JPS6335638Y2

JPS6335638Y2 -

Info

Publication number: JPS6335638Y2
Application number: JP1983199964U
Authority: JP
Priority date: 1983-12-29
Filing date: 1983-12-29
Publication date: 1988-09-21
Also published as: JPS60109428U; ES283936U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、かばん等に用いる合成樹脂製のベル
ト調節具に関し、特に、基部と、この基部の両端
から同じ側に平行な延びる脚部と、両脚部を他側
において互いに連結する連結部と、基部と連結部
の間に位置しかつベルトを巻き掛けるベルト折返
し杆とを一体に有するベルト調節具に関する。

従来技術この種のベルト調節具は、一般に、固定用のベ
ルトを連結部又は連結部とベルト折返し杆の間の
ベルト装着杆に巻き掛けて固着し、長さ調節用の
ベルトを、ベルト折返し杆と連結部の間を裏側か
ら表側に通し、次いでベルト折返し杆と基部との
間を表側から裏側に通すことによりベルト折返し
杆に巻き掛け、ベルト折返し杆と基部とに調節用
のベルトを係止させてベルトの緩みを防止する構
成になつている（特開昭54−144244号）。

しかし、従来のこの種のベルト調節具は、ベル
トの長手方向におけるベルト折返し杆と基部との
間隔が広いと、ベルトを装着しやすい反面、ベル
トに張力が加わつたときにロツクが外れてベルト
が緩んでしまい、逆に狭いと、ベルトが緩みにく
い反面、ベルトを装着しずらくなつてしまう。

このような欠点を防止するには、ベルトの長手
方向におけるベルト折返し杆と基部との間隔を狭
くする代りに、ベルト調節具の表裏方向における
ベルト折返し杆と基部との間隔を広くすればよい
が、このようにするとベルト調節具が厚くなつて
しまい、体裁が悪い。

考案の目的本考案は、ベルト折返し杆と基部との間を広く
してベルトを装着しやすくしても、ベルトが緩み
にくく、しかも薄くて体裁のよいベルト調節具を
提供することを目的とする。

考案の構成上記目的は本考案によれば、ベルト折返し杆の
基部側と連結部側とに尖鋭な係止角部を形成し、
ベルトに張力が加わつたときに前記係止角部がベ
ルトにくい込む構成にすることにより達成され
る。

実施例以下、図面に示す実施例に基いて本考案を説明
する。

第１図ないし第７図に示すベルト調節具は、基
部１と、この基部１の両端から同じ側にほぼ平行
に延びる一対の脚部２，２と、脚部２，２を他側
端部において互いに連結する連結部３と、この連
結部３と基部１との間に位置するベルト装着杆４
と、このベルト装着杆４と基部１との間に位置す
るベルト折返し杆５とを一体に有しており、合成
樹脂の一体成形により作られている。

基部１は、その長手方向（ベルト調節具の幅方
向）中央部が端部よりも薄肉になつており、この
部分にベルト折返し杆５側の端部から約90度の角
度で裏面側に屈曲するベルト受部６と、このベル
ト受部６と反対側に延びる把手部７とが一体に形
成されている。ベルト受部６のベルト折返し杆５
側の裏面側の端面は、基部１と平行な平坦面８に
なつており、この平坦面８のベルト折返し杆５側
の先端角部が調節用のベルトＢと係止する尖鋭な
第１の係止角部９になつている。第１の係止角部
９は、断面ほぼ直角になつている。

脚部２，２の表裏両面は、ベルト装着杆４の部
分から連結部３に向けて幅狭になるテーパ面にな
つている。連結部３とベルト装着杆４は脚部２，
２の表裏方向におけるほぼ中央に連結されてお
り、また表裏方向における脚部２，２の厚さより
も薄くなつている。

ベルト折返し杆５は、第６図に示すように、表
面側部材１０と裏面側部材１１とを、表面側部材
１０は基部１側に、裏面側部材１１はベルト装着
杆４側に各々突出する状態に一体に有し、表面側
部材１０の突出部の裏面１２と裏面側部材１１の
突出部の表面１３とが脚部２，２の表裏方向にお
けるほぼ中央よりもやや表面側となる状態に脚部
２，２に連結されている。表面側部材１０は、前
記裏面１２が平坦面で表側面が弧面１４となる断
面ほぼ半球状に作られており、裏面１２と弧面１
４の基部１側の境界角部がベルトＢと係止する尖
鋭な第２の係止角部１５となつている。裏面側部
材１１は、表面１３、裏側面１６、両側面１７，
１８が各々平坦面で、裏側面１６と側面１７，１
８との境界部が弧面となる断面ほぼ長方形状に作
られており、ベルト装着杆４側の側面１７と前記
表面１３との境界角部がベルトＢと係止する尖鋭
な第３の係止角部１９になつている。そして、前
記基部１のベルト受部６の底面と第２の係止角部
１５との間隔がベルトＢの厚さよりも広くなつて
おり、ベルトＢを挿通し易くなつている。

このベルト調節具は、第７図に示すように、固
定用のベルトＡを、ベルト装着杆４とベルト折返
し杆５の間を介して裏面側から表面側に通し、次
いでベルト装着杆４と連結部３の間を介して表面
側から裏面側に通した後、鋲着又は縫着により固
着する。そして、この状態で長さ調節用のベルト
Ｂを、ベルト装着杆４とベルト折返し杆５の間を
介して裏面側から表面側に通し、次いでベルト折
返し杆５とベルト受部６の間を介して表面側から
裏面側に通して使用される。

ベルトＡ，Ｂを第７図に示すように装着した状
態において、ベルトＡ，Ｂに張力が加わると、こ
のベルト調節具はベルトＢを係止角部９，１５，
１９で係止し、ベルトＢの緩みを防止する。ま
た、このベルト調節具は、ベルトＢがベルト折返
し杆５に巻き掛けられており、しかもベルト折返
し杆５の基部１側とベルト装着杆４側とに尖鋭な
係止角部１５，１９を設けているため、ベルトＢ
の長手方向におけるベルト折返し杆５とベルト受
部６との間隔を広くし、ベルトＢの装着を容易に
しても、ベルトＡ，Ｂに張力が加わつたときに係
止角部１５，１９がベルトＢにくい込む状態にな
り、従つてベルトＢが緩むことがない。さらに、
ベルト調節具の厚さ（表裏方向）におけるベルト
折返し杆５と基部１特にベルト受部６の端面８と
の間隔を狭くする必要がないから、ベルト調節具
を薄くし、体裁よくすることができる。

ベルトＡ，Ｂを第７図に示すように装着した状
態において、ベルトＢの長さを調節するときは、
第７図に示す状態においてベルトＢの先端側を引
くか、あるいは把手部７に指をかけ、連結部３を
中心にして全体を第７図において反時計方向に回
転し、第８図に示す状態にした後、ベルトＢの先
端側又は基端側を引張ればよい。また、ベルトＢ
を外すときは、第８図に示す状態にした後、ベル
トＢの基端側を引張ればよい。

第９図に示すベルト調節具は、ベルト受部６の
裏側の端面８と、ベルト折返し杆５の表面側部材
１０のベルト受部６側の端面及び裏面側部材１１
のベルト折返し４側の端面とを凹凸面にしたこと
を除いては、前述したベルト調節具と同じに作ら
れている。各凹凸面は、第１０図にその一つを代
表して示すように、複数の凹溝２０と、凹溝２０
間の凸条２１とにより形成されている。ベルト受
部６の凹溝と凸条は、脚部２，２と平行に延びる
状態に形成されており、端面８の長手方向全体に
わたつて形成されている。また、ベルト折返し杆
５の各凹溝と凸条は、表裏方向に延びる状態に形
成されており、またベルト折返し杆５の長手方向
全体にわたつて形成されている。このベルト調節
具は、ベルト受部６とベルト折返し杆５に尖鋭な
係止角部９，１５，１９を設けているため、ベル
ト折返し杆５とベルト受部６との間隔を広くして
もベルトＢが緩むことがないという効果がある
他、係止角部５，１５，１９が凹溝２０と凸条２
１とにより凹凸の角部になつているから、ベルト
に張力が加わると、係止角部９，１５，１９がよ
り確実にベルトＢにくい込んで、ベルトＢの緩み
を確実に防止する。

第１１図ないし第１３図に示すベルト調節具
は、ベルト受部６を裏側ほどベルト折返し杆５側
となる状態に傾斜させ、先端を基部１と平行にベ
ルト折返し杆５に向けて延びる平板部２２にし、
平板部２２の裏面を平坦面８にしたことを除いて
は第１図ないし第６図に示すベルト調節具と同じ
に構成されている。従つて、このベルト調節具も
第１図ないし第６図に示すベルト調節具と同じよ
うにして使用することにより、同じ効果を得るこ
とができる。

なお、第１１図ないし第１３図のベルト調節具
の場合も、第１３図に２点鎖線で示すように、ベ
ルト受部６の平坦面８と、ベルト折返し杆５の表
面側部材１０のベルト受部５側の面及び裏面側部
材１１のベルト装着杆４側の面に、第９図及び第
１０図に示すような凹溝２０と凸条２１とを複数
形成してもよい。

考案の効果以上のように本考案は、ベルト折返し杆の基部
側と連結部側とに尖鋭な係止角部を形成したか
ら、ベルト折返し杆に巻き掛けられているベルト
に食い込んでベルトの緩みを確実に防止し、従つ
てベルトの長手方向におけるベルト折返し杆と基
部との間隔を広くして、ベルトの装着を容易にす
ることができるし、ベルト調節具を薄くすること
ができ、体裁がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるベルト調節具の一実施
例を示す正面図、第２図は同ベルト調節具の裏面
図、第３図は同ベルト調節具の右側面図、第４図
は同ベルト調節具の底面図、第５図は第１図の
−線断面図、第６図は第１図の−線断面
図、第７図と第８図は同ベルト調節具の使用状態
の説明図、第９図はベルト調節具のベルト折返し
杆の第２の実施例を示す第６図と同位置の拡大断
面図、第１０図は第９図の−線拡大断面図、
第１１図はベルト折返し杆の第３の実施例を示す
正面図、第１２図は第１１図のXII−XII線断面図、
第１３図は第１１図の−線拡大断面図で
ある。１：基部、２：脚部、３：連結部、５：ベルト
折返し杆、１５：係止角部、１９：係止角部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】基部１と、この基部１の両端から同じ側に延び
る一対の脚部２，２と、前記基部１と反対側にお
いて各脚部２，２を互いに連結する連結部３と、
前記基部１と連結部３との間に位置するベルト折
返し杆５とからなるベルト調節具において、前記ベルト折返し杆５は表面側部材１０と裏面
側部材１１とを一体に有し、該表面側部材１０に
は平坦面からなる裏面１２により前記基部１側に
形成され裏方向に向く尖鋭な第２の係止角部１５
を有し、裏面側部材１１には平坦面からなる表面
１３により連結部３側に形成され表方向に向く尖
鋭な第３の係止角部１９を有し、前記基部１とベ
ルト折返し杆５との間隔がベルトＢの厚さよりも
広くなつていることを特徴とするベルト調節具。