JPS6343025Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は空気圧式釘打機におけるヘツドバルブ
装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 従来の釘打機としては、第３図に示すような構
成のものが知られている。

すなわち、１は釘打機本体であり、内部にはメ
インシリンダ２とメインピストン３から成る駆動
機構が内蔵されている。また、本体１の下端には
釘打出し部となるノーズ４が突設され、このノー
ズ４内にマガジン５より一本ずつ供給される釘
を、上記メインピストン３に一体配設したドライ
バ６により打撃して釘打ち作業を行なうように構
成されている。そして、上記メインシリンダ２の
上端にはヘツドバルブ７が配設され、エアチヤン
バ８とメインシリンダ２内のピストン上室２Ａ間
を継断するようになつている。なお、上記ヘツド
バルブ７はダイヤフラム７１とＯリング７２，７
３を使用したピストンで構成されている。そし
て、非操作時には、エアチヤンバ８内の圧縮空気
圧はトリガバルブ９が開かれてヘツドバルブ７の
上室に作用され、ヘツドバルブ７はエアチヤンバ
８とメインシリンダ２間を遮断している。このと
きメインピストン３にはシリンダの通口２１を通
じてエア圧が作用し上死点に保持されている。

そして、上記状態から、トリガレバ９１を引上
げるとともにコンタクトアーム９２が上方に押し
上げられると、前記トリガバルブ９が閉じられ、
ヘツドバルブ７の上室は大気に開放されることに
なる。すると、ヘツドバルブ７はエアチヤンバ８
の内圧を受けて上方に押し上げられメインシリン
ダ２のピストン上室２Ａはエアチヤンバ８と連通
し、メインピストン３は急激に降下されノーズ４
内に予め装填されている斜を打ち出すことができ
る。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上記従来の釘打機においては、ヘツドバルブ７
は各Ｏリング７２，７３は運割用Ｏリングとして
摺動部に利用されており、したがつて無給油で使
用した場合には、油切れによつてＯリング７２，
７３の摺動抵抗が増し、摩耗により作動不良を起
すおそれがあつた。

最近とくに、ユーザサイドの意向として釘打機
の使用態様としてコンプレツサに釘打機を直結し
ダイレクトに使う傾向が強まつている。これは、
圧力調整器、フイルタ、オイラー等のいわゆる三
点セツトを現場ごとにセツトしなければならず不
便であるからである。

そこで、本考案は空気圧式釘打機を無給油で使
用するような場合にも、常に安定した作動状態が
得られるようにしようとするものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、運動用Ｏリングを用いることなく、
ヘツドバルブピストンの上死点と下死点に面シー
ルを設けるようにしたものである。

＜作用＞ 本考案では、ヘツドバルブ・ピストンがヘツド
バルブ・シリンダ内の下死点にあるときには、上
記ヘツドバルブ・ピストンと一体のヘツドバル
ブ・ダイヤフラムの上室と排気口間をシールする
面シールが上記ヘツドバルブピストンに密接し、
またヘツドバルブ・ピストンがヘツドバルブ・シ
リンダ内の上死点にあるときはメインシリンダの
メインピストン上室と排気口間及びヘツドバル
ブ・ダイヤフラムの上室と排気口間をそれぞれシ
ールする面シールが上記ヘツドバルブピストンに
密接することによりシールする。

＜実施例＞ 第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
のであり、第１図はトリガOFF時、第２図はト
リガON時の状態を示す。

これら図中、１０は釘打機本体であり、メイン
シリンダ１１とメインピストン１２が内蔵され、
上記メインシリンダ１１の周部には図示しないコ
ンプレツサに連通されるエアチヤンバ１３が形成
されている。１４はヘツドバルブであり、前記メ
インシリンダ１１のピストン上室１１Ａをエアチ
ヤンバ１３又は大気への排気口１８と選択的に切
替えるためのものである。そして、このヘツドバ
ルブ１４は前記本体１０の上端部に設けたヘツド
バルブブロツク１４１内において、ヘツドバルブ
シリンダ１４２内を上下動自在に作動するヘツド
バルブピストン１４３とこのピストン１４３の下
端に中央部を連結され周部を本体周部に支持され
たヘツドバルブ・ダイヤフラム１４４により構成
されている。

そして、上記ヘツドバルブシリンダ１４２の図
中上端面には外周部に第１の面シール１５が、中
央部には第２の面シール１６が配設され、さらに
図中下端部には第３の面シール１７が配設されて
いる。上記第１及び第２の各面シール１５及び１
６はヘツドバルブピストン１４３が上死点に達し
たときに該ピストン１４３の頂面１４３Ａと圧接
しダイヤフラム上室１４４Ａと排気口１８間をシ
ールし、さらにメインシリンダ１１内のピストン
上室１１Ａと排気口１８間をシールする。

また、上記第３の面シール１７はヘツドバルブ
ピストン１４３が下死点に達したときにダイヤフ
ラム上室１４４Ａと排気口１８間をシールするも
のである。なお、上記ヘツドバルブピストン１４
３は、引き下げバネ２０により図中下方へ弾発付
勢されている。

さらに、１９は図示しないトリガバルブへの連
通路である。このトリガバルブについては第３図
により前述したところと同様の構成となつてい
る。

そこで、上記構成において、その作動状態を説
明する。

先ず、第１図に示すごとく、トリガOFFのと
き、すなわちトリガレバの引上げやコンタクトア
ームの上昇等が行なわれずトリガバルブが開かれ
たままの状態のときには、第１図に示すように連
通路１９を介してエアチヤンバ１３内の圧縮空気
圧がヘツドバルブ・ダイヤフラム１４４の上室に
導かれ、ダイヤフラム１４４はメインシリンダ１
１の上端１１Ｂに密接しており、したがつてメイ
ンシリンダ１１のピストン上室１１Ａとエアチヤ
ンバ１３間は遮断され、メインピストン１２は上
死点に位置している。また、このとき、ヘツドバ
ルブピストン１４３は下死点にあり、したがつて
第３の面シール１７により前記ダイヤフラム上室
１４４Ａと排気口１８間はシールされている。な
お、メインピストン上室１１Ａ及びヘツドバルブ
ピストン上室１４３Ａは排気口１８に連通され大
気に開放されている。

そこで、上記状態から第２図に示す如くトリガ
ONし、すなわち図示しないトリガレバを引き上
げるとともにコンタクトアームを押し上げトリガ
バルブをシヤツトし、ダイヤフラム上室１４４Ａ
の空気圧を除くと、ダイヤフラム１４４はエアチ
ヤンバ１３の内圧を受けて押し上げられヘツドバ
ルブピストン１４３は上死点へ移動される。

すると、メインシリンダ１１のピストン上室１
１Ａはエアチヤンバ１３に導通されるとともに第
２の面シール１６により排気口１８との間を遮閉
されている。

したがつて、メインピストン１２は空気圧を受
けてシリンダ１１内を急激に降下され、このピス
トン１２と一体のドライバ１２１により図示しな
いノーズ内に予め装填されていた釘を打ち出すこ
とができる。

そして、上記第２図の状態からトリガOFFと
すると、再度前記第１図に示した状態になる。

＜効果＞ 上記実施例の説明から明らかなように、本考案
ではヘツドバルブピストンにＯリングを使用する
ことなく、面シールを使用することにより潤滑油
が必要となくなり、無給油で作動可能なヘツドバ
ルブとなる。

したがつて、セツト全体を簡略化でき、釘打作
業を一層簡単に行なうことを可能とする。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す要
部縦断概略図であり、第１図はトリガOFF時、
第２図はトリガON時の状態を示す。第３図は従
来例を示す要部縦断側面図である。 １０……釘打機本体、１１……メインシリン
ダ、１２……メインピストン、１３……エア・チ
ヤンバ、１４……ヘツドバルブ、１４３……ヘツ
ドバルブピストン、１４４……ヘツドバルブダイ
ヤフラム、１５……第１の面シール、１６……第
２の面シール、１７……第３の面シール、１８…
…排気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドバルブ・ダイヤフラムとヘツドバルブ・
   ピストンにより構成される釘打機のヘツドバルブ
   において、上記ヘツドバルブ・ピストンが内蔵さ
   れるヘツドバルブ・シリンダ内の上死点側端面に
   はダイヤフラム上室と排気口間をシールする第１
   の面シール部材とメインシリンダ内ピストン上室
   と排気口間をシールする第２の面シール部材を配
   設するとともに下死点側端面にはダイヤフラム上
   室と排気口間をシールする第３の面シール部材を
   配設したことを特徴とするヘツドバルブ装置。