての適応例に当てはまるものではない冷却時に
おける変態が室温以上の温度において開始される
ある種の合金組成体は本発明の処理に対して良好
な反応を示すことが判明している。 上昇した回復温度範囲における回復の量は、も
し合金が急速加熱を始める前にあるいは低貯蔵温
度へと冷却される前に、緩速加熱が停止される温
度にある長い時間合金が保持されることがない場
合にはしばしば最大値を取る。 所定の合金に対しては「徐熱」とも称すべきで
ある最大値以下の加熱速度範囲と、「急熱」とも
称すべきである最小値以上の加熱速度範囲が存在
すると考えられる。この最大値及び最小値の間に
はAs温度がその通常の値と極めて高温度の値と
の間で変動する臨界加熱速度範囲が存在する。 全ての合金に対して「急熱」及び「徐熱」加熱
速度範囲の数値限定を与えることは不可能であ
る。その理由はこの数値が幾つかの因子に依存す
るからである。その一つとして物理的かつ化学的
処理は温度依存性を有しており、このような処理
は例えば+40℃よりは−40℃において極めてゆつ
くり進行するという因子を挙げることが出来る。
Ms点が−40℃にある合金においては、「急熱」及
び「徐熱」両加熱速度範囲は他の点では類似の
Ms点が40℃にある合金よりもゆるやかであると
いうことは一般的な真理である。更には前述の
「他の点では類似な」合金の組成は必然的に幾分
異なつた成分を含有しているはずであるから、こ
れらの成分が結局「急熱」及び「徐熱」加熱速度
の限界に影響を及ぼすことになる。 更に必要とされる加熱速度は合金含有成分及び
時効処理の程度に依存する。所定の合金に対して
好ましくかつ臨界の速度を決定する実験は広く行
なわれている。しかしながらある合金に対しては
「徐熱」に対する上側限界値と、「急熱」に対する
下側限界値が存在しており、これらの限界値を簡
単な実験をすることにより所定の合金に対して容
易に定める事が出来る。 好ましくは上記合金は金属間化合物である。適
当な合金として好ましくは比較的少量のアルミニ
ウム、マンガンを含んでいるCu−Zn合金を挙げ
ることが出来る。この合金は約20重量%以上の添
加成分を含むことが可能であると信じられてい
る。回復量が有効な程度のものであるためには合
金のマルテンサイト状態における破断伸びは少な
くとも5%の値を有しているべきである。銅及び
亜鉛以外の金属の割合は合金の転移温度及び他の
特性に影響を与える。 本発明合金の熱的予備処理においては、材料は
初期徐熱前か又は徐熱後乃至は徐熱しかつ冷却し
た後において変形させることが可能であり、どの
場合においても変形は実質的にマルテンサイト状
態において発生させられ、好ましくはMf点以下、
より好ましくはMf点直下において発生させられ
るのが良い。 本発明合金を実施するに当つて注意すべき可変
条件としては以下のものが挙げられる。 Cu−Zn−Al−Mn合金の場合にはオーステナ
イト、マルテンサイト間の可逆遷移現象が可能な
るためには合金は実質的にβ−相になければなら
ない。70%以上がβ−相である合金は通常実質的
に純粋なβ−相特性を示す。従つて合金を高温に
加熱してβ−相を得ることが必要とされる場合に
は選択した温度において合金の少なくとも一部が
β−相内に存在していなくてはならない。合金が
実質的にβ−相になる温度範囲は合金の組成が変
化するにつれて変動する。銅基合金においてはこ
の温度は約700℃の低温で生ずる。 上記合金を焼入れする際の焼入れ温度において
上記β−相は準安定状態にある。即ち該合金はα
−相への逆転傾向は顕著なものではない。更に、
焼入れの際の冷却速度は冷却に際してのα−相の
析出が顕著でない程度に十分大きい必要がある。
Ms点以下の温度に焼入れすることは熱回復特性
に対しては逆効果を与え、一方場合によつては
Ms点よりもあまり高すぎる温度に焼入れするこ
とは冷却速度が低くなり上述の銅合金におけるα
−相の析出を防止することが出来ないので好まし
くない。好ましい焼入れ温度は熱回復挙動に逆効
果を与えない温度であり、特にMs点が0℃以下
の合金に対しては約20℃が好ましい焼入れ温度で
ある。 低温マルテンサイトからの加熱速度は重要であ
る。定量的に言うならば、「徐熱」加熱速度は通
常のMs温度乃至直上付近においてマルテンサイ
トがオーステナイトに逆転するのを防止出来る程
度に十分ゆるやかな速度である。アルミニウム及
び/又はシリコンを含有しているCu−Zn−Al−
Mn合金に対しては0.01〜1.0℃/分の加熱速度が
好ましいと考えられている。「急熱」加熱速度は
マルテンサイトから直接加熱して通常のAs温度
が得られるような加熱速度であるか、乃至は「徐
熱」の後に該「急熱」が行なわれた際特定の更に
高いAs温度においてマルテンサイトがオーステ
ナイトに逆転するような温度である。 本発明合金の処理は未変形試料の回復温度範囲
を制御するのに用いることが出来るが、回復範囲
を制御するための最適条件を決定するに当つては
歪の付加と合金組成とは相互に関係を有してい
る。 最適条件決定にあたつては応力も又考慮に入れ
なければならない。何故ならば応力が高くなるに
つれて冷却遷移範囲は高温側に移動するからであ
る。同様にして、加熱時において回復を完了する
のに要する温度はもし物品が応力下において回復
するか乃至は回復の結果応力負荷された場合高く
なる。 第3a図及び第3b図に示される如く本発明の
徐熱処理の効果は歪と温度により変動する。第3
a図に示される如く、新規のAs点(Aseとして
図示)が生じ、この温度においては熱回復の実質
的に全部分は回復の目的で熱を加えた時発生す
る。第3b図において示される如く、本発明に係
る徐熱処理の効果は通常のAs点を幾分示したま
ま新規のAse点を誘起させることにある。発明の
応用は該発明の特定の理論によつて拘束されるも
のではないが、As点が認められるという現象は
徐熱加熱速度における熱回復の速度が通常のAs
点におけるヒステリシスループを拡大させるのに
極めて大きな役割を果しているためとも考えられ
る。乃至は該現象は本発明合金の徐熱処理の初期
部分を通常のAs点において幾分の熱回復が生ず
る程度の十分大きな加熱速度で意識的に行なわせ
ることからも生じせしめることが出来ると考えら
れる。 上述の説明によりAse点は徐熱が終了する温度
によつて決定されることが理解されよう。徐熱行
程は冷却によつて終了させることも出来るし、乃
至は急熱加熱を開始せしめることによつて終了さ
せることが出来る。ここでもし該急熱加熱を十分
長い時間行なうと、急熱加熱が開始された時点に
存在している全ての変態可能マルテンサイトの完
全変態が開始される。かくて、新規のAse点を誘
起せしめ該温度においてかくて処理された金属組
成物品の有益な熱回復を開始せしめることは本発
明合金の範囲内に含まれると考えられる。 本発明に従つて用意された物品の回復前及び回
復後の形状は物品が供給される端末用途に依存す
る。例えば円筒状物品を用意する時には該物品を
半径方向に収縮乃至膨脹させるようにすることが
可能であり、乃至はねじれ状態から非ねじれ状態
へ又はその逆に変化させることも可能であり、あ
るいは又部品の長さを変化させたり、形状をI型
からL型に変更させることも出来る。 本発明の特に目的とするところは熱回復可能金
属物品の回復温度を制御して物品に予め設定した
回復範囲を与えることの出来る合金を提供するこ
とである。尚上記回復範囲は単に徐熱を特定温度
地点において終了させることにより実質的に様々
な限界値内で変動させることが出来る。 本発明合金による製品は該製品と同一の組成を
有するが文発明の処理を受けない合金の製品より
も広範囲の温度範囲においてマルテンサイト状態
を保持する。マルテンサイト組成体は優れた減衰
振動特性を備えており、疲労すること無く変形可
能であり、しかも変形が容易であり、ヤング率が
低い。又本発明によれば以前と比較してこれらの
特性を有するより広範囲の金属組成体を得ること
が出来る。 本発明によれば、オーステナイト状態からマル
テンサイト状態の間を可逆的に変態可能な金属組
成体に上昇したAs点を付与する第二の手段が提
供されている。該第二の手段は金属組成体をその
通常のMs点以上の温度において変形形状に十分
な時間保持せしめ、以つて拘束装置が除去された
時に少なくとも該変形の一部分を保持せしめると
いう段階を含んでいる。保持される変形の量はと
りわけ該金属組成体が保持される温度と、保持段
階の持続時間との関数である。ある与えられた合
金の保持時間は普通の実験により決定することが
出来る。一般的に言つて所望の効果を得るための
最小有効期間は保持温度に依存するが、例えば
200℃では10秒であり、100℃では10分であり、室
温では60分である。 本発明の金属組成からなる合金の物品はオース
テナイト状態にある間に変形させることが出来
る。しかしながら通常この状態において変形を行
なうには大きな力を要する。従つて該物品を変形
させるのはそれがMs〜Mf点間におけるより被加
工性良好な状態において行なうのが好ましく、そ
の後変形状態において該物品の温度をMs点以上
の所望の保持温度に上昇させるのが好ましい。 機械的予備処理を受けた物品はそれが急熱加熱
された時少なくとも部分的に初期形状へと回復す
る。 例えば引張力を付加するとか、圧縮力を付加す
るとか、曲げ力を付加させることにより、オース
テナイト状態にある物品に負荷乃至応力を加える
と、オーステナイトの一部がマルテンサイトに変
態する応力誘起変態を介して物品内に歪が誘起さ
れることが知られている。この歪は負荷が除去さ
れると削減するものであり、「擬弾性歪」と呼ば
れる。何故ならばこの歪効果は歪が応力と線形関
係を保つて変化しないという意味において通常の
弾性挙動となるからである。(H.Pops,Met.
Trans.1(1)251〜58頁、1970参照)。歪が消滅す
るのは付加応力により誘起されたマルテンサイト
への変態が弾性的かつ非フツク状態においてオー
ステナイトへと逆転するからである。一般的に言
つて応力誘起マルテンサイト変形が起り得る最大
温度が存在する。この温度は金属組成により変動
するものであり以後通常呼する如くMd点と呼
ぶ。 応力により誘起される擬弾性マルテンサイト及
びオーステナイト状態間の可逆性は、低温度の安
定マルテンサイト状態において変形した金属組成
体試料がマルテンサイトがオーステナイトへと変
化する温度範囲迄加熱された時原形状に復帰する
形状記憶効果と表面的には類似の現象である。こ
の現象と上記擬弾性的に生じたマルテンサイトと
関連して発生する現象との大きな差異は後者にお
いてはマルテンサイトの形成が応力付加領域に局
所化されており、マルテンサイトからオーステナ
イトへの遷移はオーステナイトからマルテンサイ
トへの遷移と同様恒温変態であるということであ
る。 このような理由により、金属組成体の試料をそ
のMf点以下で変形させ該試料を該温度下に保持
して所定時期において歪を回復させることにより
得られる熱回復性歪を利用する場合には、可逆性
擬弾性歪は理論的にはともかく実用上は応用不可
能である。しかしながら、上述せる如くこの後者
の処理方法においては試料を比較的低い温度に即
ちAs点以下に保持して、通常オーステナイトへ
の遷移が発生する温度(As)を十分前進させて
取扱う試料が周囲温度において回復しないように
なる所望の時期迄は回復を防止してやるという必
要性が往々にして生ずる。 本発明合金においては、金属物品が通常のAs
点以上の温度即ち与えられた金属組成と関連した
通常の逆転温度に到達する迄変形金属物品がその
オーステナイト状態における原形状へと逆転する
現象を防止するための別の新規な方法が提供され
ている。この方法は好ましくは該物品を原形状か
ら変形させ、該変形物品をMd点以下Ms点以上の
温度において応力解放時に原歪の少なくとも一部
が保持されるのに十分な期間だけ該変形状態に保
持せしめる段階を有している。その後試料を急熱
加熱すると、即ち熱的予備処理によつて更にAs
点が上昇しないような加熱速度(通常かつ好まし
くは100℃/分以上)を以つて加熱すると上記保
持歪の少なくとも一部分が回復するという結果が
得られる。従つて、本発明は又特定の組成に関し
て通常得られるAs−Af範囲と比較して上昇した
As−Af範囲を備えた熱回復金属組成体をも提供
している。 一般的に言うならば、本発明は可逆的オーステ
ナイト−マルテンサイト変態を行なう広範囲の金
属組成体に適用可能である。本発明は特に合金更
に具体的には電子化合物を形成する合金に用いる
のが適している。好ましい電子化合物としては構
造的に類似の体心立方相に対応してHume−
Rotheryが命名した電子化合物(例えばβ−黄
銅)乃至は価電子数対原子数が3:2の電子化合
物を挙げることが出来る(A.S.M.Metals
Handbook,Vol.1、8刷、1961、4頁参照)。 適当な合金としてはβ相合金を含ませることが
出来るが、該β相合金としては例えばβ−黄銅と
関連する体心立方型のβ合金を形成するCu−Zn
−Al−Mn合金を典型的な例として挙げることが
出来よう。該合金としては4〜40重量%のZnと、
7〜14重量%のAlと、1〜15重量%のMnと、残
部Cuと不可避不純物とから成るβ相合金を挙げ
ることが出来る。実施例においてはこれらの数値
範囲に入る幾つかの合金について更に詳細な説明
を行なうことにする。しかしながら、本発明は好
ましい実施例にのみに適用可能なものではない。 この型式の合金は当業界では既知の方法を用い
てβ−相にて得ることが出来る。通常β−相は該
当合金を実質的に安定なB−相の一部として存在
する温度から準安定なβ−相として存在可能な温
度へと急速に焼入れすることにより得ることが出
来る。もし焼入れ速度があまりに遅いと、かなり
の量の第二相組織が形成され、該組織が可逆的オ
ーステナイト−マルテンサイト変態を起さない可
能性がある。しかしながら、例えば70%βなる如
く、少なくとも実質的にβ−相にある合金が純粋
のβ−相構造体と同様の有益な特性を実質的に保
持している可能性もある。 もし合金がそのMs点温度以下に焼入れされた
時には、その後における熱回復性には逆影響が生
ずる可能性がある。従つて合金はMs点以上の温
度において、顕著なα−相が形成されない程度の
冷却速度で焼入れするのが好ましい。0℃以下の
Ms点を有する合金に対しては約20℃の焼入れ温
度が良好な温度である。この条件は例えば合金を
20℃の水内に焼入れすることによつて達成するこ
とが可能である。 選択採用された合金は熱回復の後所望の形状を
備える如く成形される。熱回復が生じ始める形状
即ち最終的に熱的に不安定な状態(熱回復性のあ
る状態)にある形状へと物品を変形させる作業は
Md点以下の温度にて行なうのが好ましい。例え
ば変形作業は物品がオーステナイト状態にある間
に行ない、かくて物品に加えた初期歪が「擬弾
性」型式の歪となるようにすることが出来る。何
故ならば該擬弾性歪をあまり急激に解放させると
変形行程は上述の恒温回復を生ずることになるか
らである。しかしながら、物品を適当な時間間隔
の間変形状態に保持してやると、もとは「擬弾
性」であつた歪の少なくとも一部分は応力が除去
されても保持される歪へと転換される。もとの擬
弾性歪の保持されぬ部分は「スプリングバツク」
と称することが出来る。 保持歪を回復させるために、試料は上述の如く
オーステナイト変態が発生する温度範囲において
急速に加熱される。保持歪の内回復しない部分が
あれば(この現象はマルテンサイト−オーステナ
イト変態においてめずらしい現象ではない)該部
分は「非回復歪」と称される。歪を回復させるの
に必要な加熱速度は、もし物品がきわめてゆつく
り加熱された場合回復が生じないので、十分急速
なものとして上述の如き「熱的予備処理」の効果
を防止してやらねばならぬ。適当な加熱速度は合
金の特性に従つて変化するものであるから、全て
の合金に対して「徐熱」乃至「急熱」と称すべき
特定の加熱速度を一義的に定めることは不可能で
ある。しかしながら、これらの用語の意義は前述
の論議から明らかであろう。かくて「急熱」と称
すべき加熱速度は容易に確認することが出来る。 変形状態が十分長く続くならば全ての初期歪は
応力が除去された時にも保持される。与えられた
温度における顕著な保持歪を得るのに必要な時間
長さは合金の組成及び熱的機械的履歴に依存す
る。一般的に言うならば、ある合金に対して必要
な保持時間は保持温度が増大するにつれて減少す
る。しかしながら、もし保持温度が高過ぎる場合
には保持歪のかなりの部分が非回復性を帯びるの
で逆効果が生ずる可能性がある。しかしながら、
「機械的予備処理」は200℃もの高温度で行なわれ
ている。このような議論からも明らかなる如く、
保持温度と拘束期間即ち物品が応力下に保持され
る期間との最良の組合せ条件は合金の種類に応ず
るものであるが、この組合せ条件は容易に確定せ
しめることが出来る。最良の条件においては約10
%に迄到る熱回復性歪が本発明合金において処理
された物品に対して得られる。 「熱的予備処理」の場合には、上昇As点即ち
Ase点は往々にして徐熱が終了した温度であるこ
とが多い。このような現象は本発明合金の「機械
的予備処理」においては発生しない。即ちAse点
は保持温度乃至はそれ以上の温度である。一般的
に言うならば該Ase点は保持時間が増大するにつ
れて増加する。ある与えられた合金についてのお
きまりの実験により所望のAs温度増加を得るの
に必要とされる予備処理の量を決定することが出
来る。機械的予備処理を行なつた後物品を周囲温
度に貯蔵すると幾分熱回復性が失なわれることに
なるが、上昇As温度に影響が無い。 上述せる如く、本発明の好ましい実施例におい
ては、物品はオーステナイト状態において即ち物
品内に誘起される初期歪を基本的に「擬弾性」と
みなせる状態においてその原形状から変形させら
れる。しかしながら、本発明において用いるのが
適当な金属組成体はその温度を保持温度からMs
−Mf範囲以内乃至以下の温度へと低下させるこ
とによつて通常更に容易に変形可能となる。従つ
て物品の温度を例えばMs−Mf範囲以下に低下さ
せ、物品の変形を容易ならしめて変形させ、次に
物品を拘束装置を用いながら加熱し、通常のAs
−Af範囲以上の所望の保持温度に到達せしめ、
所要の時間だけ保持させることも本発明合金に適
用できる。 「熱的予備処理」の場合と比較して、上昇保持
温度への加熱速度は前述せる如く「徐熱」速度で
ある必要は無い。何故なら変形の回復は拘束装置
によつて防止されるからである。しかしながら、
上昇保持温度に到達させるために制御された「徐
熱」加熱速度を用いることによつて幾つかの利点
が得られる。その一つの利点は急熱加熱の際物品
が回復しようとするために拘束装置に対抗して誘
起される力が原因となつて物品が損傷を受けると
いう危険性が防止されるか乃至は減少させられる
ということである。何故ならば回復の開始に伴な
う応力が実質的に減少するからである。第二の利
点はこのような加熱方法によれば純粋に熱的な乃
至は機械的な予備処理にあまり適していない合金
をも予備処理することが可能になることである。
応力誘起マルテンサイトは局部的に集中するとい
う事実を考慮すれば、機械的予備処理により物品
に上昇As温度を与え、次に該物品をその通常の
Ms点に迄冷却し、更に物品を再び変形させ持続
するAs点を物品に付与せしめる方法も本発明合
金に適用できる。熱的予備処理を介して第二の
As点を機械的予備処理により付与されるAs点以
下の温度に前進させることが出来る。 拘束装置は上記保持温度において除去させるこ
とが可能であるが、このような除去作業に先立つ
て変形された物品をより低い温度へと冷却させる
という余分な段階を付加えることによつて二つの
利点が生ずる。第一の利点は例えばMs−Mf範囲
乃至はそれ以下の範囲に冷却することにより拘束
装置を除去するのに要する仕事を減少させること
が可能であるということである。第二の利点は拘
束状態のもとで物品を保持温度からより低い温度
へと冷却してやることにより熱回復性歪を物品に
更に増加付与してやることが出来るということで
ある。拘束装置が除去された後この歪増分は通常
引続き行なわれる「急熱」加熱段階中に回復す
る。尚この「急熱」加熱段階は拘束装置が解放さ
れる温度と保持温度とによつて規定される温度間
隔において行なわれる。この付加的歪増分はそれ
自身のAs点温度を備えている。言葉を変えて言
うならば、物品は機械的予備処理によつて伝達さ
れる第二のAs点以下の第一のAs点を有してい
る。結果として二段階の熱回復効果を得ることが
出来る。 幾つかの金属組成体においてはオーステナイト
状態にある間時効を施すと、以下に詳細に説明す
る如く保持歪のかなりの部分が熱回復性歪である
という点において熱的及び機械的予備処理に対し
て良好な反応を示すのが認められる。しかしなが
ら、もし機械的予備処理の条件が同一であるなら
ば、時効していない試料に伝達されるAs点温度
の方が同一組成の時効試料のAs点温度よりも幾
分高くなる。Zn、Al、及びMnを種々の量含み、
室温以下のMs温度を有する銅のβ−相合金に対
しては約5分〜3乃至4時間にわたり約50℃〜
120℃において時効を行なえば良い。他の組成体
に対しては最良の結果を与える時間及び温度は上
述のものと異なるであろうが、この時間及び温度
は異なる条件下において時効操作を行なつた同一
組成の試料により保持される熱回復性歪の量を比
較することにより容易に確定することが出来る。 物品の最終用途はその回復後及び回復前の形状
を決定する。予備処理を受けた物品に加えるべき
変形力としては例えば曲げ力、ねじり力、圧縮力
及び引張等を挙げることが出来、又適当な拘束装
置を採用することが出来る。かくして、L字型か
らI字型形状へと乃至はその逆に回復する物品を
得ることが出来る。また長くなつたり短かくなつ
たりする物品を得ることも出来る。より大きな径
に膨脹するか乃至はより小さな径に収縮する中空
物品特に円筒状物品も又本発明合金により容易に
製作することが出来る。機械的予備処理は応力領
域において発生するという事実を考えるならば物
品の一部分のみを予備処理することも可能であ
る。こうすることにより一連の変形を物品内に与
えて異なる温度において回復可能な物品を得るこ
とが出来る。 こうして事実の発見の結果、上昇したAs温度
を備えた熱回復性物品を製作することが可能とな
つている。しかしながら、マルテンサイト状態に
変態した金属組成体がAs−Af範囲中を加熱され
た時オーステナイト状態への復元能力の全部乃至
一部を失なう傾向を示すことが往々にしてある。
別々の例においてはAs温度を上昇させるための
熱的又は機械的予備処理行程に対して良好な反応
を示さない金属組成体の存在が確認された。明ら
かに、これらの望ましい特性の損失を防止するた
めの方法を発見することは大いに意義のあること
である。 従つて本発明は又金属組成体内におけるマルテ
ンサイト−オーステナイト可逆性の損失を防止
し、As温度の付与のための諸工程により良好な
反応を示すよう金属組成体を操作するための技術
をも提供している。 本発明は更に又金属組成体をそれがオーステナ
イト状態にある間に室温における上記損失を減少
させるのに十分な時間だけMs点以上の温度に保
持せしめることよりなる金属組成体内におけるマ
ルテンサイト及びオーステナイト状態間の可逆性
損失防止のための技術をも提供している。 本発明により更に得られる利点は予備処理され
得る能力の向上ということである。これらの目的
を達成するために必要な保持期間は金属の組成と
保持温度とに依存する。通常必要とされる保持期
間は保持温度が増大するにつれて減少する。本発
明合金において「時効」と称することが可能であ
り、かくて処理された金属組成体は「時効され
た」と称することが出来る。 本発明は更に又時効された合金をも提供してい
る。このような合金は熱回復性を付与させるのに
より適している。 本発明は又温度の変化とともにマルテンサイト
状態とオーステナイト状態との間で可逆変態を行
なうことの出来る金属組成体においてマルテンサ
イト状態とオーステナイト状態との間の可逆性の
損失を皆無にする技術を提供している。本発明の
金属組成体が所定の方法により処理された時は、
その擬弾性、即ち該金属が応力にさらされた時発
生する変形にともないオーステナイト状態からマ
ルテンサイト状態へと変態し、次にオーステナイ
ト状態へと逆転しその原形状を回復する能力、が
改善される。 上述の可逆性の損失はいろいろな具合にあらわ
れてくる。ある場合にはMf温度以下に金属試料
が冷却された場合にはその通常のAs−Af範囲中
を加熱された時にオーステナイトへの逆転が完全
に乃至は部分的に欠落することがある。従つて試
料がマルテンサイト状態にある間試料に加えられ
た変形は、試料が回復を起すと考えられる条件下
で加熱された時、少なくとも部分的に回復しない
ことがある。 金属組成体がマルテンサイトに転換した後急熱
加熱によりオーステナイトに可逆変態を起したと
しても、該金属組成体がそのAs温度を上昇させ
ようとする試みにもかかわらず熱的乃至機械的予
備処理に反応しないという他のケースも考えられ
る。この際には予備処理工程において可逆性が失
なわれるからである。 加えるに、本発明は又合金の全回復量を減少さ
せるも時効を注意深く制御してある時間及び温度
限界内におさめることによりある主の該合金の機
械的乃至熱的予備処理(上昇された熱回復の量を
増大させるもの)に対する反応性を改善するため
の技術を提供している。 最適の時効条件は当業界に精通する者が通常の
きまりきつた実験をすることによつて決定するこ
とが出来る。これらの組成体においては時効時間
が短か過ぎたり温度が低過ぎたりすると上述の如
き有益な可逆性が十分与えられないことになる。
又時効時間が長過ぎたり、温度が高過ぎたりする
と可逆性自体は改良されるものの、可逆性増分が
不十分なものとなつてしまう。 適当な合金としてはCu−Zn−Al−Mn合金と
関連して体心立方型のβ合金を形成する本発明に
係るβ−相合金を挙げることが出来る。 この型式の合金は当業界では良く知られた方法
によりβ−相で得ることが出来る。通常β−相は
合金をその実質的部分が安定なβ−相にある温度
からそれが擬安定β−相にある温度へと急速に焼
入れしてやることにより得られる。もし焼入れ速
度が遅すぎると、可逆的オーステナイト−マルテ
ンサイト変態を行なわない第二の相が相当量形成
される可能性がある。しかしながら、少なくとも
実質的にβ−相にある(例えば70%以上がβ−
相)合金であつても純粋なβ−相構造合金と同一
の有益な特性を有している。 上述せる如く、本発明合金は金属組成体をそれ
がオーステナイト状態に存在する温度において、
マルテンサイトとオーステナイトの間の可逆性の
少なくとも一部が失なわれるのを防止するのに十
分な時間だけ保持する段階を有している。本発明
の最も明白な利点は合金を熱安定状態から熱不安
定状態に変形させた時該合金がその原歪の大きな
部分を回復するような合金組成を得ることが出来
るということである。 可逆性の損失を防止するのに必要とされる時間
は組成と保持時間に応じて変化する。時効工程に
対する反応性はこれらの変数によつて影響される
ので、各組成体に対して最も良好な結果を与える
のを必要とされる正確な時間及び温度範囲を一義
的に定めることは出来ない。しかしながら最適の
条件は当業界に精通する者なら容易に決定するこ
とが出来る。 β−相合金の場合には、時効温度はβ相から可
逆的オーステナイト−マルテンサイト変態を顕著
には行なわない温度でなければならない。 上述の如きβ−相銅合金であつて種々の量の
Zn、Al、及びMnを含み、室温以下のMs温度を
含む銅合金においては、約50℃〜125℃の温度か
ら約5分〜3乃至4時間時効してやれば十分であ
る。より高い温度乃至低い温度又はより長い時間
乃至短かい時間も又有効である。他の組成体に対
しては上記時間及び温度は変化するが最適の結果
はそれぞれの試料において発生するマルテンサイ
トとオーステナイト間の逆転量を例えば試料を急
熱する結果回復する歪の量を測定することにより
容易に決定することが出来る。 時効は単一の温度で行なう必要はなく、該温度
は一回以上変化させることが出来、又時効期間中
連続的に変動させることが出来る。 次に本発明について実例を挙げて説明する。 実 例 以下に記載する合金組成を有する0.76mm厚さの
板から試料が切り出された。このストリツプは
800℃にてβ化処理された後焼入れされた。全試
料はその低温のMs点が示唆するように室温にて
偽似弾性になつた。試料は曲げられその外側のせ
ん維組織の歪が4.25%になるように室温にて強制
保持された。試料と強制保持装置とは200℃の浴
中に移され72時間保持された。次にこの強制保持
されている試料は室温に冷却された。試料が強制
保持装置から取外された時に実質上スプリングバ
ツクは発生しなかつた。試料は次に急熱された。
熱回復可能歪量とそれ以上にて熱回復が発生する
温度域の両者を下記の表に示す; 【表】 この例は合金に与えられたAs点の温度は予備
処理がなされた温度に影響を受けないことを実証
している。 以上の記載においては形状記憶と単なる回復に
ついて強調してきた。他の変更態様も本発明合金
により実施することができる。即ち本発明合金は
部分的回復を与えるために急熱し、これに続いて
上昇された回復域を得るために徐熱し、次に低温
組織域まで冷却した後再び変形を与えるような技
術を包含する。これは急熱する際に2段階にて回
復する製品を提供する。即ち前者は急熱される時
における回復の初期に相当する温度域にての回復
であり、後者は上昇された回復域にて開始する回
復である。この技術は急熱の後に徐熱を続いて施
すことにより回復域を多用性のあるものにするこ
とができる。同様に、抵抗率は加熱によつて段階
的に変化する。 本発明合金は低温組織の範囲を高温にまで拡張
するための技術として使用することができる。こ
れは約10%の歪に対して高い疲労抵抗性を有し、
よい減衰特性、通常でない色彩あるいは低温組織
に伴う他の特徴を有する合金を提供する。
【図面の簡単な説明】
第1図は熱回復性物品によつて示される寸法変
化をグラフ的に示した図、第2図は本発明合金に
よつて得られる、マルテンサイトからオーステナ
イトへの変態温度範囲の上昇効果の一例をグラフ
的に示した図、第3a図と第3b図は、本発明方
法に於ける効果例を歪対温度曲線図で示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 重量%で、4〜40%のZn、7〜14%のAl、
    1〜15%のMn、及び残部Cuと不可避不純物とか
    ら成る、銅基β相形状記憶合金。
JP58212289A 1975-02-18 1983-11-11 熱回復可能物品 Granted JPS59166646A (ja)

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US550555 1975-02-18
US550847 1975-02-18

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