JPS6312827Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は低注出口型のポンプ注液式液体容器に
関し、さらに詳しくはそのようなポンプ注液式液
体容器において、一連の液体注出通路の外ケース
外に露出する部分の外側を被覆するパイプカバー
の取付構造に関するものである。

従来のこの種の低注出口型ポンプ注液式液体容
器におけるパイプカバー取付構造では、パイプカ
バーはその上部を下口部材に単に嵌合し、下部を
パイプカバー取付専用のビスで固定して装着させ
ていたので、該パイプカバーを取付けるための工
程及び部品点数（ビス）が多くなつていた。

本考案は、上記の如き従来のポンプ注液式液体
容器におけるパイプカバー取付構造の問題点を改
善することを目的としてなされたものであつて、
パイプカバーの後方部に、外ケースと肩部材とを
結合するための補強部材に形成した係合部に係合
する係止片を形成し、前記係合部に前記係止片を
係止した状態でネジリングで前記補強部材を上方
に締め上げた状態において前記パイプカバーが液
体容器本体に固定されるようにし、以つてパイプ
カバーを取付けるための工程及び部品点数を少な
くし、さらに該パイプカバーを確実に固定し得る
ようにしたことを特徴とするものである。

以下、図示の実施例に基づいて本考案のポンプ
注液式液体容器を説明すると、第１図には第１実
施例、第２図には第２実施例がそれぞれ示されて
いる。

第１図に示すポンプ注液式液体容器において、
符号１は液体容器本体、２は該液体容器本体１の
上部に蝶番３によつて枢着された蓋体、４は外ケ
ース、５は外ケース４内に収容された真空二重瓶
製の液容器、６は外ケース４の上部に載置された
環状の肩部材（以下、この実施例では肩部材を下
口部材と称す）、７は下口部材６のほぼ中央部に
形成した給液口、８は液容器５内に挿入される液
体汲上用の縦管１２と液容器５外において前方に
延出する液体注出用の横管１３とを栓１１で接続
してなる導液管ユニツト、９は蓋体２内に収容さ
れたベローズ式のポンプ装置を示している。

下口部材６は合成樹脂によつて皿状に形成され
ている。又、下口部材６の前部は前方に向けて突
出させており、該下口部材６の前方突出部１６に
は開口部１７が形成されている。

導液管ユニツト８はその栓１１部分を給液口７
に嵌挿させることによつて液体容器本体１に装着
されている。

導液管ユニツト８の装着時には横管１３の先端
吐出口１３ａが前記下口部材前方突出部１６に形
成した開口部１７から下方に臨むようになつてい
る。

栓１１には縦方向に貫通する空気通路１４が形
成されていて、蓋体２の閉蓋時にはポンプ装置９
と液容器５とが栓内空気通路１４を介して連通す
るようになつている。

前記下口部材前方突出部１６の下面には開口部
１７の口縁を囲むようにして縦長の注出補助管１
８が一体形成されている。この注出補助管１８は
液体注出時に横管１３の先端吐出口１３ａから吐
出される液体を下方に案内して液体容器本体１の
中段位置から注出し得るようにするためのもので
ある。なお、横管１３の先端吐出口１３ａは注出
補助管１８内に適宜深さまで差し込まれている。

外ケース４の上端部には環状の内向き段部２９
が形成されていて、該内向き段部２９上に下口部
材６を載置させている。

下口部材６の下面には給液口７の外側を囲むよ
うにして筒壁２６が下向きに一体形成されてい
る。この筒壁２６の外面には雄ネジ２７が刻設さ
れている。

又、該筒壁２６の外側には下口部材６を外ケー
ス４上で固定するための環状の補強部材１９が嵌
装されている。この補強部材１９は外ケース４の
内径とほぼ同寸法の外径をもつており、又、該補
強部材１９の外周部（この第１実施例では該外周
部が実用新案登録請求の範囲中の係合部となる）
１９ａは上向きに屈曲せしめられていて、前記外
ケース４の内向き段部２９の下面に当接し得るよ
うになつている。又、筒壁２６に形成した雄ネジ
２７には補強部材１９の下側からネジリング２０
を螺合させている。そして、該ネジリング２０を
締め込むことにより補強部材１９が押し上げら
れ、該補強部材１９の外周部（係合部）１９ａと
下口部材６の下面との間で外ケース内向き段部２
９を強固に挾着し、以つて下口部材６を外ケース
４上に固定させている。

液体容器本体１の前面には前記注出補助管１８
を被覆するためのパイプカバー２１が取付けられ
ている。このパイプカバー２１は上方が開放され
たケース状に形成されていて、前壁２１ａ、両側
壁、底壁２１ｂ及び後壁２１ｃを有している。

パイプカバー２１の後壁２１ｃにはその上端に
後側に突出する係止片２２が形成されている。こ
の係止片２２は外ケース４の前面上部に形成した
切欠穴２４から外ケース４の内側に突出させてい
る。なお、外ケース４の前面に形成した切欠穴２
４は内向き段部２９の直下部に設けられていて、
該切欠穴２４内に嵌入させた係止片２２は内向き
段部２９の下面に当接し得るようになつている。

このパイプカバー２１は、下口部材６を外ケー
ス４上に固定する際、即ち、ネジリング２０で補
強部材１９を締め上げる際に該補強部材１９の外
周部１９ａでパイプカバー２１の係止片２２をそ
の下側から押圧することにより同時に固定されて
いる。即ち、ネジリング２０を締め込むことによ
り補強部材１９を押し上げて補強部材１９の外周
部１９ａと下口部材６下面との間にパイプカバー
２１の係止部２２及び外ケース内向き段部２９を
同時に固定するようにしている。なお、パイプカ
バー２１の後壁２１ｃの下部にも別の係止片２３
が形成されており、この下部係止片２３を外ケー
ス４前面の中段部に形成した切欠穴２５から差し
込んで該切欠穴２５の上縁に係止させることによ
りパイプカバー２１の下部が前方に浮き上がらな
いようにしている。

パイプカバー２１の底壁２１ａには穴２８が形
成されていて、該穴２８から注出補助管１８の下
端開口１８ａを下方に臨ませている。

このポンプ注液式液体容器では、ポンプ装置９
の上部に配置されたポンプ操作部材３０を押圧す
るとポンプ装置９が収縮して該ポンプ装置９から
の加圧空気が液容器５内に吹き込まれ、その加圧
空気によつて液容器５内の液体を導液管ユニツト
８及び注出補助管１８を通してその下端開口１８
ａから外部へ注出することができるようになつて
いる。なお、液体注出時にはコツプ又は急須等の
受液容器はテーブル等の床面上に置いたままで注
液することができる。

第２図に示す第２実施例のポンプ注液式液体容
器では、補強部材１９に該補強部材１９の前側の
一部を下方に折曲させてなる折曲片３１を形成
し、さらに、該折曲片３１にパイプカバー後壁２
１ｃの上部に形成した係止片２２を係止するため
の係止受穴（この第２実施例では該係止受穴が実
用新案登録請求の範囲中の係合部となる）３２を
形成して、該係止受穴３２にパイプカバー後壁２
１ｃ上部の係止片２２を係止させた状態でネジリ
ング２０を締め込むことにより、パイプカバー２
１を下口部材６と同時固定させている。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案のポ
ンプ注液式液体容器は次のような効果がある。

(1) 肩部材６と外ケース４とを係合すするための
補強部材１９に形成した係合部１９ａ，３２に
パイプカバー２１の後方部に形成した係止片２
２を係止した状態でネジリング２０で補強部材
１９を上方に締め上げた状態においてパイプカ
バー２１が液体容器本体１に固定されるように
しているので、パイプカバー取付専用のビスを
省略することができる。

(2) パイプカバー２１は、ネジリング２０の締め
込みによつて押し上げられる補強部材１９によ
り肩部材６の固定作業と同時に固定させている
ので、パイプカバー２１の組付工程を減少させ
ることができる。

(3) パイプカバー２１は、ネジリング２０によつ
て押し上げられた補強部材１９によつて押さえ
つけられているので、パイプカバー取付専用の
ビスを使用しなくても、確実に固定させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例にかかるポンプ注
液式液体容器の上部縦断面図、第２図は本考案の
第２実施例にかかるポンプ注液式液体容器の一部
縦断面図である。 １……液体容器本体、２……蓋体、４……外ケ
ース、５……液容器、６……肩部材、９……ポン
プ装置、１０……液体注出通路、１９……補強部
材、２０……ネジリング、２１……パイプカバ
ー、２６……筒壁、２７……雄ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外ケース４の上方に載置される肩部材６の中央
   部に外周面に雄ネジ２７を形成した筒壁２６を垂
   設し、さらに該筒壁２６に螺合されるネジリング
   ２０で環状の補強部材１９を上方に締め上げて該
   補強部材１９の外周部１９ａにより前記外ケース
   ４の上端を下方から係止し、もつて前記外ケース
   ４と肩部材６とを相互に結合する如くした液体容
   器本体１の組立構造を有するとともに、前記外ケ
   ース４内に収容した液容器５の内外を連絡する如
   く配設した一連の液体注出通路１０の出口部分を
   前記外ケース４の外側において下方に延出させて
   低注出口型とし、さらに前記液体注出通路１０の
   前記外ケース４外に露出する部分の外側をパイプ
   カバー２１で被覆するようにした構造を有するポ
   ンプ注液式液体容器であつて、前記パイプカバー
   ２１の後方部に前記補強部材１９に形成した係合
   部１９ａ，３２に係合する係止片２２を形成し、
   前記係合部１９ａ，３２に前記係止片２２を係止
   した状態で前記ネジリング２０で前記補強部材１
   ９を上方に締め上げた状態において前記パイプカ
   バー２１が前記液体容器本体１に固定されるよう
   にしたことを特徴とするポンプ注液式液体容器。