JPS6338412Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビデオテープレコーダ（以下単に
「VTR」という。）用磁気ヘツドに係り、更に詳
細には、中央にシールドブロツクを、両側に音声
ヘツドおよびコントロールヘツドを具えた磁気ヘ
ツドであつて、シールドブロツクに当接してブロ
ツクホルダを設けそのブロツクホルダをテープ走
行面研削加工の基準面、音声ヘツドおよびコント
ロールヘツドを取付ける際の取付基準面として利
用することによつて、ヘツドギヤツプの正確な心
出しを可能とし、アジマスを向上する等、磁気ヘ
ツドの性能を向上し、かつ加工を容易とした
VTR用磁気ヘツドに関する。

最近におけるVTRの普及はきわめて目覚しい
ものがあるが、家庭用小形VTRに使用されるテ
ープには主として第１図に示すような記録方式が
採用されている。すなわち同図に示されるように
テープ１の中央には映像信号トラツク２が斜方向
に記録されており、またその上縁には音声信号ト
ラツク３が、下縁にはコントロール信号トラツク
４が記録されている。この記録方式のうち、音声
信号トラツク３とコントロール信号トラツク４と
を同時に記録再生するには第２図（イは平面図、
ロは正面図）に例示するような磁気ヘツドが使用
されている。同図において、磁気ヘツド１１は金
属等製のケース１２、フエライト製のシールドブ
ロツク１３、とその両端に設けられ、共にフロン
トコア、バツクコアとこれに巻回されたコイルと
から成る音声ヘツド１４、コントロールヘツド１
５等から構成されている。磁気ヘツド１１はケー
ス１２中にシールドブロツク１３、音声ヘツド１
４、コントロールヘツド１５を装入し、さらにこ
れらとケース１２との間に樹脂（第２図には図示
していない。）を充填して成つている。

従来この磁気ヘツド１１を組立て加工するに際
しては、シールドブロツク１３の両端部に音声ヘ
ツド１４、コントロールヘツド１５の各フロント
コアをガラス薄板等を介して接着せしめ、これを
ケース１２内に装着し、接着固定した後、テープ
走行面の研削を行なつていた。

しかしながらこの従来の方法による場合には次
のような欠点があつた。すなわちシールドブロツ
ク１３は前記したようにきわめて硬くかつ脆い材
料であり、各部の寸法をきわめて正確に加工する
ことは難しく、したがつてこのシールドブロツク
１３の面を基準として取付けられた音声ヘツド１
４、コントロールヘツド１５はその心が一致しな
い（インライン不良）ことが多く、さらにテープ
走行面の研削に際して、磁気ヘツド１１の性能に
きわめて重大な影響を持つギヤツプ深さにバラツ
キを生ずることがあり、その結果磁気ヘツド１１
の性能にバラツキを生じていた。また寸法の精度
が悪いため、磁気ヘツド１１の組立て加工を自動
化することが難しく、多くの工数を必要としその
結果として磁気ヘツド１１の原価高を招いてい
た。

本考案は以上述べた従来のVTR用磁気ヘツド
の欠点を解消し、性能が安定しかつ原価の廉い
VTR用磁気ヘツドを提供することを目的として
いる。

本考案は、亜鉛、アルミニウム、銅合金等の材
料をダイキヤストすることによつてきわめて寸法
精度の高い部品や容易に得られることに着眼して
なされたものであり、これらの材料から成り、長
方体を基本形とするブロツクホルダをシールドブ
ロツクに当接して設け、このブロツクホルダの面
を、音声ヘツド、コントロールヘツドの取付用基
準面または研削加工の際の基準面として使用する
ことによつて前記目的を達成している。

以下図面に基いて本考案の実施例について説明
する。第３図は本考案に係るVTR用磁気ヘツド
の構成を示す図でイは平面図、ロは正面図、ハは
ロ図におけるハ−ハ断面を矢印方向にみた図であ
る。同図において、本考案に係る磁気ヘツド１１
はケース１２、シールドブロツク１３、音声ヘツ
ド１４、コントロールヘツド１５等から構成され
ていることは第２図に示した従来例と異るところ
はないが、本例にあつては、これらに加えて、ブ
ロツクホルダ１６が設けられている。また、音声
ヘツド１４、コントロールヘツド１５はフロント
コア、バツクコアおよびこれらに巻回されたコイ
ルとから成り、さらにまたケース１２内にシール
ドブロツク１３、音声ヘツド１４、コントロール
ヘツド１５等を装入した後には樹脂を充填するこ
とも前記した従来例と異るところはないが、第３
図においては、便宜上樹脂を充填する前の状態を
示しておりまた音声ヘツド１４、コントロールヘ
ツド１５はそれぞれフロントコア１４Ａ，１５Ａ
のみが示されている。（後記する工程が完了し
た状況が示されている。）。

図示しているように、本例にあつては、シール
ドブロツク１３のテープ走行面１１Ａに対する面
と反対側の面に当接してほぼ長方体のブロツクホ
ルダ１６が設けられている。第４図イはこのブロ
ツクホルダ１６の一例を示した斜視図でる。同図
に示すようにブロツクホルダ１６はほぼ長方体を
しておりその一の面１６Ａはシールドブロツクの
当接面であり、この面１６Ａに直交する面であつ
て相互に平行な２つの面１６Ｂは音声ヘツドのフ
ロントコア１４Ａおよびコントロールヘツドフロ
ントコア１５Ａの取付けに際しての基準面となつ
ている。

次に以上述べた本考案に係るVTR用磁気ヘツ
ドの組立て加工の方法について述べる。

ブロツクホルダ１６の面１６Ａにシールドブ
ロツク１３を接着剤等によつて固定する。

ブロツクホルダ１６の面１６Ｂに音声ヘツド
のフロントコア１４Ａ、コントロールヘツドの
フロントコア１５Ａを接着剤等によつて固定す
る。

ブロツクホルダ１６をケース１２内に装入し
接着剤等により仮止めする。

面１６Ａに平行な平面１６Ｃを基準面として
テープ走行面１１Ａを研削する。

各ヘツドのフロントコアにコイルを挿入し、
次いでそれぞれバツクコアを取付ける。

ケース１２とブロツクホルダ１６、音声ヘツ
ド１４、コントロールヘツド１５等との間の間
隙に樹脂を充填し乾燥固化する。

以上のべたVTR用磁気ヘツドの組立て加工に
用いられるブロツクホルダ１６は亜鉛（Zn）、ア
ルミニウム（Al）、銅（Cu）、銅合金等のダイキ
ヤストで製作すれば、鋳込み後何等の機械加工を
することなく、きわめて寸法精度の高いものが得
られる。しかしながらブロツクホルダ１６の材料
としては必ずしも金属のダイキヤストに限ること
なく、金属材料を機械加工したものまたはプラス
チツク材料を形成加工したもの等も有効に用いる
ことができる。いずれにしてもこのブロツクホル
ダ１６はきわめて寸法精度が高いので、本考案に
係る磁気ヘツド１１のテープ走行面１１Ａの中央
部の切線によつて構成された平面（以下「切面」
ということにする。）は正確に基準面１６Ｃに平
行な平面となつており、また各ヘツドのフロント
コアの心も正確に切面に直交させることができ
る。さらに各フロントコアのギヤツプ深さも正確
に加工でき、バラツキを生ずるおそれがなく、し
たがつてインライン不良がなく、またアジマスを
向上させることができる。

第４図ロ，ハは本考案に使用するブロツクホル
ダ１６の別の例を示した斜視図であり、ロの場合
はブロツクホルダ１６のシールドブロツク１３の
当接面１６Ａの両側に帯状の突起１６Ｄが設けら
れ、この突起１６Ｄの内側寸法はシールドブロツ
ク１３が正確に嵌入するようになつている。この
例ではブロツクホルダ１６にシールドブロツク１
３を正確に心出し取付けることができる。またハ
の場合にはブロツクホルダ１６のヘツド取付面１
６Ｂの一部に凹部１６Ｅが設けられている。この
例ではブロツクホルダ１６を掴みやすく、取扱い
に極めて便利な利点がある。ハに示すブロツクホ
ルダ１６にロに示すような帯状突起１６Ｄを設け
れば、一層便利であることは云うまでもない。な
お第３図に示した部品番号１７はデイスタンスピ
ースであつて、ブロツクホルダ１６、シールドブ
ロツク１３等とケース１２との心合わせを容易に
するため取り付けられたものであるが必ずしも必
要ではない。

本考案は以上述べたように、VTR用磁気ヘツ
ドの性能のバラツキをなくし、その原価を大巾に
低減する等すぐれた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は家庭用小形VTRに使用されるテープ
の記録方式を示した図、第２図は音声信号トラツ
クおよびコントロール信号トラツク用の従来の
VTR用磁気ヘツドを示した図でイは平面図、ロ
は正面図、第３図は本考案に係るVTR用磁気ヘ
ツドを示した図でイは平面図、ロ正面図、ハはロ
にけるハ−ハ断面を矢印方向にみた図、第４図は
本考案に用いられるブロツクホルダの３つの例を
示した斜視図である。 １……テープ、２……映像信号トラツク、３…
…音声信号トラツク、４……コントロール信号ト
ラツク、１１……磁気ヘツド、１１Ａ……テープ
走行面、１２……ケース、１３……シールドブロ
ツク、１４……音声ヘツド、１４Ａ……フロント
コア、１５……コントロールヘツド、１５Ａ……
フロントコア、１６……ブロツクホルダ、１６Ａ
……シールドブロツク当接面、１６Ｂ……ヘツド
取付面、１６Ｃ……基準面、１６Ｄ……帯状突
起、１６Ｅ……凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ケース内にシールドブロツク、音声ヘツドお
   よびコントロールヘツドを装入し樹脂を充填し
   て成るビデオテープレコーダ用磁気ヘツドにお
   いて、前記シールドブロツクに当接してほぼ長
   方体の形状をなし、前記磁気ヘツドのテープ走
   行面にほぼ平行な基準面と、該基準面に直交
   し、相互に平行な２個のヘツド取付面とを有す
   るブロツクホルダを設けたことを特徴とするビ
   デオテープレコーダ用磁気ヘツド。 (2) 前記ブロツクホルダの前記シールドブロツク
   の当接面の両側端に帯状のガイド用突起を設け
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のビデオテープレコーダ用磁気ヘツ
   ド。 (3) 前記ブロツクホルダの前記ヘツド取付面の一
   部に凹部を設けたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項または第２項記載のビデオ
   テープレコーダ用磁気ヘツド。