JPS6335639Y2

JPS6335639Y2 -

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Publication number: JPS6335639Y2
Application number: JP2614184U
Authority: JP
Priority date: 1984-02-25
Filing date: 1984-02-25
Publication date: 1988-09-21
Also published as: JPS60140428U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、かばん等に用いるベルトの長さ調節
に用いる合成樹脂製のベルト調節具に関し、特に
長さ調節用のベルトを巻き掛けるベルト折返し杆
を連結環に対し移動可能にしたベルト調節具に関
する。

従来技術かばんや、包装カバー等のベルトの長さを調節
するために用いる合成樹脂製のベルト調節具は、
平行に延びる一対の脚部の長手方向における一端
側を基部で、他端側を連結部で各々一体に連結し
て方形状の連結環とし、長さ調節用のベルトを巻
き掛けるベルト折返し杆を前記基部と連結部との
間において前記脚部に一体に連結している。しか
し、このようなベルト調節具は、ベルト折返し杆
が連結環に固定されているため、基部とベルト折
返し杆とによりベルトを摩擦係合させて固定する
ことになり、従つてベルトが緩みやすい。また、
このようなベルト調節具は、ベルトの長手方向に
おける基部とベルト折返し杆との間隔を広くする
と、ロツク強度が弱くなるため、前記間隔を狭く
しなければならず、従つて長さ調節用のベルトの
装着作業が面倒である。

このような従来のベルト調節具の欠点を除去す
るため、連結環の脚部に基部と連結部の方向（脚
部の長手方向）に延びる長孔を対面して形成し、
前記長孔にベルト折返し杆の長手方向両端の軸部
を遊嵌して、ベルト折返し杆を基部に対して前
進、後退可能にした合成樹脂製のベルト調節具が
提案された。このベルト調節具は、ベルト折返し
杆に巻き掛けられているベルトの部分を、ベルト
に張力が加わつたときにベルト折返し杆により基
部のベルト受面に押圧するものであるから、ベル
トに張力が加わると、ベルト折返し杆に回転力が
生じ、ロツク機能が低下してしまう。また、ベル
ト折返し杆の中央部であるベルト巻掛部の断面形
状が円形、楕円形又は長方形であり、しかも前記
軸部と前記ベルト巻掛部とが同心であると、前記
回転力が大きくなり、このため前記軸部を長方形
の断面形状にしても強い張力がベルトに加わつた
ときに脚部のうち、前記長孔の両側の部分が前記
回転力により変形し、ベルト折返し杆が回転して
しまう欠点がある。

考案の目的本考案は、ベルト折返し杆が基部に対して前進
後退可能であるにもかかわらず、ベルトに張力が
加わつても、ベルト折返し杆に回転力が生ぜず、
ロツク強度が著しく高い合成樹脂製のベルト調節
具を提供することを目的とする。

考案の構成上記目的は、本考案によれば、ベルト折返し杆
のベルト巻掛部の裏面に該ベルト巻掛部１１，３
１の表裏方向の略中心線上でベルト巻掛部１１，
３１の連結部４，２４側から基部２，２２に向け
て傾斜した傾斜平面１５，３５にしてベルトに張
力が加わると、ベルト折返し杆を回転させる分力
を出来るだけ小さくし、殆んどの前記張力が基部
に向けて前進する方向の力としてベルト折返し杆
に作用するようにすることにより達成される。

実施例以下、図面に示す実施例に基いて本考案を説明
する。

第１図ないし第８図に示す第１実施例におい
て、１はほぼ方形状をした連結環で、基部２の長
手方向両端から同じ側に平行に延びる一対の脚部
３，３を長手方向の両端において基部２と連結部
４で連結し、連結部４よりも基部２側に固定用ベ
ルトのＡを装着するベルト装着杆５を設けてい
る。基部２、脚部３，３、連結部４及びベルト装
着杆５は、合成樹脂の成形加工により一体に作ら
れている。

基部２の連結部４側の面は、当該ベルト調節具
の裏面にまで達する平坦なベルト受面６になつて
いる。基部２には連結部４の反対側に突出する把
手部７が形成されている。基部２の裏面には、ベ
ルト受部６側から脚部３，３と平行な方向に延び
る突部８が複数形成されている。各突部８のベル
ト受部６側面は、ベルト受部６に続く平坦面にな
つている。

各脚部３，３の基部２とベルト装着杆５との間
の個所には、後述するベルト折返し杆１０の軸部
１２，１２が回転不能に遊嵌する長孔９，９が長
手方向に互いに対面して形成されている。各長孔
９，９は、基部２のベルト受面６から距離l₁だけ
離されており、これにより脚部３，３の基部２と
の連結部分の機械的強度を高めている。第６図に
示すように、各脚部３，３の表裏方向の厚さは基
部２、連結部４及びベルト装着杆５よりも肉厚に
なつている。

ベルト折返し杆１０は、長さ調節用のベルトＢ
を巻き掛けるベルト巻掛部１１と、その長手方向
両端に一体に形成された断面長円形の軸部１２，
１２とを有し、合成樹脂で作られている。ベルト
巻掛部１１の基部２側の面は、裏面側部分がベル
ト受面６と平行に対面する平坦なベルト押圧面１
３であるのに対し、表面側の部分が弧面１４にな
つている。ベルト巻掛部１１の裏面を除く外表面
は図示の例では多数の突起が形成されて梨地模様
状になつている。ベルト巻掛部１１は、軸部１
２，１２よりも太く作られて、連結環１の基部２
側が軸部１２，１２よりも少なくとも距離l₁だけ
突出している。ベルト巻掛部１１の裏面は、基部
２側の一部を除いて基部２に向けて傾斜した傾斜
平面１５になつている。この傾斜平面１５のベル
ト装着杆５側の端部は、第７図に示すように、ベ
ルト巻掛部１１の表裏方向における中心線１６上
にほぼ位置している。軸部１２，１２は、表裏両
面が平行な平坦面なつており、またベルト巻掛部
１１に対しベルト装着杆５側にやや偏心している
が、表裏方向の中心はベルト巻掛部１１の中心線
１６上に位置している。

連結環１とベルト折返し杆１０は、１組の金型
を用いて、ベルト折返し杆１０の軸部１２，１２
が連結環１の長孔９，９中に回転不能に遊嵌した
状態に形成される。このように、連結環１とベル
ト折返し杆１０を一回の工程で成形するには、第
１０図に一例を示すように、脚部３，３の長孔９
と同じ大きさの外径をし、かつベルト折返し杆１
０の軸部１２と同じ大きさの中空部１９を有する
中空筒状の突部１７を連結環１の脚部３の厚さと
ほぼ同じだけ突出した金型部材１８を成形用金型
の一部材として用い、中空部１９でベルト折返し
杆１０の軸部１２を成形し、突部１７で連結環１
の長孔９を成形すればよい。

このベルト調節具は、第８図に示すように、固
定用のベルトＡを連結部４とベルト装着杆５の間
を介して連結環１の裏面側から表面側に通し、次
いでベルト装着杆５とベルト折返し杆１０の間を
介して連結環１の表面側から裏面側に通して、ベ
ルトＡに装着固定する。そして、この状態で長さ
調節用のベルトＢをベルト装着杆５とベルト折返
し杆１０の間を介して連結環１の裏面側から表面
側に通し、次いでベルト折返し杆１０と基部２の
間を介して連結環１の表面側から裏面側に通して
使用される。

ベルトＢに第８図のように装着した状態におい
てベルトＡ，Ｂに張力が加わると、第９図イに示
すように、このベルト調節具は、ベルト折返し杆
１０が基部２側に移動してベルト巻掛部１１のベ
ルト押圧面１３によりベルトＢを基部２のベルト
受部６に押圧し、突部８のベルト押圧面１３側の
先端隅部がベルトＢに当り、その結果ベルトＢの
緩みを防止する。ベルトＢの長さを調節するに
は、基部２に指をかけて連結部４を中心にして連
結環１を第８図において反時計方向に適宜な角度
回転すればよい。

上述のベルト調節具は、ベルト折返し杆１０の
ベルト巻掛部１１の裏面が基部２に向けて傾斜し
た傾斜平面１５になつているから、ベルトＡ，Ｂ
に張力が加わると、ベルト巻掛部１１には中心線
１６の近傍において第９図イに示すようにベルト
折返し杆１０を反時計方向に回転させる分力は極
めて小さいものであり、他の分力Ｐ、即ち略張力
に等しい力はベルト折返し杆１０を基部２側に平
行移動する様に作用する為、ベルトＢを強固にロ
ツクする。これに対し、第９図ロに示すように、
ベルト巻掛部１１の裏面が傾斜平面でない場合
は、ベルトに張力が加わると、ベルト巻掛部１１
には、ベルト装着杆５側の中心線１６近傍におい
て中心線に対し大きな垂直方向の分力が働くた
め、ベルト折返し杆１０に第９図ロにおいて反時
計方向の回転力が加わり、その結果ベルト折返し
杆１０が第９図ロに示すように回転し、ベルトＢ
のロツク強度が低下すると共に、ベルトに加わる
張力が大であるときはベルト折返し杆１０に加わ
る回転力により脚部３，３のうち長孔９，９に隣
接する部分３′，３′が変形し、ベルト折返し杆１
０が一回転してしまう。

また、上述のベルト調節具は、ベルト受面６と
ベルト押圧面１３が平行な平坦面であるから、ベ
ルトに張力が加わつたことによりベルト折返し杆
１０に第９図において反時計方向の回転力が加わ
つたとしても、ベルトＢを中心線１６よりも裏面
側において挟圧することになり、従つてベルト折
返し杆１０が回転することがない。

なお、固定用のベルトＢは、連結部４に装着し
てもよい。従つて、ベルト装着杆５はかならずし
も必要ではない。

第１１図ないし第１３図は、衣服用の吊下げベ
ルト等に用いるバツクルの雄体のベルト調節具に
本考案を適用した第２の実施例を示し、この雄体
は雄体主体２０と、連結環２１とを有し、かつ合
成樹脂で作られている。連結環２１は、基部２２
と、この基部の両端から同じ側に平行に延びる一
対の脚部２３，２３と、の脚部２３，２３の他側
を互いに連結する連結体２４とを一体に有し、連
結体部２４において雄体主体２０と一体になつて
いる。

脚部２２の連結部２４側の面は平坦なベルト受
面２６になつている。また、基部２２の表裏両面
には、ベルト受面２６側から脚部２３，２３と平
行な方向に延びる突条２７，２８が各々複数形成
されている。各突条は、第１図ないし第８図の第
１実施例における突条８と同じであり、ベルト受
面２６側の面がベルト受面２６に続く平面になつ
ている。

各脚部２３，２３には、ベルト折返し杆３０の
軸部３２，３２が嵌入する長孔２９，２９が長手
方向に互いに対面して形成されている。各長孔２
９，２９も、基部２２のベルト受面２６から距離
l₁だけ離されており、これにより脚部２３，２３
の基部２２との連結部部分の機械的強度を高めて
いる。

ベルト折返し杆３０は、ベルト巻掛部３１と、
その両端に一体に形成された断面長円形状の軸部
３２，３２とを有し、合成樹脂で作られている。
ベルト巻掛部３１は、基部２２側の面がベルト受
面２６と平行に対面する平坦なベルト押圧面３３
になつており、裏面を除く外表面に多数の突起が
形成されて梨地模様になつている。ベルト巻掛部
３１は、軸部３２，３２よりも太くなつており、
連結環２１の基部２２側が軸部３２，３２よりも
少なくとも距離l₁だけ突出している。軸部３２，
３２は、ベルト巻掛部３１に対して連結部２４側
に偏心している。

ベルト折返し杆３０のベルト巻掛部３１の裏面
も、脚部２２側の一部を除いて基部２２に向けて
傾斜した傾斜平面３５になつている。この傾斜平
面３５も、前述した実施例の傾斜平面１５と同様
に、連結部２４側の端部がベルト巻掛部３１の表
裏方向における中心線３６上に略位置している。
軸部３２，３２も、前述した実施例の軸部１２，
１２と同様に、表裏両面が平坦面になつており、
またベルト巻掛部３１に対し連結部２４側にやや
偏心しているが、表裏方向における中心はベルト
巻掛部３１の中心線３６上に位置している。

ベルト折返し杆３０も、前述した第１実施例と
同様に、第１０図に示す金型部材１を成形用の金
型の一部として用いることにより、一組の金型に
よりベルト折返し杆３０の軸部３２，３２が連結
環２１の長孔２９，２９中に回転不能に遊嵌した
状態に成形される。

このベルト調節具は、第１３図に示すように、
長さ調節用のベルトＢを連結部２４とベルト折返
し杆３０の間を介して連結環２１の裏面側から表
面側に通し、次いでベルト折返し杆３０と脚部２
２の間を介して連結環２１の表面側から裏面側に
通して使用される。この状態において、ベルトＢ
に張力が加わると、この張力により、ベルト折返
し杆を回転させる分力が小さくその為このベルト
調節具は、ベルト折返し杆３０が脚部２２側に移
動してベルト巻掛部３１のベルト押圧面３３によ
りベルトＢを基部２２のベルト受面２６に押圧
し、かつ突条２８のベルト押圧面３３側の先端隅
部がベルトＢに当り、その結果ベルトＢの緩みを
防止する。ベルトＢの長さを調節するには、基部
２２に指をかけて連結部２４を中心にして連結環
２１を第１３図において反時計方向に適宜な角度
回転すればよい。

上述の実施例のベルト調節具も、ベルト折返し
杆３０の裏面が基部２２に向けて傾斜した傾斜平
面３５となつており、また傾斜平面３５の連結部
２４側の端部がベルト巻掛部３１の表裏方向の略
中心線３６上にあり、しかもベルト受面２６とベ
ルト押圧面３３が平行な平坦面であるから、前述
した第１実施例のベルト調節具と同じ効果があ
る。

なお、脚部３と３、２３と２３の間隔l₂は、使
用するベルトＢの幅よりもわずかに、たとえば
0.3〜0.5mm位狭くすると、ベルト調節具を用いた
かばん等を身体から外した後、再び身体につける
際にベルトＢの長さ調節を行なう必要がなく好適
である。すなわち、前記間隔l₂が使用するベルト
Ｂの幅より広いと、ベルト調節具を用いたかばん
等を身体から外したり、ベルトＢの緊張力を緩め
たときにベルトＢがベルト調節具に対し移動可能
になり、ベルトＢに対するベルト調節具の装着位
置がずれることがある。しかし、前記間隔l₂をベ
ルトＢの幅よりやや狭くしておけば、ベルトと脚
部３，３、２３，２３の間の摩擦抵抗があるた
め、前記緊張力を緩めても前記摩擦抵抗によりベ
ルトＢに対してベルト調節具が移動せず、従つて
かばん等を改めて身体につける場合にベルトＢの
長さ調節を再び行なう必要がない。

考案の効果以上のように本考案は、ベルト折返し杆のベル
ト巻掛部の裏面に、該ベルト巻掛部の表裏方向の
略中心線上で、ベルト巻掛部の連結部側から基部
に向けて傾斜した傾斜平面を形成したからベルト
に張力が加わると、ベルト折返し杆にはベルト折
返し杆を回転させる極めて小さい分力しか作用せ
ず殆んどの張力はベルト折返し杆を基部に向けて
前進する方向の力として作用しベルト基部に押圧
するため、回転することがなく、ロツク強度が著
しく高い。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第８図は本考案にかかるベルト調
節具の第１実施例を示し、第１図は正面図、第２
図は背面図、第３図は平面図、第４図は低面図、
第５図は右側面図、第６図は第１図の−線断
面図、第７図はベルト折返し杆近傍の拡大断面
図、第８図は使用状態の説明図である。第９図は
ベルトに張力が加わつたときの作用説明図であ
る。第１０は成形用金型の一例を示す断面斜視図
である。第１１図ないし第１３図は本考案にかか
るベルト調節具の第２実施例を示し、第１１図は
正面図、第１２図は右側面図、第１３図は第１１
図の−線断面図である。１，２１：連結環、２，２２：基部、３，２
３：脚部、４，２４：連結部、６，２６：ベルト
受面、９，２９：長孔、１０，３０：ベルト折返
し杆、１１，３１：ベルト巻掛部、１２，３２：
軸部、１３，３３：ベルト押圧面、１５，３５：
傾斜面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】〔１〕平行に延びる一対の脚部３，２３を長手
方向の一端側において基部２，２２で、他端側
において連結部４，２４で各々一体に連結し、
前記脚部３，２３に前記基部２，２２と連結部
４，２４の方向に延びる長孔９，２９を各々対
面して形成した連結環１，２１と、長手方向中
央のベルト巻掛部１１，３１の長手方向両端に
前記長孔９，２９中に回転不能に遊嵌された軸
部１２，３２を有するベルト折返し杆１０，３
０とを備え、前記ベルト折返し杆１０，３０のベルト巻掛
部１１，３１の裏面に該ベルト巻掛部１１，３
１の表裏方向の略中心線上で、ベルト巻掛部１
１，３１の連結部４，２４側から基部２，２２
に向けて、傾斜した傾斜平面１５，３５を有す
ることを特徴とするベルト調節具。〔２〕前記ベルト巻掛部１１，３１と基部２，
２２との対向面６，１３，２６，３３が互いに
平行な平坦面を有する実用新案登録請求の範囲
第１項記載のベルト調節具。