JPS6334763Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

本考案はプレスにおける材料送り装置に関する
ものであつて、特にプレス１台のセツトとしても
複数台のプレスラインのセツトとしても使用でき
る材料送り装置に関するものである。 従来、複数台のプレスラインへの材料の供給、
取り出しは、第１図、第２図に示す如く、プレス
Ｐ中央の金型Ｄ後方を移動する複数台のプレスに
共通する１本のフイードバーＦを有する材料送り
装置が使用されていたが、この方法はプレス間の
位置精度を極めて正確にする必要があつた。ま
た、このことから、既設のプレスラインの材料の
供給、取り出しを上記の方法で自動化しようとす
れば再度ラインを組みなおす必要があつた。 このため、第３図、第４図に示す如く、各プレ
スの前面又はプレス間の前面に旋回をする材料把
持装置を有する産業用ロボツトＲを使用する例も
多い。しかし、各々のロボツト間に受け渡しのた
めの中間送り装置Ｍが必要であり、又、プレスの
前面を塞ぐため金型交換時にこれらを移動させる
必要があつた。また送り装置の構成も空圧シリン
ダーを使用しているため動作も鈍くコンパクトな
ものではなかつた。 本考案は、これらの欠点を除去し、回転カム駆
動にして送り動作を連続化すると共にプレス間の
位置精度も厳しくなく、一直線上に設置しなけれ
ばならないという限定もなくラインを構成でき、
さらに、プレス前面が解放されているため型交換
の煩わしさも軽減されたプレスの材料送り装置を
提供せんとするものである。 本考案の一実施例について動きを説明すれば、
第５図、第６図において、１はプレス、２は供給
側中間ステージ、２５は取り出し側中間ステー
ジ、４はフイードバー、５は供給用バキユームク
ランパ、６は取り出し用バキユームクランパ、７
は金型である。そして、バキユームクランパ５，
６によるワークのハンドリング作動は矢印ａ，
ｂ，ｃ，ｄ，ｅ，ｆ，ｇの通りに行われるもの
で、順を追つて説明すれば、 〔１〕 最初の状態、供給用バキユームクランパ
５は供給側中間ステージ２と、金型７の中間地
点に、取り出し用バキユームクランパ６は、金
型７と取り出し側中間ステージ２５の中間地点
にそれぞれ位置している。 〔２〕 矢印ａ、フイードバー４は左側にスライ
ドし、フイードバー４に固定されている供給用
バキユームクランパ５、取り出し用バキユーム
クランパ６はそれぞれ供給側中間ステージ２、
金型７の上を動く。 〔３〕 矢印ｂ、フイードバー４は下降し、バキ
ユームクランパ５，６も下降し、中間ステージ
２及び金型７上のワークをそれぞれクランプす
る。 〔４〕 矢印ｃ、フイードバー４は上昇し、バキ
ユームクランパ５，６も上昇する。 〔５〕 矢印ｄ、フイードバー４は右側に大きく
スライドし、バキユームクランパ５，６はそれ
ぞれ金型７及び取り出し側中間ステージ２５上
にくる。 〔６〕 矢印ｅ、フイードバー４は下降し、バキ
ユームクランパ５，６も下降し、ワークをアン
クランプして、それぞれ金型７及び中間ステー
ジ２５上に置く。 〔７〕 矢印ｆ、フイードバー４、クランパ５，
６は上昇する。 〔８〕 矢印ｇ、フイードバー４、クランパ５，
６は左側にスライドし、スタート地点に戻り停
止する。

〔９〕 プレス１が起動し、ワークを加工する。 〔10〕 以下は同様に〔１〕〜

〔９〕の動きを繰
り返す。 第７図、第８図、第９図及び第１４図は左右及
び上下駆動用の駆動装置の内部機構を説明するた
めのものである。 本考案の材料送り装置はプレス１のギヤツプ部
の一側には材料送り装置本体８を設け、他側のボ
ルスタ上には上下駆動ユニツト体１３のみを設け
たものである。また材料送り装置本体８の上部に
設けた上下駆動ユニツト体１２と前記の上下駆動
ユニツト体１３には、それぞれ昇降駆動用ラツク
３０と噛合する駆動ピニオン３１により駆動され
る偏心ローラ３２に係接して案内部材３４に案内
され昇降するフイードバー昇降板３３が設けられ
ている。また両側のフイードバー昇降板３３には
前記のフイードバー４が左右に摺動自在に保持さ
れている。 次に前記の材料送り装置本体８には単一のモー
タ２５の動力でフイードバー４を左右及び上下駆
動させる駆動装置がコンパクトに収納されてい
る。すなわち、材料送り装置本体８の駆動軸２６
には左右駆動用ドラムカム１５と上下駆動用円板
カム１６が並設され、それぞれのカムと対接する
送り用レバー９と昇降用レバー１７等駆動装置が
収納されている。一方、他側のボルスタ上に設け
られた上下駆動ユニツト体１３は前記の材料送り
装置本体８の上部の上下駆動ユニツト体１２と同
一構造のものだけでよい構成となつている。 ブレーキ付モーター２５による回転力は減速機
２１で減速され、駆動軸２６を廻す。左右駆動用
ドラムカム１５はモーター２５の回転、停止によ
り、回転、停止をする。 左右駆動用ドラムカム１５には凸部があり、ロ
ーラーフオロアー１９、ローラーフオロアー２２
を案内して、ローラーフオロアー１９とローラー
フオロアー２２が取り付いているスライダー１８
に動きをもたらす。スライダー１８にはガイド２
７が縦向きについており、スライダーの左右の動
きを、送り用レバー９にとりついているローラー
フオロアー２０に伝える。これにより送り用レバ
ー９は揺動運動をする。この揺動運動が連結バー
２４を介して、フイードバー４の水平運動とな
る。 左右駆動用ドラムカム１５に切つてある凸部は
0゜〜5゜では送り用レバー９を垂直に保ち、フイー
ドバー４を中間地点に保つ。65゜〜125゜では送り
用レバー９及びフイードバー４を左端に保ち、こ
こが取り出しのための上下の範囲である。240゜〜
300゜では、送り用レバー９、フイードバー４を右
端に保ち、ここが供給のための上下動の範囲であ
る。5゜〜65゜、125゜〜240゜、300゜〜360゜では送り
用
レバー９及びフイードバー４を、中間より左端
へ、左端より右端へ、右端より中間地点へ、それ
ぞれなめらかに移動させる範囲である。 送り用レバー９にとりついているローラーフオ
ロアー２０の位置は、送り用レバー９の長手方向
に移動させることができ、このことによつて、フ
イードバー４の水平方向のストローク長さを調整
することができる。 次に上下駆動装置としては、上下駆動用円板カ
ム１６により昇降用レバー１７が動かされ昇降用
レバー１７は揺動運動を行う。この運動は連結ロ
ツド１０を通じて中間レバー２９に伝えられる。 中間レバー２９の運動により上下駆動ユニツト
体１２の内部で昇降駆動用ラツク３０と駆動ピニ
オン３１により偏心ローラ３２を回転し、該偏心
ローラ３２と係接しているフイードバー昇降板３
３を昇降する。昇降板３３は案内部３４に案内さ
れ昇降して、フイードバー４を上下に作動させ
る。 中間レバー２９の運動は連結ロツド１１を介し
て、他側の上下駆動ユニツト体１３に伝えられ、
前記の上下駆動ユニツト体１２と同様昇降駆動用
ラツク３０と駆動ピニオン３１により上下運動に
変換されフイードバー４を上下させる。 昇降ストローク長さの調整は、調節ネジ２８を
回転させ連結ロツド１０と中間レバー２９の一端
の連結点位置を変える事により行う。 本考案によれば、下記のとおりの種々の利点が
ある。 本考案の材料送り装置は単一のモータにより回
転駆動される駆動軸に左右駆動用ドラムカムと上
下駆動用円板カムとを並設しているので、駆動装
置各部をコンパクトに収納できるのみならず、フ
イードバーの左右及び上下移動の動作を連続的か
つ滑らかに行うことができる。したがつて高速化
及び自動化も容易になる。また送りストローク及
び昇降ストロークの調整も簡易にできる。以上の
ごとくであるからバキユームクランパが常に一定
の送り動作を繰返えす場合には極めて安定した動
作が可能となる。 また第１図、第２図の様な装置であると、プレ
ス１台による単発作業は作業効率が悪くなり不向
であるが、本考案によれば単発加工をも行うこと
ができる。 また本考案の装置は材料送り装置本体をプレス
のギヤツプ部の一側に設け、他側の上下駆動ユニ
ツト体をボルスタ上に設けているので、ライン化
してプレス作業を行う場合は、ライン化が容易で
あり作業プレス機械の台数を製品プレス工程や据
付工場に合わせて自由に選択することができる。
第１３図は狭い工場で一列に配列できない場合の
Ｌ字形配列の例を示す。これにより工場の隅を有
効に利用できるようになる。 本装置はフイードバーが金型後方のＣフレーム
のギヤツプ部に配設されているので、Ｃフレーム
プレスの前面が解放され、型交換及びプレス作業
の管理が極めて容易となる。 プレス機械の据付ピツチは、自由に選択できる
ことから、既設のプレス機械を移動することな
く、本考案の装置のプレス機械に連動させ自動化
を計ることができる。 また絞り、穴明け、等のプレス作業において
は、その加工内容に合せて、ハンドリング装置の
上下移動量を変更させた方が、より広範囲なプレ
ス作業を行う事ができる。本考案装置ではプレス
加工工程ごとにハンドリング装置の上下移動量の
調整を行うことも可能であることから、複雑な加
工も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図、第４図は従来の複数
台のプレスを自動化したプレスライン図で、第１
図はフイードバー１本が金型の後方を通つている
正面図で、第２図は第１図の平面図、第３図は工
業用ロボツトを使用したプレスライン正面図で、
第４図は第３図の平面図である。第５図は本考案
によるプレスにおける材料送り装置を１台のプレ
スに１セツトとして設置した正面図で複数台のラ
インから１セツトだけをとり出してプレスと材料
送り装置の関係を示し、又送り順序をも示してい
る。第６図は第５図のＡ矢視図である。第７図、
第８図、第９図は左右及び上下駆動用の駆動装置
の内部機構を示したもので、第７図は第８図のＢ
矢視図、第９図は第８図のＣ矢視図、第１０図は
プレスのクランクのタイミング説明図、第１１図
はドラムカム１５におけるバキユームクランパー
モーシヨン（左、右）のタイミング説明図、第１
２図はバキユームクランパーのモーシヨン（上
下）のタイミング説明図である。第１３図は本考
案による材料送り装置をＬ字形に配列したプレス
ラインに設置した一例を示す。第１４図は第７図
のＤ−Ｄ断面図である。 Ｐはプレス、Ｄは金型、Ｆはフイードバー、１
はプレス、２は供給側ステージ、３は上下駆動用
連結棒、４はフイードバー、５は供給側バキユー
ムクランパ、６は取り出し側バキユームクラン
パ、７は金型、８は材料送り装置本体、９は送り
用レバー、１０は連結ロツド、１１は連結ロツ
ド、１２は上下駆動ユニツト体、１３は上下駆動
ユニツト体、１４はシリンダ、１５は左右駆動用
ドラムカム、１６は上下駆動用円板カム、１７は
昇降用レバー、１８はスライダ、１９はローラー
フオロアー、２０はローラーフオロアー、２１は
減速機、２２はローラーフオロアー、２３はシヤ
フト、２４は連結バー、２５はブレーキ付モータ
ー、２６はシヤフト、２７はガイド、２８は調節
ネジ、２９は中間レバー、３０は昇降駆動用ラツ
ク、３１は駆動ピニオン、３２は偏心ローラ、３
３はフイードバー昇降板、３４は案内部材、であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレスに付設され、プレス駆動部から独立した
   フイードバーの左右及び上下駆動装置を有し、該
   フイードバーの前面にはワークを吸着又は解放す
   る複数のバキユームクランパを設けた材料送り装
   置において、プレスのギヤツプ部の一側に設けら
   れた材料送り装置本体の駆動軸には左右駆動用ド
   ラムカムと上下駆動用円板カムが並設され、前記
   左右駆動用ドラムカムに対接して該カムにより揺
   動される送り用レバーが設けられ、該送り用レバ
   ーには連結バーを介して前記フイードバーの一端
   が連結され、かつ該送り用レバーにはフイードバ
   ーの送りストローク長さの調整装置が設けられ、
   また前記上下駆動用円板カムに対接して該カムに
   より揺動される昇降用レバーが設けられ、該昇降
   用レバーには連結ロツド１０を介して中間レバー
   ２９の一端が連結され、かつ該中間レバー２９に
   は昇降ストローク長さの調整装置が設けられ、中
   間レバー２９の他端は昇降駆動用ラツクの一端に
   連結され、該昇降駆動用ラツクは材料送り装置本
   体の上部に設けられた上下駆動ユニツト体の駆動
   ピニオンと噛合され、該昇降駆動用ラツクの他端
   は更に連結ロツドを介して前記プレスのギヤツプ
   部の他側のボルスタ上に設けられた上下駆動ユニ
   ツト体の駆動ピニオンと噛合する他の昇降駆動用
   ラツクと連結され、一方前記のプレス両側の上下
   駆動ユニツト体には該上下駆動ユニツト体の駆動
   ピニオンにより駆動される偏心ローラに係接して
   昇降するフイードバー昇降板が設けられ、該両側
   のフイードバー昇降板には前記のフイードバーが
   左右摺動自在に保持されていて、前記の駆動軸の
   １回転により前記のフイードバーのバキユームク
   ランパを送り方向の左端へ戻り、下降、ワークの
   吸着保持、上昇、右端へ送り、下降、ワークの吸
   着解除、上昇、中間位置へ戻り、中間位置休止、
   左端へ戻りの動作の順番に移動させ、供給側ステ
   ージのワークを金型部へ、金型部の加工済みワー
   クを取出し側ステージに同時に移動させると共に
   中間位置休止のときプレスに加工作業を行なわせ
   る構成としたことを特徴とするＣフレームプレス
   における材料送り装置。