JPS6337370B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は非磁性トナーを用いた電子写真用現像
剤に関する。

従来、電子写真用現像剤における非磁性材料の
極性制御は、トナー材料として用いられる樹脂お
よび染料等の選択により行なわれていたが、この
方法によると樹脂の選択範囲が狭い欠点があつ
た。すなわち、極性制御に重点を置いて、その条
件を満たす樹脂を選択した場合には、トナーの定
着温度が必然的に高くなり勝ちで複写時のエネル
ギの浪費となり、またトナーの定着温度を低目に
保とうとして樹脂を選択すると摩擦帯電性が不均
一となり、非画像部に均一な地肌汚れのある画像
ができる傾向があつた。

また染料、顔料の他化学物質によりトナーに極
性を付与する場合には、色調との兼合が問題とな
るし、分散の度合によつては不均一な帯電を生ず
る惧れがある。

本発明は上記の点を改善することを目的とする
もので、非磁性のトナー基材と、キヤリアの帯電
量よりもトナー芯材の帯電量を大とする極性制御
剤からなるトナー芯材に、トナー芯材の帯電極性
と逆極性の正あるいは負の微粒子をトナー芯材表
面に付着せしめたトナーをその微粒子と帯電極性
が逆極性のキヤリアと混合してなることを特徴と
する電子写真用現像剤である。

本発明において、非磁性のトナー材料に対して
摩擦帯電系列において正側にある微粒子としては
酸化アルミニウムまたはニトロセルロースの超微
粒子等が代表的に用いられる。その粒径としては
平均一次粒径が20ｍμ程度のものがよい。この場
合のトナー芯材としては上記微粒子に対して摩擦
帯電系列において負側にあることが望ましく、例
えばパラフエニルフエノール樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、塩素化パラフイン、などの単体あるいは
混合体に対してカーボンを所定量分散させたもの
が用いられる。

また、このトナーと混合して用いるキヤリヤ材
としては、鉄粉のほかガラスビーズ、ロツシエル
塩、シリカ等の粒子に例えば、メチルメタクリレ
ートポリマー、スチレン−メチルメタクリレート
コポリマー、塩化ビニル−イソブチルエーテル共
重合体、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリフ
ツ化エチレン等前記微粒子に対して摩擦帯電系列
において負側にある樹脂を被覆したものが用いら
れる。

なお、上記トナー中に微粒子を添加混合するに
は、ボールミルあるいはジエツトミルにより混合
する方法、あるいはトナー材料の混練中に微粒子
を添加し、微粉砕する方法さらにはトナーを熱雰
囲気中に浮遊させてその表面に微粒子をスプレー
して被着させる方法などがある。何れの場合でも
トナーに対する微粒子の使用量は0.1〜10重量％
が好ましい。

つぎに、トナー材料に対して摩擦帯電系列にお
いて負側にある微粒子としては、親水性あるいは
疎水性シリカ、ポリテトラフルオロエチレン、ニ
トロセルロースなどの1μ以下の微粒子が用いら
れる。この場合のトナー芯材としては、アクリル
系、メタクリル系樹脂、不飽和ポリエステル、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、マレイン酸樹
脂、アルキル変性フエノール樹脂、スチレンなど
にカーボンおよび必要に応じて正極性を付与する
染料、顔料、プラスチツクを改質する可塑剤、界
面活性剤等を添加したものが用いられる。

また、このトナーと混合して用いるキヤリヤ材
としては、還元鉄粉その他、アクリル系、メタク
リレート系、エポキシ系樹脂、メチルターポリマ
ー、ポリビニルカルバゾールその他をもつて被覆
してなるキヤリヤ粒子あるいはさらにこれらに正
極性を付与する染料、顔料その他化学物質を添加
したものが用いられる。

この場合のトナー材料に対する微粒子の添加量
は0.1ないし５重量％好ましく、また得られたト
ナーとキヤリヤとの混合割合はトナー0.5ないし
10重量部に対しキヤリヤ99.5ないし90重量部が好
適である。

本発明によれば、トナーの摩擦帯電性が改善さ
れ均一な帯電が得られ、トナーの耐久性が向上す
るとともに、現像画像の地肌汚れが減少する。ま
た結着剤樹脂の選択範囲が広がり、低温の定着温
度に使用可能な樹脂を有効に使用することができ
る。

つぎに実施例を説明する。なお部は何れも重量
部である。

実施例 １ スチレン−ブチルメタクリレート共重合体 90部 パラフエニルフエノール樹脂 10部 カーボンブラツク 10部 以上のものを熱溶融し、冷却後0.5ないし50μに
微粉砕してトナー芯材とする。このトナー芯材
100部に超微粒子酸化アルミニウム（日本アエロ
ジル社製商品名Al₂O₃−Ｃ）２部を加え、ボール
ミルによつて混合し、これをSt−MMAポリマー
（分子量10万）を表面に被覆した鉄粉キヤリヤ100
部に対し1.5部混合して現像剤とした。

この現像剤のトナー帯電量はブローオフ法で＋
30μC／ｇであつた。そしてこの現像剤で負帯電
の電気潜像を有するポリビニルカルバゾール−
TNF感光体をカスケード現像したところ良好な
ポジ画像が得られた。

実施例 ２ スチレン−ブチルメタクリレート共重合体 75部 塩素化パラフイン 25部 以上のものを熱溶融し、冷却後２mmないし50μ
に粗粉砕した。この粗粉砕トナー芯材96部と超微
粒子酸化アルミニウム（日本アエロジル社製商品
名Al₂O₃−Ｃ）４部とを混合し、さらにジエツト
ミルで粉砕した。生成したトナーを用い実施例１
と同様に現像剤を作成した。この現像剤のトナー
帯電量はブローオフ法で＋25μC／ｇであつた。
そしてこの現像剤で実施例１におけると同様の感
光板をカスケード現像したところ良好なポジ画像
が得られた。

実施例 ３ スチレン−ブチルメタクリレート共重合体 90部 パラフエニルフエノール 10部 フタロシアニンブルー 4部 以上のものを熱溶融し冷却後微粉砕し、分級し
て２ないし30μのトナー芯材を作成した。このト
ナー芯材98部を雰囲気温度130℃の空気中に浮遊
させ、これに超微粒子酸化アルミニウム２部をス
プレーによつてまぶした。このトナーを使用して
実施例１並びに２と同様に現像剤を作成した。こ
の現像剤のトナー帯電量は＋21μC／ｇであつた。
そしてこの現像剤で実施例１におけると同様の感
光板をカスケード現像したところ良好なシアン色
を有するポジ画像が得られた。

実施例 ４ スチレン−メチルメタクリレートコポリマー
100部 カーボンブラツク 10部 ニグロシン系染料〔ニグロシンベースEX（オリエ
ント化学社製）〕 4部 以上のものを混合してトナー芯材を作成した。
このトナー芯材100部に対して疎水性シリカ微粉
末（デクサ社製D17）２部を流体混合法で混合し
トナーとした。

このトナー１部に、鉄粉にSt−MMA共重合体
を被覆した粒径200μのコートキヤリヤ99部を混
合し現像剤とした。この現像剤のトナー帯電量は
ブローオフ法で測定した結果−40μC／ｇであつ
た。こ現像剤にてプラスの静電荷像を有するセレ
ン感光板を現像したところ良好な画像が得られ
た。

実施例 ５ エポキシ樹脂（旭化成社製AER664R） 100部 カーボンブラツク 10部 以上のものを混合してトナー芯材を作成した。
このトナー芯材100部に親水性シリカ（デクサ社
製Ａ−200）２部を加え流体混合してトナーとし
た。

このトナー１部に、MMA100部にニグロシン
ベースEX（オリエント化学社製）４部添加した樹
脂をもつて被覆した鉄粉よりなるキヤリヤ99部を
混合して現像剤とした。この現像剤のトナー帯電
量は−32μC／ｇであつた。この現像剤にてプラ
スの静電荷像を有するセレン感光板を現像したと
ころ良好な画像が得られた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 非磁性のトナー基材と、キヤリアの帯電量よ
   りもトナー芯材の帯電量を大とする極性制御剤か
   らなるトナー芯材に、トナー芯材の帯電性と逆極
   性の正あるいは負の微粒子をトナー芯材表面に付
   着せしめたトナーをその微粒子と帯電極性が逆極
   性のキヤリアと混合してなることを特徴とする電
   子写真用現像剤。