JPS6336111Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は屋上の排水用ドレインに用いる凍結防
止用キヤツプに関するものである。

陸屋根状のコンクリート建造物は構造的強度及
び屋上の利用度の理由で近年次第に数多く建てら
れているし、また、中高層ビルの殆どは屋上が陸
屋根構造になつている。これらの陸屋根はその屋
上に冷却塔や空洞用配電盤等を設置するスペース
としても有効に利用されており、且つ従来の傾斜
屋根にくらべてメンテナンスの点でも有利であ
る。

しかし乍ら、この陸屋根構造の建物は防水とい
う点では、種々の解決されるべき幾多の問題点が
ある。そのひとつに積雪地帯における排水用ドレ
インの凍結問題がある。

積雪は陸屋根の場合、平地と全く同様の状態で
行われ、傾斜屋根と異なり自然落下という現象は
生じない。したがつて、ドレインが積雪により凍
結し、陸屋根上に積つた雪が融解しても排水の用
をなさず、陸屋根上に融雪水が滞溜し、それが夜
間再び凍結し、更にドレインの排水を不可能にす
るといつた現象が生じる。

かかる積雪地帯特有の問題点については、従
来、何らの手段を講じられていなかつたが、本考
案者はこの問題を解決せんと種々の研究を行つた
結果、極めて有効な解決策を考案するに至つた。

本考案は帽体を円筒形又は角形の中空状でかつ
ドレインを被嵌しドレインとの間に空間を生じる
大きさに形成し、その帽体の下部に通気孔を多数
設けたドレイン用キヤツプを用いるもので、該キ
ヤツプを竪樋の上端に設置したドレインにかぶせ
るだけで、雪によるドレインの凍結が防止し得る
ものでその実施の一例を図面について説明する
と、帽体１はドレインＡの寸法に合わせてこれを
被嵌しドレインとの間に適宜の空間を生じる大き
さのものとし、材質的にポリエチレンなどの耐寒
性プラスチツクや木質材、更には断熱保温効果を
持つて硬質プラスチツクやガラス、金属などで円
筒形又は角形若しくは円錐、台形の中空状すなわ
ち椀状、倒凾状、閉蓋底無状の任意の形態で、そ
の底縁に鍔３を設けるか又は設けないで、下部又
は下端縁に通気孔２を多数、周縁に設ける。

通気孔２は中空帽体１の下部又は下端縁に縦長
状、又は横長状に多数設け、帽体１の内部すなわ
ちドレインＡと外部とを連通状にせしめ、帽体１
内部の暖気を放散し得るようにする。

すなわち、暖気は上昇し冷気は下降するのが自
然法則上当然の原理であり、竪樋内部においても
例外ではない。本考案は、この自然法則を最大限
に利用し、従来周知の形態および構造のタテ型ド
レイン、すなわち筒状の周壁に多数の排水孔を開
穿し、竪樋の上端における陸屋根上に設置するド
レインに、適宜隙間を生じさせるようにキヤツプ
を被覆せしめてドレインと積雪との間に暖気の放
散し得る間隙を確保し、これにより周囲の積雪を
融解せしめんとするものである。

以上のように本考案は、ドレインを被嵌するる
大きさの中空帽体の下部又は下端縁に通気孔を多
数設けてなるから、これをドレインにかぶせるの
みでドレインに通じる竪樋内部からの暖気を下部
の通気孔に通して大気中に放散させることが出
来、これにより帽体の周囲の雪を融かし、その融
雪水を該通気孔からドレインに導き得て、排水す
ることが出来る。したがつてこれまで、積雪中に
むき出しで配置されていたドレインキヤツプによ
り保護し、且つこれまで、ドレインから直接大気
中に放散されていた暖気を帽体で受け、帽体とド
レインとの間隙を対流して必ず下部から放散させ
ることで、ドレインの凍結が防止できるので、そ
の取扱い、施工は極めて簡単で且つ安価に行え
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案キヤツプの実施例を示すもので第
１図は斜視図、第２図は陸屋根に設けたドレイン
にかぶせた状態の斜視図、第３図は他の実施例の
斜視図で、 図中、１は帽体、２は通気孔、Ａはドレイン、
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帽体を円筒形又は角形の中空状でドレインを被
   嵌してドレインとの間に適宜空間を生じる大きさ
   に形成し、その帽体の下部周縁又は下端周縁に通
   気孔を多数設けてなるドレイン凍結防止用キヤツ
   プ。