JPS6335459B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自動車用ドアやバツテリーカバーの
ような開閉体の開口縁に取り付けられるシール部
材に関する。

自動車のドアに用いられるウエザーストリツプ
のようなシール部材は、従来、一般に第１図に示
すような断面形状にされており、これが車体側の
ボデーパネル１のフランジ部１ａ等に取り付けら
れていた。

ウエザーストリツプ２は、逆Ｕ字状のウエルト
部２ａと、中空円筒状の中空シール部２ｂとから
なる。ウエルト部２ａは内部に可撓性を有する芯
材３を有し、ソリツドゴム等で形成されている。
また、中空シール部２ｂはスポンジゴム等によつ
て上記ウエルト部２ａと一体に形成されており、
ウエザーストリツプ２はこの中空シール部２ｂが
車体外側を向くように取付けられる。

上記ウエザーストリツプ２は、ドア開閉側（ヒ
ンジから遠い側）では、ドアサツシユ４等がドア
閉時に中空シール部２ｂに対して第２図Ａのごと
く垂直に当接されるため、特に支障はなく、ウエ
ザーストリツプ本来の機能を充分に発揮できる。

ところが、ドアのヒンジ側では、ドアパネル
４′等がドア閉時に中空シール部２ｂに対して第
２図Ｂのごとく接線方向から当接するようになつ
てしまう。そのため中空シール部２ｂが横方向に
変形されてしまい、中空シール部２ｂによるシー
ル性が低下し、また中空シール部２ｂとウエルト
部２ａとの境界に亀裂が入つて裂け易くなる等の
欠点がある。

そのため、ウエザーストリツプ２の一部（この
場合にはヒンジ側）に第３図に示すように、ウエ
ルト部２ａと中空シール部２ｂとのすきまにスペ
ーサ６を係合させ、接着剤によつて固着させるよ
うにしたものがある。

しかしながらこのようなスペーサ６を接着する
方法では、スペーサ６をウエザーストリツプ２と
別個に成形しなければならず、しかもスペーサ６
をウエザーストリツプ２に接着する工程が必要と
なるため、製造工程が複雑となり、かつコスト高
になるという不都合があつた。

そこで、この発明は中空シール部とウエルト部
との間に、両者を結合し、シール部をウエルト部
に引つ張るように、ウエルト部を折曲成形時に伸
ばされるステイを一体に形成することによつて、
製造簡単にして、シール性に優れ、かつ耐久性が
良好な開閉体用のシール部材を提供することを目
的とする。

以下図面に基づいてこの発明を説明する。

第４図は、本発明に係るシール部材の一実施例
を示すもので、このシール部材２は、車体パネル
等のフランジ部に係合されて取り付けられるため
のウエルト部２ａと、ドア等の開閉体に当接され
る中空シール部２ｂとを有する。

そして、上記ウエルト部２ａと中空シール部２
ｂとの間には、両者を結合するためのステイ２ｃ
が設けられている。又、ウエルト部２ａはソリツ
ドゴム等からなり、中空シール部２ｂはスポンジ
ゴム等弾性力の高い材料からなる。一方、ステイ
２ｃはウエルト部２ａまたは中空シール部２ｂと
同一の材料により、あるいはこれらとは全く別の
成形性を有する材料により、薄肉帯状に一体成形
されている。

ウエルト部２ａの内部には芯材３が配設されて
いるとともに、ウエルト部２ａの脚部内側には保
持リツプ２ｄ，２ｄが形成されており、これらの
保持リツプ２ｄの弾性復元力によつて、ウエザー
ストリツプ２が車体パネル等のフランジ部に保
持、固定される。

上記シール材２は例えば押出成形により、先ず
第５図に示すように、ウエルト部２ａが直線状
に、またステイ２ｃがたるみを持つようにして、
ウエルト部２ａと中空シール部２ｂとステイ２ｃ
とが同時に一体成形される。しかる後、第４図の
ようにウエルト部２ａが折り曲げ形成される時
に、ステイ２ｃは中空シール部２ｂをウエルト部
２ａに引つ張るように伸ばされる。

第６図は本発明の第２の実施例を示すもので、
この実施例では、シール部２ｂが中空状ではな
く、リツプ状に形成されており、第４図と同様
に、ウエルト部２ａの折り曲げ形成により、この
リツプ状シール部２ｂとウエルト部２ａとの間
に、シール部２ｂをウエルト部２ａに引つ張るよ
うにステイ２ｃが一体に形成されている。

なお、上記シール部材２は、自動車用ウエザー
ストリツプとしてのみでなく、例えばバツテリカ
バー等の開閉体の開閉部、特に開閉体がシール部
材に対して接線方向から当接するような箇所に使
用されるとその機能を充分に発揮することができ
る。

つまり、上記実施例のようなシール部材２を開
閉部に用いた場合には、開閉体がシール部２ｂに
対してステイ２ｃの設けられている側からシール
部２ｂに接線方向（矢印イ方向）から当接して
も、シール部２ｂはステイ２ｃによつて引つ張ら
れるため従来のように大きく変形することがな
く、シール不良を起こすことがない。また、シー
ル部２ｂとウエルト部２ａとの境界部分に大きな
せん断力が作用されることがなくなつて、シール
部材の耐久性が向上されるようになる。

なお、このシール部材２に対して垂直方向から
開閉体が当接されても、ステイ２ｃが容易に湾曲
変形されるため、ステイ２ｃを設けても、閉力が
極端に増加されることはない。

以上説明したごとくこの発明に係るシール部材
は、シール性が良好であるとともに耐久性に優
れ、しかも一体成形により同時につくることがで
きるため、製造工数が減少され、コストダウンが
図れるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のウエザーストリツプの一実施例
を示す断面図、第２図Ａ，Ｂはその作用説明図、
第３図は従来のウエザーストリツプの他の例を示
す断面図、第４図は本発明に係るシール部材の一
実施例を示す断面図、第５図は製造工程中のシー
ル部材の状態を示す断面図、第６図は本発明の他
の実施例を示す断面図である。 １……取付パネル（車体パネル）、２……シー
ル部材（ウエザーストリツプ）、２ａ……ウエル
ト部、２ｂ……シール部、２ｃ……ステイ、４，
４′……開閉体（ドア）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 開閉体または取付パネルに係合されるウエル
   ト部と弾性変形可能なシール部とからなり、開閉
   体または取付パネルの開口縁部に沿つて配設され
   るシール部材であつて、上記ウエルト部とシール
   部との間には両者を結合し、シール部をウエルト
   部に引つ張るように、ウエルト部を折曲成形時に
   伸ばされるステイが一体に形成されてなることを
   特徴とするシール部材。