JPS634088B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は空調システムに関し、特に室外ユニツ
トと室内ユニツトの二つに分離され、冷媒ガス配
管で連結するようにしたスプリツト型あるいはリ
モートコンデンサー型の空調システムに関するも
のである。

スプリツト型空調システムでは圧縮機、熱交換
器および送風機を室外ユニツトとして戸外に設置
しており、また、リモートコンデンサ型空調シス
テムでは熱交換器と送風機を室外ユニツトとして
戸外に設置している。このような構造では室外ユ
ニツトの設置スペースを必要とするし、屋敷全体
の外観も良くないという欠点がある。

ところで、室外機の周囲温度は、空調システム
が冷房使用のときは、低い方が良く、また空調シ
ステムがヒートポンプ式の暖房使用のときは、高
い方が良い。

他方、家屋の床下は、戸外に比較して夏は２〜
４℃低く、冬は２〜４℃高い。

また、現在の家屋は、一般に床下は基礎と外壁
とによつて囲まれており、わずかに基礎あるいは
外壁に設けた小さな通気孔を通して、戸外と連通
されているのみであり、通気性の点からは充分と
は言えない。

本発明は、スプリツト型あるいはリモートコン
デンサ型空調システムの要求と家屋の現状とに鑑
み、空調装置の室外ユニツトを床下に配置するこ
とによつて空調システムの室外ユニツトに対する
要求を満しながら、床下の換気も同時に実現する
ことを目的とする。

本発明の他の目的は、床下への組み込み及び室
外ユニツトの保守が容易であり、且つ家屋の外観
を損なうことのない構造で上述した目的を達成す
ることである。

本発明の更に他の目的は熱交換器及び送風機を
床下のほこり等から保護できる構造で上述した目
的を達成することである。

本発明によれば、室内ユニツトと、圧縮機、熱
交換器及び送風機を有する室外ユニツトとを有す
る空調システムにおいて、家屋の基礎に設けられ
た少なくとも２つの開口部のうちの１つを通し
て、該家屋の床下へ前記室外ユニツトが前記送風
機の風下を床下外部に向けて挿入されており、か
つ該室外ユニツトは、前記１つの開口部外部で前
記基礎に取付固定されており、該室外ユニツトに
は、前記１つの開口部を外部から塞ぎ、且つ前記
室外ユニツトの取付固定部をも被うように、通風
可能なカバーが設けられ、前記室外ユニツトの熱
交換器は、前記カバーの方向に開いた略Ｖ字形に
形成されており、該Ｖ字形の開口空間に前記送風
機が配置固定され、前記熱交換器及び送風機を覆
うように、無端ベルト状のフイルタが取り付けら
れて、該フイルタを通して、吸気及び排気が行わ
れるとともに、前記室外ユニツトには前記フイル
タを移動させるための手段が設けられていること
を特徴とする床下の換気兼用空調システムが得ら
れる。

本発明では室外ユニツトが床下に設置されて、
夏期には比較的低温の床下の空気を熱交換器の放
熱に使用でき、冬期にヒートポンプ式の暖房を行
う場合には、吸熱器として動作する熱交換器が比
較的高温の床下の空気にさらされるので、冷房お
よび暖房の効率を向上させることができる。その
上、床下の空気が送風機によつて、床下外へ送出
されるので、通気孔を通して外気が床下に侵入す
るので、床下の換気を強制的に行うことができ
る。また、家屋周囲に室外ユニツト設置用のスペ
ースをさく必要もないし、屋敷全体の見栄えを良
くし、更に、室外ユニツトを雨・風から容易に保
護できるとの利点も有する。

更に、室外ユニツトは、予め設けられている家
屋基礎開口部へ外部から挿入され、開口部の外で
基礎へ取付け、この取付部をも含め開口部全体を
通風可能なカバーで被つているので、室外ユニツ
トの取付作業も簡単であり、室外ユニツトの保守
点検もカバーを外すだけで容易に実施できるとい
う利点がある。

また、室外ユニツトの熱交換器を略Ｖ字形状に
形成し、この略Ｖ字形の開口空間に送風機を配置
固定し、さらにこのＶ字形状を取り巻くように、
無端ベルト状のフイルタを設けているから、床下
のほこりから熱交換器や送風機を保護することが
できる。さらに、このフイルタを回転可能として
いるから、フイルタの目詰りを防ぐことができ
る。

以下本発明の一実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

第１図を参照して、この実施例では、スプリツ
ト型空調システムの室外ユニツト１は、図示のよ
うに床下に設置され、コントロール盤を有する室
内ユニツト２と、冷媒ガス配管および電気配線３
で接続されている。冷媒ガス配管および電気配線
３は壁４内および床下を通つて設置されれば外観
上好ましい。

室外ユニツト１内の送風機の動作によつて、矢
印のように空気が流れるので、床下が換気される
とともに、室外ユニツト１内の熱交換器は床下の
空気にさらされるので熱交換効率が向上する。

第２図および第３図は室外ユニツトの構造と取
付状態を示す図である。

両図を参照して、室外ユニツト１は筐体１１の
中に熱交換器１２、圧縮機１３、送風機１４をこ
の順序に配置して備えている。筐体１１は送風機
１４に対向する側を開口１１１とし、その縁に沿
つて、後述するように基礎に固定するための周辺
フランジ部１１２を有している。開口１１１は、
空気排気用のスリツト１１３ａを備えた蓋体１１
３で塞がれており、蓋体１１３は取付・取外し可
能とされている。筐体１１の反対側においては、
その端面および上下面に空気吸入用の開口１１４
が設けられている。

熱交換器１２はＶ字状あるいはＵ字状（以下両
形状を略Ｖ字形状という）に折曲げられた形状と
し、その間に圧縮機１３が配置されており、略Ｖ
字の開口部位置に送風機１４を配置している。

略Ｖ字状に折曲げた熱交換器１２の外面および
略Ｖ字の開口部全体を被うように、エアフイルタ
ー１５が被せられている。こうして、熱交換器１
２、圧縮機１３および送風機１４はエアフイルタ
ー１５で包囲されている。

エアフイルター１５は、図示のように無端ベル
ト状に構成され、つまみ１６の回転あるいはモー
タの連続あるいは間欠的な回転によつて移動する
ようにすると良い。ここでは、つまみ１６を設
け、つまみの回転に連動するギア１７の歯に無端
ベルト状のエアフイルター１５に設けた係止穴１
５ａを係合させて、エアフイルター１５を移動可
能としている。つまみ１６の操作を外部から行な
えるように、つまみ１６の一部を、蓋体１１３の
一部に設けたスロツト１１３ｂに露出させてい
る。

この室外ユニツト１の床下への設置にあたつて
は、適当に選択された床下位置の基礎５に、筐体
１１の入る開口５１を設け、この開口５１底部と
同一水平面となるような設置用台６を床下に設け
る。こうして室外ユニツト１をその蓋体１１３を
外した状態で、開口５１から床下に押し込めば良
い。このとき、ユニツトの押入を容易にするた
め、筐体１１の後部下面にキヤスタ１８を設けて
おくと良い。室外ユニツト１の押入後、筐体前方
のフランジ１１２を基礎５に密着させ、基礎５に
設けられているナツト（図示せず）にボルト１９
で固定する。その後蓋体１１３を取り付け、室内
ユニツトからの配管および電気配線３を接続すれ
ば設置が完了する。

この構成によれば、空調システムの使用中にお
いて、送風機１４が回転し、床下の空気を、矢印
のように、吸入して、熱交換器１２と熱交換さ
せ、圧縮機１３の発熱をとつて戸外へ排気する。
従つて、床下の空気は換気される上に、床下空気
の温度は、夏期では比較的低く、冬期では比較的
高いので冷房使用時の熱交換器１２の放熱効果、
暖房使用時の熱交換器１２の吸熱効果が向上す
る。もちろん、空調不使用時でも、送風機１４を
回すことによつて床下の換気が行なえる。

その上、室外ユニツト１は床下にあり、雨・風
にさらされることがないので、耐久性が向上す
る。

なお、床下のごみ等が空気に混入しても、エア
フイルター１５によつて除去されるので、熱交換
器及び送風機並びに圧縮機へのほこり、ごみの付
着は防止される。またエアフイルター１５の目詰
まりがあつても、つまみ１６を外部から操作し
て、目詰まり部を送風機１４の前面に移動させれ
ば、送風圧で、目詰まりを起しているほこり、ご
みが戸外へ吹飛ばされる。従つて、定期的につま
み１６を操作して、エアフイルター１５を移動さ
せれば、目詰まりによる、熱交換器能力の低下等
を防止できる。

なお、無端ベルト状のエアフイルター１５の移
動を滑らかにするとともに熱交換器１２との接触
を避けるために、第３図に示すように、ワイヤを
組み合わせた枠２０を設けると良い。即ちエアフ
イルター１５と熱交換器１２との間に、エアフイ
ルター１５の移動方向と平行となるように延びた
ワイヤ２０１を配置し、さらに、ワイヤ２０１に
直交するようにワイヤ２０２を配置し、ワイヤ２
０１，２０２をその交叉部で固着して枠２０を構
成する。

以上説明したように、本発明によれば、床下の
空気を利用しているから室外ユニツトの熱交換効
率を向上させることができるばかりでなく、室外
ユニツトの取付保守が容易である。さらに熱交換
器及び送風機はフイルタによつてほこり等から保
護されるから、熱交換器の熱交換効率が低下する
ことがなく、送風機の障害発生が少なくなり、寿
命が長くなる。また、床下の換気を強制的に行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全体の系統
図、第２図は室外ユニツトの取付状態における断
面図、第３図は室外ユニツトの分解斜視図であ
る。 １…室外ユニツト、２…室内ユニツト、３…冷
媒ガス配管および電気配線、４…壁、５…基礎、
６…設置台、１１…筐体、１２…熱交換器、１３
…圧縮機、１４…送風機、１５…エアフイルタ
ー、１６…つまみ、１７…ギア、１８…キヤス
タ、１９…ボルト、２０…枠。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 室内ユニツトと、圧縮機、熱交換器、送風機
   を有する室外ユニツトとを有する空調システムに
   おいて、家屋の基礎に設けられた少なくとも２つ
   の開口部のうちの１つを通して、該家屋の床下へ
   前記室外ユニツトが前記送風機の風下を床下外部
   へ向けて、挿入されており、かつ該室外ユニツト
   は、前記１つの開口部の外部で前記基礎に取付固
   定されており、該室外ユニツトには、前記１つの
   開口部を外部から塞ぎ、且つ前記室外ユニツトの
   取付固定部をも被うように、通風可能なカバーが
   設けられ、前記室外ユニツトの熱交換器は、前記
   カバーの方向に開いた略Ｖ字形に形成されてお
   り、該Ｖ字形の開口空間に前記送風機が配置固定
   され、前記熱交換器及び送風機を覆うように、無
   端ベルト状のフイルタが取り付けられて、該フイ
   ルタを通して、吸気及び排気が行われるととも
   に、前記室外ユニツトには前記フイルタを移動さ
   せるための手段が設けられていることを特徴とす
   る床下の換気兼用空調システム。 ２ 前記フイルタと前記熱交換器との間には、ま
   ず、前記フイルタの移動方向と平行にワイヤを配
   置し、さらに該ワイヤに直交するようにワイヤが
   配置され、両ワイヤ同士は固着されており、これ
   により、前記無端ベルト状のフイルタを案内支持
   するための枠が構成されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の床下の換気兼用空調
   システム。