JPS6334826Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の利用分野」 本考案は、NC工作機械での工具交換システム
に関し、特に工具交換の能率向上を図り、工作機
械の待ち時間を減少させるものである。

「考案の背景」 この種の工作機械１は、第１図に示すように、
テーブル２上の被工作物（ワークＷ）をスピンド
ルヘツドＳに把持したツールＴによつて加工する
ものであり、ツールＴの移動に従つて、スピンド
ルヘツドＳが種々の方向へ移動する。又、NC工
作機械１は本体３に、交換用のツールを予め収納
しておくツールコラム４を有しており、本体に取
付けた工具交換ロボツト５によつてコラム４とス
ピンドルヘツドＳとの間でツールの交換を行う。
従つてコラムの工具交換位置６は、本体に対して
固定されている。そのため、コラム４はスピンド
ルヘツドの移動に伴つて移動することになる。一
方、このようなコラムに供給するツールは、予め
ツールを複数セツトしたツールマガジンＭを、工
作機械１の後方へ搬送台車によつて運搬して行う
が、上記のように加工作業中にコラムが移動する
と、固定されたツールマガジンＭとコラム４との
間のツールの交換は不可能であるため、従来はワ
ークの交換時等、スピンドルヘツドが停止してい
る時期を選んでツール交換を行つている。しか
し、近年ワークの交換は自動化が進み、ワーク交
換時間が極めて短くなつているのに対し、多くの
ツールを交換するのは時間のかかる作業であるた
め、もつぱらツールの交換のために、スピンドル
ヘツドが動けず、加工能率が低下する事態に陥つ
ている。

「考案の日的」 本考案はこのような不都合の解消を目的とする
もので、その手段として、スピンドルヘツドの加
工作業中に、ツールマガジンとツールコラムとの
間のツールの受け渡しを行うようにするため、ツ
ールコラムを一部にたるみ部を有する無端チエー
ンにより構成し、NC工作機械の移動によるツー
ルコラムの張力変動をこのたるみ部のたるみ量の
変動により吸収し、ツールコラム側のツール交換
位置とツール交換ロボツトとの加工作業中におけ
る相対位置関係を一定に保持しうるようにし、ス
ピンドルヘツドが加工作業を続行している最中
に、ツールマガジンとツールコラムとの間で工具
の受け渡しを行うようにしたものである。

「実施例」 次いで添付した図面を参照して、本考案を具体
化した実施例について説明する。第１図に示した
第１の実施例では、コラム４がアイドラプーリ７
に引張られた長さｂのたるみ部分８を有する無端
ローラチエーン９により構成されている場合であ
る。コラム４は、ローラチエーン９に等ピツチで
ツールボツクス１０が複数個取付けられているも
のであるから、適当なプーリ又はスプロケツトを
用いて自由にたわませることができる。図の場
合、ツールコラム４は常時矢印１１の方向へ弾性
的に付勢されているアイドラプーリ７によつてた
るみ部分８を形成しつつ、プーリ１２，１３，１
４，１５の間で張られている。ツールコラム４を
巻き掛けた最後部のプーリ１３は、床に固定され
た軸を中心に回転し、その先端部に来ているツー
ルボツクス１０ａの位置は地上のツールマガジン
Ｍとコラム４とのツール交換位置で地上に対し固
定された位置である。１６は、地上側に配置され
たコラム４とツールマガジンＭとの間でツールを
交換するツール交換ロボツトであり、この場合地
上に固定されている。

従つて、コラム４とツールマガジンＭとの間で
ツールの交換が行われている時は、即ちツールボ
ツクス１０ａが固定されている時に、スピンドル
ヘツドＳと共に本体３が加工作業のために矢印Ｘ
の方向に移動すると、コラム４の張力が変動しよ
うとするが、この変動に応じてアイドラプーリ７
が矢印１７の方向へ移動するので、コラム４がた
るんだり、逆に引張られて破断するようなことは
ない。

第２図示の第２の実施例では、ツール交換ロボ
ツト１６ａがツールマガジンＭに取付けられてい
て、ツールマガジンＭと共に無人搬送台車１８に
乗せられて移動する。この場合ツールマガジンＭ
とツール交換ロボツト１６ａとの位置は、予め正
確に設定されているから、架台１９へのマガジン
Ｍの積み降し時の芯出しが容易である。

以上の実施例においては、いずれも工具マガジ
ンＭを架台上に載置した後は、無人搬送台車１８
は、他のマガジンやワークの移動等に従事するこ
とができ、１台で複数の工作機械に対応しうる。

地上又はツールマガジンにセツトされたツール
交換ロボツトは、コンピユータとの間の信号の授
受によつてNC工作機械と連動し、必要に応じて
ツールを交換する。ツールの交換は、製品ロツト
の切り換え時又はこれに先立つて行われることは
もちろん、摩耗や故障の発生したツールも、この
システムによつて交換ささる。

以上の実施例においては、ツールコラムやツー
ルマガジンの構成に工夫を加えて、ツールの能率
の良い自動交換を達成しようとするものである
が、このような目的は、加工工程の時間的配分を
操作することによつて達成可能である。

このような場合は、第３図及び第４図に示すよ
うに、工作機械１のツールコラム４の側部にツー
ル交換ロボツト１６ｃを設けて、これによりツー
ルマガジンＭに差し込まれたツールＴをコラム４
に受け渡してもよい。上記第１〜第３の実施例の
場合も同様であるが、無人搬送台車１８の床に対
する位置決めは、床面２１の定位置に固定した円
錐状突起２２に、搬送台車１８側に設けた円錐状
穴２３を有するピストン２４を差し込むことによ
つて行われ、搬送台車１８に対するツールマガジ
ンＭの位置決めは、ツールマガジンの底面に刻設
した円錐状穴２５に、搬送台車１８の昇降台２６
上面に設けた円錐状突起２７を差込むことによつ
て行われる。又、架台１９とツールマガジンＭと
の位置決めについても同様で、ツールマガジンＭ
の底面に刻設した円錐状穴２８に架台１９の受け
面３０上に設けた円錐状突起２９が差込まれるこ
とによつて達成され、いずれの場合も、円錐状穴
に対する円錐状突起の楔作用によつて、位置の狂
いが矯正される。マガジン上のツールは、中心線
３１に対して右側（Ａ側）と左側（Ｂ側）とに配
置されており、交換ロボツト１６ｃは、いずれか
一方の側のツールしか取出すことができないか
ら、搬送台車１８を使つてマガジンＭをスイツチ
バツクさせて、その位置に転換する。即ち、空の
搬送台車は、まず矢印３２に沿つて、誘導線３３
に導かれて架台１９の下へ入り込み、ツールマガ
ジンＭを持ち上げた後、ツールマガジンと共に、
矢印３４の方向へバツクし、その後矢印３５に導
かれて前進し、更に矢印３６に沿つてバツクする
ことにより、方向転換して架台１９の下へ入り込
み、ツールマガジンＭを架台上へ降ろす。こうし
てマガジンＭの方向が逆転されてセツトされる。

加工工程の時間的配分の操作は次のようにして
行われる。第６図は、自動工具交換システムのプ
ログラムの概要を示したもので、第７図は、これ
に対応した機器構成図、第８図は、上記プログラ
ムの一連のフローチヤートを示したものである。

この自動工具交換システムにおいては、メイン
プログラムである加工スケジユール管理サブシス
テムによつて運用され、NC機械の作動を司どる
加工実績管理サブシステム、および自動倉庫とそ
の入出庫を操作する無人車、搬送機器等の作動に
関連するワーク自動搬送制御サブシステムと連動
し、加工工具の運搬については、工具を運搬、格
納する自動倉庫、無人車、ツール交換ロボツト、
NC機械を制御するプログラムである工具自動搬
送制御サブシステムと連動する工具管理サブシス
テムと関連する。

次いでシステムの詳細を第８図のフローチヤー
トにしたがつて説明する。コンピユータは、加工
スケジユール管理システム及び工具管理サブシス
テムに従つて、現時点においてロツトの切換が必
要か否かを判断する。ロツトの切換が必要な場合
は、指定されたロツト番号に従つて自動倉庫より
ロツト専用工具を出庫する。ロツトの切換えが不
要であれば、工具が破損又は寿命に達しているか
を判断する。このような判断はNC機械側に設け
た赤ランプの点灯の有無によつてなされる。工具
が破損している場合等には、パーマネントツール
を自動倉庫より出庫する。出庫された工具は、無
人車（搬送台車）に乗せられて、工作機械側へ送
られる。

工作機械はNC切削テープによつて駆動されて
おり、このテープには、切削情報に不随して工具
を交換することが可能が否かの信号が記憶されて
いる。工具交換は第３図の交換装置等の場合は、
ツールコラムが停止していていることが条件であ
るから、NCテープ内のワーク交換命令ステツプ
や、コラムとスピンドルセンタ間の工具交換ステ
ツプ等に不随して工具交換可能情報を記憶する。
この情報は、コンピータ内では、特定のフラツグ
のセツト又はリセツト信号として扱われる。工具
交換可能の状態が確認されと、工具交換ロボツト
やツールコラム等の作動を促す工具交換指令が出
され、指定された全の工具が交換されるまで、繰
り辺し交換操作が行われる。全工具が交換される
と、無人車は、ツールマガジンを乗せて自動倉庫
へ運ぶために発進する。工具交換情報が付加され
る場所は、前記の外、 １工具（行程）切削時間＞工具交換に必要な時
間 が満足される工程が該当する。

従つて一般には、工具交換は、加工中の空き時
間に行われ、工具交換ロボツトは、自動工具交換
装置とインターロツクを取りながら、NC機械加
工中に工具を交換する。

「考案の効果」 本考案は以上述べた如く、NC工作機械自体が
水平方向に移動しつつ加工作業を行い、スピンド
ルヘツドに供給する工具を備蓄するツールコラム
がNC工作機械に取り付けられてNC工作機械の
水平方向への移動に伴つて移動する形式のNC工
作機械の自動工具交換装置において、上記ツール
コラムが一部にたるみ部を具備した無端チエーン
により構成され、NC工作機械の移動に伴つて上
記たるみ部分のたるみ量が変動することによりツ
ールコラム側のツール交換位置と、ツール交換ロ
ボツトとの加工作業中における相対位置関係を一
定に保持し、スピンドルヘツドが加工作業を続行
している最中に、ツールマガジンとツールコラム
との間で工具の受け渡しを行うことを特徴とする
自動工具交換装置であるから、ツール交換のため
に加工を停止する必要がなく、加工能率が著しく
向上しるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の第１及び第２の実
施例に係る工具交換システムに用いる工作機械の
側面図、第３図は、加工工程中の最適時を選んで
工具交換を行うシステムに用いることのできる自
動交換装置の斜視図、第４図は同装置の側面図、
第５図は搬送台車のスイツチバツク操作を示すツ
ールマガジン等の平面図、第６図は、他のシステ
ムのプログラムの概要を示すブロツク図、第７図
はこれに対応する機器構成図、第８図は、上記プ
ログラムの一連のフローチヤートである。 符号の説明、１……NC工作機械、２……テー
ブル、４……ツールコラム、Ｓ……スピンドルヘ
ツド、Ｍ……ツールマガジン、７……アイドラプ
ーリ、１６，１６ａ，１６ｃ……自動工具交換ロ
ボツト、１８……搬送台車（無人車）、２０……
ユニツト装着ステーシヨン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. NC工作機械自体が水平方向に移動しつつ加工
   作業を行い、スピンドルヘツドに供給する工具を
   備蓄するツールコラムがNC工作機械に取り付け
   られてNC工作機械の水平方向への移動に伴つて
   移動する形式のNC工作機械の自動工具交換装置
   において、上記ツールコラムが一部にたるみ部分
   を具備した無端チエーンにより構成され、NC工
   作機械の移動に伴つて上記たるみ部分のたるみ量
   が変動することによりツールコラム側のツール交
   換位置とツール交換ロボツトとの加工作業中にお
   ける相対位置関係を一定に保持し、スピンドルヘ
   ツドが加工作業を続行している最中に、ツールマ
   ガジンとツールコラムとの間で工具の受け渡しを
   行うことを特徴とする自動工具交換装置。