JPS6336099Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は組立式建造物等に適用される壁材の
梁への固定構造に関するものである。

従来、物置等に使用する組立式建造物におい
て、全体の強度を持たせるために、第１図に示す
ように、壁材１を周囲の梁２、柱３および土台４
に強固に固定し、耐力壁とすることが行なわれて
いる。このような組立式建造物において、壁材１
の梁２への固定を簡単かつ迅速に行なえるように
するため、本出願人は第２図に示すものを提案し
た。すなわち、梁２は下向き溝形に形成され、こ
の梁２に上下動可能に内嵌した壁押え材５を実線
で示す位置に押下げることによりそのフランジ５
ａで壁材１が梁２の長方フランジ２ａに押付けら
れ、梁２との固定が行なわれる。壁押え材５のフ
ランジ５ａの下端には外側へ折れ曲がつた押え用
突片５ｂが設けられている。ところが、第１図に
矢印Ａで示すように横からの力が加わつた場合
に、壁押え材５が上下にずれて壁材１の保持が損
なわれるという欠点があつた。

したがつて、この考案の目的は、簡単かつ迅速
に固定でき、かつ固定後は壁材に横方向から加わ
る外力等によつて壁押え材が位置ずれすることが
なく、横方向の外力に抗して強い耐力を有する壁
材の梁への固定構造を提供することである。

この考案の一実施例を第３図および第４図に示
す。なお、第２図で示した部分と同じ部分は同一
符号を付してその説明を省略する。すなわち、こ
の壁材の梁への固定構造は、壁押え材５′の壁材
１の押え側フランジ５ａに、外側へ突出す上向き
弾性切起片５ｃと内側へ突出する下向き切起片５
ｄとを設けたものである。壁押え材５′は、梁２
にこの梁２のウエブ部との間に所定高さの空間を
介して内嵌する。所定高さとは、弾性上向き切起
片５ｃが梁２の長方フランジ２ｂの内面に収まる
まで壁押え材５′を上方へ移動させることのでき
る高さである。上向き弾性切起片５ｃと下向き弾
性切起片５ｄとの位置関係は、下向き弾性切起片
５ｄが壁材１の上端面に係合した状態で上向き弾
性切起片５ｃの先端が梁２の短方フランジ２ｂの
下端面に係合する位置関係としてある。

このように構成したため、固定作業前には壁押
え材５′は外面の上向き弾性切起片５ｃが内側へ
撓んだ状態で梁２内の上方位置に嵌合される。そ
して、壁押え材５′を押下げると、壁押え材５′の
フランジ５ａが壁材１の側面を押え込み、梁２に
対する壁材１の固定が行なわれる。このとき、壁
押え材５′は下向き切起片５ｄが壁材１の上端面
に当接するまで押下げるが、ここまで押下げると
上向き弾性切起片５ｃが梁２の短方フランジ２ｂ
の内面から外れて自己の弾性により外側へ突出
し、短方フランジ２ｂの下端面に係合する。

このように、壁押え材５′はいつたん壁材１を
押えるように押下げると、上下に向く切起片５
ｃ，５ｄがそれぞれ梁２の短方フランジ２ｂの下
端面と壁材１の上端面とに係合し、上下方向に対
して固定される。そのため、第１図に矢印Ａで示
すような横方向の外力が壁材１に加わつても壁押
え材５′が上下にずれることがなく、壁材１の適
正な保持が維持される。そのため、横からの力に
対して強い耐力壁となる。

また、第２図の壁押え材５の場合、壁材１の配
置をするときに、壁押え材５を第２図に鎖線で示
す位置から落ちないように作業者が手で保持して
おく必要があるが、この実施例の壁押え材５′で
は上向き弾性切起片５ｃが梁２の短方フランジ２
ｂの内面に圧接するため、手で保持する必要がな
い。そのため、施工が楽になる。

なお、前記実施例では壁押え材５′に壁材１の
上端面押え用の突起として下向き切起片５ｄを用
いたが、この突起は必ずしも弾性が必要なもので
なく、ボス状のものであつてもよい。

以上のように、この考案の壁材の梁への固定構
造は、両フランジの長さが互いに異なる下向き溝
形の梁を設け、一側面の上縁が前記梁の長方フラ
ンジの内面に当接された壁材を前記梁の下方に沿
つて設け、下向き溝形に形成されて前記梁にこの
梁のウエブ部との間に所定高さの空間を介して内
嵌し前記梁の短方フランジ側に位置する押え側フ
ランジが前記壁材の側面を押えかつ他方のフラン
ジが前記壁材の上端面よりも上方に位置した壁押
え材を設け、前記壁材の上端面に係合した突起を
前記押え側フランジの内面に設け、前記梁の短方
フランジの下端面に先端が係合した上向き弾性切
起片を前記押え側フランジの外面に設けたもので
あるから、簡単かつ迅速に固定でき、しかも固定
後は壁材に横方向の外力が加わつても前記壁押え
材が上下にずれることがなく、適正な壁材保持状
態が維持され、横方向の外力に対して強い耐力を
有するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は壁の側面図、第２図はこの考案との比
較提案例の斜視図、第３図はこの考案の一実施例
の切欠斜視図、第４図はその壁押え材の斜視図で
ある。 １……壁材、２……梁、２ａ……長方フラン
ジ、２ｂ……短方フランジ、５′……壁押え材、
５ａ……フランジ、５ｂ……押え用突片、５ｃ…
…上向き弾性切起片、５ｄ……下向き切起片（突
起）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両フランジの長さが互いに異なる下向き溝形の
   梁を設け、一側面の上縁が前記梁の長方フランジ
   の内面に当接された壁材を前記梁の下方に沿つて
   設け、下向き溝形に形成されて前記梁にこの梁の
   ウエブ部との間に所定高さの空間を介して内嵌し
   前記梁の短方フランジ側に位置する押え側フラン
   ジが前記壁材の側面を押えかつ他方のフランジが
   前記壁材の上端面よりも上方に位置した壁押え材
   を設け、前記壁材の上端面に係合した突起を前記
   押え側フランジの内面に設け、前記梁の短方フラ
   ンジの下端面に先端が係合した上向き弾性切起片
   を前記押え側フランジの外面に設けた壁材の梁へ
   の固定構造。