JPS6342193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は建物内に配置されるラツク、機器類の
耐震装置に係るものである。

（従来の技術） 建造物内に配置されるラツク、機器等は地震動
によつて転倒、移動することが多く、周辺機器の
毀損や人的被害を誘起する。これに対して一般に
ラツク、機器を床に止めたり、天井または床から
ワイヤ等で懸吊して転倒、移動を防止する地震対
策がとられている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらこのような地震対策を施すために
は、天井に穴を穿設したり、床にアンカーを打込
んだりして、前記ラツク、機器を個々に取付けて
いるため、作業が困難である。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこのような欠陥を除去するために提案
されたものであつて、室内上部に張設された互い
に平行な一双の水平ワイヤロープに、室内床面に
配置されたラツク、機器に繋着されたワイヤロー
プの上端部の環状係止部を挿通、係合してなるこ
とを特徴とするラツク、機器の耐震装置に係るも
のである。

（作用） 本考案においては前記したように、室内上部に
張設された互いに平行な一双の水平ワイヤロープ
に、室内床面に配置されたラツク、機器に繋着さ
れたワイヤロープの上端部に形成された環状係止
部を挿通、係合することによつて、前記ラツク、
機器を室内に定置するようにし、地震時に前記ワ
イヤロープの上端の環状係止部と前記一双の水平
ワイヤロープとの間に働く摩擦力によつて、ラツ
ク、機器の地震時における慣性力を減衰せしめ、
かくして地震時におけるラツク、機器の転倒、移
動を防止するものである。

（考案の効果） 本考案に係るラツク、機器の耐震装置は前記し
たように、室内床面に配置されたラツク、機器に
繋着されたワイヤロープの上端部の係止部を、室
内上部に張設された互いに平行な一双の水平ワイ
ヤロープに挿通、係合するだけで、ラツク、機器
に耐震効果を発揮せしめることができ、従来のよ
うに、天井にラツク、機器の懸吊用ワイヤ取付孔
を穿設したり、床にアンカーを打込んで、ラツ
ク、機器を個々に取付ける必要がないので、施工
が簡便で経済的にも有利である。

一般にラツク、機器は列をなして整然と配設さ
れていることが多いが、本考案においては前記し
たように、室内上部に張設された互いに平行な一
双の水平ワイヤロープに、ラツク、機器に繋着さ
れたワイヤロープの上端部の環状係止部を係合す
ればよいので、作業が簡単、迅速に行なわれ、ラ
ツク、機器の移設の際も作業が簡単に行なわれ、
本考案によれば構造、取付作業等が簡単で、低コ
ストのラツク、機器の耐震装置が提供されるもの
である。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

第１図乃至第４図は室内床面に載置されたラツ
クに本考案を適用した場合を示し、互いに平行
し、且つターンバツクル（図示せず）を具えた一
双の水平ワイヤロープ１，１が室内上部に張設さ
れ、同各水平ワイヤロープ１の端部が壁、または
天井に固定され、所定間隔毎に前記両水平ワイヤ
ロープ１，１間にセパレータ２が介装され、同各
水平ワイヤロープ１，１間が所定間隔に保持され
ている。

第４図は前記セパレータ２の詳細を示し、両水
平ワイヤロープ１，１間に介装された中間部片２
ａの両端円弧状切欠部と、各水平ワイヤロープ
１，１の外側に配設された一双の外側部片２ｂ，
２ｂの内側端円弧状切欠部との間に各水平ワイヤ
ロープ１を抱着し、前記各部片２ａ，２ｂ，２ｂ
をボルト２ｃで連綴して構成されている。

室内床Ａ上に設置されたラツクＢの上端にはク
リツプ付きワイヤロープ３が繋止され、クリツプ
４を介して同ワイヤロープ３の上端に環状係止部
３ａが形成され、同係止部３ａが前記一双の水平
ワイヤロープ１，１に挿通係合され、ラツクＢが
床Ａに定置される。

従つて地震時、前記ワイヤロープ３、環状係止
部３ａ及び一双の平行な水平ワイヤロープ１，１
の幾何学変形によつてラツクＢが支持されるとと
もに、地震時、前記ワイヤロープ３の上端の環状
係止部３ａと水平ワイヤロープ１，１との間に働
く摩擦力によつてラツクＢの地震時の慣性力が減
衰され、その転倒、移動が防止される。

なお前記セパレータ２の位置、間隔等は自由に
選択できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るラツク、機器の耐震装置
の一実施例を示す側面図、第２図及び第３図は
夫々第１図の矢視−図並に矢視−図、第
４図はセパレータの詳細を示す正面図である。 Ａ……床、Ｂ……ラツク、１……水平ワイヤロ
ープ、３……ワイヤロープ、３ａ……環状係止
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 室内上部に張設された互いに平行な一双の水平
   ワイヤロープに、室内床面に配置されたラツク、
   機器に繋着されたワイヤロープの上端部の環状係
   止部を挿通、係合してなることを特徴とするラツ
   ク、機器の耐震装置。