JPS6337488B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、少くとも金属化プラスチツクフイル
ムを含むチツプコンデンサの製造方法にかゝわ
る。

近時、電子機器用コンデンサとして、外部リー
ド線を導出することなく、コンデンサ本体に具備
された導電部分を、これを取付ける印刷配線板等
の導電部分に直接接合するチツプタイプのものが
多く使用されるようになつた。しかるにプラスチ
ツクフイルムを誘電体とするチツプタイプのコン
デンサは、いまだ市場において実用されるに至つ
ていない。その理由は、プラスチツクフイルムを
誘電体とするコンデンサは、寸法精度とくに外部
電極の寸法精度が出しにくいこと、またプラスチ
ツクフイルムは一般に耐熱性が低い欠点があつて
印刷配線板にとりつける時劣化しやすい等による
ものと思われる。

本発明は、これらの欠点を改良し、少くとも金
属化プラスチツクフイルムを使用した寸法精度が
よく、また基板に取付ける際のハンダ付における
耐熱特性において従来のものよりもすぐれたチツ
プコンデンサの製造方法を提供するものである。

本発明になるチツプコンデンサの製造方法の要
旨は、特許請求の範囲に記載した通りであるが、
つぎに図面を参照しながら、実施例について説明
する。

第１図は、本発明方法による巻回工程を示し、
ａは正面図ｂは側面図であつて、１は巻心、２は
巻回体である。巻心１は、例えばフエノールレジ
ン、硬質ビユール、ポリイミド、フツ素樹脂ある
いはセラミツクス等耐熱性にすぐれた絶縁物より
なり、一定の長さを有する。巻回体２は、一対の
片面金属蒸着プラスチツクフイルムを巻回したも
の、あるいは一枚の両面金属蒸着プラスチツクフ
イルムと一枚の金属蒸着を施さないプラスチツク
フイルムを巻回したもの等、少くとも金属化プラ
スチツクフイルムを含む誘電体を、巻心１に巻回
したものであつて、巻回の方法は公知の方法によ
る。なお巻心１が、図示したように巻回体２の両
端から突出するように巻回される。

実施例においては、つぎに第２図に示したよう
に、巻心１の突出部を含む巻回体２の両端面に金
属溶射等の手段によつて導電部３を形成する。第
２図ａは正面図、ｂは側面図である。導電部３
は、図には示していないが、それぞれの内部電極
を構成する金属蒸着部分と電気的に接続する部分
を形成しており、その材料は亜鉛、ハンダ等公知
のものでよい。

実施例においては、つぎに第３図に示すよう
に、コンデンサの両端に金属キヤツプ４をかぶ
せ、溶接等によつて、上記導電部３に取付ける。
第３図ａは正面図、ｂは側面図である。溶接によ
つて金属キヤツプ４を導電部３に取付けるには、
第３図ａにおいて、矢印の方向に押圧力を加えて
電気溶接を行うことができるが、その場合、巻心
１が押圧力を支承する作用をする。電気溶接によ
らず、金属キヤツプ４に加熱したコテを押しあ
て、金属キヤツプ４の内側と導電部３を溶着させ
てもよい。金属キヤツプ４の材質は鉄、銅または
ニツケル、もしくはこれらのうちいずれかを含む
合金から適宜選択することができるが、その外面
は例えば印刷配線基板の外部導電部材と電気的に
接続されるものであるから、例えばハンダによつ
てメツキを施しておくものとする。

ついで実施例においては、第４図に示すように
金属キヤツプ４を除く外表面に外装５を施こす。

第４図ａは正面図、ｂは側面図である。すなわ
ち例えば液状のエポキシ樹脂等を塗布した後、加
熱硬化させて外装５が完成する。なお外装材料の
一部分が、金属キヤツプ４の一部分を被覆しても
よい。

第５図は、第４図までに示した本実施例におい
て製造されたチツプコンデンサの断面図である。
図において６は形成された空間であるが、この部
分に外装樹脂が部分的にあるいは全面的に侵入す
ることは構わない。

つぎに本発明の効果について述べる。すなわち
本発明によるチツプコンデンサの発明方法におい
ては、一定寸法の巻心１と、金属キヤツプ４を使
用していることから、コンデンサの外形寸法の精
度が高い。長さ方向の寸法精度は導電部３の厚さ
の変動に依存するが、この厚さは通常0.2〜0.5mm
の程度のものにおいて、バラツキを±0.1mmとす
ることができるから、完成したコンデンサの長さ
方向の寸法精度も充分高く取れる。つぎに完成品
を印刷配線板にとり付ける場合、金属キヤツプ４
と配線板の導電部をハンダ付けによつて取付ける
ことになるが、熱が主として金属キヤツプ４の端
面平面部分から加えられるので、熱がコンデンサ
内の誘電体フイルムに伝達されるまでの径路が比
較的大となり、従つてフイルムに伝達される熱量
が小となる。その結果、誘電体フイルムの熱破壊
が防がれ、耐熱性にすぐれた特性を示す。また巻
心１を使用せず、金属キヤツプ４をコンデンサ端
面に電気溶接またはハンダ付けによつて取付ける
と、金属キヤツプと巻回体が接近しているので、
取付け時の熱伝導および押圧力によつて、巻回体
２と導電部３間の接触部において、導電部材料の
再溶融あるいは剥離が生じて接続不良が生じ易く
なる欠点があるが、本発明においては、そのよう
な欠点が全くない。

なお図面によつて説明した本発明の実施例は、
１例を示したのみであつて、本発明の技術思想お
よび特許請求の範囲内において、多くの変化が可
能であり、またさまざまな工程を付加することが
できる。例えばコンデンサの耐熱性をさらに向上
させるため、第６図の断面図で示したように、導
電部３を形成した後、耐熱性フイルム７を巻回し
て内部を保護することもできる。また金属キヤツ
プ４の形状も目的に応じて、さまざまな形にする
ことができる。

以上開示したように、本発明は比較的簡単な工
程により、また構成材料の種類も少く、寸法精度
の高い、耐熱性にすぐれた金属化プラスチツクフ
イルムを誘電体とするチツプコンデンサの製造方
法を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本発明の実施例を示す。第１
図ａは巻回工程を示す正面図、ｂは同じく側面
図、第２図ａは導電部形成を示す正面図、ｂは同
じく側面図、第３図ａは金属キヤツプ取付けを示
す正面図、ｂは同じく側面図、第４図ａは外装工
程を示す正面図、ｂは同じく側面図、第５図は実
施例において製造されたコンデンサの断面図、第
６図は他の実施例において製造されたコンデンサ
の断面図、これらの図において、 １……巻心、２……巻回体、３……導電部、４
……金属キヤツプ、５……外装、６……空間、７
……耐熱性フイルム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 絶縁物よりなる一定の長さを有する巻心に、
   少くとも金属化プラスチツクフイルムを含む誘電
   体を上記巻心が巻回体の両端から突出するように
   巻回する工程、 上記巻心の突出部を含む巻回体の両端面に金属
   溶射等によつて導電部を形成する工程、 上記導電部を形成した巻回体の両端に、金属キ
   ヤツプをかぶせ、溶接等によつて上記導電部に取
   付ける工程、および 上記取付けた金属キヤツプ以外の部分に外装を
   施こす工程を具備することを特徴とするチツプコ
   ンデンサの製造方法。