JPS6340880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は天井懸吊形Ｘ線装置用ケーブル案内
装置に係り、さらに詳しくはこの種のＸ線装置に
おけるＸ線源にたいする高電圧ケーブルなどのケ
ーブルのたれ下りを防止するための装置に関して
いる。

天井懸吊形Ｘ線装置は、天井に設置されている
基台に主胴を設け、主索の一端を主胴に固定する
と共に他端をＸ線源に連結して、主胴の回転によ
つて主索が主胴に巻き取りあるいは主胴から繰り
出させてＸ線源を昇降させるようにしている。そ
して、Ｘ線源を任意の高さで停止させるようにす
るために、ばねを用いた平衡機構が主胴の逆転を
阻止させている。

このようなＸ線装置において、Ｘ線管とＸ線制
御装置とを結ぶ高電圧ケーブルなどのケーブル
は、Ｘ線源の昇降に追従しうるように余裕長さを
与えられており、そしてこの余裕長さの部分がた
れ下らないようにされている。たとえば第１図に
示すように、ケーブルａはジグザグ状に曲げるこ
とによつて余裕長さを与えられていると共に保持
具ｂ，ｃによつてたれ下りを阻止されている。保
持具はそれぞれ基台と伸縮支柱部材ｆとに傾動可
能に取り付けられていて、Ｘ線源の昇降にともな
うケーブルのわん曲に応じられるようにしてあ
る。が、このようなものでは、ケーブルにかなり
の余裕長さを必要とし、しかもケーブルの荷重が
伸縮支柱部材に負荷されるので伸縮支柱部材の円
滑な昇降を妨げやすい。

さらに、Ｘ線源の水平面内での旋回角度が小さ
く、実際上角度360゜以上の旋回運動をなさせるこ
とができない。

本考案の目的はこれらの問題点を改善できるケ
ーブル案内装置を提供することにある。

以下、本考案のケーブル案内装置の一実施例
を、第２図および第３図にしたがつて説明する。

第２図および第３図において、１１はＸ線源、
１２は主胴、１３は主索をそれぞれ示している。
主胴は主軸１４にかん合かつ固定されており、主
軸は天井に設置されている基台１５に回転しうる
ように保持されている。主索はその一端を主胴に
固定されていると共に他端をＸ線源に連結されて
いて、主胴の回転によつて主胴に巻き付けられあ
るいは主胴から繰り出されてＸ線源を昇降させら
れるようにしてある。伸縮支柱部材１６ａ，１６
ｂ…１６ｅは相互にスライドしうるようにはめ合
わされていて、部材１６ａが基台に固定されてい
ると共に部材１６ｅにＸ線源が水平面内にて旋回
しうるように取り付けてある。主索はこれらの伸
縮部材の内部を貫通させられている。なお、図示
されていないが、基台にはばねを用いた平衡機構
を備えていて、Ｘ線源を任意の高さで停止させら
れるようにしている。

高電圧ケーブルなどのケーブル１７がＸ線管と
Ｘ線制御装置との間を接続している。このケーブ
ルは、主胴と一緒に回転する副胴と副胴の回転に
よつて副胴に巻き付けられあるいは副胴から繰り
出される副索によつて、Ｘ線管の昇降に追従さえ
られるようにしてある。副胴２１は主軸１４にか
ん合かつ固定されている。副索２２はその一端を
この副胴に固定されていると共に、Ｘ線源におけ
るＸ線管にたいする高圧ケーブルなどのケーブル
類１７に連結されている。他方、基台にはアーム
２３が設けてある。このアームはＸ線源の水平面
内の回転の中心軸と平行な軸２４のまわりに回転
できる。シーブ２５が軸２７を中心に首振り運動
しうるようにアームに取り付けてある。副索はこ
のシーブ２５およびアーム上のもうひとつのシー
ブ２６に巻き掛けられている。

Ｘ線源１１が主胴１２の回転によつて昇降、た
とえば上昇させられると、副索２２は副胴２１に
巻き取られて、ケーブル１７を持ち上げることが
できる。逆に、Ｘ線源が下降されると、副索２２
は副胴２１から繰り出されて、ケーブル１７をＸ
線源の降下に追従して延ばすことができる。ま
た、Ｘ線源が水平面内にて旋回されても、アーム
２３が軸２４のまわりに回転して、ケーブルをＸ
線源と共に旋回させることができ、ケーブルを伸
縮支柱部材１６ａ，１６ｂ…１６ｅに巻き付くこ
となく旋回させることができる。このとき、シー
ブ２５は軸２７のまわりに回転して、副索がシー
ブ２５からはずれるのを防止している。

本考案のケーブル類案内装置は、以上述べた実
施例にもあるように、副胴が主胴とともに回転す
るように配され、副索が一端を主胴にかつ他端を
ケーブルに連結されていて、Ｘ線源の昇降に際し
て副索が副胴に巻き取られあるいは副胴から繰り
出されてケーブルを上下させるようにしてあるの
で、ケーブルの重量が伸縮支柱に負荷されず、Ｘ
線源の昇降を円滑になすことができる。さらに、
アームがＸ線源の旋回中心軸あるいはこれに平行
な軸まわりに回転でき、シーブがこのアームに取
り付けられていると共に副索に巻き掛けられてい
て、Ｘ線源と一緒にケーブル類を旋回させられる
ようにしているので、角度360゜以上の旋回をＸ線
源になさせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の天井懸吊形Ｘ線装置の一例を示
す正面図である。第２図および第３図は本考案の
ケーブル案内装置の一実施例を示していて、第２
図はこれを備える天井懸吊形Ｘ線装置の正面図、
第３図はその側面図である。 １１……Ｘ線源、１２……主胴、１３……主
索、１７……ケーブル、２１……副胴、２２……
副索、２３……アーム、２４……アームの回転中
心軸、２５……シーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｘ線源と主胴と一端を主胴に固定されかつ他端
   をＸ線源に連結されている主索とを有していて、
   主胴の回転によつて主索が主胴に巻き取られある
   いは主胴から繰り出されてＸ線源を昇降させる天
   井懸吊形Ｘ線装置にたいする高電圧ケーブルなど
   のケーブルの案内装置であつて、主胴とともに回
   転される巻胴と、一端を巻胴に固定されていると
   共に他端をケーブルに連結されている副索と、Ｘ
   線源の旋回中心軸に平行な軸まわりに回動可能な
   アームと、副索に巻掛けられていると共にアーム
   に設けられている滑車とを有し、Ｘ線源の昇降に
   際して副索がケーブルのたるみをなくすように上
   下させると共に、Ｘ線源の旋回に際してアームが
   副索をそれに追従させるようにしてなること、を
   特徴としている天井懸吊形Ｘ線装置用ケーブル案
   内装置。