JPS6340813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は照明器具に関し、特に防爆形照明器具
の吊下げ装置に適用されるものである。

〈従来技術〉 一般に例えばガス蒸気危険場所で使用される防
爆形照明器具は、それ自身が爆発の発火源となら
ないために、ランプをガラスシリンダで覆い、さ
らにその外面にガードを併用している。しかも上
記のような構成から成る照明器具は、通常、複数
個が広い間隔をあけずに直線状に配列されること
が多く、ランプ交換に際しては、ガラスシリンダ
の中からランプを引き抜くとき、隣の器具に当ら
ないようにシリンダ部を傾斜させるための傾斜機
構を付加せねばならない。例えば実開昭50−
23969に記載のように２本の吊下げパイプの一方
のパイプの下端にチエンを付けて上下に移動可能
にして傾斜させる。

〈考案が解決しようとする問題点〉 従つて従来使用されている照明器具は、次のよ
うな欠点を有する。

チエンを伸長させて照明器具を傾けるので、振
動に対して器具ががたつき、屋外にある場合は器
具下方より風圧に対して器具が持ち上げられ、固
定しているフツクが軸から自然に外れる危険性が
ある。

また吊具と器具とを別々に納入するので、現地
において組立てる場合に、チエンもしくは補助ワ
イヤの一端を軸に通さねばならず面倒で、作業能
率が低下する。

本考案はこれらの欠点を排除し、小形軽量にし
て安全かつ作業性の良い着脱容易な照明器具の吊
下げ装置を提供しようとするものである。

〈構成並びに実施例〉 以下、本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の実施例の全体正面図である。

不錆鋼板から成る反射板３は、その両端下面に
合成樹脂製のランプソケツト４，４が固着され、
ソケツト間に直管形螢光灯１１が装着される。こ
の螢光灯１１は硬質ガラスから成るシリンダ５で
被覆され、さらにその外側を図示のように鋼線で
組立てられたガード６で囲まれる。一方、反射板
３の上面には、安定器２が載置され、これを保護
カバー１で被覆される。さらに反射板３の上面左
右２個所において本装置を吊下げている。すなわ
ち本実施例では、左側は天井Ａに固着した端子箱
１０、その端子箱１０に上端部を挿入取付けられ
た吊下げパイプ１２がその下端部を前記保護カバ
ー１内に傾斜機構を備えた吊下げ装置（図示省
略）に連結されている。一方、右側は天井Ａに固
着した吊下げ金具９、その金具９に上端部をねじ
止めした吊下げパイプ８、そのパイプ８の下端部
に回動可能に取付けたラツチ金具７、並びにその
金具７の先端フツクによつて上記反射板３が吊下
げられている。

第２図ないし第４図に本考案実施例の吊下げ部
の正面断面図及びその作用説明図を示す。

すなわち上記反射板３の上面にその上面から所
定の空間を隔てて水平係止部２０が設けられたラ
ツチ固定金具２１を固定し、その水平係止部２０
から上方へ、上端が鋭角に折り曲げられた帯状の
金属弾性体２２を鉛直に伸長させて固定し、上記
吊下げパイプ８の下端部に上記水平係止部２０と
平行にピン２３を固定し、そのピン２３に回動自
在に支持され、かつ、先端部に上記水平係止部２
０と係合するフツク部２４が形成されたラツチ金
具７を設け、そのラツチ金具７のフツク部２４が
上記水平係止部２０に係合した状態で照明器具が
水平に吊下げられ、その係合が外されて上記金属
弾性体２２の折り曲げ部２５が上記ピン２３に掛
かつた状態で照明器具が傾斜した姿勢で吊り下げ
られるよう構成される。

また、上記ラツチ金具７にセツトネジ２６を設
け、上記係合した状態において上記ラツチ固定金
具２１に対し上記ラツチ金具７を固定しうるよう
構成される。帯状の金属弾性体２２の折り曲げ部
２５自由端の自然状態の長さｓは、第３図に示す
通り、吊下げパイプ８の内面とピン２３との間の
長さｔよりも大きい。

以下上記実施例の使用方法を説明する。

天井に吊下げた２本の吊下げパイプ８ならびに
１２で吊下げた照明器具のプ直管形螢光灯１１を
交換する場合には、第２図においてセツトネジ２
６を弛め、照明器具を少し持ち上げるとともに、
ラツチ固定金具２１の水平係止部２０で接合して
いたラツチ金具７のフツク部２４を、ピン２３を
枢軸として回転して傾けた後、照明器具を徐々に
下げ、金属弾性体２２の上端折り曲げ部２５を吊
下げパイプ８の下端部に固定したピンに引つ掛け
ると、照明器具全体が安定した傾斜状態となる。
螢光灯１１の交換作業が終了すれば、順次上記と
逆の操作を行つて、照明器具を元の水平状態に戻
す。

新たに照明器具を取付ける場合は、第３図に示
すように金属弾性体２２を吊下げパイプ８の下端
部から挿入すると、その折り曲げ部２５が弾性変
形してピン２３の奥へ進入したのち復元するか
ら、次に引き下げたときは折り曲げ部２５がピン
２３に掛る。

〈考案の効果〉 本考案に係る照明器具は、以上詳しく述べたよ
うな構成ならびに作用を有するので、従来の照明
器具に比して、次に列記する効果がある。

(a) 照明器具の吊下げ装置として取付け、取外し
に手間のかかるチエン等を要さず、ラツチ金
具、ラツチ固定金具および金属弾性体の操作で
簡単に傾斜させ得る。

(b) また１本のセツトネジの締付けによつて吊下
げ装置を容易に固定することができる。

(c) さらに係合した状態においてラツチ固定金具
に対し、ラツチ金具を固定し、照明器具の揺動
を防止する。

(d) 新規に設置工事を行うとき、吊下げパイプ８
の部分を、反射板３等の照明器具本体部と完全
に分離した状態で天井に取付け、その後、金属
弾性体２２を下から挿入しフツク部２４をワン
タツチで係止するだけで係合が完了するので、
高所での作業が大層楽になる。

(e) 金属弾性体の折り曲げ部自由端の開き長さｓ
を吊下げパイプ８内面からピン２３に至る長さ
ｔよりも大きく形成しているので、金属弾性体
２２を吊下げパイプ８に係合させる際に、照明
器具本体部を持ち上げてゆく折り曲げ部２５が
弾性変形してピン２３の狭所を通過し、通過後
の弾性復元音を聴いて照明器具本体部の支持を
緩めれば、折り曲げ部２５が確実にピン２３に
掛るので安全である。また、ランプ交換に際し
照明器具本体を傾斜させるときも、折り曲げ部
２５が確実にピン２３に掛るので安全である。

(f) 照明器具の上面に設けられた係止具が、帯状
の金属弾性体を鋭角に折り曲げた構造であるた
め、構造簡単でありながら、挿入作業が容易で
あり、しかも、ピンとの係合時に大きな荷重に
耐えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す全体正面図、第２
図はその要部を示す断面図、第３図及び第４図は
上記実施例の作用説明図である。 １……保護カバー、２……安定器、３……反射
板、６……ガード、７……ラツチ金具、８，１２
……吊下げパイプ、１０……吊下げ用端子箱、２
０……水平係止部、２１……ラツチ固定金具、２
２……金属弾性体、２３……ピン、２４……フツ
ク部、２５……折り曲げ部、２６……セツトネ
ジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 直管形蛍光灯を備えた照明器具を吊下げパイ
   プ下端と着脱自在に連結する装置において、そ
   の照明器具の上面にその上面から所定の空間に
   隔てて水平係止部が設けられたラツチ固定金具
   を固定し、その水平係止部から上方へ、上端が
   鋭角に折り曲げられた帯状の金属弾性体を鉛直
   に伸長させて固定し、上記吊下げパイプの下端
   部に上記水平係止部と平行にピンを固定し、上
   記金属弾性体の折り曲げ部自由端の開き長さを
   上記吊下げパイプ内面から上記ピンに至る長さ
   よりも大きく形成し、そのピンに回転自在に支
   持され、かつ、先端部に上記水平係止部と係合
   するフツク部が形成されたラツチ金具を設け、
   そのラツチ金具のフツク部が上記水平係止部と
   係合した状態で照明器具が水平に吊下げられ、
   その係合がはずされて上記金属弾性体の折り曲
   げ部が上記ピンに掛かつた状態で照明器具が傾
   斜した姿勢で吊下げられるよう構成された照明
   器具の吊下げ装置。 (2) 上記ラツチ金具にセツトネジを設け、上記係
   合した状態において上記ラツチ固定金具に対し
   上記ラツチ金具を固定しうるよう構成された、
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の照明器具
   の吊下げ装置。