JPS634259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビデオテープレコーダの磁気ヘツドク
リーニング機構に関するものである。

従来、ビデオテープレコーダにおける回転磁気
ヘツドのクリーニングはユーザがクリーニング棒
や綿棒等を用いて清掃しているが、前記回転磁気
ヘツドは超精密かつ微細であるため、斯るクリー
ニング手段ではヘツド破損の危険性が極めて大で
あつた。

つまり、前記クリーニング棒や綿棒等を用いて
のヘツド清掃時に、該ヘツドにユーザの不要に大
きい手の力が付勢される可能性があるため、回転
磁気ヘツドが極度に摩耗したり、傷付いたりする
欠点があつた。

そこで本考案は回転中の磁気ヘツドにパツドを
適切な圧力で接触させて同ヘツドのクリーニング
を行なうことができ、ヘツドの摩耗や傷付きを何
等伴うことなく、しかもユーザが簡単かつ安全に
取り扱うことのできるクリーニングテープを用い
ないビデオテープレコーダの磁気ヘツドクリーニ
ング機構を提供することを、その目的とするもの
である。

すなわち本考案は、回転磁気ヘツドを備えたシ
リンダと、一端をローデイングリングに枢着した
レバーの他端に回転自在に取り付けてなるピンチ
ローラと、巻取軸および巻戻軸を挿着する磁気ヘ
ツドクリーニングカセツトとを備え、該カセツト
には前記シリンダとピンチローラとの間に位置す
るパツドシートを取り付ける一方、前記クリーニ
ングカセツト内に設けてなる巻取側スプールの周
面に切欠を設け、かつ、該スプールの所定角度以
上の回転を前記切欠に当接して阻止するストツパ
を前記カセツト内に形成すると共に、前記スプー
ルには該スプールの所定角度回転時に前記ピンチ
ローラをシリンダ側へ揺動させる棒状バネを突出
し、前記スプールの回転時に前記ピンチローラの
揺動によつて前記パツドシート先端のパツドをシ
リンダにおける回転磁気ヘツドに当接すべく構成
することによつて、上述した所期の目的を達成し
ようとするものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳述
する。

第１図は本考案に係るビデオテープレコーダの
磁気ヘツドクリーニング機構を示す平面図で、同
図中、１はシヤーシ、２は回転磁気ヘツド３，３
を備えたシリンダ、４はキヤプスタン軸、５はロ
ーデイングリングで、このローデイングリング５
にはレバー６の一端を枢着し、該レバー６の他端
にはピンチローラ７を回転自在に取り付けてい
る。

８は磁気ヘツドクリーニングカセツトで、同カ
セツト８は前記シヤーシ１上方のカセツト台９に
着脱可能に載置するもので、前記カセツト８をカ
セツト台９に載置した時に、同カセツト８下面の
丸孔１０，１０（第３図参照）から同カセツト８
内に巻取軸１１および巻戻軸１２が挿着されるよ
うになつている。

前記磁気ヘツドクリーニングカセツト８の構造
について更に詳述すると、同カセツト８は第１図
乃至第４図に示す如く、二つ割りのケース８ａ，
８ｂを４本のビス１３…によつて接合固定したも
ので、該カセツト８の一側（第２図乃至第３図の
上側）の開口部には開閉蓋１４を枢着している。
なお、第１図および第５図においては図示を簡略
化するために、この開閉蓋１４を省略している。

前記開閉蓋１４はカセツト８をカセツト台９に
載置した時、図示しない構造体によつて、その枢
着支点１４ａを中心として第４図の矢印方向へ開
くようになつている。

また、前記下側のケース８ｂにおける巻戻軸１
２と対向する部分で且つ前記開閉蓋１４寄りのケ
ース凸部１５には可撓性のパツドシート１６を固
定し、このパツドシート１６の先端にパツド１７
を取り付けている。

ここで、前記パツドシート１６はカセツト８を
カセツト台９に載置した時に、第１図に示す如く
前記シリンダ５とピンチローラ７との間に位置す
るものである。

さらに、前記下側のケース８ｂにはカセツト８
をカセツト台９に載置した時に、前記ピンチロー
ラ７がパツドシート１６の手前側に挿入し得るよ
うにピンチローラ挿入凹所１８を形成している。

また、前記クリーニングカセツト８内には小径
のインナースプール１９ａと大径のアウタースプ
ール１９ｂとからなる巻取側スプール１９を設け
ている。そして、小径のインナースプール１９ａ
には前記下側のケース８ｂの丸孔１０に挿入する
筒状部２０を一体成形し、この筒状部２０内には
先に述べた巻取軸１１と嵌合させるための突起２
０ａを一体形成している。

前記アウタースプール１９ｂの周面には約30度
の開度を有する切欠２１を設ける一方、下側のケ
ース８ｂにはその先端が前記切欠２１内に入り込
むストツパ２２を取り付けて、該ストツパ２２で
前記スプール１９の所定角度以上の回転を阻止す
べく構成している。

また、前記アウタースプール１９ｂには棒状バ
ネ２３を突出している。この棒状バネ２３はその
基端をアウタースプール１９ｂ内に埋設し、その
先端を前記ピンチローラ７方向へ延出したもので
あつて、この棒状バネ２３は前記スプール１９の
時計方向への所定角度回転時に前記ピンチローラ
７をシリンダ２側つまり反時計方向へ揺動させる
ためのものである。

前記棒状バネ２３と下側のケース８ｂに突設し
た突部２４との間にはリターンスプリング２５を
張架している。

なお、第３図における２６，２７は下側のケー
ス８ｂに形成したポール孔で、これらの各ポール
孔２６，２７は図示しない位置決めポールを挿入
させて、カセツト８の載置位置を位置決めするた
めのものである。

つぎに上記構成の作用について説明する。

第１図に示す状態から図示しない早送り押釦を
押すと、巻取軸１１が時計方向へ回転するので、
この巻取軸１１の回転によつて巻取側スプール１
９が第５図に示す如く同じく時計方向へ所定角度
だけ回転する。

また、前記スプール１９と共に棒状バネ２３も
同方向へ回動し、この棒状バネ２３によつて前記
ピンチローラ７がレバー６を介して反時計方向へ
揺動する。

該ピンチローラ７が揺動すると、前記パツドシ
ート１６先端のパツド１７はシリンダ２における
回転中の磁気ヘツド３に当接して、該磁気ヘツド
３のクリーニングを行なうものである。

該パツド１７のシリンダ２への圧着力は前記棒
状バネ２３の弾性により適切な値を得ることがで
きるので、前記パツド１７は回転中の磁気ヘツド
３に対して適切な圧力で接触し、同ヘツド３のク
リーニングを行なうことになる。

この結果、前記磁気ヘツド３の摩耗や傷付きを
何等伴うことなくヘツドクリーニングを行なうこ
とができるのである。

このように本考案は、回転磁気ヘツド３を備え
たシリンダ２と、一端をローデイングリング５に
枢着したレバー６の他端に回転自在に取り付けて
なるピンチローラ７と、巻取軸１１および巻戻軸
１２を挿着する磁気ヘツドクリーニングカセツト
８とを備え、該カセツト８には前記シリンダ２と
ピンチローラ７との間に位置するパツドシート１
６を取り付ける一方、前記クリーニングカセツト
８内に設けてなる巻取側スプール１９の周面に切
欠２１を設け、かつ、該スプール１９の所定角度
以上の回転を前記切欠２１に当接して阻止するス
トツパ２２を前記カセツト８内に形成すると共
に、前記スプール１９には該スプール１９の所定
角度回転時に前記ピンチローラ７をシリンダ２側
へ揺動させる棒状バネ２３を突出し、前記スプー
ル１９の回転時に前記ピンチローラ７の揺動によ
つて前記パツドシート１６先端のパツド１７をシ
リンダ２における回転磁気ヘツド３に当接すべく
構成したものであるから、前記棒状バネ２３の弾
性によつて前記パツド１７を回転中の磁気ヘツド
３に対して適切な圧力で接触させてヘツドクリー
ニングを行なうことができ、この結果、ヘツド３
の摩耗や傷付きを何等伴わないものである。しか
もユーザが簡単かつ安全に取り扱うことができる
等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るビデオテープレコーダの
磁気ヘツドクリーニング機構を示す平面図、第２
図は磁気ヘツドクリーニングカセツトの平面図、
第３図は同カセツトの底面図、第４図は第２図の
左側面図、第５図はヘツドクリーニング作用を説
明するための平面図である。 ２……シリンダ、３……回転磁気ヘツド、５…
…ローデイングリング、６……レバー、７……ピ
ンチローラ、８……磁気ヘツドクリーニングカセ
ツト、１１……巻取軸、１２……巻戻軸、１６…
…パツドシート、１７……パツド、１９……巻取
側スプール、２１……切欠、２２……ストツパ、
２３……棒状バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転磁気ヘツドを備えたシリンダと、一端をロ
   ーデイングリングに枢着したレバーの他端に回転
   自在に取り付けてなるピンチローラと、巻取軸お
   よび巻戻軸を挿着する磁気ヘツドクリニングカセ
   ツトとを備え、該カセツトには前記シリンダとピ
   ンチローラとの間に位置するパツドシートを取り
   付ける一方、前記クリーニングカセツト内に設け
   てなる巻取側スプールの周面に切欠を設け、か
   つ、該スプールの所定角度以上の回転を前記切欠
   に当接して阻止するストツパを前記カセツト内に
   形成すると共に、前記スプールには該スプールの
   所定角度回転時に前記ピンチローラをシリンダ側
   へ揺動させる棒状バネを突出し、前記スプールの
   回転時に前記ピンチローラの揺動によつて前記パ
   ツドシート先端のパツドをシリンダにおける回転
   磁気ヘツドに当接すべく構成したことを特徴とす
   るビデオテープレコーダの磁気ヘツドクリーニン
   グ機構。