JPS6342829Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、かばん類、例えばランドセルの外側
面に吊下しておいて、パス入れや所要の小袋等を
なす環により掛け吊りする掛吊具に関し、その目
的は、従来、特に金属製のなす環を直接ランドセ
ル等かばん類の外側面に吊下した場合、そのかば
ん類の製造から販売に至る取り扱い中あるいは使
用者の使用中に、なす環の揺動でそのかばん類の
外側面に擦りきずをつけ、商品価値を減じると
か、体裁を損うとかの欠点があつたのを解消する
こと、及びなす環の吊下状態そのものをそれが単
独の場合にくらべ体裁よくすること等にある。

すなわち、本考案は、なす環と、そのなす環の
ばね止部のリングに挿通するテープ状の吊紐と、
上記なす環の裏側にあてる当版とからなり、この
当版の取付部を上記リング及び吊紐の裏側にあて
がい、重合させたこれら取付部と吊紐とをかばん
類の所要位置に固着することにより、吊下できる
ようにした掛吊具に係るものである。

以下これを図示の実施例について説明する。

１はアルミ合金等のダイカストにより成型した
基体２に板ばね３を取り付けたなす環である。

上記基体２は、断面矩形の細杆により上方がや
やすぼまつた略縦長矩形の枠状に成形し、上側辺
部分にばね止部４を、下側辺部分に鉤部５をそれ
ぞれ一体に成型している。

上記ばね止部４は、上側辺の中央部分から上方
に向け正面正方形で基体２の約２倍の厚さに突出
し、かつ背面が基体２の背面と面一で、その背面
と下面に開口する縦長矩形の凹処６を有するとと
もに、凹処６より上側の肉厚部分には左右側面に
貫通する挿通孔７を形成し、正面に装飾用の丸形
突起８を形成し、凹処６の背面開口に対向する内
奥面にかしめ用のピン形の突起９を形成してい
る。

また、上記鉤部５は、断面矩形の細杆を略Ｌ字
型に折曲した形状を呈し、基体２の下側辺部分の
正面中央から、この基体２の厚さの約２倍の高さ
に水平に突出したのち上方に直角に折曲し、基体
２の全長の略半分に相当する間隔をあけて、略円
形をなす先端部分５′を前記ばね止部４に対向さ
せているとともに、その先端部分５′の正面に装
飾用の丸形突起１０を、背面には前記板ばね３を
係止させる係止段部１１をそれぞれ形成し、かつ
この係止段部１１の中央に係止用の突起１２を形
成している。

そして、前記板ばね３は、細長で側面略へ字形
に折曲してあり、透孔１３を形成した基端部分
を、前記ばね止部４の凹処６内の突起９に嵌合し
てかしめることにより固着し、窪み１４を形成し
た先端部分を前記鉤部５の係止段部１１に弾接さ
せ、かつ窪み１４を前記係止用の突起１２に係合
させている。

１５はなす環１の裏側（背面側）にあてがうた
めの当版で、それは、皮革、合成樹脂シート、不
織布等の柔軟な材料で形成され、なす環１より一
回り大きい相似形部１５ａと縦長な取付部１５ｂ
とからなるものである。

しかして、上記当版１５を例えばランドセル本
体１６のマチ、すなわち、上面を開口した略縦長
矩形の箱状を呈する本体１６の右側壁１７の外面
上側部にあてがい、その取付部１５ｂを、本体１
６の左右側壁１７（左側壁は図示してない）から
この本体１６の前側に設けた蛇腹状のポケツト１
８に掛け回した横バンド１９と右側壁１７との間
に差し込み、また、前記なす環１のばね止部４の
挿通孔７に針金製のリング２０の下側部分を挿通
して回動自在に取り付け、皮革等でテープ状に形
成した吊紐２１をこのリング２０の上側部分に掛
け回して二つ折りにし、そしてなす環１を当版１
５の相似形部１５ａにあてがい、また吊紐２１を
取付部１５ｂにあてがつて、上記横バンド１９の
裏側に差し込み、これら横バンド１９、吊紐２
１、取付部１５ｂ及び右側壁１７に鋲２２を貫通
し、この鋲２２の外端に飾り環２３をかしめ付
け、なす環１及び当版１５を右側壁１７に装着し
ている。

したがつて、パス入れ、小袋等に取り付けてあ
る輪状の紐２４をなす環１の鉤部５に掛け止めて
おけば、板ばね３の先端が係止段部１１に弾接し
ているのでこの紐２４が不用意に抜脱することが
ないとともに、なす環１が揺動した場合、その裏
側に当版１５があるから、このなす環１がランド
セル本体の右壁に直接衝接して該部分を損傷する
こともない。

なお、上記実施例ではランドセルに装着した場
合を示したが、これに限らず、ボストンバツグ、
シヨルダーバツグ、スーツケース等その他のかば
ん類に装着してもよいものである。

さらに、上記実施例では、細長で側面略へ字形
の板ばねを基体に設けた場合を示したが、この板
ばねは、鉤部に掛けたものが不用意に抜脱しない
ように機能すれば足るから、例えば線材を細長な
矩形あるいは楕円形等に成形してなる公知のばね
に代えてもよい。

以上述べたところから明らかなように、本考案
は、なす環と吊紐と当版の三者からなり、当版の
相似形部をなす環の裏側に、同当版の取付部をな
す環のリング及びこれに挿通した吊紐の裏側にそ
れぞれあてがい、重合させた上記取付部と吊紐と
をかばん類の所要位置に固着することにより、吊
下するものであるから、なす環は上記吊紐部分及
びこの吊紐を挿通しているリング部分を支点に容
易に変位させることができ、したがつて、このな
す環の鉤部に対しパス入れ、小袋等の紐を掛けた
り外したりするのに都合がよいものである。

しかも、当版の介在によりかばん類になす環に
よつて擦りきずをつけるおそれがなく、かつその
当版は台座のはたらきをしてなす環の吊下状態を
それが単独の場合にくらべ体裁よくするものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１，２図は本
考案掛吊具をランドセルに吊下した状態の斜視図
及び要部拡大断面図、第３図は板ばねを取り外し
て示すなす環の正面図である。 ２０……リング、４……ばね止部、２……基
体、５……鉤部、３……（板）ばね、２１……吊
紐、１５ａ……相似形部、１５ｂ……取付部、１
５……当版。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リングを回動自在に取り付けたばね止部を基体
   の上側に、鉤部を同基体の下側にそれぞれ形成す
   るとともに、一側を上記ばね止部に固着したばね
   の他側を上記鉤部に弾接したなす環と、上記リン
   グに挿通するテープ状の吊紐と、上記なす環以上
   の大きさでそれと相似形をなす相似形部の上側に
   取付部を一体に延設した当版とからなり、この当
   版の上記相似形部をなす環の裏側に、上記取付部
   を上記リング及びこれに挿通した上記吊紐の裏側
   にそれぞれあてがい、重合させた上記取付部と吊
   紐とをランドセル等かばん類の所要位置に固着す
   ることにより、吊下できるように構成してなる掛
   吊具。