JPS633376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、吸気通路にターボ過給機を設けてな
るターボ過給機付エンジンに関するものである。

（従来技術） 吸気通路に過給機を備えるとともに、排気通路
に２次エアを供給する２次エア供給通路を設けた
過給機付エンジンは公知である（特開昭56−
18024号公報参照）。このような過給機付エンジン
では、減速運転時においては過給機の下流に配設
されたスロツトル弁は閉じていることにより、こ
の減速運転から加速運転に移行した際に、ターボ
過給機の回転上昇が遅れて応答性が低いという問
題がある。

すなわち、減速運転時にターボ過給機下流の吸
気通路が閉じていると、ターボ過給機の慣性回転
に伴つて上昇した背圧によりターボ過給機は抵抗
（負荷）を受けるため、回転が低下しているもの
であり、この状態からの回転上昇には時間がかか
り、その分だけ応答性が遅れることになり、加速
開始時における出力上昇が遅れて運転性に悪影響
を与えるものである。

（考案の目的） 本考案は上記事情に鑑み、減速運転時にはター
ボ過給機による加圧エアを２次エアとして使用
し、ターボ過給機の背圧上昇による負荷を軽減
し、減速運転時においてもターボ過給機の回転数
を維持し、加速運転に移行する過給開始時の応答
性を向上したターボ過給機付エンジンを提供せん
とするのである。

（考案の構成） 本考案のターボ過給機付エンジンは、ターボ過
給機とスロツトル弁との間の吸気通路と２次エア
供給通路とを連通する連通路を設けるとともに、
減速運転時にこの連通路を開く開閉弁を設けてな
り、減速運転時においてはターボ過給機を経た加
圧エアを２次エアとして排気通路に供給するよう
にして、ターボ過給機の背圧の上昇を抑制するこ
とを特徴とするものである。

（考案の効果） 減速運転時においてターボ過給機下流の吸気通
路が閉じているときには、ターボ過給機による加
圧エアが連通路を介して２次エア供給通路に流れ
ることにより、ターボ過給機の負荷が軽減されて
回転数が高くなり過給開始時の加速応答性が向上
する。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例を説明する。
図において、Ｅはピストン１の往復動でクランク
軸２を回転させるようにしたレシプロエンジン、
３は吸気弁４により吸気行程において燃焼室５に
対して開かれる吸気ポート、６は排気弁７により
排気行程において開かれる排気ポートを示す。

また、８はエアクリーナ、９はエアクリーナ８
に接続し上記吸気ポート３に連通する吸気通路、
１０は吸気通路９を通過する空気の流量を検出す
るエアフローメータ、１１は該吸気通路９に設け
られたターボ過給機を示す。上記吸気通路９には
ターボ過給機１１下流にエンジンの負荷に応じて
開閉されるスロツトル弁１２が介装されるととも
に、エアフローメータ１０の検出信号に応じて制
御手段Ａにより制御される燃料噴射ノズル１３が
配設されている。

一方、１４は上記排気ポート６に連通する排気
通路、１５は排気通路１４に介装された触媒より
なる排気ガス浄化装置、１６は排気通路１４に排
気脈動により２次エアを供給する２次エア供給通
路を示し、２次エア供給通路１６は一端がエアク
リーナ８のクリーンサイドに開口し、他端が上記
排気ガス浄化装置１５上流の排気通路１４に連通
し、途中にリードバルブ１７を備えている。

さらに、１８は上記ターボ過給機１１下流でス
ロツトル弁１２の上流の吸気通路９と２次エア供
給通路１６とを連通する連通路を示し、この連通
路１８と２次エア供給通路１６との連通部には開
閉弁１９（切換弁）が設けられ、該開閉弁１９は
減速運転時の開作動状態で連通路１８を開いて下
流側の２次エア供給通路１６に連通し、上流側の
２次エア供給通路１６を閉じるものであり、その
閉作動状態では連通路１８を閉じて２次エア供給
通路１６の上流側と下流側とを連通するものであ
る。

上記開閉弁１９の作動は上記制御手段Ａによつ
て制御され、減速運転時においては開閉弁１９が
開作動して連通路１８を下流側の２次エア供給通
路１６に連通し上流側の２次エア供給通路１６を
閉じるとともに、燃料噴射ノズル１３からの燃料
噴射を停止するように作動するものであり、制御
手段Ａにはスロツトル弁１２の開度からエンジン
負荷を検出する負荷検出手段２０からの検出信
号、およびエンジン回転数を検出する回転数検出
手段２１からの検出信号が入力され、制御手段Ａ
は両信号から減速運転域を検出し、開閉弁１９お
よび燃料噴射ノズル１３に作動信号を出力するよ
う構成されている。

上記の構成において次にその作用を説明する。
エンジンＥの減速運転時においては、開閉弁１９
の開作動により連通路１８と２次エア供給通路１
６を連通することにより、ターボ過給機１１によ
る加圧エアは連通路１８を通つて２次エア供給通
路１６から排気通路１４に２次エアとして供給さ
れる。これにより、ターボ過給機１１下流の吸気
通路９の圧力上昇が抑制され、ターボ過給機１１
の負荷の軽減により回転数が高く維持され、加速
運転に移行したときの過給応答性が向上する。ま
た、減速運転時には吸気管に付着した燃料が吸入
され、排気ガス中の未燃焼成分が増大して２次エ
アの要求量も増えるが、上記のように吸気通路９
から２次エア供給通路１６には十分な空気量が供
給されるため上記要求を満足させることができ
る。

一方、エンジン負荷が増大した過給域において
は、開閉弁１９は連通路１８を閉じ、吸気通路９
からターボ過給機１１によつて加圧された過給機
を燃焼室５に供給して出力の向上を応答性よく行
う。

なお、上記実施例では、開閉弁１９は連通路１
８を開く際に、開閉弁１９上流の２次エア供給通
路１６を閉じて連通路１８を通る２次エアの量が
多くなるようにし、ターボ過給機１１の回転を高
く維持するようにしているが、この開閉弁１９は
単に連通路１８を開閉するようにしたものでもよ
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例にかかる過給機付エン
ジンの全体概略説明図である。 ３……吸気ポート、５……燃焼室、６……排気
ポート、９……吸気通路、１１……ターボ過給
機、１２……スロツトル弁、１４……排気通路、
１６……２次エア供給通路、１８……連通路、１
９……開閉弁、Ａ……制御手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スロツトル弁上流の吸気通路にターボ過給機を
   有するとともに、排気通路に２次エアを供給する
   ２次エア供給通路を備えたターボ過給機付エンジ
   ンにおいて、ターボ過給機とスロツトル弁との間
   の吸気通路と２次エア供給通路とを連通する連通
   路を設け、さらに、該連通路を減速運転時に開く
   開閉弁を設けたことを特徴とするターボ過給機付
   エンジン。