JPS633627Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属製真空二重の容器の口元外周に肩
部材を装着したポツトの改良に関するもので、そ
の目的とするところは肩部材を金属製真空二重容
器の口元外周に簡単かつ確実に装着したポツトを
提供するにある。

以下、本考案実施例を電気ポツトの図面に基づ
き説明する。

電気ポツトＡは金属製真空二重の容器１と容器
の上端に装着する中央開口の肩部材２と、この肩
部材を容器の外壁に固定する締付部材３と、肩部
材の上端に着脱自在に装着する上蓋４と、容器の
下端に装着する底部材５と、容器内の液体を吐出
しかつ液量表示を備えた吐出部材６と、容器内の
液体を加熱、保温するヒーター７並びにヒーター
への通電を制御する通電制御部材８とから構成さ
れている。

容器１はステンレス等の金属製の内壁９、外壁
１０及び底板１１とからなつている。

内壁９は円筒型の内壁胴部１２と、この内壁胴
部の上端より内方に湾曲して上部を内壁胴部の径
よりも小径とした内壁口元部１３とを一体成形し
ており、この内壁胴部１２には下端に外方に突出
の第１環状フランジを設けている。

内壁口元部１３は上部内周に後述の上蓋４を螺
着する雄ネジ１４を設けると共にその上端に上方
の突出の第２環状フランジを設けている。

外壁１０は内壁胴部１２と所定の間隔を隔てた
円筒型の外壁胴部１５と、内壁口元部１３と所定
の間隔を隔てた外壁口元部１６とを一体成形して
おり、この外壁胴部１５には下端に内壁胴部１２
の第１環状フランジと接合しうる外方に突出の第
３環状フランジを設けている。

外壁口元部１６は上端を内方に折り曲げ、その
先端に内壁口元部１３の第２環状フランジと接合
しうる上方に突出の第４環状フランジを設け、下
端に後述の肩部材２の凸状体１７を嵌合する環状
溝１８を設けている。

底板１１は底盤部１９と、この底盤部の外周端
より上方に突出した円筒型の底筒体部２０とを一
体成形しており、この底筒体部２０の前面壁下端
に後述の吐出部材６の中空ジヨイント２１と容器
１内とを連通する接続管２２を溶着し、上端に内
壁胴部１２の第１環状フランジと接合しうる外方
に突出の第５環状フランジを設けている。

２３は外壁胴部の第３環状フランジ、内壁胴部
の第１環状フランジ、底筒体部の第５環状フラン
ジを接合、溶着個所を挾持した環状の挾持体であ
る。

容器１は内壁口元部１３の第２環状フランジと
外壁口元部１６の第４環状フランジとを接合、大
気圧下、溶着し、次に外壁胴部１５の第３環状フ
ランジ、内壁胴部１２の第１環状フランジ及び底
筒体部２０の第５環状フランジを順次接合、真空
下、内壁、外壁間の真空引きと共に溶着してい
る。

肩部材２は合成樹脂材料等にて容器１の口元と
連通する中央開口の開口壁部２４と外壁口元部１
６外周を覆う肩部２５とを一体成形しており、こ
の肩部の上方前面に後述の吐出部材６のカバー体
４９を係止する突起体２７を設けている。

肩部２５下端は第３図に示すように内周に外壁
胴部１５の環状溝１８に嵌合する凸状体１７を設
け、この凸状体１７と対抗する外周に後述の締付
部材３のリング体２８を係合しうる周溝２９と、
リング体２８の鍔３０を係止するリブ３１とを設
けている。

このリブ３１には締付部材３のボルト３２を挿
通しうる透孔を穿設している。

３３は容器１の口元と開口壁部２４下端との間
に介在するパツキンである。

締付部材３は第３図に示すように肩部２５の周
溝２９に係合するリング体２８と、このリング体
を締上げるボルト３２、ナツト３４とを備えてい
る。

このリング体２８は環状の一部をきりかいて、
このきりかいた両端を外方に突出しそれぞれ鍔３
０としており、この両鍔３０にはボルト３２を挿
通しうる透孔を穿設している。

肩部材２の締付けにあたつて、まず容器１の上
方より肩部材２を押圧し、外壁胴部１５の環状溝
１８内に肩部２５の凸状体１７を無理嵌めした
後、肩部材の上方より締付部材３のリング体２８
を挿通し、リング体を肩部２５の周溝２９に係合
させると共にリング体２８の両鍔３０をそれぞれ
肩部２５の両リブ３１外側に当接し、ボルト３２
を一方の鍔３０より他方の鍔へ挿通し、ナツト３
４にて締上げている。

上蓋４は上、下、中央を開口するベローズポン
プ３５と、ベローズポンプの上部開口に遊嵌する
プツシユ弁３６と、ベローズポンプ内よりプツシ
ユ弁を押圧するスプリング３７と、ベローズポン
プ上面に載置するガイド板３８と、ベローズポン
プ、プツシユ弁、スプリング、ガイド板を内蔵す
る蓋体３９と、蓋体の上部中央開口を上下摺動す
る押板４０と、押板の上下摺動を規制するストツ
パ装置４１と、ベローズポンプの下部開口と連通
し、蓋体の下端内壁に装着する下板４２と、下板
の中央開口とベローズポンプの下部開口との間に
介在するパツキン４３と下板の下端にビス止めさ
れかつベローズポンプの下部開口と連通する中央
を開口した覆板４４とを備えている。

この覆板４４はステンレス等の金属材料にて中
央の開口を除いて容器内の蒸気と直接接触する下
板４２の全面を覆つており、下部外周に内壁口元
部１３の雄ネジ１４に螺着する雄ネジ４５を設
け、上部外周に肩部材２の開口壁部と当接する環
状パツキン４６を張設している。

吐出部材６は容器内の液体を吐出する吐出パイ
プ４７と、この吐出パイプと連通した液量表示管
４８と、液量表示管と容器の接続管２２とを連通
する中空ジヨイント２１と、吐出パイプ、液量表
示管を覆うカバー体４９とを備えている。

液量表示管４８はガラス等の透明な中空パイプ
にて形成されており、下端を内部空胴の中空ジヨ
イント２１を介して接続管２２と連通し、上端を
吐出パイプ４７の後端に接続している。

吐出パイプ４７は後端を液量表示管４８上端に
連続し、他端を吐出口５０としている。

容器内の液体は上蓋４の押板４０を押圧し、ベ
ローズポンプ３５内の圧縮空気を容器内に送気す
ることによつて、接続管２２、中空ジヨイント２
１、液量表示管４８、及び吐出パイプ４７を通
り、吐出口５０より吐出する。

カバー体４９は液量表示管４８の前面に位置す
る個所をきりかいており、下端を後述の底部材５
前面に装着し、上端の後部を肩部材２の突起体２
７に係止して、液量表示管４８、吐出パイプ４７
を固定している。

カバー体４９の前面下端には吐出パイプ４７の
吐出口５０が外部に突出するための透孔を穿設し
ている。

底部材５は容器１の底筒体部２０周壁を覆う外
装体５１と、容器１の底盤部１９を覆う中央開口
の底カバー５２と、底カバーの中央開口を閉鎖す
る平板５３とを備えている。

外装体５１は上端を挾持体２３下端に係合し、
下端を底カバー上端に係合している。

底カバー５２の背面には外部電源用のプラグ受
け５４を挾持している。

平板５３は容器の底盤部１９外壁と所定の間隔
を保持してビス止めされており、このビスの螺締
によつて底カバー５２並びに外装体５１を押圧固
定している。

ヒーター７は湯沸し用及び保温用のヒーターと
を備えており、この各ヒーターはリード線を介し
てプラグ受け５４に接続している。

通電制御部材８は湯沸し用ヒーターが所定の温
度に達するとこのヒーターをオフするサーモスタ
ツト５５と、容器内の液体温度を感知して保温用
ヒーターへの通電を断続的にオン−オフするサー
マルリードスイツチ５６と、温度ヒユーズ５７と
を備えており、このサーモスタツト、サーマルリ
ードスイツチ、温度ヒユーズはそれぞれ各リード
線を介して直接又は間接的にプラグ受け５４に接
続している。

このサーモスタツト５５、サーマルリードスイ
ツチ５６、温度ヒユーズ５７は容器１の底盤部１
９外壁に固定されている。

本考案は電気ポツトについて説明したが、これ
に限定されるものではなく、金属製真空二重の容
器を用いたエアーポツト、ハンデイ式ポツト、
又、携帯用ポツト等であつても何等支障をきたす
ものでない。

以上の如く、本考案に於いては、内、外壁間が
真空断熱されてなる金属製真空二重容器の外壁の
口元部外周に環状溝を設け、肩部材の下端内周に
環状溝に嵌合する凸状体を設けると共にこの凸状
体と対抗する外周に環状の周溝を設け、肩部材を
締付ける締付部材のリング体をこの周溝に係合し
た後締付部材を緊縮しているので、肩部材と容器
外壁との間にガタツキが発生したり、離脱するこ
とが全くない。

即ち、経時変化等によつて肩部材の内径が広が
ろうとしても締付部材にて肩部材を容器外壁に固
く胴締めしているために肩部材がガタついたり又
は離脱することがなく確実かつ安定性に優れたも
のである。

又、容器の外壁に肩部材を嵌め込み、この肩部
材の周溝に締付部材のリング体を係合して締付け
るだけなので煩雑な作業もなく、部品点数も少
く、組立加工が極めて容易となり、かつ安価に製
作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の背面図、第２図は本考
案実施例の縦断面図、第３図は本考案の要部を示
す解体斜視図である。 Ａ……電気ポツト、１……容器、２……肩部
材、３……締付部材、４……上蓋、５……底部
材、６……吐出部材、７……ヒーター、８……通
電制御部材、９……内壁、１０……外壁、１１…
…底板、１２……内壁胴部、１３……内壁口元
部、１５……外壁胴部、１６……外壁口元部、１
７……凸状体、１８……環状溝、２４……開口壁
部、２５……肩部、２７……突起体、２８……リ
ング体、２９……周溝、３０……鍔、３１……リ
ブ、３２……ボルト、３４……ナツト、３５……
ベローズポンプ、３６……プツシユ弁、３７……
スプリング、３８……ガイド板、３９……蓋体、
４０……押板、４２……下板、４４……覆板、４
７……吐出パイプ、４８……液量表示管、４９…
…カバー体、５４……プラグ受け、５５……サー
モスタツト、５６……サーマルリードスイツチ、
５７……温度ヒユーズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製の内壁９、金属製の外壁１０間が真空断
   熱されてなる真空二重の容器１を設け、この容器
   １の口元と連通する中央開口を備えた肩部材２を
   容器１の口元外周に装着したポツトＡであつて、
   上記容器１の外壁口元下端外周に環状溝１８を設
   け、この環状溝１８に嵌合する凸状体１７を肩部
   材２の下端内周に設ける一方、肩部材２の凸状体
   １７と対抗する下端外周に環状の周溝２９を設け
   ると共に肩部材２を容器１の外壁に固定する締付
   部材３を設けて、この締付部材３を周溝２９に係
   合し、締付部材３の緊縮にて肩部材２を容器１の
   外壁に胴締めしたことを特徴とするポツト。