JPS6334726B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は開離嵌挿具付スライドフアスナを自動
的に作るための製造装置に関する。

これまで、フアスナエレメントの欠如したスペ
ース部を有しこのスペース部に隣接して上止め具
を装着した１対のストリンガに自動的に、蝶棒、
箱棒、スライダ及び箱体を取付ける装置が知られ
ている。特公昭49−44243号公報はこのような装
置の一例を示す。しかしながら、このような装置
においては、一方のストリンガに蝶棒を取付け、
他方のストリンガに箱棒、箱体及びスライダを取
付けるものであるため、最終製品とするためには
手作業で２つのストリンガを組合わせる必要があ
つた。

本発明は、２つのストリンガが組合わされかつ
スライダが上止め具の位置まで完全に引上げられ
た最終製品の形態の開離嵌挿具付スライドフアス
ナを自動的に作ることが可能な装置を提供するこ
とを目的とするものであり、以下その実施例につ
いて説明する。

第１図は本発明による開離嵌挿具付スライドフ
アスナ製造装置の全体を略示するもので、図中左
より左右１対のフアスナストリンガ１，２（第１
図には１のみが図示されている）が互いに並列に
かつほぼ同一平面内に配置された状態で送られて
くる。これらストリンガには連続したフアスナエ
レメント列を最終製品の長さに区切るため、エレ
メントの欠如しているスペース部分が間欠的に設
けられており、このスペース部分に隣接するエレ
メント列の後端には上止め具が装着されている。
これら連続したストリンガ１，２は後に説明する
グリツパによつてテープ部を把持されこれによつ
て、切断ユニツトＡ、棒金具取付ユニツトＢ、ス
ライダ取付ユニツトＣ、箱体取付ユニツトＤを通
して移動せしめられ、まず棒金具取付ユニツトＢ
において各ストリンガの先端に蝶棒と箱棒が取付
けられ、スライダ取付ユニツトで後に詳述する如
き態様で両ストリンガがスライダ内に同時に挿通
されてフアスナ・チエーンに組合わされ、箱体取
付ユニツトＤで蝶棒及び箱棒に箱体が取付けられ
切断ユニツトＡでスペース部分を切断して最終製
品長さに仕上げられる。但しこの切断工程は製品
の長さに応じて前述のユニツトＢ，Ｃ，Ｄによる
工程の前後どの時点にきてもよい。尚、これらユ
ニツトＡ，Ｂ，Ｄの構成は前述した所望の作用を
発揮する周知の機構を用いることができる。

グリツパは第２図に示すように左右１対のもの
が各々第１グリツパ３及び第２グリツパ４として
設けられている。これら第１及び第２のグリツパ
の構成は同一であるので、以下の説明はグリツパ
３について述べるが、これはグリツパ４にも同様
に当てはまるものである。グリツパ３はスライド
フアスナ製造装置の長手方向に延在するガイドレ
ール５に沿つて摺動可能なスライドベース６と、
スライドベースに対し横方向に摺動可能なように
設けられたグリツパベース７と、グリツパベース
にピン１１により枢動可能に取付られた上下１対
のグリツプ片８とを有している。グリツプ片８は
圧縮ばね９によつて常に互いに開く方向の力を受
けているが、それらの後端に係合するくさびロツ
ド１２が第３図で見て右方に移動することにより
互いに閉じるようピン１１を中心に枢動する。く
さびロツド１２はグリツパベース７内に形成され
た流体シリンダ部１３内に摺動可能に収容された
ピストン１４に結合されており、シリンダ部１３
に供給される流体を制御することにより所望時に
グリツプ片を開閉でき、これによつてストリンガ
１の把持及び開放を行う。

グリツパベース７は引張りばね１５によつてス
トリンガ１に向う方向の力を受けているが、スラ
イドベース６に形成した流体シリンダ部１６に収
容されたピストン１７に、ピストンロツド１８及
び連結板１９を介して連結されることにより、所
望時に第１図で見て左に変位できるようになつて
いる。これによつて第１及び第２のグリツパ３，
４の間隔が、ストリンガ１，２を把持すべき初期
の位置においてそれらのテープ部のみを把持する
ように、またその後の各作業工程時にはストリン
ガがその作業に最も適する間隔となるように調節
できる。

スライドベース６は適宜な駆動装置により駆動
されるベルト２１にねじ２２によつて取付けられ
これによつて並列する２本のガイドレール５に沿
つて摺動するようになつている。

スライダ取付ユニツトＣはスライダ用のフイー
ダ２３（第１図）からシユート２４を介し送られ
てくるスライダ２５（第４図）を、ストリンガの
運動経路内に搬送する移送ホルダ２６と、該移送
ホルダとの間にスライダを保持する保持装置２７
とを有する。移送ホルダ２６の構成は第５Ａ図よ
り第５Ｃ図に示してあり、ここで２８はホルダ本
体でシユート２４からスライダ２５を受取る位置
（鎖線で示す）とスライダをストリンガの運動経
路に配置する位置（実線で示す）との間で摺動す
るようになつている。ホルダ本体２８にはそれに
対し移動可能にクランパホルダ２９が設けられて
おり、これはピストンロツド３１によつて第５Ａ
図で見て上下方向に駆動される。クランパホルダ
２９の下端には２つのクランパ３２がピン３３に
よつて枢着されまた引張りばね３４により互いに
引寄せられている。クランパ３２の間には固定ロ
ツド３６が設けられ、これは本体２８に固定され
ていて、クランパは固定ロツドに接することによ
り図示の位置に保持される。クランパ３２の下端
はシユート２４から送られてくるスライダ２５を
受入れる開口３５を形成する如き形状となつてい
る。第５Ａ図に鎖線で示す位置において開口３５
にスライダ２５を収容した後、移送ホルダ２６は
実線で示す位置に摺動し、ここで後述する保持装
置２７と固定ロツド３６との間にスライダが保持
された後ピストンロツド３１によつてクランパホ
ルダ２９が引上げられ、これによつてクランパ３
２は外方に摺動してスライダ２５から外れ、スラ
イダは固定ロツド３６と保持装置２７とによつて
のみ保持されるようになる。

第４Ａ図より第４Ｅ図は保持装置２７の詳細を
示すもので、図示のようにホルダケース３７を有
し、これは２つのストリンガの中央に位置決めさ
れている。ホルダケース３７には縦穴３８が形成
されていてこの中には２つの流体シリンダのピス
トンロツド４１，４２によつて独立して上下動す
るストツパブロツク４３と係止ブロツク４４とが
摺動可能に設けられている。これら２つのブロツ
クの間にはスライダ２５の引手４５を収容するス
リツト４６が形成されている。ストツパブロツク
の上部には、移送ホルダ２６の固定ロツド３６と
の間にスライダ２５をはさむ部分であるスライダ
載置面４７と、スライダのストリンガ進行方向へ
の運動を阻止する肩部４８と、ストリンガ１，２
の蝶棒及び箱棒の先端をそろえるためのストツパ
部４９が形成されている。

係止ブロツクは上方で二股に分岐して２本の指
状柱を形成し、両指状柱間の溝内にはスリツト４
６内に突出できる係止レバー５１がピン５２によ
り枢着されている。係止レバー５１は圧縮ばね５
３によつてその先端がスリツト４６内に突出する
よう力を受けているが、係止ブロツク４４の後面
に設けたソレノイド５４のロツド５５がソレノイ
ドの付勢によつて係止レバー５１の下端部に向い
突出しておりこれによつて係止レバーの先端はス
リツト４６から外れた位置に保たれる。係止ブロ
ツク４４はその上面５６が固定ロツド３６と共に
スライダ２５をはさむようになつている。

次に図示した実施例の作動について説明する。
棒金具取付ユニツトＢにおいて蝶棒及び箱棒を取
付けられたストリンガ１，２は第２図でＬで示す
ように大きく離間した状態でグリツパ３，４に把
持されてスライダ取付ユニツトＣに送られてくる
が、この取付ユニツトに到達するまでにスライド
ベース６の流体シリンダ部１６から流体を排出す
ることによつて、ばね１５の作用でグリツパベー
ス７を互いに近づく方向に変位させ、ストリンガ
１，２の間隔をスライダ２５への挿通に適したも
のにする。また、ストリンガの先端がスライダ取
付ユニツトＣに到達する以前に、第４Ａ図より第
４Ｃ図に示す工程によつてスライダ２５はストリ
ンガ１，２の運動経路内に保持されており、この
状態のスライダに第４Ｃ図から第４Ｅ図に示すよ
うにストリンガ１，２が挿通される。以下これら
工程を説明する。ここで以下に示すａ〜ｅは第４
Ａ図より第４Ｅ図にそれぞれ対応する。

(a) まずストツパブロツク４３が上昇せしめられ
た状態においてシユート２４からスライダ２５
を受取つた移送ホルダ２６が第５Ａ図で実線で
示す位置まで回動し、前述の如くクランパホル
ダ２９が上昇して、固定ロツド３６とストツパ
ブロツク４３のスライダ載置面４７とによつて
スライダ２５がはさまれて保持される。

(b) 次いで係止ブロツク４４がその上面５６がス
ライダ２５に接するまで上昇せしめられ、この
時点で形成されるスリツト４６内にスライダの
本体から下垂する引手４５が収容される。この
時点でスライダ２５は移送ホルダ２６とストツ
パブロツク４３と係止ブロツク４４の３者によ
つて保持される。

(c) ここでソレノイド５４が消勢されるとロツド
５５は引込み圧縮ばね５３の作用で係止レバー
５１の上端はスリツト４６内に突出し、スライ
ダ２５の引手４５に設けた開口（図示せず）に
係合しこれに下向きの力を加える。この力はス
ライダの保持をさらに確実にすると共に、スラ
イダ２５が自動ロツク式のもの即ち引手に力を
加えない限りロツク爪がスライダ内のフアスナ
エレメント間に嵌入しスライダをロツクする型
式のものの場合、引手を引張ることによりロツ
クを解放しスライダ内にストリンガを挿通させ
ることを可能にする。この状態で先端に蝶棒５
７及び箱棒５８を備えるストリンガ１，２がス
ライダ２５内に挿通された後これら棒金具の先
端がストツパ部４９に接することにより停止せ
しめられる。これによつて蝶棒５７及び箱棒５
８の相対位置が正確に規制される。

(d) 次にソレノイド５４の付勢により係止レバー
５１の上端部がスライダの引手４５から離れる
と共にストツパブロツク４３が下降せしめられ
これによつてスライダ２５は移送ホルダ２６と
係止ブロツク４４の上面５６のみによつてはさ
まれ保持されるようになる。次いで２つのスト
リンガ１，２の移送が同時に同速度で再開され
両ストリンガはスライダ内で適正に噛合しつつ
前方に送られる。

(e) フアスナエレメント列の後端に固着された上
止め具がスライダ２５の位置に到達すると、そ
れはスライダの肩口に係合しスライダを係止ブ
ロツク４４と移送ホルダ２６との間から強制的
に引外し、その後係止ブロツクは下降せしめら
れまた移送ホルダはスライダを受取る位置に摺
動せしめられ、次いでストツパブロツク４３が
上昇せしめられて再び第４Ａ図の状態となる。

上述の工程の間に箱体取付ユニツトＤにおい
て、箱棒に箱体が取付けられ、また前述のように
完成品のフアスナの長さに応じた任意の時点で切
断ユニツトＡにおけるストリンガの切断がなされ
スライドフアスナが完成する。

上述の如き構成により、本発明による開離嵌挿
具付スライドフアスナ製造装置は、２つのストリ
ンガがスライダに挿通された状態で組合わされか
つスライダが完全に引上げられた状態の完成品を
自動的に製造することが可能となつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による開離嵌挿具付スライドフ
アスナ製造装置の全体的構成を示す構成説明図；
第２図は第１図に示した装置のスライダ取付ユニ
ツトにおけるグリツパの平面図；第３図は第２図
に示したグリツパの一方の構造を示す断面図；第
４Ａ図より第４Ｅ図はスライダの保持装置の作動
をそれぞれ順に示す断面図；第５Ａ図はスライダ
用の移送ホルダの側面図；第５Ｂ図は移送ホルダ
の構造の詳細を示す部分図であり第５Ａ図の―
線に沿う断面図；第５Ｃ図は第５Ｂ図に類似す
る図であるが異つた動作位置で示す断面図であ
る。 １，２…ストリンガ、３，４…グリツパ、２５
…スライダ、２６…移送ホルダ、２７…保持装
置、４３…ストツパブロツク、４４…係止ブロツ
ク、４５…引手、４７…スライダをはさむ部分、
４８…肩部、４９…ストツパ部、５１…引手を引
張る係止レバー、５６…スライダをはさむ部分、
５７，５８…蝶棒、箱棒、Ｂ…棒金具取付ユニツ
ト、Ｃ…スライダ取付ユニツト、Ｄ…箱体取付ユ
ニツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フアスナエレメントの欠如したスペース部を
   有し該スペース部に隣接して上止め具を装着した
   １対のストリンガをグリツパにより並列状態で送
   りつつ蝶棒、箱棒、スライダ及び箱体の取付を行
   う開離嵌挿具付スライドフアスナの製造装置にお
   いて、 前記１対のストリンガは、ストリンガの芯部に
   蝶棒及び箱棒を取付ける棒金具取付ユニツトと、
   スライダ取付ユニツトと、箱体を箱棒に取付ける
   箱体取付ユニツトとを通るように送られまた前記
   スライダ取付ユニツトはスライダをその供給装置
   からストリンガの運動経路内に搬送する移送ホル
   ダと、該ホルダとの間にスライダを保持する保持
   装置とを有し、該保持装置は、移送ホルダとの間
   にスライダをはさむ部分とスライダのストリンガ
   移動方向への移動を阻止する肩部とを有したスト
   ツパブロツクと、移送ホルダとの間にスライダを
   はさむ部分を有した係止ブロツクとを有し、これ
   ら２つのブロツクはスライダへのストリンガの挿
   通時には共に移送ホルダとの間にスライダを保持
   する位置をとり、その後ストツパブロツクはスラ
   イダから離れるように駆動され、これによつて前
   記ストリンガの上止め具とスライダとの係合時に
   スライダが自動的に移送ホルダと係止ブロツクと
   の間から外れるように構成されていることを特徴
   とする開離嵌挿具付スライドフアスナの製造装
   置。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の装置において
   前記係止ブロツクは該ブロツクと移送ホルダとの
   間に収容されるスライダの引手を引張る装置を有
   していることを特徴とする開離嵌挿具付スライド
   フアスナの製造装置。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載の装置において
   前記ストツパブロツクは送られてくるストリンガ
   の蝶棒と箱棒の先端をそろえるストツパ部をさら
   に備えていることを特徴とする開離嵌挿具付スラ
   イドフアスナの製造装置。