JPS634152Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、種々の建具の額縁に係り、特にそ
の窓開口にガラス、ガラリ、格子等が嵌め込まれ
る建具の額縁に関する。

従来からこの種の建具においては、窓開口に嵌
め込まれるガラス、ガラリ、格子等を押える手段
として窓開口縁部に取付けられる額縁が使用され
ているが、このような額縁は、単にガラス等を押
える手段としてだけではなく、建具の窓開口縁部
を被覆してこの窓開口縁部を美麗に仕上げ、これ
によつて窓開口縁部自体の仕上げ加工の手間を省
略すると共に窓開口縁部とこの窓開口に嵌め込ま
れるガラス、ガラリ、格子等との間に生ずる寸法
誤差や隙間等を解消するという機能をも備えてい
る。

しかしながら、このような建具の窓開口には、
この建具が用いられる場所や用途に応じて、単に
格子やガラリ等を嵌め込んで通風性を確保したい
場合や格子やガラリと共にあるいは単独でガラス
を嵌め込みたい場合等の種々の要請があり、しか
も、窓開口に嵌め込まれるガラス、ガラリ、格子
等自体についても種々の板厚のものがあつて建具
の用途等に応じて種々選択されており、その都度
額縁の種類が変り、あらかじめ量産しておくこと
ができず、注文生産によるかあるいは予め一定規
格のものを製造しておいて現場で建具に合うよう
に加工する以外になかつた。

ところが、額縁は、窓開口縁部を被覆するもの
で化粧部を有し、その断面形状が比較的複雑であ
るばかりでなく細長いものであり、現場で建具の
窓開口縁部に合うように加工するといつても容易
な作業ではなく、この額縁を精度良く仕上げるに
は長年の熟練と多くの手間を要し、建具の製造や
取付けの作業性を悪くする原因となつていた。

この考案は、かかる観点に鑑み、一定の規格を
もつて製造される額縁にガラス等の厚さに対応す
るための加工を施し、これによつて簡単な作業で
額縁を精度良く仕上げることができるようにして
現場での加工作業の作業性を向上し、かつ、大量
生産を可能にしてコストの低減を図ることができ
る建具のガラス等押え用額縁を提供するものであ
る。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて、この
考案を詳細に説明する。

第１図ないし第３図において、建具の１つであ
るアーチ型ガラリドアＦに適用されたこの考案の
実施例に係る額縁Ａが示されている。この額縁Ａ
は、第２図及び第３図イ，ロに示すように、ガラ
リドアＦの窓開口を形成する窓開口縁部１の内周
面を被覆する主体部２と上記窓開口縁部１の外側
面を被覆する化粧部３とからなり、上記主体部２
にはその先端部側に窓開口縁部１の内周面側に向
けて開口すると共にその先端の押え面４ａから所
定の間隔d₁，d₂をおいて長手方向に一定の巾寸法
l₁，l₂を有する２条の条溝５ａ，５ｂを形成し、
又、主体部２の基端部側には適宜間隔をおいてこ
の額縁Ａを窓開口縁部１にビス等の止着子２２に
よつて取付けるための取付孔８を穿孔し、更に、
上記化粧部３の表面側を化粧面３ａに加工してな
るものであり、第４図に示すように、各条溝５
ａ，５ｂの側壁面６ａ，６ｂに沿つてその底壁７
を切断することにより主体部２の長さ寸法を調節
することができるようになつている。

この実施例の額縁Ａが適用されたアーチ型ガラ
リドアＦは、第１図、第２図及び第５図に示すよ
うに、その外周部を形成するフレーム９と、この
フレーム９の上部、中央部及び下部に夫々略水平
方向に架設された横桟１０，１１，１２と、上記
フレーム９の垂直部分の内側に適当な間隙材１４
を介して取付けられ、上記各横桟１０，１１，１
２の間に架設されたガラリ支持材１３とによつて
骨組１５が形成されており、上記ガラリ支持材１
３にはその互いに相対向する面に所定の間隔をお
いて多数の傾斜溝１６が形成され、これら互いに
相対向するガラリ支持材１３の間には両端部が
夫々傾斜溝１６内に嵌め込まれた多数のガラリ羽
根１７が略水平に架設されており、更に、上記骨
組１５にはその表裏両面に窓開口を有する化粧パ
ネル１８が取付けられ、この化粧パネル１８によ
つて骨組１５を覆い隠し、又、横桟１０，１１，
１２、ガラリ支持材１３及び化粧パネル１８によ
つて形成される窓開口縁部１の裏面側には予めこ
の窓開口縁部１に固定されてガラリ羽根１７の脱
落防止と位置決めをする周縁部材１９が取付けら
れており、更に、上記窓開口縁部１の表面側には
上記周縁部材１９との間にガラリ羽根１７を押え
込むように本考案の額縁Ａが取付けられている。
尚、第２図において符号２０はガラリ支持材１３
間において各横桟１０，１１，１２に取付けら
れ、ガラリ羽根１７の位置決めをする補助桟であ
る。

従つて、この実施例の額縁Ａによれば、例えば
その主体部２の先端の押え面４ａから約１mmの間
隔d₁，d₂をおいて約１mmの巾寸法l₁，l₂を有する
条溝５ａ，５ｂを形成しておくことにより、例え
ば通風性が要求されて窓開口にはガラリ羽根１７
のみを取付ける場合には、第２図に示すように、
予めこのガラリ羽根１７を押えるのに適する大き
さ、即ち、ガラリ羽根１７の巾寸法に合うように
形成された額縁Ａをそのまま用いてその主体部２
の押え面４ａをガラリ羽根１７に当接させて取付
ける。又、通気を必要とせず頻繁には開閉しない
ようなガラリドアＦに、例えば２mm程度の板厚の
薄いガラス２１を嵌め込みたい場合には、第４図
に示すように、カツター２３等の手段で条溝５ａ
の内壁面６ｂに沿つて底壁７を切断してこの切断
面及び内壁面６ｂをガラス２１の押え面４ｂと
し、第６図に示すようにガラリ羽根１７とガラス
２１とを額縁Ａによつて同時に押える。更に、通
気を必要とせず、しかも、頻繁に開閉されるよう
なガラリドアＦに、例えば３mm程度の板厚の厚い
ガラス２１を嵌め込みたい場合には、第７図に示
すように条溝５ｂの底壁７をその内壁面６ａに沿
つて切断し、この底壁７の切断面のみを押え面４
ｂとしてガラリ羽根１７とガラス２１とを額縁Ａ
によつて同時に押えるようにするものである。

それ故、この考案の額縁Ａによれば、その主体
部２には先端の押え面４ａから所定の間隔d₁，d₂
をおいて所定の巾寸法l₁，l₂を有する適宜数の条
溝５ａ，５ｂを長手方向に沿つて形成し、各条溝
５ａ，５ｂの底壁７を切断することによりガラリ
羽根１７やガラス２１等の厚さに応じた押え面４
ｂを形成するようにしたので、予め一定の規格に
合せて額縁Ａを形成しておくことにより、建具Ｆ
の窓開口内に嵌め込まれるガラリ羽根１７やガラ
ス２１等の厚さが種々変化しても、これらガラリ
羽根１７やガラス２１等の厚さに応じて押え面４
ｂを形成することができるほか、各条溝５ａ，５
ｂの底壁７を切断する際には各条溝５ａ，５ｂの
垂直な面に形成された内壁面６ａ，６ｂを案内と
してカツター２３等の手段で切断作業をすること
が可能になるので、底壁７の切断が容易になると
共に、底壁７の切断面を上記案内面と面一な面に
形成でき、その分、ガラリ羽根１７やガラス２１
等の厚さに応じた所望の押え面４ｂを容易にかつ
正確に形成することができる。このため、現場で
の要求に合せて額縁Ａを加工する作業が極めて容
易になり、その作業性が著しく向上すると共に、
上記ガラリ羽根１７やガラス２１等の保持具合を
常時良好に保つことができる。

しかも、額縁Ａの主体部２に形成される各条溝
５ａ，５ｂは、予め工場において加工されるもの
であるから、現場でのこぎりやかんな等を用いて
加工する場合に比べて著るしくその精度が向上
し、建具Ｆの窓開口縁部１に取付けた際の納まり
具合も一段と良好になる。

又、本考案の額縁Ａは、建具Ｆの窓開口内に嵌
め込まれるガラリ羽根１７やガラス２１の厚さに
応じた押え面４ｂを容易に形成することができ、
多くの種類のガラリ羽根１７、ガラス２１あるい
は格子等に対応することができ、その利用できる
範囲が著るしく拡大するので大量生産により安価
に製造することができる。

加えて、各条溝５ａ，５ｂは窓開口縁部１の内
周面側に向けて開口しているので、この額縁Ａを
用いてガラリ羽根１７やガラス２１等を窓開口内
に取付けた際にこれらの条溝５ａ，５ｂが表面側
に露出して建具Ｆの外観を損なうようなことがな
く、又、上記実施例に示すように、主体部２の基
端部に額縁Ａを窓開口縁部１に固定するためのビ
ス等の止着子２２を差し込まれる取付孔８を穿孔
しておけば、この取付孔８により窓開口縁部１の
所定位置に確実に止着子２２を打ち込むことがで
き、その取付が確実になる。

尚、上記実施例においては、主体部２に２条の
条溝５ａ，５ｂを設けてガラリ羽根１７やガラス
２１等の種々の厚さに対応することができるよう
に形成されているが、窓開口内に嵌め込まれるガ
ラス２１、ガラリ羽根１７、格子等の仕様がある
程度限られているものについては１条の条溝を形
成してこの仕様に対応できるようにしてもよく、
又、必要により底壁７の厚さをある程度残して多
数の条溝を形成し、多くの仕様に対応できるよう
にすることもできる。又、上記実施例においては
アーチ型ガラリドアを例にして説明したが、建具
Ｆとしてはこれに限定されないことは勿論であ
り、例えば格子戸や窓開口にガラスのみが嵌め込
まれるガラス戸にも適用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例に係る額縁が適用さ
れたアーチ型ガラリドアの正面図、第２図は第１
図の−線断面図、第３図イ，ロは第１図に適
用された額縁を拡大して示す部分斜視図、第４図
はカツターで額縁の底壁を切断する状態を示す斜
視図、第５図は第１図のアーチ型ガラリドアの骨
組を示すための正面側からみた縦断面図、第６図
及び第７図は第１図のアーチ型ガラリドアにガラ
スを嵌め込んだ状態を示す第２図と同様の断面図
である。 符号説明、Ｆ……建具（ガラリドア）、Ａ……
額縁、１……建具の窓開口縁部、２……額縁の主
体部、３……額縁の化粧部、４ａ，４ｂ……主体
部の押え面、５ａ，５ｂ……条溝、d₁，d₂……押
え面４ａからの間隔、l₁，l₂……条溝の巾寸法、
７……底壁、１７……ガラリ羽根、２１……ガラ
ス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建具Ｆの窓開口縁部１の内周面を被覆すると共
   に窓開口内に嵌め込まれるガラリ羽根１７やガラ
   ス２１等を押える主体部２と、上記窓開口縁部１
   の外側面を被覆する化粧部３とからなり、上記ガ
   ラリ羽根１７やガラス２１等の厚さに応じた押え
   面４ｂを形成する断面略略Ｌ字状の額縁Ａにおい
   て、上記主体部２にはその窓開口縁部１の内周面
   側に向けて開口すると共にその先端の押え面４ａ
   から所定の間隙d₁，d₂をおいて所定の幅寸法l₁，
   l₂を有する適宜数の条溝５ａ，５ｂを長手方向に
   沿つて形成し、各条溝５ａ，５ｂの内壁面６ａ，
   ６ｂを底壁７に対して垂直な面に形成してこの底
   壁７を切断する際の案内とし、底壁７の切断面を
   上記案内面と面一な押え面４ｂとして形成するよ
   うにしたことを特徴とする建具のガラス等押え用
   額縁。