JPS6343417Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、往復機関により大気を圧縮して圧縮
空気を製造する型のコンプレツサに関する。

従来、給油型であつて、かつ、往復型のコンプ
レツサにおいてはシリンダ部の上部に弁座ユニツ
トが配設され、更にこの弁座ユニツトの上部にシ
リンダヘツドが配設されている。これらのシリン
ダ部、弁座ユニツト及びシリンダヘツドはそれぞ
れ別部品であつてボルト・ナツト等の締結部材に
より一体に締め付け固定される。

弁座ユニツトにはリード弁型の吸入弁及び吐出
弁が設けられており、吸入弁及び吐出弁のリード
はビスによつて弁座に固着されている。

他方、シリンダヘツドと弁座ユニツトとの間及
び弁座ユニツトとシリンダ部との間にはガスケツ
ト等のシール材が挿入されている。

したがつて、従来の往復型、かつ、給油型のコ
ンプレツサにおいては部品点数が多いことに伴う
部品製造コスト及び組立てコストが高くなる欠点
があつた。

本考案の目的は部品点数が少なく、かつ、シー
ル性能の秀れたコンプレツサを提供することであ
る。この目的を達成するための本考案は、シリン
ダ部に内装されたピストンの往復動により大気を
圧縮して圧縮空気を製造するコンプレツサにおい
て、シリンダ部の一端側にシリンダヘツドをこの
シリンダ部と一体形成するとともにシリンダヘツ
ドにおいてシリンダ部の内部に臨む側に肩部を形
成し、この肩部に、吸入弁及び吐出弁を有する弁
座ユニツトをシール部材を介して当接させる一
方、シリンダ部の内部にスリーブを圧入固定し、
このスリーブの一端部と上記シリンダヘツドの肩
部とにより弁座ユニツトを挟持するようにしたこ
とを要旨とする。

以下、本考案の好適な実施例を第１図及び第２
図に基づいて詳細に説明する。第１図は本考案の
一実施例としての無給油コンプレツサ１の圧縮空
気製造用往復機関部２を断面して示している。こ
の無給油コンプレツサ１は圧縮空気製造用往復機
関部２、電動モータ３、圧縮空気タンク４を主要
な構成部品とし、カバー５により周囲が囲繞され
ている。

圧縮空気製造用往復機関部２においては、シリ
ンダヘツド６が最下端に位置し、このシリンダヘ
ツド６の上方にシリンダ部７が位置している。更
に、シリンダヘツド６とシリンダ部７とは一体鋳
造されている。

シリンダヘツド６及びシリンダ部７の外周部に
は多数枚の冷却用フイン８がこれらのシリンダヘ
ツド６及びシリンダ部７に対して一体形成されて
いる。これらのシリンダヘツド６及びシリンダ部
７は無給油コンプレツサ１のベース９と一体鋳造
されていてもよい。

シリンダヘツド６の内部中央には隔壁１０が設
けられており、この隔壁１０によりシリンダヘツ
ド６の内部は第１図中左側の吸入室１１と第１図
中右側の吐出室１２とに区分される。

吐出室１２の外壁部１３にはエルボ１４が螺着
されており、このエルボ１４及び配管１５を経て
吐出室１２内の圧縮エアは圧縮空気タンク４に送
り込まれる。

シリンダヘツド６の横断面は第２図に示すよう
に円形を呈しており、このシリンダヘツド６の内
径はシリンダ部７の内径よりも小さくなるように
設定されている。従つて、シリンダヘツド６の内
周壁とシリンダ部７の内周壁との間には円環状の
肩部１６が形成される。この肩部１６及び隔壁１
０の上面１０ａにシール部材１７が載置され、か
つ、このシール部材１７上に弁座ユニツト１８が
載置される。

弁座ユニツト１８は円形の弁座１９、吸入リー
ド弁２０及び吐出リード弁２１を有している。吐
出リード弁２１は吐出室１２内に臨むように設け
られ、吸入リード弁２０はシリンダ部７の内部に
臨んで設けられている。

第２図に示すように、吸入リード弁２０及び吐
出リード弁２１のそれぞれの自由端２０ａ又は２
１ａの近くの弁座１９にはそれぞれ吸入孔２２又
は吐出孔２３が開設されている。

弁座ユニツト１８は複数個の皿小ネジ２４によ
り隔壁１０の上面又は肩部１６においてシリンダ
ヘツド６に位置決めされる。

シリンダ部７の内部には、円筒状スリーブ２５
が圧入され、このスリーブ２５の下端面２５ａが
弁座ユニツト１８を押圧する。スリーブ２５は吸
入リード弁２０の弁押えとしても機能する。

シリンダ部７の上面にはクランクケース部２６
が倒立してこのシリンダ部７に重ね合わされてい
る。クランクケース部２６はシリンダ部７にボル
ト・ナツト２７で締結される際に、スリーブ２５
をも押圧固定する。

クランクケース部２６のほぼ中間高さ位置から
クランク軸２８が無給油コンプレツサ１の正面向
きに突出し、このクランク軸２８にフライホイー
ルプーリ２９が一体結合されている。このフライ
ホイールプーリ２９と電動モータ３の小プーリ３
０との間にＶベルト３１が巻掛けられている。

スリーブ２５内をこのスリーブ２５の内壁と摺
動しつつ往復するピストン３２の外周部には自己
潤滑性のある樹脂等で形成されたピストンリング
３３及び摩耗板３４が嵌着されている。

また、ピストン３２はピストンピン３５により
連接棒３６に結合され、この連接棒３６はその上
端部位においてクランク軸２８に軸受３７を介し
て結合されている。

上記の説明により明らかな通り、ピストン３２
とシリンダ部７との間の潤滑はピストンリング３
３及び摩耗板３４の自己潤滑性によつて行われる
から、クランクケース部２６内には潤滑油が封入
されていず、かつ、シリンダヘツド６が下端に位
置する状態で圧縮空気製造往復機関部２が構成さ
れている。

フレームベース３８は更に底板３９上に載置さ
れるとともにこの底板３９にゴム製の足部４０が
固着されている。この足部４０が着地する。

底板３９においてシリンダヘツド６と対向する
部位には多数の小孔４１が穿孔されている。これ
らの小孔４１を経て、シリンダヘツド６から漏れ
る吐出音が大地に向かつて放出され、この大地に
おいて反射した音が作業者等の耳に達するから大
いに音のエネルギーが減殺される。また、これら
の小孔４１を経て相対的に冷たい空気がカバー５
内に流入し、シリンダヘツド６を冷却する。

以上、無給油型のコンプレツサについて説明し
たが、本考案は往復型、かつ、給油型のコンプレ
ツサにおいても、また、シリンダヘツドが上端側
に位置する往復型の無給油コンプレツサにも適用
し得るものである。

上述のように、シリンダヘツドとシリンダとが
一体形成されることによつてシール部材がシリン
ダ内の圧力により外れることがなくなつた。

更に、シリンダヘツドと弁座との間に１枚のシ
ール部材を挟持するのみでシールが完全に行わ
れ、かつ、シリンダとシリンダヘツドとの一体化
によりシール性能の向上及び組立て作業が簡単と
なつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンプレツサの圧縮空気
製造用往復機関部の縦断面図、第２図は第１図に
おける−線矢視図である。 １……無給油コンプレツサ、２……圧縮空気製
造用往復機関部、６……シリンダヘツド、７……
シリンダ部、１６……肩部、１７……シール部
材、１８……弁座ユニツト、２０……吸入リード
弁、２１……吐出リード弁、２５……スリーブ、
３２……ピストン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ部に内装されたピストンの往復動によ
   り大気を圧縮して圧縮空気を製造する圧縮空気製
   造用往復機関部を有するコンプレツサにおいて、
   シリンダ部の一端側にシリンダヘツドをこのシリ
   ンダ部と一体形成するとともにシリンダヘツドに
   おいてシリンダ部の内部に臨む側に肩部を形成
   し、この肩部に、吸入弁及び吐出弁を有する弁座
   ユニツトをシール部材を介して当接させる一方、
   シリンダ部の内部にスリーブを圧入固定し、この
   スリーブの一端部と上記シリンダヘツドの肩部と
   により弁座ユニツトを挟持するようにしたコンプ
   レツサ。