JPS6335238Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ガスコンロ等のガス燃焼器に関
し、ガス炎の消し忘れによる危険防止をはかるべ
く、バーナーの燃焼操作によつて必ず自動的にタ
イマーがセツトされ、その設定時間経過後はガス
供給を自動的に完全遮断すると共に、タイマーの
設定時間の長短に拘りなく、ガス供給量は任意に
調節可能であつて、中火、弱火による所定時間内
の燃焼継続を可能とする簡易構成の自動安全閉止
装置を提供することを目的とする。

以下、この考案の構成を図示実施例について説
明する。

１はガスコンロ等のガス燃焼器本体、２はメイ
ンバーナー、３はガス流入管４とガス流出管５と
の間のガス供給経路中に設けられたガス供給バル
ブ、６はこのガス供給バルブの開閉を司る操作摘
子であつて、その摘子軸７が第２図に示すように
バルブ３の弁室８内に嵌挿された略円錐形の筒状
コツク弁体９に接続され、該弁体９を回動しうる
ようになつている。なお、操作用摘子６は、これ
を軸線方向に押動することにより、点火用バーナ
ーのバルブを開いて点火操作も同様になしうるも
のであるが、その点火機構は従来既知のとおりで
あるから、その詳細な説明は省略する。

１０は操作用摘子６と同軸に設けられた燃焼時
間設定用タイマーで、ぜんまいばね１０ａの巻き
締めによつて付勢される公知のメカニカルタイマ
ーからなる。このタイマー１０は、第５図に示す
ようにそのぜんまいばね１０ａの内方の一端が周
面に固着された短筒状のタイマー主軸１１内に、
前記操作用摘子６の軸７が緩く貫通されており、
このタイマー主軸１１と摘子軸７とが、前者の片
面に突設された当接ピン１２と後者の周面に突設
された当接突起１３とを介して連係されている。
而して摘子６をバルブ開放方向である第６図時計
方向に回動することにより、同図に鎖線で示すよ
うに前記当接突起１３で当接ピン１２を押動し
て、タイマー主軸１１を回動せしめ、ぜんまいば
ね１０ａを巻き締めてタイマーをセツトしうるよ
うになつている。そしてセツト後は、ぜんまいば
ね１０ａの力で回転主軸１１が設定時間の経過中
復帰回転せられるのに伴つて、今度は当接ピン１
２が当接突起１３を押動し、軸７を介して操作摘
子６をバルブ閉鎖方向に復帰回動せしめるものと
なつている。また、一旦タイマー１０をセツトし
たのちは、摘子６を復動方向、即ちバルブ閉鎖方
向には単独で回動することができ、その回動によ
つて第７図に示すように当接ピン１２と当接突起
１３を離間せしめ、バルブ３を適宜所望の開度に
調節した状態でタイマー１０による設定時間の経
過待ち、やがて当接ピン１２が当接突起１３に当
接するに至つて以降、摘子軸７をタイマー１０で
復帰回動せしめうるものとなされている。

ガス供給バルブ３は、その弁室８にガス流入管
４と同流出管５に連通したガス入口１４とガス出
口とが穿たれ、それらの間に、ガス入口１４に合
致して両口１４，１５を連通する連通孔１６を有
する弁体９が介在せられている。而して、連通孔
１６は、従来品にあつては、摘子６を略90゜程度
回動することによつてガス入口１４に完全に合致
せしめてバルブを全開状態となしうるものであれ
ば良いことから、ガス入口１４と同径の円形のも
のとなされているが、本考案に於ては、摘子６を
90゜を越える角度にまで大きく回動して所望設定
時間にタイマーセツトしなければならないことに
基づき、第３図および第４図に示すように、円周
方向に長い長孔の状態に形成され、摘子６の初期
回動によつてバルブ３を閉位置から開位置に転換
させたのち、タイマー１０の最長設定時間までの
回動範囲内において、連続的にガス入口１４と連
通孔１６を連通状態とする開位置に保ちうるよう
になつている。

なお、図示は省略したが、燃焼器本体１には、
操作用摘子６の回動によるタイマーセツト時間を
示す目盛が適宜付されるものである。

上記の作用を説明すると次のとおりである。
今、操作用摘子６を通常は反時計方向であるバル
ブ開放方向に回し、ガス供給バルブ３を開いてバ
ーナー２にガスを供給すると、詳細な説明を省略
した点火機構によつてそれに点火され、ガス炎が
燃焼される。この際、摘子６の回動によつて、前
述のように当接突起１３が当接ピン１２を押動す
るため、タイマー主軸１１も同時に回動され、ぜ
んまいばね１０ａが巻き締められ付勢されてタイ
マー１０がセツトされる。而して、摘子６を所望
の設定時間に対応する角度だけ回動してこれより
手を放せば、以降、タイマー１０の設定時間の経
過中、ぜんまいばね１０ａの復元力でタイマー主
軸１１の復帰回動に伴い、当接ピン１２によつて
摘子軸７が当接突起１３を介して復帰方向に回動
され、摘子６及び弁体９が共にバルブ閉鎖方向に
継続的に回動せられ、やがてタイマー設定時間を
経過して連通孔１６がガス入口１４から外れる位
置に達するに至ると、ガス炎は徐々に中火から弱
火の状態を経て自動消炎される。

また、中火あるいは弱火の状態で所定時間燃焼
させようとするときは、摘子６を所要角度回して
タイマー１０を所定の設定時間にセツトし、バー
ナー２を燃焼させたのち、摘子６を逆方向に回し
てバルブ３の開度を絞り、ガス炎を所望強さの燃
焼状態にする。然るときは、第７図に示すように
摘子軸７の当接突起１３がタイマー主軸１１の当
接ピン１２から離間されるため、以降タイマー１
０の作動によつて両当接部材１２，１３が接触す
るまで、摘子６はそのまま静止状態を保ち、ガス
炎は上記中火あるいは弱火の燃焼状態を保つ。そ
して、当接ピン１２が当接突起１３に当接するに
至ると、それからはタイマー１０によつて摘子軸
７が徐々に復帰回動せられ、やがて設定時間を経
過すると上記同様にしてガス炎は消炎される。

なお、図示実施例ではタイマー１０を摘子６と
同軸に設けたものを示したが、必ずしも摘子軸７
上にタイマー１０を設けることは必要ではなく、
要は摘子軸７とタイマー主軸１１とが１対の当接
部材１２，１３を介して連係されて一体連動可能
なものとなされれば良いから、摘子６とタイマー
主軸１１とを別軸上に設けて、タイマー主軸を貫
通する軸と摘子軸とをワイヤー等を介して接続し
たものとしても良い。

この考案は上述の次第で、ガス供給バルブ開閉
用操作摘子の回動操作によつてガス炎を燃焼させ
ると、その操作によつて自動的にタイマーがセツ
トされ、その設定時間を経過すると自動的にバー
ナーへのガス供給を遮断して消炎することができ
る。従つて、ガス燃焼器においてのガス炎の消し
忘れによる危険を絶対的に防止しうると共に、タ
イマーによる燃焼時間設定の長短に拘りなく、摘
子の戻し回動操作によつてガス炎の継続的燃焼強
さを、中火、弱火等の任意の状態に調節可能であ
り、実用上何ら不都合なく、一層安全性に優れた
ガス燃焼器を提供しうるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は斜視図、第２図は要部の縦断面図、第３図は第
２図−線の断面図、第４図は弁体の斜視図、
第５図は第２図の−線の断面図、第６図はそ
の要部拡大断面図、第７図はタイマーセツト後に
摘子を戻し回動した状態時における第６図相当の
断面図である。 １……ガス燃焼器本体、３……ガス供給バル
ブ、６……ガス供給バルブ開閉用操作摘子、７…
…摘子軸、８……弁室、９……弁体、１１……タ
イマー主軸、１２……当接ピン、１３……当接突
起、１４……ガス流入口、１５……ガス流出口、
１６……連通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナーのガス供給バルブ開閉用操作摘子に一
   体連動可能な燃焼時間設定用タイマーを備え、該
   タイマーは、前記操作摘子のバルブ開放方向の回
   動によつてタイマーセツトされ、設定時間の経過
   中前記操作摘子をバルブ閉鎖方向に連続的に復帰
   回動せしめると共に、タイマーセツト後は前記摘
   子の単独の復動操作を許容するように、そのタイ
   マー主軸が摘子軸に１対の当接部材を介して連係
   されると共に、前記摘子によつて操作されるバー
   ナー用バルブは、摘子の初期回動によつて閉位置
   から開位置に転換されたのち、タイマーの最長設
   定時間までの回動範囲内において連続的に開位置
   を保つべく、弁室のガス流入孔に対応する筒状コ
   ツク弁体の連通孔が円周方向に長い長孔に形成さ
   れてなることを特徴とするガス燃焼器の安全自動
   閉止装置。