JPS6335015B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、画像形成方法に係わり、特に銀錯塩
拡散転写法ならびにそれに用いる写真材料および
その製造法さらには該写真材料の用途に関する。

より詳しくは、極めて少量のハロゲン化銀を用
いることにより高濃度の画像を得る方法およびそ
の材料に関する。

銀錯塩拡散転写法（以下、DTR法という）の
原理は、米国特許第2352014号明細書に記載され
ており、周知である。DTR法においては、銀錯
塩は拡散によつてハロゲン化銀乳剤層から受像層
へ像に従つて転写され、それらは多くの場合に物
理現像核の存在下に銀像に変換される。この目的
のため、像に従つて露光されたハロゲン化銀乳剤
層は、現像主薬およびハロゲン化銀錯化剤の存在
下に受像層と接触配置するか、接触するようにも
たらされ、未露光ハロゲン化銀を可溶性銀錯塩に
変換させる。ハロゲン化銀乳剤層の露光された部
分において、ハロゲン化銀は銀に現像され（化学
現像）、従つてそれはそれ以上溶解できず、従つ
て拡散できない。ハロゲン化銀乳剤層の未露光部
分において、ハロゲン化銀は可溶性銀錯塩に変換
され、それが受像層へ転写され、そこでそれらが
通常は現像核の存在下に銀像を形成する。直接ポ
ジ用ハロゲン化銀乳剤では、露光、未露光部のハ
ロゲン化銀の作用は逆になる。

既述した如く、DTR法は、ハロゲン化銀乳剤
層と受像層とを別々の支持体上に設け、拡散転写
現像時に両材料を密着して受像材料に銀画像を生
じせしめる、いわゆる「２枚もの」のタイプと乳
剤層と受像層とを同一の支持体上に通常は隣接し
て設けた、いわゆる「モノシート」のタイプとが
知られている。ところで、リスフイルム、レント
ゲンフイルムあるいはマイクロフイルムのよう
な、得られた銀画像を透過画像として利用する感
光材料は、高感度で高濃度、高コントラスト、高
解像力および高鮮鋭度であることが必要であり、
そのために用途によつても異なるが使用すぬ銀量
が相当に多くなつている。

しかし、今や貴重な銀資源を有効に利用するこ
とが要望され、また経済的な面からも銀を出来る
限り少量用いる技術が要望されている。

本発明の目的は、極めて少量の銀を用いること
により高い透過濃度の画像が得られる画像形成法
およびそれに用いる材料を提供することにある。

本発明の別の目的は、極めて少量の銀を用いて
も高感度であり、高透過濃度、高コントラスト、
高鮮鋭度、高解像力さらには高コントラストまた
は連続調の画像を得ることができる画像形成法お
よびそれに用いる材料を提供することにある。

本発明のさらに別の目的、利点は、以下の明細
書の記載から自ずと理解されよう。

本発明の上記目的は、透明支持体上に銀供給源
としてのハロゲン化銀乳剤層から可溶性銀錯塩が
像に従つて拡散転写され現像されるための物理現
像核を含有する受像層を少なくとも有している材
料であつて、該受像層中には写真処理によつて流
出しない顔料、染料等の不透明化剤を含み、該不
透明化剤は前記透明支持体の散光透過量の25パー
セント以下の散光透過量となるような量を含むこ
とを特徴とする拡散転写材料によつて達成される
ことが見出された。

本発明の好ましい一具体例によれば、透明なフ
イルム支持体上にカーボンブラツクの十分量を含
有する受像層を少なくとも有している拡散転写材
料が提供される。上記の散光透過量の25パーセン
ト以下なる意味は、透過濃度を測定する場合に測
定物に対してあらゆる方向からくる、所謂、散光
によつて測定し、透明支持体との透過濃度の差が
約0.6以上であることである。25パーセント以下
なる特定は、透過画像として利用するに通常必要
な濃度値であり、しかも透過濃度を任意に、例え
ば３あるいは５以上でも容易に得ることができる
利点を有していることに基づいている。透明支持
体自身は透過濃度が約0.5、好ましくは0.3以下で
あることが望ましい。特開昭50−123344には、ハ
ロゲン化銀乳剤層に多量の顔料を含有させて、レ
リーフ像を得る方法が記載されている。しかし、
かかる方法は、ハロゲン化銀に対して多量の顔料
を含んでいるため得られる画像の解像力、シヤー
プネスに劣る欠点があり、しかもカーボンブラツ
クの如き黒色系の顔料ではその感光性およびコン
トラストを著しく低下するため使用を困難にし、
またその他の写真特性への影響も大きい。本発明
は、使用するハロゲン化銀乳剤の高感光性、高解
像力、高鮮鋭性を損うことなく、さらに例えばモ
ノシートの一例においては受像層が高解像力、高
鮮鋭性をより高めるためのハレーシヨン防止層と
しても作用し、DTR法の特徴である少ない銀量
で極めて高い透過濃度および高コントラストを得
ることができる。

本発明の写真材料に使用しうる支持体は、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの
ポリオレフイン、酢酸セルロース、硝酸セルロー
スなどのセルロースエステルフイルム、ポリエチ
レンテレフタレートのようなポリエステルフイル
ムの如き当業界で周知の透明性フイルム支持体が
用いられる。厚みは任意であり、その表面に親水
性下引処理が好ましく施こされる。支持体中に透
明性を損わない範囲でハレーシヨン防止等の目的
で低濃度の染料、顔料等を含んでいてもよいが、
その必要性は通常少ない。通常のDTR法は、被
写体に対してポジチブな画像となる。これはレン
トゲンフイルムなどでは慣行に適さない。本発明
は、拡散転写後の処理によつて同一の材料から被
写体に対してネガチブ画像もポジチブ画像も得る
ことができる。多くの顔料、例えば特にカーボン
ブラツクの如き顔料は、カブリを生じ易いことが
知られている（例えば特開昭50−68520）。本発明
においては、不透明化剤が受像層中に含有させて
いるために、必要以上の減感やカブリの如き写真
的悪影響をほとんど生じることがなく、多量に使
用することができ、従つて任意の高濃度を得るこ
とができ、高解像力、高鮮鋭度、高コントラスト
の画像を得ることができる。用いうる顔料、染料
等については当業者によく知られており、例えば
カーボンブラツク、フアーネスブラツク、二酸化
チタン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カル
シウム、亜鉛華、硫酸鉛、硫化亜鉛、鉄黒
（Fe₃O₄）、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄（FeO
（OH）・NH₂O）、シリカ粉末、ナフトールエロ
ーＳ、ハンザエロー10G、パーマネントオレン
ジ、酸化鉄、鉛丹（Pb₃O₄）、パーマネントオレ
ンジ、ブリリアントフアストスカーレツト、コバ
ルト紫、群青、紺青、フタロシアニンブルー、ジ
ンクグリーン、エメラルドグリーン等々の顔料、
ウルトラマリン、マラカイトグリーン、クリスタ
ルバイオレツトあるいはハレーシヨン防止用とし
て知られているシアニン、メロシアニンの如く染
料がある。染料は処理により流出しないように媒
染剤等で固定する。不透明化剤の使用量は、透明
支持体の散光透過量に対して、少なくとも該透明
支持体と不透明化剤含有受像層とを重ね合わせた
散光透過量が25％以下となるように含有されれば
よく、その写真材料が必要とする透過濃度によつ
て任意に得ることができる。不透明化剤は、染料
および0.01〜10ミクロン程度の顔料が使用しうる
がそれより大きくてもよい。好ましくは0.05〜５
ミクロン程度の顔料である。受像層には、周知の
物理現像核、例えば金、銀、白金、パラジウム、
カドミウム、亜鉛、ニツケル、コバルト、鉛、銅
の如き金属の硫化物あるいはセレナイド、さらに
は貴金属の微粒子を含有している。物理現像核
は、前記の不透明化剤が場合によつては兼ねるこ
ともでき、それは例えばカーボンブラツク、二酸
化チタンの如き顔料に微量の貴金属、例えば銀を
付着させることによつても得ることができる。受
像層に用いられる親水性コロイドバインダーは、
好ましくはゼラチンおよび同類物質のようなたん
ぱく質様物質であり、その１部または全部をその
他の写真用バインダー、例えばコロイドアルブミ
ン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロースの如きセルロース誘導
体、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの
糖誘導体、合成親水性コロイド、例えばポリビニ
ルアルコール、ポリ−Ｎ−ビニルピロリドン、ポ
リアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド等で
置換えることができる。受像層の厚みは、0.5〜
20ミクロン、好ましくは0.5〜10ミクロン程度で、
これ以外の厚みであつてもよい。余り厚くするこ
とは高コントラストを得る場合に銀の消費を多く
する結果になり易い。しかし、不透明化剤量に対
しバインダーの量を多くする程、低銀量でコント
ラストの低い、即ち用途によつてはある程度の連
続調の画像を得ることができる別の利点を有す
る。連続調は、ハロゲン化銀の分散バインダーを
ハロゲン化銀に対して多くすること、また当然に
軟調な写真特性のハロゲン化銀乳剤を用いること
によつてもある程度得ることができる。ハロゲン
化銀乳剤層は、透明支持体上の受像層の上または
下側のいずれの位置でもよく（モノシート）、別
の支持体上（透明支持体とは限らない）でもよい
（２枚もの）。拡散転写現像により受像層に像に従
つて形成された銀画像を有する材料は、次いで銀
画像部または非銀画像部のどちらか一方を除去す
るために公知の方法で処理される。

好ましい一つの処理方法は、エツチングブリー
チ法である。別の処理方法はタンニングブリーチ
法である。さらに別の処理方法は拡散転写現像と
を同時に行ない、その後、非タンニング部をウオ
ツシユ・オフする方法である。銀像の存在が不都
合であるときはさらに漂白定着することができ
る。さらに別の好ましい処理方法は、非タンニン
グ部（モノシートにおいては、その上に配置する
タンニング部も同時に）を別のシート上に圧力転
写する。いわゆるコロイド転写法である。この方
法は、既述の方法に比べて、除去したコロイドを
廃棄するやつかいな問題がないという利点を有す
る。転写すべく別のシートは、２枚ものタイプに
おいてはネガ材料でありうる。処理方法は当業者
に周知であり、前述の特開昭50−123344明細書も
参照することができる。ハロゲン化銀乳剤層に必
要な銀は、受像層がエツチングブリーチされる
か、硬化されるに必要な銀量であればよく、極め
て少量、例えば１平方メートル当り５ミリモル、
特に３ミリモル（硝酸銀に換算して0.51ｇ／m²）
以下で十分に高濃度の画像を得ることができる。
タンニング法によるときは、受像層（モノシート
においては、場合によりハロゲン化銀乳剤層も）
は未硬化であるか弱い硬化である必要がある。

ハロゲン化銀乳剤層の上に受像層を有するモノ
シートにおいては、透明支持体の裏側からも露光
することができる。受像層を通しての露光も可能
であるが、透過濃度を増すために、不透明可剤を
増量するに従つて可視光による感光度が低下し著
るしい場合には実用上不可能になるからである。
特に、このタイプのモノシートにおいて、ハロゲ
ン化銀乳剤層を感光成分として用いるには、受像
層を通過しうる放射線、例えばＸ線の照射によつ
ても可能である。拡散転写法によりＸ線感応感材
を製造することは、米国特許第2565378号、同
3185841号、特公昭48−30892号等により公知であ
り参照することができる。

受像層あるいは乳剤層の中にルミノフオア粒子
を含有させておくことにより低銀量のＸ線感応材
料が得られる。もちろん、本発明の他のタイプの
材料でも可能である。Ｘ線感応材料では受像層の
バインダーを増して、厚くすることは、より連続
調の画像を得ることができる利点を有する。

本発明の実施に有用なハロゲン化銀写真感光材
料としては、例えばハロゲン化銀白黒写真感光材
料、印刷製版用写真感光材料、Ｘ線写真材料、マ
イクロ写真感光材料、被写用写真感光材料などを
挙げることができるがこれらに限定されるもので
はない。

本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、例え
ばハロゲン化銀の組成（例えば、沃臭化銀、臭化
銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀など）、ハロゲン化銀
の結晶形や晶癖、乳剤中の銀イオン濃度、乳剤中
のPH、親水性バインダーの種類や量などに制限さ
れない。

更に、そのハロゲン化銀乳剤は各種の増感剤で
化学増感することが出来る。例えば、硫黄増感剤
（例えばハイポ、チオ尿素、不安定硫黄を含むゼ
ラチンなど）、貴金属増感剤（例えば塩化金、ロ
ダン金、塩化白金酸アンモニウム、硝酸銀、塩化
銀、パラジウム塩、ロジウム塩、イリジウム塩、
ルテニウム塩など）、米国特許第2518698号などに
記載のポリアルキレンポリアミン化合物、ドイツ
特許第1020864号記載のイミノ−アミノ−メタン
スルフイン酸、還元増感剤（例えば塩化第１錫な
ど）などが有利に用いられる。

本発明のハロゲン化銀写真感光材料において感
光乳剤を作成するために有利に用いられる親水性
コロイドは、既述したような受像層に用いるバイ
ンダーでありうる。

ハロゲン化銀乳剤は、青、緑、赤のスペクトル
増感をすることもできる。それは、メロシアニ
ン、シアニン色素あるいはその他の増感色素であ
りうる。

本発明のハロゲン化銀写真材料の各構成要素中
にはさらに各種の添加剤を含有させることができ
る。

例えば、ホルマリン、ムコクロル酸、クロム明
ばん、ビニルスルホン化合物、エポキシ化合物、
エチレンイミン化合物などの硬膜材、メルカプト
化合物、テトラアザインデンの如きカブリ防止剤
ないしは安定剤、界面活性剤としてサポニン、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホ琥
珀酸エステル塩、米国特許第2600831号記載のア
ルキルアリールスルホネートのような陰イオン性
化合物及び米国特許第3133816号記載のような両
性化合物など、その他にも特公昭34−7127号の如
き蛍光増白剤、ワツクス、高級脂肪酸のグリセラ
イドあるいは高級アルコールエステルの如き浸潤
剤、Ｎ−グアニルヒドラゾン系化合物、４級オニ
ウム化合物、３級アミン化合物の如きモルダン
ト、ジアセチルセルロース、スチレン−パーフル
オロアルキレンソジウムマレエート共重合体、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体とｐ−アミノベ
ンゼンスルホン酸との反応物のアルカリ塩の如き
帯電防止剤、ポリメタクリル酸エステル、ポリス
チレン、アクリル酸エステル、種々のラテツクス
の如き膜物性改良剤、グリセリン、特公昭43−
4939号の如きゼラチン可塑剤、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、特公昭36−21574号の如き増粘剤、
酸化防止剤、PH調整剤等を使用することができ
る。

拡散転写法に用いられる処理液は、アルカリ性
物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、第三燐酸ナトリウム等、ハ
ロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸ナトリウム、チ
オチアン酸アンモニウム、環状イミド化合物、チ
オサリチル酸等、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム等、濃稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止
剤、例えば臭化カリウム、１−フエニル−５−メ
ルカプトテトラゾール等、必要ならば現像薬、例
えばハイドロキノン、１−フエニル−３−ピラゾ
リドン等、現像変性剤、例えばポリオキシアルキ
レン化合物、オニウム化合物、アルカノールアミ
ン等を含むことができる。現像薬は、ハロゲン化
銀乳剤層または／およびそれと水透過性関係にあ
る他の親水性コロイド層に含有させることができ
る。この場合には、周知のように処理液には実質
的に現像薬を含まないアルカリ活性化液とするこ
とができる。

処理液中あるいは材料中に含有する現像薬をタ
ンニング現像薬に代えることによつて既述した処
理方法に用いられる。タンニングするための条
件、タンニング現像薬等は周知であり、例えば特
公昭46−12242等を参考にすることができる。

以下に実施例を挙げる。

実施例 １ ポリエチレンテレフタレートフイルム上に、硫
化パラジウム核、カーボンブラツク、ホルマリン
等を含有するゼラチンとポリビニルアルコール
（３：２重量比）からなる受像層を３ミクロン
（乾燥時）の厚みになるように塗布、乾燥して受
像材料を作製した。カーボンブラツクは１ｇ／m²
であり、透過濃度は4.0以上であつた。

一方、ポリエチレンラミネート紙支持体上にカ
ーボンブラツクを含むゼラチン下塗層を設け、そ
の上に平均粒径0.2ミクロンの塩臭化銀（臭化銀
５モル％）を含むオルト増感されたゼラチン乳剤
を硝酸銀に換算して0.2ｇ／m²となるように塗布、
乾燥してネガ材料を作製した。像露光後、下記現
像液を用いて両材料を通常の方法で処理した。

ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.5ｇ ハイドロキノン 12ｇ １−フエニル−３−ピラゾリドン １ｇ 無水亜硫酸ナトリウム 75ｇ チオ硫酸ナトリウム 14ｇ 水酸化ナトリウム 12ｇｇ 臭化カリウム 1.5ｇ 水で１とする。

次いで、受像材料を下記の公知のエツチブリー
チ液に20℃、90秒間浸漬し、銀像を有する部分の
受像層を除去した結果、被写体に対してネガチブ
な鮮明な高透過濃度の画像が得られた。

エツチブリーチ液 Ａ液（500ml）塩化第二銅 2.5ｇ クエン酸 2.5ｇ Ｂ液 ３％H₂O₂水溶液 500ml （Ａ液とＢ液を混合して１とする。） この材料は、市販のリスフイルムとして十分に
使用できるものであつた。

実施例 ２ 実施例１の受像材料に用いた支持体上に、硫化
ニツケル核、カーボンブラツク（0.5ｇ／m²）を
含有する弱く硬化されたゼラチン（６ｇ／m²）か
らなる受像層を設けて受像材料を作製した。

また、実施例１の受像材料に用いた支持体上に
カーボンブラツクおよび０−クロルハイドロキノ
ン（１ｇ／m²）を含むゼラチン下塗層（約５ミク
ロン）を設け、その上にオルト増感された臭化銀
ゼラチン乳剤を硝酸銀に換算して0.3ｇ／m²とな
るように塗布、乾燥してネガ材料（下塗層、乳剤
層ともに予め硬化されている）を作製した。この
ネガ材料を像露光後、下記の現像液を用いて両材
料を通常の方法で現像した。

チオ硫酸ナトリウム 15ｇ 水酸化ナトリウム 15ｇ 臭化カリウム １ｇ １−フエニル５メルカプト−テトラゾール
0.1ｇ 水で１とする。

受像材料の未硬化部が一部ネガ材料に転写し
た。

次いで、受像材料を約50℃の温湯で未硬化部を
洗い流し、乾燥すると、透過濃度４以上の鮮明な
ポジ画像が得られた。このものは、ラインワーク
のリスフイルムとして十分に使用しうるものであ
つた。

実施例 ３ 実施例１の受像材料上に、さらに実施例１のネ
ガ材料に用いたハロゲン化銀乳剤を同様に塗布、
乾燥し、モノシート材料を作製した。この材料を
像露光後、実施例１に準じて処理したところ、被
写体に対してネガチブな高濃度の画像が鮮明に得
られた。

本発明の材料により得られた画像は、銀を含ま
ないか含んでいても少量であるため、DTR法の
材料がハロゲン化銀溶剤に起因して生じる銀の退
色等の欠点がない利点を有する。

実施例 ４ 実施例３のモノシート材料のハロゲン化銀乳剤
層中に0.7ｇ／m²の４−フエニルカテコールを含
み、いずれの層も極めて弱く硬化されている以外
は、同様にして作製し、以後実施例２と同様に処
理した。ハロゲン化銀乳剤層および受像層の未銀
像部が除去され、被写体に対してポジチブな高濃
度の透過画像が得られた。実施例３および４のモ
ノシートは、50℃、80％RHで48時間保存して
も、顔料に基づく減感、カブリなどの写真的悪影
響はなかつた。

実施例 ５ 実施例４のモノシート材料の乳剤層と受像層を
逆にすること、乳剤層はホルマリンで十分に硬化
されていることの以外は同様にしてモノシート材
料を作製し、裏側から露光し（受像層がハレーシ
ヨン防止層を兼ねる。）、次いで実施例２に記載の
転写現像液で現像し、現像銀の漂白、定着および
受像層の非硬化部のウオツシユ・オフ処理を施こ
すことにより鮮明な高濃度ポジチブ画像を得た。

実施例 ６ 実施例２の受像材料の受像層を未硬化とする以
外は、同様にして実施例２を繰返した。転写現像
後、密着状態の両材料をローラーで加圧して、受
像層の未硬化部分をネガ材料上に完全に転写し
た。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 透明支持体上に銀供給源としてのハロゲン化
   銀乳剤層から可溶性銀錯塩が像に従つて拡散転写
   され現像されるための物理現像核を含有する受像
   層を少なくとも有している材料であつて、該受像
   層中には写真処理によつて流出しない顔料、染料
   等の不透明化剤を含み、該不透明化剤は前記透明
   支持体の散光透過量の25パーセント以下の散光透
   過量となるような量を含むことを特微とする拡散
   転写フイルム材料。