JPS6341349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案はオートバイの燃料タンクの給液口、
電気製品、例えば洗濯機、皿洗機などの開口をキ
ヤツプで開閉する装置に関するもので、上記燃料
タンク、洗濯機、皿洗機を総称して本書ではハウ
ジングと記載する。

〈従来の技術〉 ハウジングの壁面に、円形孔と、該孔の外周に
円周方向に等間隔離して複数設けた放射状の切欠
きとあらなる開口を開設し、この開口を開閉する
ため、キヤツプに該開口の周縁部上面に接触して
開口を塞ぐことができる閉塞部と、該閉塞部から
同心状に垂下して前記開口の円形孔に嵌合する円
筒部と、前記閉塞部の下面からハウジングの壁厚
だけ下に離して上記円筒部の外周の放射状に前記
切欠きに係合する係合突起を設けることは例えば
実公昭39−19398号公報により公知である。

このキヤツプでハウジングの開口を閉じるに
は、係合突起の向きをハウジングの開口の切欠き
に合わせて切欠き中を下に通過させ、こうして閉
塞部の下面がハウジングの壁の上面に当接したら
キヤツプを少し回し、各突起の上面を円形孔の周
縁部下面に摺接させる。又、開口を開くには上記
操作を逆に行う。

〈考案が解決しようとする課題〉 上記装置はキヤツプの閉塞部下面と突起の上面
が円形孔の周縁部を上下から挟んで開口を閉じる
ので、振動が衝撃でキヤツプが少し宛回り、いつ
のまにか開口が開いてキヤツプが外れ、場合によ
つては紛失する虞があると共に、キヤツプを回し
て開口を閉じる際に、どれだけ回したから完全に
閉じたという手ごたえがないので、回すのが不足
していないか、過剰に回していないかの不安感が
伴う。

更に、閉塞部の下面を開口の回りのハウジング
壁面上に機械的に引付けないので密閉性が乏し
い。

〈課題を解決するための手段〉 そこで本考案のキヤツプによるハウジングの開
口の開閉装置は、壁面に、円形で直径が下向きに
縮小する窪みと、その窪みの底に同心状に開設さ
れた正方形の開口を有するハウジングと、上記ハ
ウジングの開口を開閉するプラスチツク製の可撓
なキヤツプとからなり、 上記ハウジングの開口には正方形の四辺から
夫々同量垂下する下向きの台形垂下片を設け、 前記キヤツプは中空で、上記ハウジングの窪み
の内部に嵌合する円筒部と、該円筒部の上壁から
上に突出する把持部と、前記ハウジングの開口の
正方形と同大で、上記円筒部の下に同心状に設け
られた上下二段の角筒部を一体に有すると共に、
上記円筒部の外周に保持されて回りから外に張出
し、前記ハウジングの窪みの内周に摺接する環状
ガスケツトを備え、 前記上段の角筒部と下段の角筒部は45位相を異
にすると共に、上記上下の角筒部の間には上段の
角筒部の各辺から下段の角筒部の各コーナに向か
つて斜め下向きに傾き、且つ前記ハウジングの開
口から垂下する下向きの台形垂下片の斜辺と下縁
に摺接する傾斜カム部を設けた、 ことを特徴とする。

〈作用〉 ハウジングの開口を閉じるには、キヤツプの把
持部を持つて下段の角筒部を、向きを正方形の開
口に合わせ、垂下片で囲まれた内部に上から押込
み、次いで押したまゝ1/8回転する。これにより
最初1/16回転で垂下片が囲む内部下方に入つた下
段の角筒部の各コーナは垂下片の下部内面に接触
して少し歪みながら回り、直角に隣接した下向き
の台形垂下片の斜辺間に位置し、残りの1/16回転
で上下の角筒部の間の斜め下向きに傾いた傾斜カ
ム部は前記垂下片の斜辺から下縁に摺接してキヤ
ツプを下に引き寄せ、上段の角筒部はコーナを変
形して垂下片が囲む内部に入り、その最後の瞬間
に上段の角筒部は正方形の開口と同じ向きになつ
て元通りに復元することにより垂下片が囲む内部
にすつぽりと嵌合してキヤツプが振動などでいつ
のまにか回るのを防止すると共に、下段の角筒部
は各垂下片の下に出て元通りに復元し、開口に対
し45゜位相を異にし、その各コーナ上の傾斜カム
部を各垂下片の下縁に接触させてキヤツプが上に
抜けるのを防止する。そして、キヤツプの円筒部
はハウジングの窪みに入り、該円筒部の回りに保
持した環状ガスケツトは直径が下向きに縮小する
窪みの下部内周面で回りから圧迫されて開口を閉
じた状態にする。

キヤツプを外して開口を開くには、把持部を持
つてキヤツプを1/8回転しながら逆に引き上げて
下段の角筒部を垂下片が囲む内部に位置させ、そ
れから真直ぐ引き上げればよい。

開口を閉じたり、開いたりするためにキヤツプ
を1/8回転する回転方向は時計方向でも、反時計
方向でもよい。

〈実施例〉 本考案の図示の一実施例を説明する。

１は金属板製の例えばオートバイ用燃料タンク
などのハウジングで、その上壁面には円形で、直
径が下向きに縮小する窪み２と、その窪みの底
２′に同心状に開設された正方形の開口３を有す
る。この窪み２と、開口３は、先ず最初に窪み２
を加工し、それから窪みの底２′の第５図の破線
４で示した形状を有する押抜き工具で該工具と同
形状に押し抜き、その結果、正方形の四辺に沿つ
て生じた台形の四つの片５を底２′に対し下向き
にほゞ直角に折曲げ、下向きの台形垂下片とす
る。

６はプラスチツクで可撓に成形した、中空で下
面に開放するキヤツプである。このキヤツプは、
前記ハウジングの窪み２に嵌合する円筒部７と、
該円筒部の上面を塞ぐ上壁８に上向きに突出する
把持部９と、前記ハウジングの開口の正方形と同
大で、上記円筒部７の下に同心状に設けられた上
下二段の角筒部１０，１１を一体に有すると共
に、上記円筒部７の外周に設けられた環状溝１２
に保持されて該外周の回りから外に張出し、前記
ハウジングの窪み２の内周に摺接する環状ガスケ
ツト１３を備えている。そして、前記上段の角筒
部１０と下段の角筒部１１は４５゜位相を異にす
ると共に、上記上下の角筒部１０，１１の間には
上段の角筒部の各辺から下段の角筒部の各コーナ
に向かつて斜め下向きに傾き、且つ前記ハウジン
グの開口３から垂下する垂下片５の下縁に摺接す
る傾斜カム部１４を設けてある。

ハウジングの開口３を閉じるには、キヤツプの
把持部９を持つて下段の角筒部１１を、向きを正
方形の開口３に合わせ、垂下片５で囲まれた内部
に上から押込み、次いで押したまゝ1/8回転する。
これにより最初の1/16回転で垂下片５が囲む内部
下方に入つた下段の角筒部１１の各コーナは垂下
片の下部内面に接触して少し歪みながら回り、直
角に隣接した下向きの台形垂下片の斜辺５ａ，５
ａ間に位置し、残りの1/16回転で上下の角筒部の
間の斜め下向きに傾いた傾斜カム部１４は前記垂
下片５の斜辺５ａから下縁５ｂに摺接してキヤツ
プを下に引き寄せ、上段の角筒部１０はコーナを
変形して垂下片が囲む内部に入り、その最後の瞬
間に上段の角筒部１０は正方形の開口３と同じ向
きになつて元通りに復元することにより垂下片が
囲む内部にすつぽりと嵌合してキヤツプが振動な
どでいつのまにか回るのを防止すると共に、下段
の角筒部１１は各垂下片５の下に出て元通りに復
元し、開口３に対し45゜位相を異にし、その各コ
ーナ上の傾斜カム部１４を各垂下片５の下縁に接
触させてキヤツプが上に抜けるのを防止する。そ
して、キヤツプの円筒部７はハウジングの窪み２
に入り、該円筒部の回りに保持した環状ガスケツ
ト１３は直径が下向きに縮小する窪みの下部内周
面で回りから圧迫されて開口３を閉じた状態にす
る。

キヤツプを外して開口を開くには、把持部９を
持つてキヤツプを1/8回転しながら逆に引き上げ
て下段の角筒部１１を垂下片５が囲む内部に位置
させ、それから真直ぐ引き上げればよい。

開口を閉じたり、開いたりするためにキヤツプ
を1/8回転する回転方向は時計方向でも、反時計
方向でもよい。

尚、ハウジングが燃料タンクの場合は、把持部
９の上面に通気孔１５を開設すると共に、下段の
角筒部１１の内面には四つの突起１６を隆設し、
この下段の角筒部の下端からキヤツプの内部にド
ーム形の内蓋１７を嵌込み、該内蓋が落下するの
を上記突起１６で防止し、前記通気孔１５を内蓋
１７で下から遮蔽して置くとよい。これはタンク
の内圧が温度で変化し、これに伴いタンクが膨
張、収縮するのを通気孔１５で防ぎ、且つタンク
の内部が通気孔１５で外に直通している場合に外
部の火気がタンク内の燃料に引火するのを内蓋１
７で防止し、タンクの爆発を防ぐためである。

〈考案の効果〉 本考案によればキヤツプを1/8回転し、上段の
角筒部を開口の四辺から垂下する下向きの台形垂
下片が囲む内部に位置させて開口を閉じた状態に
するので、振動や衝撃などでキヤツプが回つて開
口がいつの間にか開くとか、キヤツプが外れて紛
失する等の虞は全く無い。そして、下段の角筒部
を垂下片が囲む内部に押込み、次いで押したまゝ
１／８回転した最後の瞬間に上段の角筒部が垂下片
が囲む内部に嵌合したことは手触りで分るため、
完全に閉めた安堵感が得られる。

更に、上下の角筒部の間の、上段の角筒部の各
辺から下段の角筒部のコーナに向かつて斜め下向
きに傾いた傾斜カム部が開口の四辺から垂下する
下向きの台形垂下片の斜辺から下縁に摺接してキ
ヤツプを下向きに引き寄せ、これによりキヤツプ
が上に抜けるのを防止すると同時に、該キヤツプ
の円筒部の回りから張出した環状ガスケツトをハ
ウジングの、直径が下向きに縮小する窪みの内周
に対し圧縮して開口を閉じた状態にするので確実
なシール効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はキヤツプの上から見た平面図、第２図は同じキ
ヤツプを下から見た平面図、第３図は上記キヤツ
プでハウジングの開口を閉じた状態にした一半は
断面で示した側面図、第４図はハウジングの開口
を有する部分の断面図、第５図は上記開口をハウ
ジングに形成するための説明図である。 図中、１はハウジング、２は窪み、２′は窪み
の底、３は正方形の開口、５は下向きの台形垂下
片、５ａはその斜辺、５ｂは下縁、６はキヤツ
プ、７は円筒部、８はその上壁、９は把持部、１
０は上段の角筒部、１１は下段の角筒部、１２は
環状溝、１３は環状ガスケツト、１４は傾斜カム
部を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 壁面に、円形で直径が下向きに縮小する窪み
   と、その窪みの底に同心状に開設された正方形の
   開口を有するハウジングと、上記ハウジングの開
   口を開閉するプラスチツク製の可撓なキヤツプと
   からなり、 上記ハウジングの開口には正方形の四辺から
   夫々同量垂下する下向きの台形垂下片を設け、 前記キヤツプは中空で、上記ハウジングの窪み
   の内部に嵌合する円筒部と、該円筒部の上壁から
   上に突出する把持部と、前記ハウジングの開口の
   正方形と同大で、上記円筒部の下に同心状に設け
   られた上下二段の角筒部を一体に有すると共に、
   上記円筒部の外周に保持されて回りから外に張出
   し、前記ハウジングの窪みの内周に摺接する環状
   ガスケツトを備え、 前記上段の角筒部と下段の角筒部は45゜位相を
   異にすると共に、上記上下の角筒部の間には上段
   の角筒部の各辺から下段の角筒部の各コーナに向
   かつて斜め下向きに傾き、且つ前記ハウジングの
   開口から垂下する下向きの台形垂下片の斜辺と下
   縁に摺接する傾斜カム部を設けた、 ことを特徴とするキヤツプによるハウジングの開
   口の開閉装置。