JPS6333882Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案はフアクシミリ装置、あるいは複写機
等の記録紙として使用されるロール状記録紙の巻
ぐせ矯正装置に関する。

（従来の技術） 一般に、記録紙としてロール状記録紙を使用し
たフアクシミリ装置等では、ロール状記録紙を所
定長に切断してシート状の記録紙とし、この記録
紙をそのままの状態でトレイ上に排出させると、
ロール状記録紙固有の巻ぐせによつてトレイ上に
積載される記録紙の順序、あるいは積載状態が著
しく混乱する。そこで、従来では、記録紙搬送路
の途中に記録紙の巻ぐせ方向とは逆方向に曲がつ
たＵ字形状のペーパガイドからなる巻ぐせ矯正装
置を配設し、この巻ぐせを矯正装置によつて記録
紙の巻きぐせを矯正するようにしていた。ところ
が、このような矯正装置では、記録紙の巻ぐせが
ついた方向とは逆の方向に単に押し曲げる簡単な
操作のみで矯正を行つているため確実な巻ぐせの
矯正効果を得ることが出来ない問題点があつた。
なお、このような問題点を解決するため、従来で
は実開昭59−22251号公報に記載されているよう
に、ロール状記録紙の引出し時の回転方向と逆方
向に回転する記録紙の排出ローラと、このローラ
の周面に圧接しロール状記録紙より引出した記録
紙をそのロール時の湾曲方向と反対に湾曲させ
る、先端が前記ローラの外周の外径とほぼ等しい
円弧形状をなした下ガイドとを具え、前記排出ロ
ーラと下ガイドとの間に搬送されたロール状記録
紙にロール時の湾曲方向と逆方向の湾曲を与え、
かつその間でロール状記録紙を扱くことによつ
て、ロール状記録紙の巻ぐせ矯正の効果を向上さ
せるようにしたロール状記録紙の巻ぐせ矯正装置
が開示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで上述した実開昭59−22251号公報に記
載されたロール状記録紙の巻ぐせ矯正装置による
と、排出ローラに圧接する下ガイドの先端を排出
ローラ外周の外径とほぼ等しい円弧形状に形成し
た加工工程数の多い特殊な下ガイドを使用するた
め、巻ぐせ矯正装置が高価となつてしまう問題点
があり、また排出ローラ外周の外径とほぼ等しい
円弧形状に形成した下ガイドを使用するため、経
年変化によつて排出ローラの周面がすり減り、そ
の外径が小さくなると、下ガイドとの接触面積が
減少し、このため巻ぐせ矯正の効果が次第に低下
する問題点もあつた。

この考案は、上述した問題点に鑑み、安価でし
かも初期の巻ぐせ矯正の効果を可及的に維持する
ようにしたロール状記録紙の巻ぐせ矯正装置を提
供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段及び作用） 上述した問題点を解決するため、この考案では
記録紙の巻ぐせを反転する方向に記録紙を巻きか
掛ける小径の搬送ローラに、先端が直線状に形成
された２本の板バネを圧接させ、この２本の板バ
ネと搬送ローラとの間でロール状記録紙を扱きつ
つ搬送させるようにしている。

（実施例） 以下、この考案に係わる巻ぐせ矯正装置の一実
施例を詳述する。

第１図はこの考案に係わる巻ぐせ矯正装置１を
配置したフアクシミリ装置２の要部概念図であ
る。

このフアクシミリ装置２では、記録ヘツド３と
背面ローラ４とからなる記録装置部５によつて、
ロール状記録紙６に情報が記録されると、このロ
ール状記録紙６は揺動刃８とから固定刃８とから
なるオートカツター部９に搬送される。このオー
トカツター部９に搬送された記録紙６は、ここで
適宜な大きさに切断されてシート状の記録紙６′
となり、しかる後ペーパガイド１０及び巻ぐせ矯
正装置１からなる記録紙搬送路１１に送給され
る。また、この記録紙搬送路１１は、ロール状記
録紙６の順カール方向（矢印Ａ）（巻方向カール）
とは逆方向に曲がつて形成されており、この搬送
路１１に送給された記録紙６′は、最後に排出ロ
ーラ１２によつてトレイ１３上に排出される。な
お、オートカツター部９によつて切断されたロー
ル状記録紙６（第１図の一点鎖線で示す）の先端
６ａは、図示せぬ記録紙制御装置の制御信号によ
つて逆進し、再び実線で示すロール状記録紙６の
待機位置まで後退する。

ところで上述した巻ぐせ矯正装置１は第１図の
要部拡大図で示す第２図のように、小径の弾性体
からなる搬送ローラ２０と、この搬送ローラ２０
の周面２０ａに圧接した第１と第２の板バネ４
０，４１とから構成されている。なお、この第１
と第２の板バネ４０，４１の各先端部４０ａ，４
１ａは通常ありふれた板バネの如く直線形状に形
成されている。また前記第１と第２の板バネ４
０，４１の各先端部４０ａ，４１ａのうち、第１
の板バネ４０の先端部４０ａは、記録紙６′が前
記搬送ローラ２０に巻き掛けられた際に形成され
る記録紙の巻き掛け角θの始端Ｃに対応する前記
搬送ローラ２０の周面２０ａに圧接しており、第
２の板バネ４１の先端部４１ａは、前記巻き掛け
角θの終端Ｄに対応する前記搬送ローラ２０の周
面２０ａに圧接している。しがつて、記録紙６′
が搬送ローラ２０と第１及び第２の板バネ４０，
４１間に搬送されると、記録紙６′は第１及び第
２の板バネ４０，４１の各先端部４０ａ，４１ａ
によつて巻き掛け角θのほぼ全域に渡つて搬送ロ
ーラ２０の周面２０ａに圧接する。なお、上述し
た第１及び第２の板バネ４０，４１の基部は取付
ネジ３０によつてフアクシミリ装置２を構成する
図示せぬ筐体の一部３１に締結されている。

上述した矯正装置１によると、搬送ローラ２０
と第１及び第２の板バネ４０，４１との間に搬送
された記録紙６′は、第１図に示すロール状記録
紙６の順カール方向（矢印Ａ）、即ち巻ぐせがつ
いた方向とは逆方向（矢印Ｂ、第２図）に曲げら
れるとともに、記録紙６′は巻き掛け角θの始端
Ｃと終端Ｄとで押圧され、かつ搬送ローラ２０の
回転によつて前記巻き掛け角θの間で扱かれ、確
実に巻ぐせが矯正されることとなる。また、先端
直線形状に形成された第１及び第２の板バネ４
０，４１がそれぞれ排出ローラ２０の周面２０ａ
に圧接しているので、この排出ローラ２０の周面
２０ａが経年変化によりすり減り、その外径が小
さくなつても、排出ローラ２０の周面２０ａと第
１及び第２の板バネ４０，４１との接触面積は減
少することはない。

［考案の効果］ この考案では、ロール状記録紙の巻ぐせ矯正装
置を、小径のローラに圧接する、先端が直線形状
の通常ありふれた片凡な２本の板バネにより構成
したため、従来のごとく先端を円弧形状に形成し
た特殊な下ガイドを使用するものに較べて製造工
程が簡単となりるので、巻ぐせ矯正装置を安価に
提供することが出来る。また、小径のローラの周
面が経年変化によりすり減り、その外径が小さく
なつた場合であつても、小径のローラと２本の板
バネとの接触面積が減少しないので、巻ぐせ矯正
の効果が次第に低下することはなく、このため長
期に渡り安定した初期の巻ぐせ矯正の効果が維持
される巻ぐせ矯正装置を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の巻ぐせ矯正装置の一実施例を
適用したフアクシミリ装置の要部概念図、第２図
は第１図の巻ぐせ矯正装置を示す要部拡大図であ
る。 １……矯正装置、６……ロール状記録紙、６′
……記録紙、２０……搬送ローラ、２０ａ……周
面、４０……第１の板バネ、４１……第２の板バ
ネ、４０ａ，４１ａ……先端、θ……巻き掛け
角、Ｃ……始端、Ｄ……終端。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ロール状記録紙と記録済みの記録紙を収容する
   トレイとの間の記録紙搬送路に配置され、記録紙
   の巻ぐせを反転する方向に記録紙を巻きか掛ける
   小径の搬送ローラと、 前記記録紙が前記該搬送ローラに巻き掛けられ
   た際に形成される記録紙の巻き掛け角の始端に対
   応する前記搬送ローラの周面に、直線形状の先端
   部が圧接するように配置された第１の板バネと、 前記記録紙の巻き掛け角の終端に対応する前記
   搬送ローラの周面に、直線形状の先端部が圧接す
   るように配置された第２の板バネと、 を具えたことを特徴とするロール状記録紙の巻
   ぐせ矯正装置。