JPS633756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は被覆溶接棒の心線を塗装機へ供給する
ための心線供給装置に関する。

被覆溶接棒の製造工程では一般に直径２〜８mm
の鋼ワイヤを所定の長さに切断して心線となし、
これを１本ずつかつ連続させて高速で被覆塗装機
へ供給して心線周囲に被覆剤を塗装し、端部処
理、乾燥等して製品とする。この塗装機への心線
供給を行なう装置を第１図ａ，ｂに示す。この図
で１はホツパで多数の溶接用心線が装入される。
ホツパ下部には心線が１本ずつ下降できるスリツ
トが設けられており、その両側２箇所に案内杆２
が設けられ、該案内杆に両側を抑えられて多数の
心線３が１本ずつ積重ねた状態で下降してくる。
４は揺動ローラで正、逆回転を繰り返し、その周
面の一部は第１図ｂに示すようにホツパー内に入
つていて心線が上記スリツトへ１本ずつ入つてい
くのを促進する。５は最下部の心線の前部（塗装
機側）両側に１対設けられる傘型ローラ、６は同
心線後部の下部に設けた心線支持ローラである。
案内杆部の心線群の最下部のものは、高速で回転
する傘型ローラに挾持、駆動されて、案内管７に
入り、Ｖ溝ローラ８および案内管を通つて塗装機
９へ送給される。

このような心線供給装置では心線を高速にかつ
連続させて塗装機９へ供給することが肝要であ
る。しかしながら、上記従来の供給装置において
は長く使用すると、ローレツト加工を施した傘型
ローラの表面が摩耗し、心線供給に支障を生じ、
しばしば取替えが必要となる。しかも傘型ローラ
では心線が先行した心線がつかえたりすると、そ
のローレツト面で心線を切削して損傷させるおそ
れもある。

本考案の目的は、上述した積重ね状態の心線を
水平に送給する場合に、従来の問題の多い傘型ロ
ーラを用いずに、確実にかつ円滑にしかも心線を
損傷することなく供給する点である。すなわち、
本考案では上記目的を達成するため、ホツパ下部
のガイドの間に一列に積重ねた状態で心線を下降
させ、この心線群の最下部のものを水平方向に移
動させて被覆塗装機へ１本ずつ連続的に送給する
心線供給装置において、前記心線群の最下部の心
線と同一線上に、該心線の後端にエアーを吹付け
るためのノズルを配置したことを構成上の特徴と
し、該エアーノズルによるエアー圧によつて心線
を確実に１本ずつ送給しようとするものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第２図ａ，ｂは本考案に係る心線供給装置の一
例を示しているが、第１図と共通する部材は同一
符号で表わし、その説明は省略する。本考案の大
きな特色は、心線３の垂直移動（積重ね移動）か
ら水平移動への移行を、エアーノズル又はエアー
ガン１１からのエアー圧の吹付けによつて行つて
いる点である。すなわち、該ノズル１１は図示す
る如く、案内杆２の間を下降してくる心線群の最
下部の心線と同一線上に位置し、該心線の後端に
エアーを噴射するように配置されている。

上記エアーノズル１１は、中途に調整弁１２を
設けたエアー配管１５を介してコンプレツサ１３
に接続している。また、該ノズル１１は縦に積重
なつた心線群の最下部のみをエアー圧により押し
出すので、ノズル形状はエアーが拡散せずに１本
の心線の後面に集中するタイプを選択すると共
に、できるだけ心線３後端面にノズル１１先端を
接近させることが好ましい。そのため心線径が変
つてもノズル先端と心線後端面とを離隔させない
ように、第３図の如くノズル先端部が水平方向に
伸縮する構造を採用することが望ましい。エアー
配管１５における調整弁１２は、心線の重量に応
じて最適の圧力が得られるように調整するための
ものである。

なお、図示の例ではエアー圧によつては心線の
垂直移動が迅速に行われないおそれがあるので、
心線の垂直移行を助ける手段を設けている。すな
わち、案内杆２の下端に続いて、外周に心線３を
１本ずつ収納する歯を有する１対の回転ローラ１
６ａ，１６ｂを設け、該ローラ１６ａ，１６ｂを
互いに逆回転させるためタイミングベルト１７、
ウオームギア１８およびモータ１９等を設置して
いる。心線３は１対のローラ１６ａ，１６ｂの組
合せにより、迅速にかつ正確に１本ずつエアー吹
付位置まで送られる。勿論、このような心線の垂
直移動手段は、図示の形式のものに限ることな
く、他の公知の形式のものを採用してもよい。

また、本考案においては最下部の心線を支持す
る支持ローラ６は、心線の前後部を安定して保持
するため少なくとも２個所設けておくことが必要
である。

このように本考案においては、エアーノズル１
１から所要圧力にてエアーを噴出しておけば、ホ
ツパ１から案内杆２を経て下降して来た心線３
は、回転ローラ１６ａ，１６ｂによつて確実に最
下部の支持ローラ６上に到達した時点で、前記エ
アー圧により前進せしめられ、案内管７を通つて
フイードローラ８によつて塗装機へと順次供給さ
れる。

以上説明したように本考案の心線供給装置によ
れば、心線を１本ずつ確実にかつ連続的に供給す
ることが出来ると共に、心線に非接触な状態で供
給し得るので、供給機構の摩耗や心線の損傷とい
つた問題は皆無となる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来の溶接棒心線の供給装置の
一例を示す側面図とそのホツパ部分の断面図、第
２図ａ，ｂは本考案の供給装置の具体例を示す側
面図と断面図、第３図は本考案の要部であるエア
ーノズル先端部の一例を示す部分断面図である。 １……ホツパ、２……案内杆、３……心線、４
……揺動ローラ、５……傘型ローラ、６……支持
ローラ、７……案内管、８……フイードローラ、
９……塗装機、１１……エアーノズル、１２……
調整弁、１３……コンプレツサ、１５……エアー
配管、１６……回転ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホツパ下部のガイドの間に一列に積重ねた状態
   で心線を下降させ、この心線群の最下部のものを
   水平方向に移動させて被覆塗装機へ１本ずつ連続
   的に送給する心線供給装置において、前記心線群
   の最下部の心線と同一線上に、該心線の後端にエ
   アーを吹付けるためのノズルを配置したことを特
   徴とする溶接棒心線の供給装置。