JPS634049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は油圧エレベータのシリンダ台に係り、
特に据付を容易に行うのに好適なシリンダ台に関
するものである。

〔考案の背景〕

第１図は間接式油圧エレベータの全体構成図
で、昇降台１の底部にシリンダ台２が固定されて
おり、シリンダ台２にシリンダ３が取り付けてあ
る。シリンダ３は、機械室に設置された油圧パワ
ーユニツト４と油送管５で連結されており、シリ
ンダ３に油圧パワーユニツト４から油送管５を介
して作動油が圧入さると、シリンダ３内のプラン
ジヤ６が上下する。プランジヤ６の上端にはプー
リー７が設置されていて、プーリー７を介して一
端が乗りかご８の吊り板９に連結され、他端がロ
ープ止め装置１０に連結されたロープ１１が張架
されている。したがつて、プランジヤ６が上下す
ると、それにともなつて乗りかご８が昇降する。

ところで、従来、シリンダ台２はシリンダ３の
みを取り付け得る構造になつていて、送油管５は
昇降路側壁および底面に配管ブラケツト１２で固
定されており、ロープ止め装置１０は昇降路側壁
に固定されていた。このように、シリンダ台２、
送油管５、ロープ止め装置１０をそれぞれ独立に
昇降路側壁あるいは昇降路底面に固定しているた
め、芯出し作業が繁雑になり、また、据付作業工
数が多くなるという欠点があつた。さらに、配管
ブラケツト１２等の寸法は、据付現場に合せて製
作しなければならず、工事工程を遅くする原因に
なつていた。

〔考案の目的〕

本考案は上記に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、間接式油圧エレベータを据付
けるときに据付作業工数を低減することができる
油圧エレベータのシリンダ台を提供することにあ
る。

〔考案の概要〕

本考案の特徴は、縦枠と横枠と上記縦枠を固定
する固定部材から構成され、上記固定部材は昇降
路底部に固定したプレート上に芯出し後固定して
あり、上記横枠のうち最上部の横枠に穴を設け、
この穴に対応する長穴が設けてある上記昇降路側
壁に固定されたブラケツトに上記穴と上記長穴を
用いて上記横枠を結合部材で取り付け、上記縦枠
のうち上記シリンダを取り付ける縦枠よりも他の
縦枠の高さを高くし、この縦枠の上方にシリンダ
の駆動によつて上下するプランジヤで乗りかごを
昇降させるロープの一端を連結するロープ止め部
材を固定し、上記各横枠の端部には上記穴と別個
の穴を設け、この別個の穴に対応する長穴を設け
てある上記シリンダと機械室に設置した油圧パワ
ーユニツトとの間に配管する油送管をゴム板を介
してＵ字ボルトで固定する油送管固定部材を上記
別個の穴とこれに対応する上記長穴を用いて上記
各横枠に結合部材で取り付け、上記油送管の下方
部分は上記シリンダの直下部分に当る上記縦枠間
を通過させるようにして上記縦枠に上記横枠に固
定した上記油送管固定部材と同様の油送管固定部
材を固定して上記油送管を取り付けた構成とした
点にある。

〔考案の実施例〕

以下本考案を第２図ないし第６図に示した実施
例を用いて詳細に説明する。

第２図は本考案のシリンダ台の一実施例を示す
正面図、第３図は第２図の側面図、第４図は第２
図の一部分の拡大平面図である。第２図ないし第
４図において、１３，１３′は縦枠、１４は縦枠
１３，１３′相互間を連結している横枠で、縦枠
１３，１３′は部材１５上に固定されていて、こ
れらよりなる台枠組でシリンダ台１６が構成して
ある。ところで、本考案においては、横枠１４に
穴１８を設け、この穴１８を用いて横枠１４に穴
１８に対応する長穴１７を設けてある油送管固定
用ブラケツト１９をボルト等（図示せず）を用い
て取り付け、このブラケツト１９に油圧パワーユ
ニツト４（第１図参照）とシリンダ台１６の上に
取り付けたシリンダ３との間に配管する油送管５
をゴム板２１を介してＵ字ボルト２０で固定する
ようにした。そして、油送管５の下方部分は、シ
リンダ３の直下部分に当る縦枠１３，１３′の間
を通過させるようにし、上記と同様、縦枠１３ま
たは１３′に取り付けたブラケツト１９に固定す
るようにした。また、縦枠１３′の高さを縦枠１
３の高さより高くし、縦枠１３′の上方にロープ
１１の一端を連結するロープ止め装置１０（第１
図参照）を取り付けるようにした。

このように、縦枠１３，１３′、横枠１４、部
材１５よりなる台枠組と、この台枠組に油送管固
定用ブラケツト１９を介して取り付けた油送管５
と、上記台枠組に取り付けたロープ止め装置１０
とよりなるシリンダ台１６を昇降路底面に固定す
るときは、あらかじめ昇降路底面に固定したプレ
ート２２上に載せて、芯出し後プレート２２と部
材１５の当接面を溶接などの方法によつて固定し
て行う。また、第３図、第４図に示すように、最
上部の横枠１４に穴２３を設けておき、この穴２
３に対応する長穴２４を設けてあつて昇降路側壁
に固定されたブラケツト２５に上記の横枠１４を
穴２３、長穴２４を用いてボルト（図示せず）な
どで取り付け、シリンダ台１６が倒れるのを防止
するようにした。

上記した本考案の実施例によれば １ シリンダ台１６を構成する台枠組に油送管固
定用ブラケツト１９を介して油送管５を取り付
け、また、台枠組にロープ止め装置１０を取り
付けてあるので、油送管５の径路および寸法の
標準化をはかることができ、また、芯出し作業
を含む現地据付作業工数を大幅に低減すること
ができる。

２ 油送管固定用ブラケツト１９には長穴１７が
設けてあり、台枠組に対する取付位置を調整可
能としてあるから、油送管５の配管作業が容易
である。

３ 油送管５の一部の台枠組に対する配管位置を
シリンダ３の直下になるようにしてあるから、
油送管５の配管を適切に行なうことができる。

４ 台枠組の昇降路底部に対する固定をあらかじ
め昇降路底部に固定したプレート２２に芯出し
後溶接などの方法によつて固定するようにした
ので、その作業が容易である。

５ 油送管５を昇降路側壁または昇降路底部に配
管ブラケツトを用いて固定する必要がなくなる
ので、現場合せ作業がなくなり、工事工程が遅
れることがない。

６ 台枠組は長さ調整自在のブラケツト２５で昇
降路側壁に支持されているので、シリンダ台１
６が倒れるようなことがない。

なお、第５図は本考案のシリンダ台の昇降路底
部への固定の他の実施例を示す説明図、第６図は
第５図の一部側面拡大図で、第５図、第６図に示
すように、昇降路底部に長穴２６を有する金具２
７をアンカーボルト２８で固定できるようにして
おき、シリンダ台１６の芯出し後、シリンダ台１
６の部材１５に金具２７を当接し、金具２７をア
ンカーボルト２８で昇降路底部に固定し、その後
金具２７に部材１５を溶接などの方法によつて固
定するようにしてもよく、これによつて効果が変
わることはない。

以上説明したように、本考案によれば、間接式
油圧エレベータを据付けるときに据付作業工数を
低減できるという顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は間接式油圧エレベータの全体構成図、
第２図は本考案のシリンダ台の一実施例を示す正
面図、第３図は第２図の側面図、第４図は第２図
の一部分の拡大平面図、第５図は本考案のシリン
ダ台の昇降路底部への固定の他の実施例を示す説
明図、第６図は第５図の一部側面拡大図である。 １……昇降路、３……シリンダ、４……油圧パ
ワーユニツト、５……油送管、６……プランジ
ヤ、７……プーリー、８……乗りかご、９……吊
り板、１０……ロープ止め装置、１１……ロー
プ、１３，１３′……縦枠、１４……横枠、１５
……部材、１６……シリンダ台、１７，２４……
長穴、１８，２３……穴、１９……油送管固定用
ブラケツト、２２……プレート、２５……ブラケ
ツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧エレベータのシリンダを昇降路に固定する
   ための縦枠と横枠と前記縦枠を固定する固定部材
   から構成されたシリンダ台において、前記固定部
   材は前記昇降路底部に固定したプレート上に芯出
   し後固定してあり、前記横枠のうち最上部の横枠
   に穴を設け、該穴に対応する長穴が設けてある前
   記昇降路側壁に固定されたブラケツトに前記穴と
   前記長穴を用いて前記横枠を結合部材で取り付
   け、前記縦枠のうち前記シリンダを取り付ける縦
   枠よりも他の縦枠の高さを高くし、該縦枠の上方
   に前記シリンダの駆動によつて上下するプランジ
   ヤで乗りかごを昇降させるロープの一端を連結す
   るロープ止め部材を固定し、前記各横枠の端部に
   は前記穴と別個の穴を設け、該別個の穴に対応す
   る長穴を設けてある前記シリンダと機械室に設置
   した油圧パワーユニツトとの間に配管する油送管
   をゴム板を介してＵ字ボルトで固定する油送管固
   定部材を前記別個の穴とこれに対応する前記長穴
   を用いて前記各横枠に結合部材で取り付け、前記
   油送管の下方部分は前記シリンダの直下部分に当
   る前記縦枠間を通過させるようにして前記縦枠に
   前記横枠に固定した前記油送管固定部材と同様の
   油送管固定部材を固定して前記油送管を取り付け
   た構成としたことを特徴とする油圧エレベータの
   シリンダ台。