JPS6340375Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、開閉作動可能なルーフを備えた自動
車のトランクリツド開閉装置に関するものであ
る。

（従来技術） 従来からルーフパネルに開口部を設けて、車室
上方の開放感を得るようにした自動車は、例えば
実開昭56−105426号公報記載の如く知られてい
る。ところが、ルーフパネルに開口部を設けるだ
けでは、車室内空間を実質的に拡大することがで
きない。そこで乗員の人数に応じた車室内空間を
得ることを目的として、第１図図示の如く、ルー
フ３とリヤウインド４とリヤピラー部５とからな
る可動ルーフユニツト２を車体１に対して前後摺
動自在に取付けた構造について、本出願人は先に
出願している（特願昭58−186393号）。この場合、
可動ルーフユニツト２の後退時に、トランクリツ
ド６を開放しようとすると、互いに衝突干渉する
こととなり、トランクリツド６の大きさが制限さ
れるという問題が生ずる。

（考案の目的） 本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもの
で、可動ルーフユニツトの前後摺動作動とトラン
クリツドの開作動とを電気的に関連せしめて、可
動ルーフユニツト後退時には、トランクリツドを
開作動不能ならしめることによつて、両者の衝突
干渉の防止を図ることを目的とするものである。

（考案の構成） 本考案は、ルーフとリヤウインドとリヤピラー
部とを一体的に形成してなる可動ルーフユニツト
を車体に形成されたガイド部材に沿つて後方に摺
動自在となした自動車において、前記リヤウイン
ドの後方に設けられた上方に回動自在なトランク
リツドの閉止状態を保持するロツク部材を解除す
るオープナスイツチおよび駆動部材を備えたリツ
ドオープナ回路に、前記可動ルーフユニツト後退
時においてリツドオープナ回路への通電を遮断さ
せる如く作用する可動ルーフユニツト開閉検出セ
ンサーを介設して、可動ルーフユニツト後退時に
トランクリツドの開放を不能ならしめることを特
徴としている。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本考案の実施例
にかかる自動車のトランクリツド開閉装置を説明
する。

この自動車の車体１においては、ルーフ３とリ
ヤウインド４とリヤピラー部５とは、車体１の他
の部分、例えばリヤフエンダー７と分離されて一
体に形成され、可動ルーフユニツト２を構成して
いる。なお、ルーフ３の前縁部３ａは、フロント
ウインド８を支持すべく車体１側に残されてい
る。

前記可動ルーフユニツト２は、リヤフエンダー
７の上端に設けた車体前後方向に延びるレール状
のガイド部材９と該ガイド部材９に案内されて摺
動する摺動部材１０とを介して車体前後方向に摺
動自在に取付けられている（第３図参照）。

前記摺動部材１０は、可動ルーフユニツト２の
リヤピラー部５下端にアングル１１を介して取付
けられており、ワイヤー１２によつて車体前後方
向に摺動せしめられる。該ワイヤー１２は、運転
席側に設けられたルーフ開閉スイツチ１３によつ
て発停されるモータ１４により操作されるように
なつている（第２図参照）。

かかる構成において、可動ルーフユニツト２を
後方に摺動させると、第２図図示の如く、ドア１
５のドアガラス１６後端とルーフ３およびリヤピ
ラー部５前端とによつてリヤフエンダー７上方に
開口部１７が形成される。この時、ルーフ３前方
にも開口部１８が形成される。しかして、可動ル
ーフユニツト２の後退によつて、車室内空間が拡
大されることとなるのである。

一方、リヤウインド４後方の車体１側には、ト
ランクルーム１９の開口部を開閉するトランクリ
ツド６が設けられており、該トランクリツド６
は、その前端部をヒンジ２０を介して車体１側に
回動自在に支持されて、上向きに開放されるよう
になつている（第４図および第５図参照）。又、
トランクリツド６の後端部には、該トランクリツ
ド６の閉止状態を保持すべく作用するロツク部材
２１が設けられている。該ロツク部材２１は、運
転席側に設けられた駆動部材であるソレノイド２
２とワイヤー２３を介して連結されており、該ソ
レノイド２２はオープナスイツチ２４によつて通
電制御される（第２図参照）。

図面中、符号２５はロールバー、２６はガイド
レール９側方に設けられた保護部材、２７はクオ
ータウインドである。

第６図には、可動ルーフユニツト２の開閉作動
（即ち前後摺動）とトランクリツド６の開作動と
を連動させるべく構成された電気回路の一例が示
されている。図において、符号２８はバツテリ
ー、２９はイグニツシヨンスイツチ、３０および
３１はフユーズ、３２は可動ルーフユニツト駆動
回路、３３はリツドオープナ回路、３４はトラン
クリツド６の全閉時のみに閉成するリツド全閉検
出スイツチ、３５は可動ルーフユニツト２の全閉
時にのみ閉成するルーフ全閉検出スイツチであ
る。前記リツド全閉検出スイツチ３４は、トラン
クリツド開放時に可動ルーフユニツト駆動回路３
２への通電を遮断するトランクリツド開閉検出セ
ンサーとして作用する。又、前記ルーフ全閉検出
スイツチ３５は、可動ルーフユニツト後退時（即
ち、可動ルーフユニツト開放時）にリツドオープ
ナ回路３３への通電を遮断する可動ルーフユニツ
ト開閉検出センサーとして作用する。

つまり、可動ルーフユニツト全閉時にのみ、リ
ツドオープナ回路３３が通電可能となり、この状
態ではオープナスイツチ２４を閉成すると、ソレ
ノイド２２が励磁され、ワイヤー２３を介してト
ランクリツド６のロツク部材２１が解除され、ト
ランクリツド６が開放され、一方トランクリツド
６全閉時にのみ、可動ルーフユニツト駆動回路３
２が通電可能となり、この状態でルーフ開閉スイ
ツチ１３の開放用あるいは閉止用スイツチ１３
ａ，１３ｂを閉成すると、モータ１４が駆動さ
れ、ワイヤー１２を介して可動ルーフユニツト２
が開放あるいは閉止されるのである。従つて、可
動ルーフユニツト２とトランクリツド６との干渉
を防止できるのである。

第７図には、可動ルーフユニツト２の開閉作動
とトランクリツド６の開作動とを連動させる電気
回路の変形例が示されている。この場合、可動ル
ーフユニツト２の閉作動中において全閉前に所定
位置で一時停止する機能と、可動ルーフユニツト
開放時において、オープナスイツチ２４で可動ル
ーフユニツト２を閉作動させる機能とを付設して
いる。そのために、モータ１４に組み込まれ、可
動ルーフユニツト全閉手前の所定位置（本実施例
の場合、200mm手前）で一時停止側に切換わる一
時停止用のリミツトスイツチ３６と、可動ルーフ
ユニツト開放時に作動するパワーリレー３７と、
可動ルーフユニツト２の一時停止制御を行なう制
御回路３８とが第６図の電気回路に付加されてい
る。なお、制御回路３８は、１個のリレーＬと、
２個のトランジスタTR₁，TR₂と、５個の抵抗
R₁，R₂，R₃，R₄，R₅と、２個のコンデンサC₁，
C₂と、１個のダイオードＤとを図示の如く結線
して構成されている。

この電気回路において、第６図と異なる機能に
ついて説明する。

（） 可動ルーフユニツトを閉止する場合 ルーフ開閉スイツチ１３の閉止用スイツチ１３
ｂと閉成すると、電流が実線矢印で示す方向に流
れて可動ルーフユニツト駆動回路３２が閉成さ
れ、モータ１４が閉方向に駆動し、可動ルーフユ
ニツト２が閉作動する。そして、可動ルーフユニ
ツト２が全閉となる手前200mmの位置にくると、
リミツトスイツチ３６が点線図示側（即ち、一時
停止側）に切換わり、制御回路３８のリレーＬが
非作動となり、その接点Ｐが開成（点線図示）さ
れることとなり、可動ルーフユニツト駆動回路３
２への通電が遮断され、可動ルーフユニツト２は
閉作動を停止する。ここで、一旦、閉止用スイツ
チ１３ｂを開成すると、制御回路３８に点線矢印
の電流が流れて、トランジスタTR₁、TR₂が共に
導通し、リレーＬが作動して、その接点Ｐを閉成
する。そこで、再度、閉止用スイツチ１３ｂを閉
成すると、制御回路３８のリレーＬは保持された
ままなので、可動ルーフユニツト駆動回路３２が
閉成され、可動ルーフユニツト２は全閉になるま
で閉作動する。

（） 可動ルーフユニツト開放時において、オ
ープナスイツチの操作にて可動ルーフユニツト
を閉止する場合 可動ルーフユニツト開放時に、オープナスイツ
チ２４を閉成すると、パワーリレー３７が作動し
て点線図示のように切換わり、鎖線矢印で示す方
向に電流が流れて可動ルーフユニツト駆動回路３
２が閉成され、モータ１４が閉方向に駆動し、可
動ルーフユニツト２が閉作動する。そして、可動
ルーフユニツト２が全閉となる手前200mmの位置
にくると、リミツトスイツチ３６が点線図示側
（即ち、一時停止側）に切換わり、制御回路３８
のリレーＬが非作動となり、その接点Ｐが開成
（点線図示）されることとなり、可動ルーフユニ
ツト駆動回路３２への通電が遮断され、可動ルー
フユニツト２は閉作動を停止する。ここで、一
旦、オープナスイツチ２４を開成すると、パワー
リレー３７が非作動となつて実線図示の状態に切
換わり、制御回路３８に前記（）の場合と同様
に点線矢印の電流が流れて、トランジスタTR₁，
TR₂が共に導通し、リレーＬが作動して、その接
点Ｐが閉成する。そこで、再度、オープナスイツ
チ２４を閉成すると、パワーリレー３７が作動し
て実線図示の状態に切換わるが、制御回路３８の
リレーＬはトランジスタTR₂を介して保持された
ままなので、可動ルーフユニツト駆動回路３２が
閉成され、可動ルーフユニツト２は全閉になるま
で閉作動する。

なお、第７図図示の電気回路においても、トラ
ンクリツド全閉時あるいは可動ルーフユニツト全
閉時のみにおいて、可動ルーフユニツト２あるい
はトランクリツド６の開作動が行なえないことは
勿論である。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、ルーフとリヤウ
インドとリヤピラー部とからなる可動ルーフユニ
ツトを車体に形成されたガイド部材に沿つて後方
に摺動自在となした自動車において、可動ルーフ
ユニツト後退時には、トランクリツドを開作動で
きないように構成しているので、可動ルーフユニ
ツトとトランクリツドとの衝突干渉を防止できる
とともに、トランクリツドを大きく開き得る構造
とすることもできるという実用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる自動車の斜視
図、第２図は第１図の自動車の可動ルーフユニツ
ト開状態を示す斜視図、第３図は第１図のＡ−Ａ
断面図、第４図は第１図の自動車における可動ル
ーフユニツトとトランクリツドの作動状態を示す
概略図、第５図は第４図のＢ部詳細図、第６図は
本考案の実施例にかかる自動車のトランクリツド
開閉装置の電気回路図、第７図は変形例を示す電
気回路図である。 １……車体、２……可動ルーフユニツト、３…
…ルーフ、４……リヤウインド、５……リヤピラ
ー部、６……トランクリツド、９……ガイド部
材、２１……ロツク部材、２４……オープナスイ
ツチ、３３……リツドオープナ回路、３５……可
動ルーフユニツト開閉検出センサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフとリヤウインドとリヤピラー部とが一体
   に設けられ且つ車体に形成されたガイド部材に沿
   つて後方に摺動自在とされた可動ルーフユニツト
   と、前記リヤウインドの後方に設けられた上方に
   回動自在なトランクリツドと、該トランクリツド
   の閉止状態を保持するロツク部材を解除するオー
   プナスイツチおよび駆動部材を備えたリツドオー
   プナ回路と、前記可動ルーフユニツト後退時にお
   いて前記リツドオープナ回路への通電を遮断させ
   る如く作用する可動ルーフユニツト開閉検出セン
   サーとからなつていることを特徴とする自動車の
   トランクリツド開閉装置。