JPS6337518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、軽量化及び製作を容易にする渦巻ポ
ンプに関する。

［従来の技術］ 渦巻ポンプは、羽根車の外径が大きくなるた
め、羽根車を覆うケーシングの外径も必然的に大
きくなるものである。

このため、ケーシングは、内部の圧力に耐える
よう丈夫に構成しなければならない他、内部圧力
により変形し、ポンプ特性を変化させる構造では
不具合である。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来、このような問題を解消するため、ケーシ
ングの肉厚を大きくすることが一般的な構成であ
り、特に変形の少ない鋳物で構成することが多い
ものであつた。

この様な一例として、実開昭54−35403号公報
があげられる。

この従来の構成は、ケーシングの肉厚を変える
ことなく、大きくすることで発生する内部圧力に
対する耐圧力の低下をケーシングの外側に補強用
のリブを設けるものである。

このため、ケーシング自体の重量が大きくな
り、渦巻ポンプは大きく重いといつた問題を有し
ていた。

従つて、渦巻ポンプのケーシングは、加工面で
も面倒なものであり、加工の際の輸送等において
も重く、また鋳物の場合は重いために接触時の衝
撃が大きくなり破損し易いといつた問題をも有し
ていた。

本考案は、このような事情に鑑みてなされたも
のであり、特にケーシングの構成を改良すること
で軽量化し、また特性が内部圧力等の原因によつ
て変化しないよう構成した渦巻ポンプを提供する
ことを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 以上の目的を達成するため、本考案において
は、型成形されるケーシングの羽根車の外周側に
径方向へ延設される案内羽根をケーシングと一体
に備えると共にこのケーシングの外側に径方向に
延設されるリブをケーシングの内径側から外径側
へ放射状にケーシングと一体に設け、前記案内羽
根の形成される部分で前記リブを無くし、前記リ
ブと前記案内羽根とによつてケーシングの補強を
成したことによつて問題点を解決している。

［作用］ ケーシングに内圧が発生するとケーシングが大
気圧との差によつて外側へ膨れるように変形する
が、径方向に実質的に連続して形成されるリブと
案内羽根とによつて変形が阻止される。

そして、ケーシングの変形が阻止されることで
ポンプ特性を良好に保持することができる。

［実施例］ 以下、本考案を図面に示された一実施例にもと
づいて説明すると、第１図は、本考案の一実施例
による渦巻ポンプの要部縦断面図であり、第２図
は、その要部正面図である。

第１図において、渦巻ポンプは、ケーシング１
の内部に渦巻式の羽根車２が図示されない電動機
によつて回転するように設けられており、その外
周方向に案内羽根３が型成形可能に型の抜き方向
にケーシング１と一体に形成されて設けられてい
る。

そして、ケーシング１には、内側の案内羽根３
に連続するように外側にリブ４，５がケーシング
１の内径側から外径側へケーシングと一体的に形
成され、リブ４，５は、案内羽根３の形成される
部分で無くなつている。

そして、ケーシング１は、羽根車２を介して反
対側に蓋６が備えられてポンプ室７を形成してお
り、蓋６には内圧による変形が発生しないように
蓋６の径方向全体にリブ８が形成されている。

第２図において、渦巻ポンプは、ケーシング１
の外側にリブ４が形成されており、内側の案内羽
根３に内外を通じて連続するようにリブ５が形成
されている。

このような構成において、渦巻ポンプは、羽根
車２が回転することによりポンプ室７内部の圧力
が高くなり、その内部圧力は、ケーシング１を外
側へ押し出すように変形させる作用を生じる。

しかしながら、ケーシング１は、リブ４，５お
よび案内羽根３がケーシングの径方向の内径側か
ら外径側まで両者が同時にとぎれることなく設け
られることでケーシング１の変形に対抗するよう
に作用してケーシング１の変形を阻止することに
なる。

すなわち、案内羽根３とリブ４，５とによつて
ケーシング１に径方向の梁を形成することができ
る。

特に、リブ４，５に連続するように案内羽根３
をケーシング１と一体に形成することで、第２図
に示されるように必ずしもリブ４，５と案内羽根
３とが一直線にならなくとも、十分な効果を得る
ことができる。

従つて、ケーシング１は、補強されるため肉厚
を薄くすることができ、鋳物で形成しても重量を
軽減することが可能となり、従来の重いといつた
問題を軽減することができる。

また、ポンプ特性上、ケーシング１の内部にケ
ーシング１と一体に案内羽根３を形成したこと
で、羽根車２から回転しながら吐出する水が適度
な流れとなり、ポンプ効率を向上することができ
る。

また、本考案の技術思想によれば、従来の鋳物
で形成されることに限定されるものではなく、樹
脂、アルミニウムあるいはその他の成型材料につ
いて夫々効果が得られるものであり、重量の軽減
の他、材料の節約にも効果が得られるものであ
る。

［発明の効果］ 以上説明の通り、本考案は、渦巻ポンプを形成
するケーシングの羽根車の外周側に案内羽根をケ
ーシングと一体に形成すると共にケーシングの外
側に案内羽根の部分で無くなつているリブを形成
することで補強され、ケーシングの肉厚を薄く形
成する場合にも変形を生じることがなく、ポンプ
特性への影響もなく、重量の軽減や材料の節約に
効果があり、実用的価値が大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例による渦巻ポンプ
の要部縦断面図であり、第２図は、その要部正面
図である。 １……ケーシング、２……羽根車、３……案内
羽根、４，５……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 型成形されるケーシングの羽根車の外周側に径
   方向へ延設される案内羽根をケーシングと一体に
   備えると共にこのケーシングの外側に径方向に延
   設されるリブをケーシングの内径側から外径側へ
   放射状にケーシングと一体に設け、前記案内羽根
   の形成される部分で前記リブを無くし、前記リブ
   と前記案内羽根とによつてケーシングの補強を成
   したことを特徴とする渦巻ポンプ。