JPS6338129Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はローターを冷却すると共にアクスル
ハウジングにセツトされたコロガリ軸受をシール
するオイルシールを保護するように形成したデイ
スクブレーキのローター冷却フイン付オイルシー
ル保護カバーに関する。

ローターと一体となつて回転するハブとアクス
ルハウジング間の負荷を受持つコロガリ軸受は、
アクスルハウジングに隔接して対をなして固定さ
れている。このうち外側（車輌の外側方向）にセ
ツトされるコロガリ軸受は、このコロガリ軸受に
近接するハブの開口部がブラインドフランジによ
り密封されるので、直接塵埃の侵入を受けること
はない。しかし内側にセツトされるコロガリ軸受
は、ローターのブレーキ部近くで開口するハブの
開口部に設けられているため、ローターとアクス
ルハウジングの半径方向の隔接間隙から侵入する
塵埃の侵入を直接受ける。そのためこの内側コロ
ガリ軸受は、軸受室の封塞用のオイルシールによ
つて防塵されている。しかしこの構造ではオイル
シール自体が塵埃の攻撃にさらされることにな
り、その機能劣化を早めてしまう欠点がある。特
に金属粉を含侵させたメタルバツドを使用するデ
イスクブレーキでは混入する金属粉の攻撃も直接
受ける結果となる。また、アクスルハウジングの
この部分には、オイルシールを保護する装置を設
ける空間的な余裕もないので従来例におけるアク
スルハウジングにはオイルシール保護装置は設け
られていない。

この考案は、これらの欠点を解決すると共にロ
ーターの冷却効果を高めるように形成したデイス
クブレーキにおけるローター冷却フイン付オイル
シール保護カバーを提供することを目的とするも
のである。

この考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明
する。

第１図はデイスクブレーキを含み一部を欠除し
たローター冷却フイン付オイルシール保護カバー
取付部の断面説明図である。図中１はデイスクブ
レーキ、２はローター、３はハブ、４はアクスル
ハウジング、５はアクスルシヤフト、６が内側コ
ロガリ軸受、７はオイルシール、８がローター冷
却フイル付オイルシール保護カバーである。

ローター２はデイスクブレーキ１のアウターパ
ツドと相互圧力をもつて摺動するブレーキ鍔部９
と、このブレーキ鍔部９と隔接してハブ３とタイ
ヤリム１０を固定する取付鍔部１１をローター本
体１２で一体に連接し丁度フランジ継手のように
形成され、ブレーキ鍔部９と連接するローター本
体１２はアウターパツドの外周縁と適当な隔接間
隔を保持するため、他のカバー本体１２よりも径
が少く形成された段付喉部１３が設けられて形成
される。またこの段付喉部１３に連接してやや径
を増大した径違い部１４が設けられており、また
この径違い部１４に連接して筒状壁部が形成さ
れ、この筒状壁部が取付鍔部１１に連接する。ま
たハブ３の開口部は丁度ローター２の径違い部１
４に位置し、内側コロガリ軸受６およびオイルシ
ール７は、このハブ３の開口部とこの開口部と対
応する位置のアクスルハウジング４間にセツトさ
れる。従つてローター２の段付喉部１３を通過す
る塵埃はオイルシール７を直接攻撃することにな
る。ローター冷却フイン付オイルシール保護カバ
ー８は、オイルシール７を保護するため、ロータ
ー２の段付喉部１３にセツトする。

ローター冷却用フイン付オイルシール保護カバ
ー８は、第２図および第３図に示すように、薄板
金属を径の異る段付筒状に形成したカバー本体１
５を設け、このカバー本体１５の小径筒状部１６
の外側端縁に底部１７を形成し、さらに底部１７
の中心部にこのカバー本体１５をセツトするロー
ター２の段付喉部１３と対向面をなすアクスルハ
ウジング４の外径よりもわずかに径を大きく形成
した貫通孔１８を設けて形成する。また底部１７
の外径１ぱいの位置に複数個の空気抜き用のわず
かな直径を有する小径孔１９を設ける。つまり小
径孔１９の内周縁が小径筒状部１６の内周面と一
致するような位置にほぼ等間隔で周状に設けて形
成する。また小径筒状部１６の外径は、ローター
２の段付喉部１３に圧入挿嵌して係止し得るよう
に、段付喉部１３の内径よりも締代分だけ大きく
形成する。また小径筒状部１６の長さは、この小
径筒状部１６をローター２の段付喉部１３に挿嵌
した場合に接触面の相互押圧力でカバー本体１５
を固定するため、底部１５がローター２の径違い
部１４に達する程度に出来るだけ長く形成するこ
とが望ましい。一方この小径筒状部１６と連接す
る大径筒状部２０の外周面は、矩形形状の三辺縁
を切り込み、外周方向に押し起して形成したフイ
ン２１を、丁度タービンにおけるインペラーのよ
うに、複数個等間隔に設けて形成する。このフイ
ン２１は、外周縁がデイスクブレーキの外周縁と
適当な隔接間隙を有するように形成すると共に、
フイン２１の着根における接線とのなす角を30度
乃至50度の範囲にあるように形成する。またフイ
ン２１は、カバー本体１５の回転に伴う空気流れ
がフイン２１の外面を流れるような向きに押開い
て形成する。また大径筒状部２０の長さは最大限
小径筒状部１６の長さと等しくする。また最少長
さは小径筒状部１６の1/2程度に形成する。1/2以
下に形成すると冷却効果は著しく減少する。

このカバー本体１５は、製作を容易にするた
め、第４図に示すように、薄板金属を円筒状に形
成したカバー本体２２を設け、該カバー本体２２
のほぼ半分長の位置の内側周面に遮蔽板２３を固
定する遮蔽板２３は中心部にアクスルハウジング
４をわずかに遊嵌する貫通孔２４を設け、同時に
外周縁１ぱに空気抜き用の小径孔２５を複数個設
けて形成する。一方カバー本体２２の全長の半分
の周壁にフイン２６を設ける。また、カバー本体
２２の外径はローター２の段付喉部１３の内径よ
りもわずかに大きく形成し、フイン２６を設けな
い筒状部を挿嵌した場合に締代を有するように形
成する。

しかして、カバー本体１５又は第２の実施例に
おけるカバー本体２２をローター２の段付喉部１
３に固定すると、段付喉部１３の開口部より侵入
する塵埃は、単に底部１７又は遮蔽板２３により
遮断されるのみでなく、積極的にフイン２１，２
６の開口窓より放出される。また同時にフイン２
１，２６による空気流によりローター２が冷却さ
れる。またローター２の放熱面積もそれだけ増加
することになる。

この考案は上述の実施例に基づいて実用新案登
録請求の範囲のように構成したので、ローターの
段付喉部開口部を通過して侵入する塵埃は直接シ
ールを攻撃できなくなるばかりでなく、ローター
と一体で回転するカバー本体のフインにより積極
的に外部へ放出される。またこのフインによる空
気流は制動時に高温化するローターを冷却するこ
とができる。またデイスクブレーキのローター冷
却フイン付保護カバーを段付筒状に形成したもの
では、カバー本体の圧入の目安が容易につき、同
時に塵埃の吸入、放出を多量に行い得る実益と、
ローター自体の放熱面積を増加させる実益を有す
る。

また同一径の筒状体で形成したものでは、製作
が容易で同時に取付時に開口部を押開くようにし
て固定し得る実益を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はデイスクブレーキを含み一部を欠除し
たローター冷却フイン付オイルシール保護カバー
取付部の断面説明図、第２図はローター冷却フイ
ン付オイルシール保護カバーの断面説明図、第３
図はその正面説明図、第４図は他の実施例におけ
る断面説明図である。 符号の説明、１……デイスクブレーキ、２……
ローター、３……ハブ、４……アクスルハウジン
グ、５……アクスルシヤフト、６……内側コロガ
リ軸受、７……オイルシール、８……ローターフ
イン付オイルシール保護カバー、９……ブレーキ
鍔部、１０……タイヤリム、１１……取付鍔部、
１２……ローター本体、１３……段付喉部、１４
……径違い部、１５，２２……ガバー本体、１６
……小径筒状部、１７……底部、１８，２４……
貫通孔、１９，２５……小径孔、２０……大径筒
状部、２１，２６……フイン、２３……遮蔽板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ローター２の段付喉部１３に圧入係止する筒
   状部と、該筒状部と直交しハブ３の外周面とわ
   ずかに遊嵌する貫通孔と外周縁１ぱいに複数個
   の小径孔を設けた保護板と、ローター２のブレ
   ーキ鍔部９の外側に突出する筒状部と、該突出
   する筒状部の周壁を切開いてフイン２１を設け
   て形成したことを特徴とするデイスクブレーキ
   のローター冷却フイン付オイルシール保護カバ
   ー。 (2) ローター２の段付喉部１３に圧入係止する筒
   状部と、ブレーキ鍔部９の外側に突出する筒状
   部を径の異なる段付筒状に一体に形成したカバ
   ー本体１５で形成し、径の大きい大径筒状部２
   ０の外周面にフイン２１を設けて形成すると共
   に、保護板をローター２の段付喉部１２に圧入
   する小径筒状部１６の端部に一体に設け貫通孔
   １８と小径孔１９を設けた底部１７で形成した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のデイスクブレーキのローター冷却フイ
   ン付オイルシール保護カバー。 (3) ローター２の段付喉部１３に圧入係止する筒
   状部と、ブレーキ鍔部９の外側に突出する筒状
   部を同一径の筒状体で一体に形成したカバー本
   体２２で形成すると共に、保護板をカバー本体
   ２２の全長の中間位置の内周面に貫通孔２４と
   小径孔２５を有する遮蔽板２３で形成し、遮蔽
   板２３を中心として一方側のカバー本体２２に
   フイン２６を設けて形成したことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のデイスク
   ブレーキのローター冷却フイン付オイルシール
   保護カバー。