JPS6337153Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は圧入装置に関するもので、詳しくは、
車両のトランスアクスルとドライブシヤフト等の
セレーシヨン心出し仮付作業があり、かつ、圧入
荷重と圧入終了時の寸法精度確認が必要な、コン
ベアと同期して動く半自動圧入装置に関するもの
である。

（従来技術） 従来のこの種の圧入装置においては、ただ圧入
するだけであり、圧入終了時の寸法精度確認をし
ておらず、品質の確認を実施していなかつた。ま
た心出し仮付けの保持機構がないため、圧入時に
はずれて圧入できないものがあり、又、圧入装置
とコンベアが同期していないため、作業者が圧入
装置を保持して、搬送されてくるワークに伴つて
つれ歩きをして作業をしていた。

（考案が解決しようとする問題点） このように従来の圧入装置は、圧入終了時の寸
法の確認をしていなかつたので、品質上問題があ
り、又、仮付の保持機構がなかつたこと及び作業
員が圧入装置を持つたまま搬送ラインにそつてつ
れ歩きしなければならないなど極めて作業性が悪
いという問題があつた。

本考案の主な目的は、セレーションの心出し仮
付け作業を容易に行ない、しかも、圧入終了時に
寸法精度確認をしてその圧入の適否の判別を行な
い、また圧入装置がコンベアと同期して動き、か
つ、圧入終了後に自動的に原位置に復帰する圧入
装置を提供することにある。

（問題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案は、走行レー
ル上を走行するリフトテーブルを設ける。そして
このリフトテーブル上に次のものを装着する。

即ち前記リフトテーブル上に取付けられリフト
テーブルの走行方向に移動可能に対向して設けら
れた２個のブロツクと、該ブロツクのそれぞれの
上端に前記リフトテーブルの走行方向に対して直
角方向にスライド可能に取付けられた圧入する部
材を支持するための支持具と、前記ブロツクの支
持具に支持された圧入する部材のワークへの圧入
所定寸法の測定を行うための変位測定器と、前記
リフトテーブルに固定され前記ブロツクをリフト
テーブルの走行方向に押す圧入シリンダと、前記
リフトテーブルに固定され前記ブロツクの一方を
リフトテーブルの走行方向に押し圧入する部材の
仮付けが外れないように保持するための仮付保持
シリンダを装着する。

そして前記リフトテーブルを後退させるための
圧入装置後退用駆動部を設けたものである。

（作用） このように構成することにより、トランスアク
スル（ワーク）のドライブシヤフト圧入孔とドラ
イブシヤフト（圧入する部材）との芯合せは、リ
フトテーブルの上下動及び支持具とブロツクとの
取付部でのスライドにより支持具を移動して行
う。そして次にブロツクをリフトテーブルの走行
方向に移動して仮付けし、仮付保持シリンダにて
その状態を保持しながら、トランスアクスル（ワ
ーク）の他の側に同様にドライブシヤフト（圧入
する部材）を芯合せして仮付けする。この状態で
圧入シリンダを作動し、変位測定器で圧入量を測
定しながら圧入する。

上記一連の圧入作業は、搬送されてくるエンジ
ンとトランスアクスル（ワーク）の搬送速度に同
期してリフトテーブルを走行させながら行う。

圧入終了後に圧入シリンダの押付力を解除して
リフトテーブルを下降し、圧入装置後退用駆動部
が作動して、リフトテーブルは走行し、元の位置
に後退する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を、車両組立工場のエ
ンジン準備ラインに設置した場合について、図面
を参照しながら説明する。

第１図において９は車輪８を備えたリフトテー
ブルであり、第２図に示すように圧入装置後退用
駆動部６の動力により、従動部１９に掛けられた
チエーン７を介してレール１８上を走行するよう
になつている。

このリフトテーブル９上には、ブロツク２２が
２個取付けられている。

そして、この２個のブロツク２２は、第４図及
び第５図に示すようにカムフオロワ２３及びリニ
アモーシヨンローラ２４を介してレール２５に案
内され、リフトテーブル９の走行方向に移動可能
になつている。１２は支持具であり、この支持具
１２は、２個のブロツク２２のそれぞれに、リフ
トテーブル９の走行方向に対し直交してスライド
可能に嵌め合されている。又、支持具１２の先端
を、ワークの形状に合せて作られ、本実施例の場
合は、Ｕ字状に形成した支持具１２が嵌合してい
る。この支持具１２は、ワークに対応して取換え
られる。

このようにして支持具１２は、リフトテーブル
９の上下動、ブロツク２２のリフトテーブル走行
方向への移動及びブロツク２２との嵌合部で、リ
フトテーブル９の走行方向に対する直交方向への
移動により、上下左右の移動が可能になつてい
る。１３は、ブロツク２２の一方に固定された変
位測定器であり、ワークに近い位置に取付けら
れ、圧入量を1/100mmまで測定可能なものである。

第１図において、１０はリフトテーブル９上に
取付けられた圧入シリンダであり、２個のブロツ
ク１２間の間を縮めるようにブロツク１２を押す
位置に設けられている。１１はこの圧入シリンダ
１０用の油圧ユニツトである。１４は昇降可能に
リフトテーブル９上に取付けられた昇降式ストツ
パであり、上昇したときに例えばエンジン１とト
ランスアクスル２を一体に結合したワークを搬送
するエンジントレー５に当る位置に設けられてい
る。そして第３図に示すように、リフトテーブル
９は、エンジントレー５の搬送に同期してレール
１８上を移動する。１５はエンジントレー５と支
持具１２との位置決めをするアンチバツクであ
る。２０はリフトテーブル９上に固定された仮付
保持シリンダであり、ブロツク２２の一方側に対
して設けられ、ブロツク２２を圧入側に押すよう
になつている。この仮付保持シリンダ２０の作動
は、図示省略のエア源により行なわれる。

なお図中１６は中継ボツクス、１７はエア供給
及び制御線用ケーブルベア、２１は、リフトテー
ブル９上に取付けられ、リフトテーブル９を下降
することによりブロツク２２相互間を押し広げる
ためのカムである。

以上のように構成した本実施例の作用を次に説
明する。

ワーク（以下一体的に結合されたエンジン１と
トランスアクスルという）２は、エンジントレー
５に載せられて搬送されてくる。そしてエンジン
トレー５の進入信号により、昇降式ストツパ１４
が上昇してエンジントレー５に当接し、リフトテ
ーブル９はエンジントレー５と同期して走行する
と共に、アンチバツク１５によつて支持具１２と
トランスアクスル２との位置決めが行なわれる。
次にリフトテーブル９により支持具１２の高さが
調整される。作業者は圧入する部材（以下ドライ
ブシヤフトという）３を支持具１２にセツトし、
支持具１２を前後左右に移動しながら、トランス
アクスル２の圧入孔とドライブシヤフト３とのセ
レーション合せを行う。そして第６図に示すよう
にドライブシヤフト３を３′のように仮付けし、
仮付保持シリンダ２０によりブロツク２２を押し
て仮付が保持される。これは作業者が反対側のド
ライブシヤフト４のセレーション合せ作業時およ
び圧入シリンダ１０のシリンダロツドがブロツク
２２に当たるまでにドライブシヤフト３の仮付が
はずれないようにするためである。そして、ドラ
イブシヤフト４の仮付けが終了すると、起動ボタ
ンにより圧入シリンダ１０のシリンダロツドが前
進する。シリンダロツドがブロツク２２に当ると
同時に圧入作業が開始され、所定の圧入位置まで
圧入される。その後、変位測定器１３により圧入
終了寸法の測定を行ない、圧入作業の適否の判別
を実施する。なお第６図において、符号３″はド
ライブシヤフト３の圧入終了時の状態を示してい
る。そして、図示のスナツプリングａは圧入終了
後には開いて抜け防止の役割を果す。ここで、圧
入作業が適正であれば、圧入シリンダ１０のシリ
ンダロツドは後退する。この後退終了後、リフト
テーブル９は下降し、このとき、カム２１により
支持具１２およびブロツク２２は原位置に強制復
帰させられる。また仮付保持シリンダ２０のシリ
ンダロツドもこのときに原位置に復帰させられ
る。なお仮付保持シリンダ２０のエアーは圧入終
了時に排気されている。リフトテーブル９が下降
端に下がると、圧入装置後退用駆動部６によりリ
フトテーブル９は原位置に復帰する。また圧入作
業が適正でない場合は、圧入サイクルオーバーと
し、ドライブシヤフト３，４を取替えて再度圧入
作業を行なう。なお圧入シリンダ１０の発生力は
圧力コントロールにより、圧入開始時は小さく、
圧入終了時は大きく設定されている。また変位測
定器１３は可能な限りワークに近い位置に取付け
て測定精度を上げるようにしている。

（考案の効果） このように、本考案の圧入装置は、前述した構
成からなるので、圧入終了時に寸法精度の確認を
して圧入状態の適否の判別をすることができ、圧
入工程における品質を確認することができる。ま
た支持具が前後左右にスライドするため、すなわ
ち、幅方向と長手方向に摺動できるため、セレー
ション合せ作業が容易であり、かつ、仮付けの保
持機構を有するため、作業性が良好である。しか
も、圧入装置がコンベアと同期し、かつ、圧入終
了後に自動的に原位置に復帰するから、圧入装置
が圧入時および後退時には他の作業を行なうこと
ができるなど、本考案の奏する効果は、きわめて
大である。

又、コンベヤで搬送されてくるワークとは無関
係に、圧入する部材を支持している支持具を動か
して位置合せするので、コンベヤにて搬送されて
くるワークの位置が一定していなくてもその都度
位置合せをすることができる。これによりワーク
に圧入する部を確実に圧入することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１
図は正面図、第２図は平面図、第３図は斜視図、
第４図は圧入刃の付近の拡大正面図、第５図は第
４図の側面図、第６図はドライブシヤフトとトラ
ンスアクスルの関係を拡大して示した説明図であ
る。 １……エンジン、２……トランスアクスル、
３，４……ドライブシヤフト、５……エンジント
レー、６……後退用駆動部、７……走行用チエー
ン、８……車輪、９……リフトテーブル、１０…
…圧入シリンダ、１１……油圧ユニツト、１２…
…支持具、１３……変位測定器、１８……走行用
レール、１９……従動部、２０……仮付保持シリ
ンダ、２１……カム、２２……ブロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワーク搬送ラインに並行に設けたレール上を走
   行するリフトテーブルを有し、該リフトテーブル
   の走行方向に移動可能に２個のブロツクを対向し
   てリフトテーブル上に取付け、該ブロツクのそれ
   ぞれの上部に前記リフトテーブルの走行方向に対
   して直角方向にスライド可能に圧入する部材を支
   持するための支持具を取付けると共にワークへの
   圧入する部材の所定圧入量を測定する変位測定器
   を取付け、前記支持具の一方で支持した圧入する
   部材をワークに仮差し込みしブロツクを押してこ
   の状態を保持する仮付保持シリンダ及び前記仮差
   し込みした圧入する部材と他方の支持具にセツト
   した圧入する部材をワークに同時に圧入するため
   にブロツクを押す圧入シリンダを前記リフトテー
   ブルに固定し、圧入完了後に前記リフトテーブル
   を元の位置に後退させる圧入装置後退用駆動手段
   を基台に設けた圧入装置。