JPS6338812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 『産業上の利用分野』 本考案は、シヨルダー兼用手提げスーツケース
に関するものである。

『従来の技術』 従来、手提げ鞄にシヨルダーベルトを着脱可能
に配するシヨルダー兼用の手提げ鞄が実用されて
いる。このシヨルダー兼用の手提げ鞄は、鞄本体
の上面に把手を固着し、通常はこの把手を使用し
て手提げ鞄として使用し、この把手とは別に両単
にナス環を配したシヨルダーベルトを用意してお
き、シヨルダー鞄として使用するときは、このシ
ヨルダーベルトの両端を鞄本体の両側面に固着し
た連結環にナス環により係合するようになしてい
る。

『考案が解決しようとする問題点』 しかし、上記従来のシヨルダー兼用の手提げ鞄
は、シヨルダーベルトが鞄本体より着脱可能に配
されており、手提げ鞄として使用する場合は、該
シヨルダーベルトを外して鞄本体内等に収納して
おかなければならず、紛失の機会が多いばかり
か、携帯中に手提げからシヨルダーに変更するに
は、鞄を開けてシヨルダーベルトを取出さなくて
はならず、気軽に携帯法を変更することができな
いという欠点を有していた。

そこで本考案は、上記欠点に鑑みなされたもの
で、手提げよりシヨルダーまたはシヨルダーより
手提げにワンタツチで変更できるシヨルダー兼用
手提げスーツケースを提供することを目的とした
ものである。また、本考案の他の目的とするとこ
ろは、把手をシヨルダーベルトの肩当てに兼用
し、簡易な構成で携帯し易いシヨルダー兼用手提
げスーツケースを提供するものである。

『問題点を解決するための手段』 上記の目的に沿い、先述実用新案登録請求の範
囲を要旨とする本考案の構成は前述問題点を解決
するために、ケース本体１の上面部１ａに、断面
略Ｃ字状の係合部２ａを有する把手係合具２，２
を対設し、該ケース本体１の側面部１ｂには、挿
通するベルトを回動レバー３ａの伏動位置で挾持
するベルトストツパー３を固着し、さらに、該ケ
ース本体１の底面部１ｃには、一方側面状係合体
４を固着し、前記把手係合具２には、両端に把手
環部５ａ，５ａを有し、その内側にベルト通し部
５ｂを設けた肩当て兼用把手５を着脱可能に係合
し、上記肩当て兼用把手５には、そのベルト通し
部５ｂ内を抜き差し自在に挿通するシヨルダーベ
ルト６を配し、前記ベルトストツパー３を通した
このシヨルダーベルト６の一端または両端には、
底面部１ｃに固着した一方側面状係合体４に係合
する相手側面状係合体７を配してなる技術的手段
を講じたものである。

『作用』 それ故、本考案シヨルダー兼用手提げスーツケ
ースは、肩当て兼用把手５の把手環部５ａを把手
係合具２，２に係合せしめると、該肩当て兼用把
手５は把手として使用でき、この際にシヨルダー
ベルト６の端部はケース本体１の側面部１ｂに沿
わせてその端部を一方側面状係合体４に係合する
ことで携帯に支障なく止着しておくことができ
る。また、シヨルダーとして使用する場合は、先
ず、シヨルダーベルト６の端部の一方側面状係合
体４への係合を外し、次いで、肩当て兼用把手５
を把手係合具２，２より外す。そこで、シヨルダ
ーベルト６の端部を引き上げて該シヨルダーベル
ト６の長さが所望の長さとなつた時、ベルトスト
ツパー３でこのシヨルダーベルト６の自由端側を
固定すれば肩当て兼用把手５を肩当てとして使用
できるものである。

『実施例』 次に、本考案の実施例を第１図乃至第３図に従
つて説明すれば以下の通りである。

図中、１がケース本体である。本実施例のケー
ス本体１は、発泡樹脂層の片面または両面に生地
層を積層した本体側生地２１を箱型に形成し、そ
の開口部内に硬質な枠体２２を嵌入し、同じく発
泡樹脂層の片面または両面に生地層を積層した蓋
側生地２３を箱型に形成し（第３図参照）、この
蓋側生地２３の開口部と上記本体側生地２１の開
口部とはスライドフアスナー２４で開閉可能に連
結してなる。

このケース本体１の上面部１ａには、断面略Ｃ
字状の係合部２ａを有する把手係合具２，２を対
設してある。この、把手係合具２は第２図に最も
明らかに示すごとく、本実施例の場合、前記枠体
２２へ螺子止め、鋲着等の適宜な方法で固定され
るものであるが、係合部２ａ内には後述の把手環
部５ａの一辺が着脱可能に係合するものであるか
ら、容易には該把手環部５ａが脱落しないように
適度の弾性を有することが望ましく、そのために
本実施例では合成樹脂で成形してある。なお、２
ｂは、カバーアームで把手係合具２より突設され
た板バネ状となし、係合部２ａの開口部を閉じる
ようになしてある。

また、該ケース本体１の側面部１ｂには、挿通
するベルトを回動レバー３ａの伏動位置で挾持す
るベルトストツパー３を固着してある。このベル
トストツパー３は従来公知なものが使用でき、両
側面部１ｂ，１ｂに固定される基板部３ｂの両側
に直角折り曲げ壁部３ｃ，３ｃを設け、上記回動
レバー３ａの先端をこの両直角折り曲げ壁部３
ｃ，３ｃにより枢支し、かつ、該回動レバー３ａ
の先端裏面側には枢支中心軸よりの距離が突出し
た押さえ部３ｄを設けてなり、該回動レバー３ａ
の仰動状態ではこの回動レバー３ａの先端と基板
部３ｂとの間隙が後述シヨルダーベルト６の厚み
より大きく、回動レバー３ａが伏動すると回動レ
バー３ａの先端回動によつて押さえ部３ｄが基板
部３ｂに近接して該シヨルダーベルト６を基板部
３ｂとの間に挾持するようになつている。

さらに、該ケース本体１の底面部１ｃには、一
方側面状係合体４（ループ状起毛生地か鍵状起毛
生地のいずれか）を固着してある。

そして、前記把手係合具２には、両端に把手環
部５ａ，５ａを有し、その内側にベルト通し部５
ｂを設けた肩当て兼用把手５を着脱可能に係合し
てある。前述もした通り、この肩当て兼用把手５
は把手環部５ａの一辺を係合部２ａ内に圧入係合
することで通常の使用状態では容易に係合が解け
ないようになしている。また、この肩当て兼用把
手５は、適宜な可撓性を有する材質で構成する
と、握持する場合と肩に当てる場合とで、その形
状を適合状態に変化して使用感を向上できるもの
である。なお、上記ベルト通し部５ｂは、図示例
では切り起し状に形成してなるが、後述の通りシ
ヨルダーベルト６が抜き差し可能、いいかえる
と、該肩当て兼用把手５がシヨルダーベルト６上
を移動可能とするものであればよく、シヨルダー
ベルト６を通す孔や、肩当て兼用把手５の両端延
長部５′，５″を上方で重合止着した握持筒部５ｃ
に変えてもよい。

そして、上記肩当て兼用把手５には、そのベル
ト通し部５ｂ内を抜き差し自在に挿通するシヨル
ダーベルト６を配し、前記ベルトストツパー３を
通したこのシヨルダーベルト６の一端または両端
には、底面部１ｃに固着した一方側面状係合体４
に係合する相手側面状係合体７を配してなる。本
実施例では、前述ベルトストツパー３は両側面部
１ｂ，１ｂに夫々配し、一方側面状係合体４は底
面部１ｃの両側に配して、さらに、シヨルダーベ
ルト６の両端に相手側面状係合体７をそれぞれ配
しているが、該シヨルダーベルト６の一端はケー
ス本体１に縫着等の適宜手段で固着した場合は、
このベルトストツパー３、一方側面状係合体４、
相手側面状係合体７はケース本体１およびシヨル
ダーベルト６の一方側のみに配すればよいもので
ある。また、このシヨルダーベルト６の自由端先
端はベルトストツパー３より抜け出さないように
二つ折りの肉厚部となすか、これにかわるストツ
パー部を配しておくとよい。なお、シヨルダーベ
ルト６はベルト通し部５ｂを通した後、把手環部
５ａの上方を通し、該把手環部５ａが係合部２ａ
に係合する支障とならないようになすことは無論
である。

なお、図中、３０は仕切で、この仕切３０は柔
軟生地からなり下端を枠体２２と本体側生地２１
の底面部１ｃとの間に挾持固定され、自由端側に
は鈎状起毛側面状係合体３１が配されてなり、枠
体２２と上面部１ａとの間に上端を挾持固定され
たループ状起毛柔軟生地３２の所望位置に該鈎状
起毛側面状係合体３１により係合して仕切り位置
が適宜に設定できるようになしている。

また、４０はサブバツグで、このサブバツグ４
０は、図示はしていないが、熱可塑性の樹脂糸を
比較的大きい網目を有するように編んで、各糸の
重合部を加熱溶着した生地で形成し、スライドフ
アスナー４１を有した主容体部４２とポケツト部
４３とを有してなる。そして、このサブバツグ４
０は、面状係合体４３，４３により蓋側生地２３
に着脱可能に装着されてなる。

『考案の効果』 本考案は上記のごときであるので、前述作用の
項で説明したごとく、シヨルダー兼用の手提げス
ーツケースを提供することができる。

特に、本考案シヨルダー兼用手提げスーツケー
スは、手提げとして使用する場合は、シヨルダー
ベルト６をケース本体１にベルトストツパー３と
一方側面状係合体４とで該ケース本体１に沿わせ
て配しておくため、このシヨルダーベルト６が携
帯の支障となつたり、体裁を悪化する恐れがな
く、かつ、該シヨルダーベルト６の紛失の心配が
無い。また、シヨルダーより手提げに、または手
提げよりシヨルダーに変更するには、肩当て兼用
把手５の着脱とベルトストツパー３の操作と、シ
ヨルダーベルト６の端部を一方側面状係合体４に
着脱する操作のみでよいため、取り外したシヨル
ダーベルトをケース本体内に収納する従来法に比
較しては著しく変更が容易なシヨルダー兼用手提
げスーツケースを提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案シヨルダー兼用手提げスーツケ
ースの一実施例を示す平面図、第２図はＡ−Ａ線
拡大断面図、第３図はＢ−Ｂ線拡大断面図であ
る。 １……ケース本体、１ａ……上面部、１ｂ……
側面部、１ｃ……底面部、２……把手係合具、２
ａ……係合部、３……ベルトストツパー、３ａ…
…回動レバー、４……一方側面状係合体、５……
肩当て兼用把手、５ａ……把手環部、５ｂ……ベ
ルト通し部、６……シヨルダーベルト、７……相
手側面状係合体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース本体１の上面部１ａに、断面略Ｃ字状の
   係合部２ａを有する把手係合具２，２を対設し、 該ケース本体１の側面部１ｂには、挿通するべ
   ルトを回動レバー３ａの伏動位置で挾持するベル
   トストツパー３を固着し、 さらに、該ケース本体１の底面部１ｃには、一
   方側面状係合体４を固着し、 前記把手係合具２には、両端に把手環部５ａ，
   ５ａを有し、その内側にベルト通し部５ｂを設け
   た肩当て兼用把手５を着脱可能に係合し、 上記肩当て兼用把手５には、そのベルト通し部
   ５ｂ内を抜き差し自在に挿通するシヨルダーベル
   ト６を配し、前記ベルトストツパー３を通したこ
   のシヨルダーベルト６の一端または両端には、底
   面部１ｃに固着した一方側面状係合体４に係合す
   る相手側面状係合体７を配してなるシヨルダー兼
   用手提げスーツケース。