JPS6333794Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はたとえば複写機に備えられるトナー転
写用シリンダなどの筒状物を包装する包装箱に備
えられる筒状物の保持枠に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

複写機のトナー転写用シリンダはその表面に傷
付き易すい感光層を形成しているため、その輸送
に際してはたとえば第１図あるいは第２図に示す
ように包装箱１，２内に収納されて輸送される
が、この輸送時におけるがたつきを防止するた
め、包装箱１，２内において保持部材により固定
保持されるようになつている。

すなわち、第１図に示すものは、包装箱１内の
上、下部に固定用の発泡スチロール３，４を備
え、その板面に突設した円筒状の突起部３ａ，４
ａをシリンダ５の上下端開口部内に嵌合させてこ
れを保持するようになつている。

また、第２図に示すものは、シリンダを複数個
収納する大形の包装箱２内の上、下部に固定用の
プラスチツクシート６，７を備え、その板面に突
出成形された複数個の突起部６ａ…，７ａ…をそ
れぞれ複数個のシリンダの上下端開口部内に嵌合
させてこれを保持するようになつている。

しかしながら、、上述した第１図および第２図
に示すものは包装箱内における固定用部材として
発泡スチロール３，４やプラスチツクシート６，
７などを用いるものであるため、その製造が面倒
であるとともに型代も高価なものとなり極めて不
経済なものとなつていた。また、組立前の保存ス
ペースも大きく必要とされスペースを有効利用で
きない不都合があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは、成形が容易であるとと
もに高価な型式を必要とせず、しかも組立前の保
存スペースを小とする筒状物の保持枠を提供しよ
うとするものである。

〔考案の概要〕

本考案は一枚の紙製のシート状基材から第１お
よび第２の枠体を切断成形し、これら第１および
第２の枠体にそれぞれ起立片を複数個成形し、こ
れら起立片を組合せることにより、複数個の十字
状の保持用起立体を構成し、これら保持用起立体
により筒状物を固定保持するものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を第３図乃至第５図に
もとづいて説明する。図中１１は包装箱としての
段ボール箱で、この段ボール箱１１内には円筒物
としてたとえば複写機の部品であるトナー転写用
のシリンダ１２…が複数個収納されて包装される
ようになつている。前記シリンダ１２…は保持枠
１３（一個のみ図示する）によりその上下端部が
段ボール箱１１内で固定保持されそのがたつきを
防止するようになつている。前記保持枠１３は第
４図に示すような一枚の紙製の基材としての段ボ
ールシート１４を組立て構成される。前記段ボー
ルシート１４は、そのシート面に長手方向に沿つ
て連続する凹凸状の切断線１５，１５を並列に２
本有し、これら切断線１５，１５によつて区分さ
れる中間部が第１の枠体１６、両側部が第２の枠
体１７，１７とされている。また、上記第１の枠
体１６の両側部には上記切断線１５，１５によつ
て構成される突出部１８が複数個形成されてい
る。前記突出部１８…にはその突出方向に沿つて
スリツト１９がそれぞれ形成されている。一方、
上記第２の枠体１７，１７には破線で示すように
その長手方向に沿つて折曲線２０がそれぞれ形成
されているとともにその一側部にはそれぞれ前記
第１の枠体１６の突出部１８…と隣接する複数の
突出部２１…がそれぞれ形成されている。また、
上記第２の枠体１７，１７にはその折曲線２０と
直交する方向に沿つて切断線２２…が所定間隔を
存して形成され、これら切断線２２…によつて区
分される部分にはスリツト２３，２３がそれぞれ
穿設されている。

つぎに、上記保持枠１３の組立方法について説
明する。まず、第１の枠体１６と第２の枠体１
７，１７とを切断線１５，１５に沿つて切断して
分離したのち、第１の枠体１６の突出部１８…を
それぞれ直角に折曲して第５図に示すように互い
に対向する複数対の起立片２４…を構成する。つ
ぎに、第２の枠体１７，１７をその切断線２２…
に沿つて切断して６個の分割片２５…を形成し、
しかるのち、これら分割片２５…をその折曲線に
沿つて直角に折曲して突出部２１…を起立させて
それぞれ一対の起立片２６，２６を構成する。つ
ぎに、分割片２５…をそれぞれ第１の枠体１６の
対向する起立片２４，２４間に架け渡し、スリツ
ト２３，２３内に第１の枠体１６の起立片２４，
２４をそれぞれ挿通させるとともにそのスリツト
１９，１９を嵌合させて第３図に示すように複数
個の十字状の保持用起立体２７を構成して組立を
終了する。このように組立を終了したのちは保持
枠１３を包装箱１１の内底部に保持用起立体２７
…を上向きにして収納し、ついで、シリンダ１２
を収納してその下端開口部を保持用起立体２７に
嵌合させてその下部側を固定保持する。以後順
次、同様にしてシリンダ１２を収納してその下部
側を固定保持する。そして、このように複数個の
シリンダ１２の下部側を保持したのちは上述した
と同様にして構成した保持枠１３をその保持用起
立体２６…を下向きにして収納し、保持用起立体
２６…をシリンダ１２の上端開口部内にそれぞれ
嵌合させてその上部側を固定保持する。しかるの
ち包装箱１１を封函して包装を完了する。

なお、上記一実施例においては筒状物としてシ
リンダ１２を用いたが、これに限られることな
く、コツプ類などの筒状物を保持するようにして
もよいことは勿論である。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように、一枚の紙製のシ
ート状基材を成形材として用いるものであるか
ら、従来のように発泡スチロールやプラスチツク
シートを用いる場合と比較し材料費が安価である
とともに高価な型代を必要とすることもない。ま
た、シート状基材を単に切断するだけで、保持枠
材を成形できるため、製作作業が極めて容易であ
る。また、組立前においては、シート状をなすた
め、その保存スペースも少なくて済みスペースの
有効利用を計ることができるという効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例を示す斜視図、第
３図乃至第５図は本考案の一実施例を示すもの
で、第３図は筒状物の保持枠を示す斜視図、第４
図はその展開図、第５図はその組立時を示す説明
図である。 １４……シート状基材、１６……第１の枠体、
１５，１５……第２の枠体、２４…，…起立片、
１９…，…スリツト、２６…，…起立片、２３
…，…スリツト、２７…，…保持用起立体、１２
……筒状物（シリンダ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一枚の紙製のシート状基材から切断成形され、
   両側部に所定間隔を存して対向する複数対の突出
   部を有しこれら突出部にそれぞれスリツトを形成
   した第１の枠体と、前記シート状基材から切断成
   形され、一側部に所定間隔を存して一対の突出部
   を有するとともにスリツトを形成した複数個の第
   ２の枠体とを具備し、前記第１の枠体の両側部の
   突出部をそれぞれ起立させて互いに対向する起立
   片とし、前記第２の枠体の突出部をそれぞれ起立
   させて起立片とし、前記第１の枠体の一対の起立
   片と前記第２の枠体の一対の起立片とをそれぞれ
   スリツト同志を嵌合させて組合わせることにより
   複数個の十字状の保持用起立体を構成し、これら
   保持用起立体に筒状物の開口部を嵌合させてこれ
   を保持することを特徴とする筒状物の保持枠。