JPS6342698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の荷箱構造に関し、詳しくは荷
箱の側壁を形成するサイドパネルが内方或いは外
方へ横倒れしないように防止する自動車の荷箱構
造に関するものである。

（従来技術） 従来の一般的な自動車の荷箱構造は、例えば実
開昭56−1886号公報に開示されているように、荷
箱のフロアパネルの左右にサイドパネルをそれぞ
れ配設し、フロアパネルの前部にフロントパネル
を配設し、さらにフロアパネルの後部にテールゲ
ートを開閉自在に配設するというものであつた。
そして、特にテールゲートを閉じたときにこのテ
ールゲートを上記左右のサイドパネルに強固に保
持させようとする場合には、該左右のサイドパネ
ルの後部に柱状のリヤコナーパネルをそれぞれ接
合させて設けていた。

しかるに、このような従来の自動車の荷箱構造
では、リヤコナーパネルを左右のサイドパネルに
接合させて設けているものの、そのリヤコナーパ
ネル間はテールゲートを配設するために開口させ
ておかなければならないので、その開口側のリヤ
コナーパネルと左右のサイドパネルの固定強度が
どうしても不充分になり易く、しかも左右のサイ
ドパネルの内方或いは外方へ横倒れに対する積極
的な防止策も講じていなかつたところから、左右
のサイドパネルがリヤコナーパネルと共に内方或
いは外方へ横倒れし易いという虞れがあつた。

（考案の目的） 本考案は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、荷箱のサイドパ
ネルおよびリヤコナーパネルが内方或いは外方に
横倒れする虞れを有効に防止できる自動車の荷箱
構造を提供することにある。

（考案の構成） 本考案の自動車の荷箱構造は、かかる目的を達
成するため、荷箱の側壁を形成するサイドパネル
と、アウタパネルとインナパネルとから成り、上
記サイドパネルに接合され荷箱のコーナー部を形
成するリヤコナーパネルと、このリヤコナーパネ
ルのインナパネルの側面部に両側端部を接合した
リヤスカートパネルと、上記リヤスカートパネル
とインナパネルとの接合部よりも下方位置に配設
され、上記インナパネルの側板部の下部に接合さ
れ該側板部と略同一面を形成するガセツトプレー
トとを具備し、該ガセツトプレートの一端側を上
記側板部より車体内方側に延出させてリヤスカー
トパネルに接合し他端側をサイドパネルとリヤコ
ナーパネルとの接合部に沿つて接合したものであ
る。

（考案の効果） したがつて、このような構成であれば荷箱の側
壁を形成するサイドパネルがリヤコナーパネルに
接合され、このリヤコナーパネルがフロアパネル
の後部下方に位置するリヤスカートパネルの両側
端部に接合されているのに加えて、サイドパネ
ル、リヤコナーパネルおよびリヤスカートパネル
がガセツトプレートによつて一体的に接合されて
いるので、リヤコナーパネル間がテールゲートを
配設するために開口されていても、サイドパネル
およびリヤコナーパネルは内方或いは外方へ横倒
れする虞れは一切ない。

（実施例） 以下本考案の一実施例を第１図〜第３図を参照
して説明する。

第１図において、１は貨物自動車などの荷箱、
２は荷箱１のフロアを構成するフロアパネル、３
と４はフロアパネル２の左側と右側にそれぞれ配
設されたサイドパネル、５はフロアパネル２の前
部に配設されたフロントパネル、６はフロアパネ
ル２の後部に開閉自在に配設されたテールゲート
である。

また、７と８は上記左右のサイドパネル３，４
と上記テールゲート６との交叉する部位に上記左
右のサイドパネル３，４と各々接合させて配設さ
れているリヤコナーパネル、９はフロアパネル２
の後部下方の位置であつて、両側端部を上記左右
のリヤコナーパネル７，８に接合させて配設され
ているリヤスカートパネルである。

このリヤスカートパネル９と左右のリヤコナー
パネル７，８との接合は、左右同じであるが、こ
のうち左側の方を第２図および第３図で説明す
る。リヤスカートパネル９の上面部９ａの側端部
に下方へ垂直に延出する取付部９a′が折曲形成さ
れ、この取付部９a′がリヤコナーパネル７を構成
するインナパネル部７ａの側面部の下部に複数の
ビス１０…で締め付けられており、またリヤスカ
ートパネル９の外板部９ｃの側端部９c′が上記リ
ヤスカートパネル９側に形成されたリヤコナーパ
ネル７のインナパネル７ａとアウタパネル７ｂと
の接合によつて構成される取付部７a′に固着され
ており、これによつてリヤスカートパネル９の側
端部はリヤコナーパネル７に接合されている。な
お、上記リヤスカートパネル９の上面部９ａの取
付部９a′には上記ビス１０…と対応する位置にノ
ツチ１６…が形成されていて、該リヤスカートパ
ネル９の上面部９ａに形成された取付部９a′をリ
ヤコナーパネル７のインナパネル部７ａ下部にビ
ス止め作業する際、そのビス止め作業を容易に行
なえるようにしている。

また、左右リヤコナーパネル７，８と左右サイ
ドパネル３，４との接合は、これも左右とも同じ
であるが、この左側の方を第２図で説明すると、
リヤコナーパネル７を構成するアウタパネル部７
ｂのサイドパネル３側の側端縁に内方へ延びる側
板部７ｃが形成され、この側板部７ｃとサイドパ
ネル３を構成するアウタパネル部３ｂの側端縁に
形成された側板部３ｃとを、重合させた上溶接す
ることによつて接合されている。一方、リヤコナ
ーパネル７を構成するインナパネル部７ａとサイ
ドパネル３を構成するインナパネル部３ａとの接
合は、リヤコナーパネル７のインナパネル部７ａ
におけるサイドパネル３側の側端縁にＬ字状の屈
曲部７ｄを介して外方へ延びる側板部７ｅを形成
するとともに、サイドパネル３のインナパネル部
３ａのリヤコナーパネル７側側端縁に上記Ｌ字状
の屈曲部７ｄを外側から被覆するＬ字状の屈曲部
３ｄを形成し、このサイドパネル３の屈曲部３ｄ
をリヤコナーパネル７の屈曲部７ｄに外側から被
覆させた上、溶接することにより接合されてい
る。

また、サイドパネル３，リヤコナーパネル７お
よびリヤスカートパネル９は第２図および第３図
に示すように略三角形状のガセツトプレート１１
によつて一体的に接合されている。

すなわち、上記リヤスカートパネル９の上面部
９ａの内方側端部には下方に垂直に延出するガセ
ツト接合用フランジ９ｂが折曲形成され、また上
記リヤコナーパネル７のインナパネル部７ａにお
けるリヤコナーパネル３側側端縁下部にはガセツ
ト接合用フランジ７ｆが折曲形成されている。そ
して、ガセツト接合用フランジ７ｆにガセツトプ
レート１１の略中央部をリヤコナーパネル７の側
板部７ｅと略同一平面を形成してビス１３によつ
て接合し、ガセツトプレート１１の一端側を上記
側板部７ｅより車体内方側に延出させてリヤスカ
ートパネル９のガセツト接合用フランジ９ｂ対し
てに複数のビス１２…を介して接合されており、
一方がガセツトプレート１１の他端側は、と、リ
ヤコナーパネル７のインナパネル部７ａにおける
側板部７ｅ下部と、さらにリヤコナーパネル７の
アウタパネル部７ｂの側板部７ｃとサイドパネル
３のアウタパネル部３ｂの側板部３ｃが重合した
部分とに、それぞれビス１４…，１５…、を介し
て接合されている。

つまり、ガセツトプレート１１の他端側はサイ
ドパネル３とリヤコナーパネル７との接合部に沿
つて接合されている。

なお、ガセツトプレート１１の周縁における上
記ビス１２…，１４…，１５…と対応する位置に
はノツチ１７…，１９…，２０…が形成されてい
るとともに、ガセツトプレート１１の上記ビス１
３…と対応する位置にはビス挿通孔１８…が形成
されており、これによつてガセツトプレート１１
をビス止めする際、そのビス止め作業を容易に行
なえるようにしている。

したがつて、このような構成であれば、サイド
パネル３がリヤコナーパネル７に接合され、この
リヤコナーパネル７がフロアパネル２の後部下方
に位置するリヤスカートパネル９の側端部に接合
されているのに加えて、リヤスカートパネル９に
形成したガセツト接合用フランジ９ｂがガセツト
プレート１１の一端側に接合され、このガセツト
プレート１１の他端側が、リヤコナーパネル７の
インナパネル部７ａに形成したガセツト接合用フ
ランジ７ｆと、リヤコナーパネル７のインナパネ
ル部７ａにおける側板部７ｅ下部と、更にリヤコ
ナーパネル７のアウタパネル部７ｂの側板部７ｃ
とサイドパネル３のアウタパネル部３ｂの側板部
３ｃとが重合した部分とに接合されているので、
上記リヤスカートパネル９、上記リヤコナーパネ
ル７およびサイドパネル３は上記ガセツトプレー
ト１１によつて一体的に連結されることになり、
そのためリヤコナーパネル７間がテールゲート６
を配設するために開口されていても、サイドパネ
ル３およびリヤコナーパネル７が内方或いは外方
に横倒れする虞れは一切ない。

しかも、ガセツトプレート１１の接合されてい
る箇所は、全てサイドパネル３のアウタパネル部
３ｂ、リヤコナーパネル７のアウタパネル部７ｂ
およびリヤスカートパネル９の外側板部９ｃによ
つて覆われているので、外部に露出することがな
く、そのため外観体裁を損ねるという欠点もな
い。

なお、前記実施例では、左側のサイドパネル
３、リヤコナーパネル７およびリヤスカートパネ
ル９をガセツトプレート１１で一体的に接合させ
た場合について説明したが、勿論右側のサイドパ
ネル４、リヤコナーパネル８およびリヤスカート
パネル９も同様にガセツトプレートで一体的に接
合されているものである。

また、前記実施例ではガセツトプレート１１の
接合をビス１２…，１３…，１４…，１５…によ
つて行なつたが、勿論本考案はこれに限らず、例
えば溶接によつてガセツトプレート１１を接合さ
せるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示すもの
で、第１図は貨物自動車の荷箱の斜視図、第２図
は荷箱のリヤコナー部を示す斜視図、第３図は第
２図の〜線に沿う横断面図である。 １……荷箱、３，４……サイドパネル、７，８
……リヤコナーパネル、７ａ……インナパネル、
７ｂ……アウタパネル、７ｅ……側板部、９……
リヤスカートパネル、１１……ガセツトプレー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷箱の側壁を形成するサイドパネルと、アウタ
   パネルとインナパネルとから成り、上記サイドパ
   ネルに接合され荷箱のコーナー部を形成するリヤ
   コナーパネルと、このリヤコナーパネルのインナ
   パネルの側面部に両側端部を接合したリヤスカー
   トパネルと、上記リヤスカートパネルとインナパ
   ネルとの接合部よりも下方位置に配設され、上記
   インナパネルの側板部の下部に接合され該側板部
   と略同一面を形成するガセツトプレートとを具備
   し、該ガセツトプレートの一端側を上記側板部よ
   り車体内方側に延出させてリヤスカートパネルに
   接合し他端側をサイドパネルとリヤコナーパネル
   との接合部に沿つて接合したことを特徴とする自
   動車の荷箱構造。