JPS6336387Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビツクリ箱の蓋などを瞬時に開く瞬
時回動機構を有するオルゴールに関する。

本出願人は実願昭56−146031号明細書でオルゴ
ールなどの駆動源でビツクリ箱の蓋などを瞬時に
開いたり、物品を瞬時に移送する瞬時回動装置を
提案したが、ビツクリ箱などに組み込む時、瞬時
回動装置が大型になると共にオルゴールとは別体
に構成されているのでオルゴール単品として取り
扱い難い欠点がある。

本考案の目的は、オルゴールにドラムの回転で
エネルギーが蓄勢されるバネを組み込み、オルゴ
ールをビツクリ箱等に嵩張らずに簡単に組み込み
出来る瞬時回動機構を有するオルゴールを提供す
ることにある。

本考案の特徴は、バネの一端を保持部に離脱自
在に係止し、他端をドラムやドラム軸に係合して
バネにドラムの回転で蓄勢し、バネの一端が保持
部から係止解除で回動部材の受け部を蹴つて瞬時
回動するようにしたことである。

以下、図示の実施例で本考案を説明する。瞬時
回動機構を有するオルゴールを手回わし式オルゴ
ールでビツクリ箱に内装された例で述べると、第
１図から第３図でビツクリ箱１はケース２と蓋３
とで形成されてケース２内の底部に支柱２ａが植
設され、支柱２ａ上に手回わしオルゴール４が載
置固定されてオルゴール４のハンドル１０がケー
ス２の横側より外部に突出されている。ケース２
内のオルゴール４の上方に中仕切りケース１１が
固定され、中仕切りケース１１内にコイルバネ１
２でビツクリ人形の頭部１３が取り付けられて蓋
３はバネ１２で開くように付勢されている。

前記ケース２内の一側には回動部材５が軸５ａ
で回動自在にケース２に軸承されてバネ１４で時
計方向に回動付勢され、回動部材５の一端５ｂは
鈎状に形成されて蓋３に形成された鈎部３ａが係
止され、回動部材５の他端受け部５ｃはオルゴー
ル４のフレーム６の下面に臨まされている。

手回わしオルゴール４はフレーム６上の支柱６
ａ，６ａにカシメ固定された押え板１５で前記ハ
ンドル１０が回転自在に軸承されると共に支柱６
ｂと６ｃで当たり止めされ、ハンドル１０に形成
又は固定されたウオーム１６がドラム軸１７に嵌
合されたウオーム歯車７に噛合されている。ドラ
ム軸１７はフレーム６上の支柱６ｄ，６ｅに固定
され、ドラム軸１７にはウオーム歯車７とドラム
８が夫々回転自在に嵌合されている。ウオーム歯
車７にはクラツチ爪７ａが一体に形成されてドラ
ム８の一側端面に形成されたラチエツト歯車８ａ
に係合されている。ドラム８の外周には複数のピ
ン８ｂが突出されてフレーム６上にビス１８で固
定された振動板１９がピン８ｂに臨まされてい
る。

前記ドラム８の他側端面にはボス部８ｃが突設
されてその外周にコイル状バネ９が嵌挿され、バ
ネ９の一端９ａは屈曲されてフレーム６の上面で
構成された保持部Ａ上に離脱自在に係止されてい
る。ドラム８の下側のフレーム６には開口６ｆが
穿設されて保持部Ａから係止が解除されたバネ９
の一端９ａは開口６ｆ内に落下するように構成さ
れている。バネ９の他端９ｂはドラム８内に挿入
されてドラム８内の放射状の梁８ｄなどに係合さ
れ、ドラムの回転でバネ９は巻き締まるように構
成されている。

瞬時回動機構を有するオルゴール４が前記のよ
うにビツクリ箱１に内装されてハンドル１０が回
転されると、ドラム８が第３図で時計方向に回転
されてピン８ｂで振動板１９が弾かれ、オルゴー
ルが鳴奏されると共にバネ９が巻き締められ、バ
ネは巻き締められると一端９ａが保持部Ａ上に乗
つている長さが第４図のように順次減少して保持
部Ａから開口６ｆ内に係止解除されて落下される
と共に一端９ａは回動部材５の受け部５ｃを蹴
る。このとき一端９ａは巻き締めで蓄勢されたエ
ネルギーが瞬時に解放されて受け部５ｃに衝撃を
与えるので回動部材５は反時計方向に回動されて
鈎状の一端５ｂは蓋３の鈎部３ａから離脱され、
蓋３はコイルバネ１２で押し開かれて頭部１３が
ビツクリ箱１の上側に突出される。受け部５ｃを
蹴り終えたバネ９の一端９ａはドラム８の回転に
従動して略１回転された後保持部Ａに係止され、
さらにドラム８が回転されるとバネ９は巻き締め
られてエネルギーが蓄勢されると共に前記のよう
に保持部Ａ上での長さが減少して係止が解除され
て瞬時に蓄勢が解放される。

前記説明ではオルゴールを手回わしハンドルの
オルゴールで述べたが、香箱内の全舞を駆動源に
して鳴奏されるオルゴールのドラムにバネ９を設
けてもよい。

第５図はフレームから突出されてドラム８と一
体回転されるドラム軸２０に円盤２１が固定され
てバネ９の他端９ｂが掛け止めされた変形例で、
回動部材５の軸５ａが軸承されたケースに保持部
Ａが台状に形成されている。

第５図の動作は第１図の瞬時回動機構の場合と
同様である。

第６図はドラム８と一体に回転されるドラム軸
２０に板状のバネ９の他端が固定されて一端が保
持部Ａ上に乗接係止されるように構成された変形
例で、一端が保持部Ａから係止解除されたとき図
示されない回動部材の受け部が衝撃を受けるよう
に臨まされている。

第７図は回動部材が軸５ａと円盤２２と受け部
を構成する歯車２３で構成された変形例で、前記
第３図から第６図のバネ９が歯車２３の歯先の何
れか１個に衝合するように配置され、バネ９の一
端が保持部から係止が解除されて歯先に衝合され
たとき円盤２２が回転される。

第７図の円盤のようにアタツチメントは他の構
造でもよい。

本考案は前述のように構成されたから、ドラム
の回転でエネルギーが蓄勢されるバネがオルゴー
ルに組み込まれているので、例えば蓋の閉め鈎部
が形成された回動部材を有するビツクリ箱にオル
ゴールを組み込むことでビツクリ箱が完成される
等オルゴールの取り扱いが容易となり、瞬時回動
機構が嵩張らずコンパクトとなる。更にオルゴー
ル利用商品の設計自由度が高くなり、オルゴール
の動作スピード以上の高速でアタツチメントを動
かすことが出来る等実用上優れた効果を奏する瞬
時回動機構を有するオルゴールを提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例が示めされ、第１図はビ
ツクリ箱に組み込まれた瞬時回動機構を有するオ
ルゴールの説明図、第２図は瞬時回動機構を有す
る手回わしオルゴールの平面図、第３図は同側面
図、第４図はドラムとバネと保持部の要部斜視
図、第５図はドラム軸にバネ掛け用円盤が固定さ
れた変形例説明図、第６図はドラム軸に板状のバ
ネが固定された変形例説明図、第７図は受け部が
歯車で構成された変形例説明図である。 ４…オルゴール、５…回動部材、５ｃ，２３…
受け部、８…ドラム、９…バネ、９ａ…一端、Ａ
…保持部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一端をドラムと一体に固定し他端を自由端とし
   たバネと、該バネの自由端の回動域に臨むオルゴ
   ールのフレーム等の固定部材と、上記自由端の回
   動方向で固定部材を越えた回動域に臨む受け部
   と、該受け部と一体の回動部材とから成り、 ドラムの回転により上記自由端が固定部材を越
   えて瞬時に回動したとき、自由端が受け部と当た
   つて回動部材を回動させるようにした瞬時回動機
   構を有するオルゴール。