JPS6334828B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、杉や桧等の天然木の丸太状の外観を
呈する合成樹脂製単位板及びその製法に関するも
のであり、大量生産が可能で、製品コストを低く
抑えることができ、しかも軽量で例えば建造物の
壁面等に取り付けるにも軽量で取り付けが容易な
合成樹脂製単位板及びその製法を提供せんとする
ものである。

以下、本発明を図面に示した実施例に従つて説
明する。

第１図は版の製造過程の一例を示す説明図、第
２図はフイルムに外樹皮模様の印刷を施す装置の
一例を示す概略正面図、第３図及び第４図はフイ
ルムをプラスチツク板にラミネートする方法の説
明図、第５図及び第６図は雌型の製造過程を示す
説明図、第７図及び第８図は本発明の一実施例た
る単位板の斜視図、第９図及び第１０図は版の製
造方法の別例を示す説明図である。

まず、杉、桧等の天然木の比較的軟い外樹皮１
をはがし、板等の平面上に該外樹皮１を引き伸ば
して並置する（第１図参照）。

次に、かかる外樹皮１の連続体を、カメラで写
真に取る。そして、かかる写真の原稿からネガチ
ブを作成し、次に、かかるネガチブからポヂチブ
を作成する。出来上がつたポジチブは、濃淡調が
揃うように修正し、計画した割り付けに従つて厚
ガラス板かセルロイドフイルム（アセテートベー
ス）などの透明体に張り込み一版分をまとめる。
ここで、青写真を撮る等の方法によ修正を行う。

そして、チツシユのセスシダイジングを行い、
感光性が与えられたチツシユに、まずグラビアス
クリンと合せてスクリン線を焼き込み、引き続き
前記した天然木の外樹皮の写真のポジチブを焼き
付ける。次に、焼き付けを終わつたチツシユの膜
面を別途準備した胴版木に転写し、チツシユを転
写した胴版材は現像装置に移し、温湯で現像し、
紙及び未硬化ゼラチンを除去する。

更に、胴版材を腐食液で腐食して版となす。

なお、かかる版は、色分解してなる各色版３
ａ，３ｂ，３ｃを準備し、第２図に示す如く、グ
ラビア輪転印刷機２の版胴３に取り付ける。図
中、４は圧胴、５は巻き出しリール、６は巻き取
りリール、７はテンシヨンコントロール、８は乾
燥部を有する第１ユニツト、９は乾燥部を有する
第２ユニツト、１０は乾燥部を有する第３ユニツ
トである。

そして、かかるグラビア輪転印刷機２にて、そ
の厚さ0.05mm程度のアクリルフイルム１１に、前
記版３ａ，３ｂ，３ｃによつて多色印刷を行う。
もつとも、該アクリルフイルム１１に印刷された
インキ皮膜は、特に柔軟性と伸縮性を有している
ことが必要である。

次に、天然木の外樹皮の模様が印刷されたアク
リルフイルム１１の印刷面１２と、例えば、筒中
プラスチツク工業株式会社製カイダツク（商標）
等のアクリル変性塩化ビニル板、ABS樹脂板、
ポリカーボネート板、塩化ビニル樹脂板、アクリ
ル板等のプラスチツク板１４とをラミネートすべ
く、第３図に示す如く、プレス熱板１３ａ，１３
ａをもつて加熱加圧し、その自己接着性によりア
クリルフイルム１１をプラスチツク板１４に積層
接着する。なお、かかるラミネートの方法として
は、第４図に示す如く、加熱ロール１５ａ，１５
ｂにより加熱加圧しながら、アクリルフイルム１
１の印刷面１２とプラスチツク板１４とを合わ
せ、ラミネートする方法を採つてもよい。

一方、製版に利用した前記の天然木と同様の天
然木１６を、半径方向に縦びきして２ツ割りに
し、縦びきした面を下向きとなして、第５図に示
す如く、複数本所定形状の型枠１７内に、シリコ
ンゴム１８を注入し、天然木１６の外樹皮１に対
応した凹部を有するシリコン凹型１９を形成す
る。引き続き、該シリコン凹型１９の凹部２０
に、石コウを流し込み硬化させて、シリコン凹型
１９の凹部２０に対応した凸部２１を有する石コ
ウ凸型２２を成形する。また、第６図に示す如
く、再び、該石コウ凸型２２ように、何度か石コ
ウ凸型及び凹型の成形作業を繰り返すことによ
り、型構造に何か工夫しないと成形品を取り出せ
ない形状、つまり食い込み部（アンダカツト）等
が比較的少なくなり、成形品を型より取り出しや
すくなる。

上記のようにして成形された雌型２５を第６図
Ｖに示す如く、真空成形機（図示せず）に取り付
け、次に、前記のアクリルフイルム１１がラミネ
ートされたプラスチツク板１４を、前記雌型２５
上にクランプし、ヒータ２６で加熱し、雌型２５
の内面に、前記ラミネートされたプラスチツク板
１４を、雌型２５に設けられた小孔２８より雌型
２５内の空気を排除して、かかる真空成形圧力に
より、吸いつけて成形する。

さすれば、第７図及び第８図に示す如く、断面
半円形状の天然木の半丸太状部が複数並列され、
該半丸太状部間には連結部が形成され、天然木の
外表面と全く変わらない外樹皮状の単位材Ａが成
形される。

なお、この成形方法としては、真空成形に代え
て圧縮空気を使用する圧空成形を用いてもよい。

本発明は、上記実施例に限定されることなく、
種々変更することができる。

例えば、アクリルフイルム１１に印刷される外
樹皮模様用の版３ａ，３ｂ，３ｃに利用する写真
は、天然木の外樹皮を引き剥がすことなく、一本
の天然木をその外周側より、第９図に示す如く、
複数枚の写真をとり、かかる複数枚の写真を合成
したものを利用してもよい。

また、写真の原稿からとつたポジチブを割り付
け板を製作するときに、第１０図に示す如き、基
盤の目状の罫線がひかれたフイルム２７を、雌型
２５により天然木の外表面を呈するように成形さ
れたプラスチツク板１４に貼り付け、各部分にお
ける該フイルムの伸縮率を、罫線により割り出
し、それに基ずいてポジチブを修正し割り付け、
プラスチツク板１４の凹凸形状に対応した版を製
作するようにしてもよい。

本発明は、上記のように構成されたから、大量
生産が可能で、木材等を利用する場合に比して製
品コストを低く抑えることができ、しかも、軽量
で、例えば、建造物の壁面等にとり付ける場合で
も、極めて容易であり、外観は天然木の外樹皮と
さほど変わらない単位材を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は版の製造過程の一例を示す説明図、第
２図はフイルムに外樹皮模様の印刷を施す装置の
一例を示す概略正面図、第３図及び第４図はフイ
ルムをプラスチツク板にラミネートする方法の説
明図、第５図及び第６図は雌型の製造過程を示す
説明図、第７図及び第８図は本発明の一実施例た
る単位板の斜視図、第９図及び第１０図は版の製
造方法の別例を示す説明図である。 １…外樹皮、２…グラビア輪転印刷機、３ａ，
３ｂ，３ｃ…版、３…版胴、４…圧胴、５…巻き
出しリール、６…巻き取りリール、７…テンシヨ
ンコントロール、８…第１ユニツト、９…第２ユ
ニツト、１０…第３ユニツト、１１…アクリルフ
イルム、１２…印刷面、１３ａ，１３ａ…プレス
熱板、１４…プラスチツク板、１５ａ，１５ｂ…
加熱ロール、１６…天然木、１７…型枠、１８…
シリコンゴム、１９…シリコン凹型、２０…凹
部、２１…凸部、２２…石コウ凸型、２３…石コ
ウ凹型、２４…石コウ凸型、２５…雌型、２６…
ヒータ、２７…フイルム、２８…小孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 天然木の外樹皮模様が印刷されたプラスチツ
   クフイルム、および その外表面が天然木を複数本並列した天然木の
   外樹皮の形状に成形されその外表面に前記プラス
   チツクフイルムが積層接着されたプラスチツク板
   を含み、 その外観は天然木が並列されてなる外観を呈す
   るように構成されたことを特徴とする合成樹脂製
   単位板。 ２ 単位板は、断面半円形状の天然木の半丸太状
   部が複数並列され、該半丸太状部間には連結部が
   形成され、天然木の外表面と全く変わらない外樹
   皮状に形成された特許請求の範囲第１項記載の合
   成樹脂製単位板。 ３ プラスチツクフイルムは、アクリルフイルム
   である特許請求の範囲第１項又は第２項記載の合
   成樹脂製単位板。 ４ 杉や桧等の天然木の外樹皮を平板状に並置
   し、該天然木の連続体の写真を取る工程と、該写
   真をもつて製版する工程と、該版でフイルムに天
   然木の外樹皮の画線を印刷する工程と、前記版を
   作るときに利用した天然木を適宜数並列する工程
   と、天然木が並列された雌型を製造する工程と、
   天然木の外樹皮模様が印刷されたフイルムをプラ
   スチツク板に積層接着する工程と、前記型をプラ
   スチツク加工装置に取り付け、且つ、該型の上に
   前工程でフイルムを積層接着されたプラスチツク
   板を雌型上にクランプし、該プラスチツク板を適
   宜加熱して軟化させ、外力を加えて該プラスチツ
   ク板を折り曲げて、外表面が天然木の外観を呈す
   る単位板を成形する工程とからなることを特徴と
   する合成樹脂製単位板の製法。 ５ 単位板は、断面半円形状の天然木の半丸太状
   部が複数並列され、該半丸太状部間には連結部が
   形成され、天然木の外表面と全く変わらない外樹
   皮状に形成された特許請求の範囲第４項記載の合
   成樹脂製単位板の製法。 ６ プラスチツクフイルムは、アクリルフイルム
   である特許請求の範囲第４項又は第５項記載の合
   成樹脂製単位板の製法。