JPS6341087B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、制御レバ、特に自動車用の変速制御
レバ及びその製造方法に関するものである。

更に詳述すれば、本発明は、握りノブ部とロツ
ド回り継手部の保護ベローズ部の両者を設けた、
成形可能の高分子材料よりなるカバ部材と差動機
構に接続されるロツドとを有する制御レバに関す
る。

従来技術 カバ部材を成形工程により別個に作成し、つい
て、ロツド端部に設けた嵌合部と、該カバ部材の
握りノブ部に埋め込んだ保持挿入部との相互のス
ナツプ係合により、カバ部材を該ロツドに嵌合す
る形式の一体カバ部材が、すでに本発明者により
提案されている。

しかしながら、上記の構成によれば、制御レバ
が幾分大型となり、振動による応力に対しての慣
性挙動の点でも好ましくない。

更に、別個に製造されるカバ部材は組み立て作
業を要する部分が多く、製造上多大の労力を必要
とし、結果として最終製品のコストが大巾に上昇
するという不利な点があつた。

発明の目的 本発明は、上記従来の制御レバの問題点に鑑み
てなされたものであつて、別個に準備されたカバ
部材により製造されるものよりは全体的に小型
で、製造に要する材料の量及び制御レバ全体の体
積を減じ得ると共に、振動応力に対しても、すぐ
れた挙動を示す等、二重の利点を有する制御レバ
を提供しようとするものである。

即ち、本発明は、カバ部材をロツドに嵌着する
のに何ら面倒な組み立て作業を必要とせず、又、
該ロツドに、その操作中に受ける応力に対し最適
の外形及び断面形状を付与し得る制御レバを提供
することをその第一の目的とするものである。

又、本発明は、カバ部材に取り付けるロツド
を、部分的に又は全体的に、非金属材料、特に、
剛性高分子材料を用いて形成し得る制御レバを提
供することをその第二の目的とするものである。

更に、本発明は、ロツドの形状をカバ部材を確
実に該ロツドに固定し得る形状とし、長期にわた
る使用後に於いても、カバ部材の脱落や破損の可
能性を皆無とした制御レバを提供することをもそ
の目的とするものである。

発明の要旨 上記目的及び以下に詳述する他の目的を達成す
るために、本発明にかかる制御レバ、特に自動車
用変速制御レバは、握りノブ部と、回り継手保護
ベローズ部とを有する一体カバ部材を設け、該カ
バ部材中に直接レバの負荷支持ロツドを組み込
み、全体として分割不可能な一体成形構成とした
ことを特徴とするものである。

実施例 以下に、本発明の構成を、一実施例について、
添付した図面にしたがつて説明する。

第１図乃至第３図に於いて、自動車用変速制御
レバは、カバ部材１０と該カバ部材に埋め込んだ
ロツド２０とよりなる。一体構成の一体カバ部材
１０は、移出成形可能な高分子材料よりなり、袋
状の握りノブ部１１と、円筒状の中空部１２と、
レバ回り継手部を保護する螺旋状のベローズ部１
３とを一連にして一体的に有する。上記カバ部材
１０内には、剛性高分子材料等の非金属材料で別
個に作成した、負荷支持ロツド２０を一体的に埋
め込む。負荷支持ロツド２０は、レバ操作中に加
わる長手（軸）方向及び横（回転）方向における
曲げ応力に対して高い抵抗を有する形状にするた
めに、第２図に示す如く垂直方向平面に於ける慣
性モーメントを増加する十字状の断面形状を有す
る長手方向リブ２２を長手方向に沿つて複数条帯
状に形成すると共に、第３図に示す如く水平方向
に於ける慣性モーメントを増加する断面形状を有
する横方向リブ２３を長手方向リブ２２の間に複
数個長手方向に沿つて節状に設ける。ロツド２０
は長手方向と横方向のリブ２２，２３を設けるこ
とで、ロツドの剛性が増加すると共に、カバ部材
１０に対して長手方向リブ２２と横方向リブ２３
のそれぞれの存在によつて該リブ及びロツドの回
転方向及び軸方向運動が防止される構成となる。
上記ロツドの上部に於いて、長手方向リブ２２を
外方へ拡張して拡張リブ２２ａを形成し、ロツド
の頂部全体としてカバ部材１１の握りノブ部１１
に対応する首状の頭部片２１を形成する。上記ロ
ツド及びカバ部材は、上述の構成で別個に作成し
たロツドをカバ部材成形用の型内に配置して、同
時成型により両者が密接に結合して一体的に形成
されることになる。

即ち、予め作成したロツドをカバ部材成形用の
型内に配置して、該型を綴じた後、カバ材料を公
知の方法で型内に注入し、該ロツドを完全にカバ
材料中に封入して成型する。このようにして、カ
バ材料と一体的に形成したロツドは、第１図に示
す如く、頭部片２１がカバ部材１０の握りノブ部
１１内に埋め込まれると共に、横方向リブ２３を
有する胴部が中央部１２内に埋め込まれる一方、
横方向リブの下方の脚部がベローズ部１３で間隔
をおいて被覆されるようになり、またロツドの下
端に、ロツドにより操作される変速ギヤ、又は、
一般的機構の差動リンクに該ロツドを接続する様
に、図示しない金属挿入部を設ける。該挿入部
は、前記ロツドが一部のみ高分子材料で構成され
る程度に相当な大きさのものとしてよい。

第４図に示す実施例では、ロツド２００を全体
的に金属で形成し、カバ部材１０の握りノブ部１
１に於いて、ロツドの頂部に一体的に付設した高
分子材料の成形品よりなる単一挿入部２１０を設
ける。挿入部２１０は、第１図のロツドの頭部片
２１と同様に拡張リブを備えた首状のもので、ロ
ツドの頂部に一体に取り付けられて、カバ部材１
０の握りノブ部１１の中に一体的に埋め込まれ
る。また、ロツドは、カバ部材１０の中央部１２
に埋め込まれる胴部に、カバ部材１０の回転を防
止する為に、第５図に示す如く、例えばすえ込み
等によりロツドの外方へ段状に突出した保持フイ
ン２１１を一体に設ける。

又、第６図の変形例に於いては、ロツド２００
を全体的に金属で形成すると共に、上記ロツドの
胴部に設ける保持フイン２１１に加えて、握りノ
ブ部１１内に埋め込まれるロツドの先端部にも、
ロツドの外方へ扇状に突出したすえ込み部２１１
を一体に形成する。更に、軸方向の変位を防止す
る為に、ロツドは、カバ部材１０の中央部１２に
埋め込まれる胴部にカバ材料の成形工程中に於い
て、カバ材料が流入し得る、少なくとも一つの環
状溝部２１２を段状に設ける。

したがつて、本発明は、上記実施例に詳記した
如き構成よりなり所期の目的を達成し得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、非金属材料製負荷支持ロツドを設け
た本発明にかかる制御レバの軸心方向断面図で、
第２図及び第３図は、第１図の線―及び―
に於ける上記レバの断面図で、第４図は、金属
材料製ロツドを有するレバの縦方向断面図で、第
５図は、第４図の線―に於ける断面図で、第
６図は、上記レバの更に他の変形例を示す、部分
縦方向断面図である。 １０…一体カバ部材、１１…握りノブ部、１２
…中央部、１３…ベローズ部、２０…負荷支持ロ
ツド、２１…長手方向リブ、２３…横方向リブ、
２００…ロツド、２１０…単一挿入部、２１１…
保持フイン、２１２…溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 負荷支持ロツドのレバ回り継手部を被覆する
   螺腹状のベローズ部を下部に一体成形してなるカ
   バ部材の袋状の握りノブ部と円筒状の中央部の中
   に上記ロツドの首部と胴部を夫々一体的に埋め込
   んでなる制御レバにして、上記ロツドの首部に胴
   部より外方へ拡張して握りノブ部に対して回転不
   自在とする突部を設けると共に、上記ロツドの胴
   部に中央部に対して回転不自在とする突部を設け
   る一方、上記ロツドにカバ部材に対してロツドの
   軸方向移動を不自在とする段部を軸方向に設けた
   ことを特徴とする制御レバ。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の制御レバにし
   て、上記ロツドの突部はロツドの軸方向に延在す
   る長手方向リブとして形成したことを特徴とする
   もの。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載の制御レバにし
   て、上記ロツドの段部はロツドの円周方向に沿つ
   て設けた横方向リブとして形成したことを特徴と
   するもの。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載の制御レバにし
   て、上記ロツドを上記カバ部材の成形金型の中に
   配置してのち、該金型に成型材料を投入してカバ
   部材を成型すると同時に該カバ部材の中に上記ロ
   ツドを埋め込むようにしたことを特徴とするも
   の。